8月13日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.08/12 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.60~大村亘~】

 ぼくくらいのジャズ爺(と言っても気だけは若いつもりだが…)になってしまうと、どうも若いミュージシャンを聞く機会が少なくなってしまう。いけないこととは思うが、どうも体と気持ちがついていかないのだ。
 そんな折、やはり月に一度は30歳代半ば迄の若いミュージシャンを呼んで、色々話を聞こうと思った。最近リーダー作を出した若いピアニストの佐藤浩一君がスタジオに自身のアルバムを持ってきた時、ドラムのなんとも日本人離れしたその乾いた響きに大変興味を引かれ、そのドラマーの名前を聞くと大村亘(おおむら こう)君だという。
 今出ている雑誌“スイッチ”がジャズ特集で、若い人達が集まって“ジャズは地味な音楽で大衆受けしない”と異口同音に語っており、その未来にあまり期待しないような感じ、と言うようなことも気になっていたのだが…。こんな若いプレーヤーたちの意見を聞いた後で大村君のドラムを聴き、彼はどんな風に思っているのか興味があったので、佐藤君に言ってスタジオに連れてきてもらったのだった。
 
 大村君は今29才。この6月に初リーダー作『イントロスペクト』を出したばかりで、これがなかなかに優れたアルバムだった。知らなかったのだが、彼はアメリカとオーストラリアが長く、物心ついて日本にいたのは僅か2年余りで、大学もオーストラリアだと言う。最初彼のドラムを日本人離れしたシャープさと感じたのも正解だったのだ。
 『イントロスペクト』とは“内省”という意味合いで、“育った環境が日本ではないために芽生えた特異な感覚”をこう表現したようだ。乾いた叙情とも言える不思議な蠱惑(こわく)の世界がここにはある。彼自身はジャズの未来に絶望していないし期待もしていると言うが、こうした人材が続々と登場してきれば明るさも広がるだろう。勉強不足だったが、彼はぼくの大学時代からの友人、ベーシストのチンさん(鈴木良雄)が若い人とやっているバンド、”ゼネレーション・ギャップ”の一員でもあると言う。さすがチンさん、眼の付け所がイイ。大村君の推薦で同じ仲間の若手ピアニスト、石田衛君が登場することになっている(9月中オンエアー予定)。その前に肝心の大村君の出演は、8月13日の番組で。乞うご期待。      


8月6日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.08/05 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.59~訃報をふたつ~】

 ジャズに長い歴史を持って関係していると、様々な名手達の訃報に接することも多いが、今回は直接ジャズ関係者の訃報ではない。一つは、ニュースでも大きく取り上げられた名優にして怪優の原田芳雄。ぼく自身は彼にインタビューしたのはたった一回だけ。“日活映画特番”の時のことで、裏に住んでいた松田雄作も呼び込んでくれての、愉しくも恐ろしいインタビューだったが、どうにか無事終了した。ただし伝説のバー、四谷の“ホワイト”では、何回か出くわしたことがあった。男が惚れる男と言った感じで、ハードボイリッシュで実に格好良かった。原田芳雄さんはブルース・シンガーとしても実に素晴らしいシンガーだった。彼のアルバムのバックには有名ジャズ・ミュージシャンも参加しており、ディレクターは大学の後輩で“サザン・オールスターズ”のプロデューサーでも知られるT君。30年ほど前、そのレコーディングも見させてもらったが,実に素晴らしい感動もののレコーディングだった。また葬儀での、盟友・石橋蓮司の弔辞も素晴らしいものだった。なんとも惜しい、合掌!
 
 そしてもう一人は音楽評論家の中村とうよう。彼は自宅のマンションから飛び降り自殺だったと言う。もう80才になろうと言うのに、なんとも痛ましいことだ。京大出身で銀行に数年勤め、その後評論の世界に入った人だが、元々はジャズのライターだったと聞く。以降ジャズは終わったと宣言、ロックに転向、あの雑誌“ミュージック・マガジン(MM)”を立ち上げ、ここ20年ほどはもっぱら“ワールド・ミュージック”の伝道師と言った趣きだったが、自死を選んでしまうとは…。そしてなにより驚いたのは、彼が住んでいたのがぼくの自宅から歩いても20分ほどの、立川市だったと言うこと。少し前までは都心のマンションのはずだったが、最近引っ越したらしい。こんな近くにいてしかも無残な結末になってしまうとは…。直接ぼくとは余り関わりは無かったが、4半世紀ほど前、あるアフリカン・ミュージシャンの招へいに、ラジオ局も力を貸してくれないか…と頼まれ、少し手伝ったことが忘れられない。“ラジオ・タンパ”はそんな興行の後援などはまず駄目で、力になれなかったが、どうにかイベントは実現出来た。気難しい人だったが、気骨のある音楽ジャーナリストではあった。ただ晩年はいささか権威主義に陥ってしまったのは残念なところだ。また合掌!


