1月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.01/06 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.80~年初のゲストは~】

 明けましておめでとうございます。今年もまた老舗ジャズ番組“テイスト・オブ・ジャズ”(多分48年目に突入のはず!)およびこのジャズ・コラムもよろしくごひいきの程…。

 さて新年最初のジャズ番組は、あのサッチモ=ルイ・アームストロングの名唱で知られる“ワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴しき世界)”で幕を開けることとなった。如何にも新年ジャズ番組に相応しいオープニング・ナンバーと、自画自賛の一つもかましたくなるが、唄うは昨年のこのコラムで紹介したとおり、今絶好調の実力派ディーバにして才能豊かなSSW(シンガー・ソング・ライター)の畠山美由紀さん。土岐麻子とともに、是非番組に来て貰いたいと思っていた歌姫の彼女に、ようやく願いが適った形で、なにやら年の初めから嬉しくなる。

 その彼女が携えてきた新作は『わが美しき故郷よ』(昨年12月にリリース)と言うタイトルで、このタイトル曲は彼女のオリジナルであると同時に、自身の朗読(雑誌“SWITCH”に掲載された同名のエッセイ)にもなっている。そしてこの故郷とはあの宮城県気仙沼である。昨年デビュー10周年を迎えた彼女は、その記念作を作ろうと考えていた矢先、あの大震災に遭遇、故郷の家族や友人達とも連絡が取れなくなってしまい、アルバム制作どころではなかったようだ。そこから立ち直り作り上げたのがこの“わが美しき故郷よ”であり、雑誌に寄稿したエッセイをライブでこの曲と一緒に紹介したところ、聴いている全員が大感激で、以降は何時も一緒に歌い朗読し、記念アルバムにも一緒に収録したという訳。オリジナル曲も素晴しいが、番組にも良く登場してくれるジャズ・ピアニストの鬼武みゆきをバックに、故郷のなまりも入れ込みながら淡々と読み上げる故郷への想い。これには正月早々、本当に泣かされてしまう。

 “わが美しき故郷よ、人々よ、いたいけな動物たちよ。正しい道を教えてくれてありがとう…。それはつらく険しい長い道のりだけど、目に浮かぶのは故郷の緑と青い海。聞こえてくるのは懐かしい人々と鳥の声…”。全部で7分を超える少し長い朗読だが、この頌歌(しょうか)の朗読に、心洗われる想いに捕らわれるのは間違いない。是非このアルバム、そして彼女の朗読を聴いてみてください。


畠山美由紀さん(左)と山本アナ


12月31日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.12/30 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.79~2011年の締めにあたって~】

 社会的にも個人的にも多難な年だった2011年が、もう直ぐ静かに終わろうとしている。未曾有の被害をもたらした大震災。それを受けてミュージシャン達も支援のため、様々な創作・演奏活動を展開し、ジャズでも様々な演奏活動・レコーディングなども見られた1年間だった。中でもアメリカの第一線のジャズメン達が数多く参加した『ジャズ・フォー・ジャパン』は“東京ジャズ”でもライブ活動もあり、大変に印象深いものだった。

 今年のジャズ・シーン全体を俯瞰してみると、ぼく自身の印象だが大好きなラテン・ジャズの分野で素晴しいアルバムが数多く出されたことだろう。このコラムでも前に、デビット・サンチェス(ts)などのアメリカのミュージシャンがキューバに渡って現地のミュージシャンと共演した素晴しいアルバム『ナインティ・マイルス』を紹介させてもらったが、今年のベスト・ジャズCDとして上げたいのは、今最も勢いのあるアルト奏者、ミゲルゼノンの『アルマ・アデントロ』だ。このアルバム、残念なことに日本盤が出ていないのだが、“タワー・レコード”や“ディスク・ユニオン”等のジャズ売り場に行けば直ぐに手に入るはず。ゼノンはプエルトリコ出身のアルト奏者で、自身の故郷の音楽=ラテン音楽を大事にしている人だが、この作品も故郷の有名なポピュラー作曲家の名曲をジャズに仕立て直したもので、その哀愁感漂うメロディと、彼のアルトによる強烈な唄い口が絶妙にマッチし、素晴しいジャズ世界が繰り広げられている。ルイス・ペルドモ(p)等彼のユニットの面々も現在のNYを代表する実力派揃いで、彼のアルトを見事に盛り上げる。
 