7月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.07/29 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.58~岡本アイランド~】

 東京在住だとどうしても東京、横浜といった首都圏のジャズ情報しか分からなくなってしまうが、返って地方の方が(ジャズが)熱いといったこともあるようで、特に関西圏の熱心さは群を抜いており、東京などより面白い動きも見られるようだ。そんな象徴が古都、京都。ここには今でも結構な数のジャズ喫茶が長い間続いていたりするのだが、その中心はライブ・ハウス“ラグ”。かなり大きなライブ・ハウスだが、関西圏のミュージシャンが連日出演、東京からも有名ミュージシャンが来京、ステージに登場している。そしてなによりここの凄いことは、自身のジャズ・レーベル“ラグ”レーベルを持っていること。背景には、東京中心だと関西圏のミュージシャンはアルバムを作りにくいことを考え、ジャズ・レーベルを立ち上げたわけだが、ここからは女性ギタリストの安達久美を筆頭に、何人かのスターも誕生している。その一人が同じギタリストの岡本博文

 その彼が新作『ユー・アー・マイ・サンシャイン』を携え、京都からやってきてくれた。アルバムは彼のバンド名“オカモト・アイランド”名義のもので、そのバンド名どおりの心地良いアイランド=リゾート・ミュージックが聴かれる。バンドは彼のギターをメインにしたカルテットで、“モンタ・バンド”でお馴染みのドラマー、マーティー・ブレイシーも加わっており、ゲストには日本を代表するR&Bシンガーの桑名晴子も、顔を出すといった豪華さ。この面子で明るく軽快なフュージョン・タッチのジャズ・サウンドを展開、ブラジルからラテン、更にはあの名曲“椰子の実”までを取り上げており、その快適度はすこぶる高い。自身もサーファーで、関西の海岸でサーフィン三昧と言うだけあって、リゾートに何が合うかを熟知している。暑い夏にはぴったりの彼の音楽とトーク。7月30日の放送をぜひお楽しみに。


ギタリスト岡本博文氏(左)が今回の番組ゲスト。


7月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.07/22 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.57~郭公のセレナーデ~】

 ぼくの住んでいる国立市は、一橋大学に象徴されるように、文教都市として知られ、緑の多い住みよい街でもある。そんな街だけに朝方などは鳥の鳴き声も多く、我が家のバカ犬との散歩の愉しみの一つが、鳥達の鳴き声を聴くことにもある。そんな中でもこの初夏、6月から7月にかけて、毎年楽しみにしているのが郭公の鳴き声である。

 毎年一羽だけ、言うなれば“はぐれ郭公”がいて、これが朝方けたたましく“カッコウ、カッコウ…”と鳴くのである。恐らく異性を求めての鳴きなのだろうが、隣の中学校のアンテナの上や大きな山桜の木もてっぺんなど、声が大きいので姿も直ぐに見分けが付く。他の鳥の場合は、特にこれが何の鳥かなど気にならないし、その鳥が鳴き始める時期も無関心なのだが、この“はぐれ郭公”だけは何故かその存在が気になり、その声を聴かないとどうしたのか気になってしまうのだ。まずはその鳴き声の大きさ、そしてたった一羽、孤独にさえずり続けるところが、なんとも気になり、今年もまた頑張っているなー、などと励ましの声を掛けたくなってしまうから不思議なものである。
 
 そしてこの“はぐれ郭公”の鳴き声を聴くといつも一人のジャズ・メンのことを思い出してしまう。奇才にして鬼才、盲目のサックス吹き、故ローランド・カークである。彼は自身で改良したサックス(マンゼロやストリッチなど)を一度に同時に吹く、世界でも類の無い多重奏法を確立した天才なのだが、盲目の上いっぺんに3本も楽器を扱う驚異的プレーヤーだけに、デビュー時にはその外見から“グロテスク・ジャズ”などと言う、甚だかんばしくない名前も付けられたこともあった。しかし彼のジャズはその外見とは裏腹に、実にピュアで美しいものだった。そんな彼がフルートで美しく描き出したのが郭公の鳴く姿。“セレナーデ、トゥ・カッコウ”と題されたそのジャズ・ナンバーは、数あるジャズ・オリジナルの中でも最も愉しく美しいナンバーの一つでもある。朝、散歩途中に”はぐれ郭公”の声を聴くと、あのカークの名旋律が浮かんできて、何故か一人でハミングしてしまうのです。


7月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.07/15 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.56~90マイル~】

 このコラムでも何回か記した台湾関連特番と国立音大のジャズ特番など、2ヶ月余りで特番5本を制作する羽目になり(そんな無茶な設定する本人が悪いのだが…)、ジャズを聴くどころではない数週間。幸いなことに国立音大のジャズ特番は学内関係者に大好評とも聞くが、体と心は編集作業などでズタボロ状態。
 そんなこんなで、ここは一つ大好きな“ラテン・ジャズ”から元気を貰わないと、と思っていたら格好のアルバムが送られてきた。『90マイル』とタイトルされてこのアルバム、メンバーを見てこれはと思わされた。
 まずはこのタイトルだが、これが何を意味しているのかが直ぐに分かる方がいたら、キューバ情勢に通じたまさにフリークの方だ。この90マイル=145kmは、近くて本当に遠いキューバとアメリカの直線距離を表しているのだそうだ。当然ぼくは知らなかったのだが、かなり近いと言う実感はある。そんな近くて遠い距離をものともせず、様々な障害を乗り越えキューバに渡った3人のアメリカの素晴らしいジャズメン。ステファン・ハリス(vib)、ダヴィッド・サンチェス(ts)、クリスチャン・スコット(tp)。アメリカのジャズ・シーンを担うこの精鋭達は、キューバの若手たちとの競演を熱望し、2010年の5月に、そんな夢を1枚のアルバムに結実させたのだった。彼らを迎え撃つキューバの面々も、若手ナンバーワンのハロルド・ロペス・ヌッサ(p)など精鋭揃い。ピアノやドラムなどリズム隊が多いが、そのどれもが素晴らしい。全員が競演・共演し饗宴する喜びに溢れており、なんとも気持ちの良い出来栄えになっている。やはり”ラテン・ジャズ”はこの熱さが無くてはと思わせる。ここ2週間余りの疲れも大分癒され、活力を貰った感じがする。やはりジャズはいいですよね。本当に…。


ベーシスト鈴木良雄氏(左)とギタリスト増尾良秋氏(右)が7月16日の番組ゲスト


7月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.07/08 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.55~スペインからの美女登場~】

 今は物が売れない時代と言われるが、その中でも目立って不振なのがレコード業界。かつては100万枚を越すアルバムも幾つかあったが、最近はあの“AKB48”位で、業界関係者が集まっても暗い話ばかり…。ジャズの世界も当然それに準じており、本当に売れ無いようだ。

 そんな仲にあって比較的安定しているのは、ピアノ・トリオと女性ボーカル陣。それだけにアルバムが出るのも、この2つになってしまい、必然的にこの関係がゲストに来ることも多い。6月から7月にかけては御大マーサさんをはじめ、4人ばかりボーカリストが並んだが、その殆どは自身からの売り込み。そんな中で少し変わっているのは、スペインからの美女ボーカリスト。名前はカルメン・クエスタ
 いかにもスペイン系の名前(芸名か…)だが、今はアメリカ西海岸在住で、年令も決して若くは無い。そんな彼女がジャズ、と言うよりもボサノバ・シンガーだが、なぜプロとしてやっていくことになったかと言うと、彼女が結婚した相手が、アメリカ・フュージョン・ジャズ・シーンでは最も有名な一人、チャック・ローブだったことによる。若い頃はスペインで唄っていた彼女も、ローブと結婚し、子供が出来てからは育児に専念、歌の世界から離れていたのだが、彼女の鼻歌を聞いた関係者からの勧め、それにだんなのローブが後押しし、再デビューとなったと聞く。それだけにその素人ぽさも彼女の魅力のようだが、新作『私のボサノバ』は、カルロス・ジョビンの曲を彼女なりに唄った和みの1枚。彼女の気持ちよいボッサと親しみ易いトークは、7月9日にオン・エアーする予定。旦那のチャック・ローブも今回も一緒に来日、メッセージをいただいたので期待してくださいね。  