 何かといやなことも多かった2011年。その暮れ行くときにゼノンのこのアルト・サックスの素敵な唄い上げを聴きながら、来るべき年がよき年である様に、静かにそして力強く祈ろうではありませんか…。
 皆様良い年を…、そして来年もまたよろしく。なお新年最初の“テイスト・オブ・ジャズ”は、番組初登場の大物ゲスト、あの畠山美由紀さんです。彼女は被災地、気仙沼の出身。その苦しさ、辛さから立ち直る強い想いを込めた、素敵な歌の数々を披露してくれるはずです。是非御期待ください。


12月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.12/23 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.78~ジャズ2011~】

 50年近いギネス的な歴史を誇る、長寿ジャズ番組“テイスト・オブ・ジャズ”は現在、土曜日の夜6時から30分間の番組。だが今年は暮れの31日が土曜日、そこでレギュラー枠と夜の11時からの再放送枠も使って、今年1年間のジャズ・シーンを振り返ろと言う、特別企画を実施する予定にしている。 レギュラー枠の方は、ジャズ・ディスクの販売に関しては世界一とも言える”ディスク・ユニオン”の名物ジャズ・コーディネイター、山本隆氏を招き、今年出されたお勧めジャズ輸入盤、そして氏が編集長で、各方面で話題のジャズ雑誌“ジャズ・パースペクティブ”などについても語ってもらい、来年の展望もお願いしようと言うもの。
 一方夜の11時から1時間の枠は“テイスト・オブ・ジャズ・スペシャル”ということで、評論家の青木和富氏など数人のジャズ・ライターを招いて、今年1年間を振り返る趣向。ここ数年ジャズ・アルバムのリリースも減少、ファンの聞き方にも大きな変化が出ている現状などについて、ベスト・アルバムの幾つかを紹介しながら、放談的にしかも徹底的に語り合おうと言うもの。

 ジャズ・アルバム数は減少しているが、上原ひろみや山中千尋など、実力派のコンサートはかなり盛況で、その会場では結構アルバムも良く売れているとも言う。そうした中でジャズ・アルバム制作の意味合いなど、あまり堅苦しくなく今ジャズを取り巻く環境の変化などにも触れてみたいと思っている。個性的なアルバムも数多く紹介するつもりですので、レギュラー、そしてスペシャルの2番組とも、御期待下さい。


12月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.12/16 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.77~ジャズ・クリスマス~】

 今年もまたクリスマスが近付いてきた。バブル期にはこの日は、若い連中にとってまさに狂騒日だったが、流石に最近はそんなことは無いようだ。しかしそうは言っても、やはりこの日は悲喜こもごもが交差する、落ち着かない日であるのは確かなようだ。ただぼくのようなジャズ親父にとってはそんなことは全く無関係。それでも相変わらずこの日に合わせた、ジャズ・クリスマス・アルバムは、今年もまた7、8枚は出されているようである。

 そんな中で今年のお勧めジャズ・アルバムは、映画音楽の大家ミッシェル・ルグランが自身のオーケストラを率いて、有名シンガーにクリスマス・ソングを歌わせた『ノエル・ノエル・ノエル』だろう。”ジングル・ベル”や”ホワイト・クリスマス”などの定番のほか、ルグラン自身のオリジナル・ノエルをマデリン・ペルーやジェイミー・カラムと言ったニュータイプのジャズ・シンガーに歌わせている他、カーラ・ブルーニやイギー・ポップなどと言った、ポップス分野のシンガーも登場するなど、純粋にジャズ・クリスマス作品とは言い難い面もあるが、さすが巨匠ルグランだけに豪華絢爛たるノエルの世界が繰り広げられている。異色な所では山下達郎の”クリスマス・イブ“など日本人の書いたクリスマス・ソングの定番を、注目の若手ピアニスト、松本茜がジャズに仕立て直した『クリスマス・ジャズ』などと言うアルバムもある。
 
 ところで今年のクリスマス・イブは土曜日で、わが”テイスト・オブ・ジャズ“のオン・エアー日でもある。ここは一つ一寸目先を変えた企画を…、と言うことで今話題の女性ジャズDJ、大塚広子さんに登場してもらうことにした。ぼく自身ジャズDJがどんなことをやるのか良く知らないだけに興味津々。彼女はつい最近2枚のジャズDJアルバムを自身でまとめたばかり。そのアルバムを中心にジャズDJとはなんぞや…、と言う話をしてもらう訳だが、彼女への注文は唯一つ、せっかくイブの放送なので一番のお気に入りのジャズ・クリスマス・ソングを1曲掛けて貰う事。さて何が登場するかは聴いてのお楽しみです。