7月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.07/01 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.54~大御所登場~】

 どの分野でもそうだが、J-ジャズでもいわゆる大御所はいる。台湾では“爵士帝王”と呼ばれるサダオさんこと渡辺貞夫がその代表格だが、そのサダオさんも頭が上がらないのが、日米を頻繁に行き来しているゴッド・マザー、秋吉敏子。この2人に伍す人と言えば、秋吉さんより少し年下で、同じ中国東北部(旧満州)出身の、ボーカル界のリーダー、マーサ三宅と言うことになるだろう。

 そのマーサさんが恐らく生涯のラスト・アルバム『マーサ』をこの5月末に発表、そのアルバムを携えスタジオにやって来た。彼女とは因縁浅からぬ仲で、彼女の8年振りとなった2年前の前作『ソフトリー・アズ・アイ・リーブ・ユー』は、実はぼくがスーパーバイザー(=プロデューサー)を担当したもの。このアルバムは評論家の集まりである“ミュージック・ペンクラブ”のジャズ年間最優秀賞作品に輝いた、かなりの名盤なのだが、もとはと言えば彼女にインタビューした後の雑談から生まれたもの。

 彼女から“最近新しい作品を出していないので、ここらで是非出したいものね…“と、相談をもちかけられ、直ぐに安請け合いをしてしまう僕が「それならどこかレコード会社を探しましょう」と請合ってしまったのだった。それから何社かのレコード会社ジャズ担当に声を掛け,ようやく決まってレコーディングにたどり着いたときは本当にホッとしたものだった。そのアルバムが賞を獲ったのだから、やはり嬉しかったし、日頃から何かと良くしてくれるマーサさんも大感激。恐らく(当時の)ラスト・アルバムという心意気がこの結果に繋がったのだと思う。しかしその後、またレコーディングの話が来て、今回のアルバム『マーサ』になった訳だが、おそらく世界でも最高齢の現役ジャズ・シンガーだけにどんどんアルバムを出し続けてもらいたいもの。スタジオにきた際に「もっとアルバムを出し続けて欲しい」と、ハッパをかけた。などと書くといかにも偉そうだが、彼女に会うと本当は殆ど何も言えないぼくなのです。このマーサさんの放送は7月2日にオンエアーを予定しています。         


”大御所”マーサ三宅さん(左)と山本アナ


6月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.06/24 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.53~台湾ジャズ事情~】

 先週に引き続き台湾取材報告。台湾の特番取材を始めて12年。自身の加齢現象もあるのだが、今回は最も厳しく辛い取材だった。何せ3本の特番を10日余りで録り、その上ほとんどアポも取れていないと言うのだから…。パーソナリティーの一青妙さんも驚いていたが、担当者としては本当にビクビクものだった。そんな事情だけに、今回も山下洋輔さんに頼まれた、台北“ブルーノート”のマスターへの挨拶も出来なかった。

 台湾ではジャズは“爵士”と書く。公爵のような由緒ある音楽、と言った意味かは、しかとしないが夏には台北の数箇所でジャズ・フェスも開かれ、ロイ・ハーグローブなどの有名ミュージシャンも、登場するようなことが、チラシに書かれていた。ジャズメンの呼び名も、渡辺貞夫さんが帝王。これだけ見るとあのマイルス・デイビスの様だが、確かにJ-ジャズの帝王に違いない。山下さんは爆弾小僧。“俺60才超えても小僧だぜ”と嘆いていたが、如何にも彼らしく若々しく元気ていいではないか…。 

 ジャズ・クラブも”ブルー・ノート”(勝手に名前を拝借しているらしい…)を始め幾つかあり、殆どが台湾大学(台湾の東大)の近くの、学生街の中にある。CDショップは以前も行った、誠品書店本店の地下のショップが抜群。今回も取材を兼ねてここに立ち寄ったが、まだまだCD健在だったのは嬉しかった。“ECM”“DREFISU”などインディペンデントの大所レーベルも充実しており、なにより日本の“沢野商会”のアルバムばかり集めた1コーナーが設置されているのにはびっくりした。それにしてもこの秋の取材ではもう少し余裕を持って、ジャズ・クラブ巡りでもしたいものである。台湾のジャズも頑張っているようなのだから…。


6月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.06/17 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.52~台湾取材~】

 台湾の取材が10日余りあり、先日台北から戻ってきた。これまでは台湾代表処(台湾の大使館にあたる)の特番だけだったが、今回は台湾の文化庁の特番2本分(7月と10月放送)も同時に取材、信じがたいほどの強行軍。こちらの進行役は、女優で歯医者の一青妙さん。人気シンガーの一青窈の姉で、この姉妹は台湾と日本のハーフ。父方は台湾を代表する5大名家の一つと言う名門。その彼女を連れて台北の街を東奔西走。台湾文化の今を伝えようと言う意欲的な企画なのだが、何せ事前にコンタクトが取れているのは一人と演劇団ひとつだけ。現地に行きその場でアポを取ったり、人づてに紹介してもらったりして、どうにか2回分の音を確保したが、世界的なダンサーの林懐民や彫刻家の朱銘、本国にいないのでこの秋にも再度アプローチすることになりそう。
 
 いやはや困ったものである。哀しいことに取材費がないので、2回も足を運べないのである。ただぼくが敬愛する、アジア圏最高の版画家・廖修平(リョウ・シュウピン)にアトリエでインタビューできたのは最高の喜びだった。彼は日本に留学した経験もあり、筑波大でも教えていたので、日本語はペラペラ。”シンボル・オブ・ライフ“と言う最近の一連のシリーズは、台湾の生活用品を織り込んだ伝統的な中にモダンなセンスが感じられる素晴らしいもの。それに赤、黒、金の3色をメインにした色彩感覚も圧巻で、なぜ日本でいまひとつ人気が出ないのか不思議な気がする。それほど掛け値なしに素晴らしいし人柄も素敵だ。文化、芸術家と言うととかく気難しい人も多いが、彼は実に気さくだ。今回はスタッフ一同、その作品を置いてある画廊に向かい、それぞれ作品を買ってしまった。重く厚い画集を貰ったにも関わらずだ。それほど素晴らしい作品なのであり、そこにはなんとも涼しげな音楽も鳴っている。 


6月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.06/10 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.51~本場のジャズを東京で~】

 もう10年以上NYに行っていない。やはり寂しい気もするが、前ほどどうしてもと言う気にもならない。行けば後輩や知り合いなどが数名ほどいるので、宿も確保できるのだが、何か億劫になってしまう。これも年令を取ったせいなのだろうが、良くないことだ。NYのジャズ・クラブと言うと、グリニッジ・ヴィレッジに多く集まっており、その代表格が言わずと知れた「ヴィレッジ・ヴァンガード」。なかでもこのところ注目を集めているのが“スモールズ”である。まだ誕生して10年にもなっていないはずで、ぼくは当然そのクラブを覗いたことが無いのだが、「ヴァンガード」のような観光客中心ではなく、かなり意欲的な編成でコアなファンにも注目を集めている。

 ぼくがこのクラブに注目したのは、ここでのライブをアルバムとして積極的に紹介しており、10数枚あるライブ・アルバムは”ディスク・ユニオン”が直輸入の形で出しているのに気付いてからのこと。それらはNYのコンテンポラリーなジャズ・ミュージシャンを、わけ隔てなく取り上げており、その姿勢も良しだったし、内容もなかなかのものだったから…。このクラブ、どうやらそのまま大分“スモール”な規模なのでこんな命名にしたようだ。

 実はそれに気がついたのはここから生中継されるライブ映像を見てからのこと。現地時間の夜7時半頃から夜中の2時ぐらいまで、最初はピアノやギターのソロ、そしてメインのユニット、最後は夜中のアフター・セッションと3部構成で、どうやらそれぞれで客が入れ替わるようにも見える。そしてそのステージは客でさえ目の前にいるくらいぶつかりそうな狭さだが、これもまた興味深い。日本時間だと朝の9時半ぐらいから。普通のサラリーマンはちょっと難しい時間だし、乱すとほかのことができなくなってしまうが、やはりNYのクラブから生中継と言うと何かワクワクしてしまう。是非皆様も一度視聴されてみるといいと思いますよ。それにしてもNYにまたまた行きたくなってしまいました。


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