ジャズDJの大塚広子さん


12月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.12/09 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.76~革命の唄~】

 色々と大変なことが多かった2011年もそろそろ終わろうとしている。ジャズと言うよりも音楽業界全体を取り巻く環境は、今年に入って更に悪化の一途をたどりつつあるようだが、単なるBGMに成り下がった感のあるジャズなどは、一度解体してしまうのも…、などと、あるジャズ・アルバムを聴きながらいささか不穏当なことを考えたりもしている。 

 そのアルバムとは2ヶ月ほど前に出された、イタリアを代表するピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの『アデランテ』。タイトルは“進め”と言う意味で、“インターナショナル”や“パルチザン””リベル・タンゴ“など、かつて変革の象徴だった世界中の反体制・反権力歌、そして自由への希求(そしてその闘士達)を歌った唄の数々を、ソロ・ピアノで綴ったもの。こう書くといかにもイデオロギーに凝り固まった、硬直した音楽を想像しがちだが、実際は実に美しくも強靭で哀切な歌の数々。それをピアノで綴るミラバッシの想いが溢れており、仲々に素晴しいものだ。

 ミラバッシは70年生まれで、ジャズが最も社会とコミットし、先鋭的に熱く燃えていた、まさにその時に生まれた“遅れてきたジャズ青年”だが、彼の血の中にはジャズの本源とも言える、ラジカルでホットな異議申し立ての意思が熱く脈打っている。元々はクラシックを学んでいた繊細な青年だった、ヨーロッパの才能豊かな若いピアニストが、こうした反権力、究極の自由賛歌の数々を取り上げ、自身のジャズ世界へと昇華、再構築していく。こんな姿を見ると、ジャズはまだまだ捨てたものでないとも思う。愉しいだけでなく(それは大変に重要ではあるが…)、何時も世界を見通す目を持った、社会的にも意義あるもの。それがジャズの持つある側面だということを、改めて思い知らされた、静かな熱気に満たされた珠玉の1枚です。是非聴いてみて、この1年間を静かに振り返って下さい。


12月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.12/02 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.75~ジャズ隠語~】

 ジャズメンが使うバンドマン用語というのがある。これも最近の若い連中は余り使うことも無いようで、もっぱら愛用しているのはTV局の芸能班やレコード会社のベテラン・ディレクター達で、だいぶん時代遅れと言った感じもあるが、元々軽薄タイプのぼくなども、よく使ってしまい反省することもしきりである。しかしなかなか便利な面もあり(相手が理解していない場合など)、“今度のギャラ、D万でいいかな…“等と言ってしまい、相手に不審がられることもしばしばである。このDとはドレミ音階の2番目、D=2を意味し2万円となる。
 
 Cが1、Eが3、F、G,…となっていく具合である。このバンドマン用語で一番多いのは言葉を逆さに言うこと。すなわち森田ならタモリで、この命名が今のあのタモリ一義を生み出したわけだが、金は「ネカ」or「ネーカ」、ギャラは「ラーギャ」、飯は「シーメ」、薬は「スリク」(これは結構やばい意味合い)、旅は「ビータ」、女は「ナオン」、仕事は「ゴトシ」…。以上お分りのように、2字の場合にはただ逆さにするのでなく。ネーカ、シーメの様に、中に長音を挟み込むのが原則になっている。

 昔、山下洋輔さんの結成したユニットに“ソーク・メナーズ”と言うバタ臭いバンド名があり、ある司会者なども”なかなか洒落たユニット名ですね”などと、山下さんに尋ねるのだが、彼を困惑させたという話がある。このユニット名は“糞を…”と言うなんとも汚い意味でちょっと公表をはばかれるものなのである。ただぼくなども判らない使い方も多くあり、その代表的なものの一つが“ジャッタ神”。「あのAさんも遂にジャッタ神だよ」などと言うのだが、これは“死んじゃった”の逆でお亡くなりになったということ。最後の“神”が良く利いているところがミソだ。言葉遊びとしてはなかなかにユニークで面白いのだが、では最後に難問を”あの2人はクリソツで、クリビッテンギョウだなー“。これを訳しなさい。お粗末でした。なお回答は次回に…。


11月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.11/25 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.74~友達の輪~】

 若い人のジャズ離れが言われ出して、もう長い時間が経ってしまった。どうやらジャズは小難しい音楽、という認識が若い人達の中に浸透してしまったようだが、彼らは意外に毎日入る蕎麦屋やカフェ、パブなどでのバック・ミュージックが、ジャズだということに気付いていないか、無頓着のようだ。それだけジャズが、かつての刺激性を失ってしまったのは確かだが、決して小難しいものでないことは確かである。

 そんなジャズが困難な状況下にあっても、ジャズの愉しさ、面白さ、素晴しさを伝えようといった若いミュージシャンも決して少なくは無い。ぼくの番組にも登場した市原ひかり、片倉真由子などと言った辺りがその代表格と言えそうだが、最近この若手の有望格が仲間を紹介していく“若手プレーヤー紹介の輪”と言う企画を実施し、もう数回になる。今月登場したのは先月のピアニスト・石田衛くんから紹介された堀秀彰くん。彼は30代前半で、他校からの越境部員のようだが、れっきとした早稲田ジャズ研のレギュラー・メンバー。先日のコンサートでも日野皓正と共演しており、童顔だが力強いプレーを展開する若手の代表格で、テクニックも抜群だし、オリジナルも素晴しい。

 そしてこれは若手の友達の輪ではないが、今注目の若手ギタリストで、渡辺香津美の再来とも言われ各方面で評価の高い井上銘(いのうえ めい)くんも、来月の10日に番組に登場する。来年はあのバークリー音楽院に、全額学費免除という特待留学が決定している、未だ20才の若手で、かなりなイケメン。こんな若手もしっかりとジャズに取り組んでいる辺り、本当に嬉しくなってしまう。そして彼らは異口同音に、同世代の若い人達にジャズの面白さを伝えたいときっぱりと述べており、こんな発言を聞いていると、ジャズまだまだ捨てたものでないし、その未来はかなり明るいような気もしてくる。実際このところ少しずつだが、若い人達が戻りつつあるんです、と彼らは語ってくれている。大いに期待しようではないか…。


堀秀彰さんと山本アナ


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11月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.11/18 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.73~SSW~】

 ジャズしか聴かない方には、“SSW”といっても何のことか分からないだろうと思うが、今この“SSW”がジャズ・ボーカルの世界を大きく変えつつある。種明かし(と言うほど大げさではないが…)をすれば“SSW”とはシンガー・ソング・ライターの略。こう聞けばなーんだとなる向きも多いはずだが、あの一大旋風を巻き起こしたノラ・ジョーンズ以降、この“SSW”がジャズ・ボーカル界を席巻しているといっても良いだろう。

 日本でも高田みち子を始め結構ジャズ系SSWが登場しており、その筆頭は日本のジョニ・ミッチェルとでも言えそうな島根在住の浜田真理子だが、ぼくがお勧めしたいしたいのは、今関西で活躍中のAsa festoon
 
 日本人離れした芸名の彼女(Asaは本名)、ここ数年は新譜が出ていないようだが、これまでにオリジナルやカバー・アルバムなど全部で7枚ほどの作品を、インディーズから出している素敵なジャパニーズSSWである。ぼくが彼女の存在を知ったのは5年ほど前で、ある知り合いからあのロベルト・フォンセカ(現在のキューバを代表するジャズ系ピアニスト)がプロデュースをてがける日本人のSSWがいると紹介され、そのデビュー作と2枚目の『睡蓮』を聴かせて貰った時だった。フォンセカのプロデュース作もちょっと変わった味わいで面白かったが、なにより2枚目の『睡蓮』に惹かれ、直ぐにアルバムを買い求めた。 

 それからその活動が気になっていたが、最近は余り東京でのライブも無いようだった。そしてこれも偶然に、彼女のブログを見る機会があり、ぼくとしては始めてブログを通して、番組に出てもらえないか…、とオファーし、快諾を頂いたのが今年の春頃。ただ彼女が上京する機会が無く、ようやく出演して頂けたのが今月の半ばのこととなった。そのオン・エアーは来週末26日の予定。

 会ってみると関西人らしい気さくでチャーミングな方で、その透明感と浮遊感を持った、独特な歌の世界とちょっと似てる部分もあって、大いに気に入りました。以前には浅草のジャズ・コンペにも参加して受賞したこともあったらしいが、ぼくもあのコンペティションの立ち上がり頃に関係していただけに、懐かしくも嬉しくもあった。このところ新作が出ていないのは残念だが、曲は結構溜まっているとも言う。どこかの会社から新譜を出せるように、ぼくもお手伝いしたいと最後に彼女と約束した。このCD不況時にどうなるかわからないが、知り合いのプロデューサーに話をしてみるつもりだ。せっかくその素敵な歌の世界を、もっと音楽好きな人達に知ってもらうためにも、久々にちょっと頑張ってみるかなー。  


Asa festoonさんと山本アナ


11月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.11/11 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.72~シカゴからのゲスト~】

 先日スタジオに、ウインディ・シティ(風の街)=シカゴから一人の女性シンガーがやって来た。シカゴ在住でアメリカ国籍のはずだが、生まれ育ちは生粋の浪速っ子ブルース・シンガー。名前は野毛洋子。学生時代にジャパン・ブルースの隆盛地、関西で名前を挙げ、学生の身分でブルース・アルバムをメジャーの“ビクター”から発表、その後ブルースを極めようと単身シカゴに渡って早や30年近い肝っ玉おっかーでもある。
 
 彼女の凄い所は、ブルース・シンガーにして日経新聞のシカゴ支局の敏腕商品市況担当記者でもあること。彼女のことは日経アメリカ在職時代に、色々交流のあった、ラジオNIKKEIの鈴木社長から紹介されたのだが。「小西さんこんな人がいるんだけども聴いて見ますか…」とアルバムを手渡され、その内容の素晴しさにびっくり。日本に来るならば是非スタジオに…、と頼み、実現したもの。

 日本ではほとんどその存在が知られていない彼女だが、なんとあの“ニューズ・ウイーク”誌で、世界が尊敬する日本人100名の中に、北野武や辻井伸行、岩代太郎などと共に紹介されている、知る人ぞ知る名士でもあり、30才年上と言う旦那はサックスの名手で、そのソプラノ・サックス・プレーも絶品。今回は高齢のため来日できなかったらしいが、これまでは毎年のように夫婦で日本演奏ツアーを行っていたとも聞く。

 それにしても単身シカゴに渡り、つらいこと怖い頃などを数多く体験し、それが浪速のど根性と結びつき、独自の“洋子ブルース”に仕上げられている、その手腕は見事と言うしかない。その野毛洋子さんのオン・エアーは11月第2週の予定。まさに自立し跳んでいる女性の先駆者とも言えるそのお話、なかなかに興味深いものですよ。


10月29日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2011.10/28 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.71~コスモポリタン~】

 最近の若い人はあまり海外に出る事を好まないとも言われるが、ことジャズメンの場合はバークレー音楽院などに次々と海外留学しており、内弁慶と言うことはないようだ。そんななか行動力では抜群の女性シンガがいる。

 松田美緒。ジャズ・シンガーではなくワールド・ミュージックのシンガーだが、並みのジャズ・シンガーなどよりはるかにジャージーな色合いを醸し出す素晴しいシンガーである。元々はファド(ポルトガルの歌謡)のシンガーだったが、それからブラジル、キューバなどと興味の範囲を広げて行き、次々に素晴しいアルバムを発表し続けている。何より素晴しいのはその行動力。ファドに興味を持つと一人でポルトガルに渡り、そこで現地のミュージシャンと共演。ポルトガル語を駆使することからブラジルに興味を抱きブラジルに渡り、更にキューバへと行くと言った具合に、全て単独で興味の赴くまま、放浪を重ねる。およそ女一人のたびとは思えないほど大胆でスリリングでもある。

 そんな彼女のデビュー・アルバムで興味を惹かれ、是非スタジオにと思い2作目で出演が実現したのだが、思ったとおりの面白い女性で放浪武勇談も実に興味深いもの。そんなこともあり大体年に1回、新譜を出すごとにスタジオに来てもらっているが、また新譜が出たのでスタジオに遊びに来てもらうことにした。結構シャイな不思議な感覚のおねいチャンちゃんだが、今度は南米ウルグアイ、そしてアルゼンチンの世界的ミュージシャン、ウーゴ・ファルトーゾ(p)、カルロス・アギーレ(vo)などを相手にした、現地録音の素敵なアルバムを作ってくれた。今回もその意気込みがはっきりとそのアルバムに刻印された、素晴しいものになっている。
 
 彼女を見ていると日本の女性~まあ女性の方が男達よりはるかに元気がいい訳だが~の今後は明るいと思わせるものがあるし・こんな真のコスモポリタンが、遂に日本に登場したんだなーと感慨深いものがある。彼女の話も何時もながら興味深いものですよ。


松田美緒さん(左)と山本アナ


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