8月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.08/03 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.110~追分便り~】

 7月末から追分の山荘に来ている。今回は避暑もあるのだが、第一の目的は前にも記した7月末に行われた第1回の“軽井沢ジャズ・フェスティバル”の取材。朝早く起きていつものように用水の周辺を1時間ほど散歩したが、ホトトギス、鶯、カッコウそして甲高く鋭い声で“キーン”と鳴くキジまで、実に多くの野鳥達が鳴き交わす。用水では驚いたことに、鴨が上流から下流迄20羽近く遊んでいた。しかし何時も居るはずの、御影用水の主とも言える4羽が居ない。新参者に追いやられたか、大変に気になるところではある。また明日でも確かめてみないと…。

 さて肝心の“軽井沢ジャズ・フェス”だが、このフェスを立ち上げたのは、“ソニー”のジャズ部門でチーフとして活躍し、今はフリーのジャズ・プロデューサーとしてアルバム制作やイベントを行っている、製作会社“88”の代表、伊藤八十八氏。氏は早稲田大の1年後輩だが、音楽サークルは“ニューオリ-ンズ・ジャズ・クラブ”の出身でぼくとは異なる。長年ジャズ制作に携わってきただけに、実に幅広い人脈を有しており、その人脈を駆使して、今回の出演者も豪華だった。あのカウント・ベイシー・オーケストラから渡辺貞夫、山下洋輔、ケイコ・リー、そして今注目の的・寺久保エリナまで、これらを一堂に集め土、日の2日間、昼、夜2回の全4回公演を行うという個人事務所のイベントとしては実にスケールの大きなもので、さすが伊藤八十八氏ならではと感心した。

 場所は軽井沢が誇る音楽堂、あのソニーの会長だった大賀氏が町に寄贈した大賀ホール。クラシックがメインのホールだが、音響や客席、環境なども抜群で、出演者は一様にその良さを絶賛していた。今回の聴きものはやはり寺久保エリナと山下さんの共演ステージとサダオさんのカルテット。お二人には楽屋でお目に掛かったが、元気そのもので、特にサダオさんはもう80才を超えているのに、実に若くてうらやましい。演奏もバイタリティー溢れたもので、まさにワン&オンリーのサダオ・ワールド全開だった。寺久保エリナはバークリー音楽大学の夏休みでの一時帰国中だが、確実にその成長振りを窺わせる迫力溢れるステージで、鬼才山下洋輔もたじたじだった。観客動員もまあまあ順調で、来年も是非実現させて欲しいジャズ・イベントであるし、ぼくも出来る限り協力したいと考えている。


7月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.07/27 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.109~サラ・ガザレク~】

 このところ日本への一時帰国を含め、海外(と言ってもアメリカからがほとんどだが)からの番組へのお客さんが多い。その一人がサラ・ガザレク。アメリカの新進歌姫の一人である彼女は、NYではなくLAからやって来たゲスト。若い女性シンガーと言えば、最近はノラ・ジョーンズを筆頭にメロディー・ガルドーなどそのほとんどが“ジャージー・ポップ”とも呼ばれるジャージーな色合いの濃いポップス系シンガー・ソング・ライター。だがシアトル出身の彼女は、南カリフォルニア大学入学のためLAに出てきて以来ジャズ・ボーカル一途の本格派で、10数年LAを拠点に活躍し、美形シンガーでもある。どうも女性シンガーは頭に美形と付かないと売れにくいきらいがあるようだが、彼女は掛け値なしの美人。今は母校でジャズ・ボーカルを教えている位だから、その力量は保証済みで”コットン・クラブ“でのライブでもその歌の上手さは光っていた。そのうえ彼女は大の親日家で、これまでに6回日本を訪れており、東京の街も詳しく、番組では日本語でも挨拶してくれている。日本のジャズ・ファンが世界中で一番質が良く熱心だと、上手いことを言ってくれる。

 その彼女の最新作は”花とミツバチ“(ブロッサム&ビー)と言うタイトルで、”ブロッサムへ“というサブ・タイトルにもあるように、人気ジャズ・シンガー「ブロッサム・ディアリー」にささげられた内容になっている。ディアリーと言う人はもう亡くなってしまったが”カマトト・スタイル”とも言える独自の一寸舌足らずのコケティッシュな歌い口で人気を博した人で、日本でもかなり根強い人気を保っているシンガー。その彼女、知的な装いも濃いサラ・ガザレクとではかなりそのスタイルも異なっているが、ガーリッシュで可愛い感じの人だが、ジャズ的にもしっかりしたテクニックと知識を持った素晴らしい人で、尊敬している人だとも彼女は語っている。アルバムには人気ギタリストで歌もなかなか達者な、ジョン・ピザレリもゲスト参加しているが、彼が加わってくれたのは夢のようで大変に嬉しいことのようだった。

 本格的なジャズ・ボーカリストがあまり話題にならない昨今、彼女の存在は大きな注目株だと、ぼくも実際のライブを聴いて思った。そんな彼女は8月初頭のジャズの時間に登場します。中々にいいシンガーですから是非聴いてみて下さいね。


7月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.07/20 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.108~美形サックス奏者~】
          
 ぼくがこのジャズ関連の仕事(番組制作や原稿執筆など)を始めたころは、女性でジャズと言えばピアニストかボーカリスト、あるいはフルート奏者と言った感じで、そのほかの楽器で女性の名前を見る事は殆んど無かった。それから40年近く経った今、まさに大きく様変わりで、女性のサックス奏者やトランペット・プレーヤーが世界中で数多く輩出しており、特に日本~J-ジャズの世界では、女性陣が男性達を凌駕する逆転現象も著しく、本当に驚くべきことだとも言える。特に一昔前には女性では扱えないとも言われた、多大な肺活力を要するバリトン・サックスも、軽々と扱う女傑もおり、まさに隔世の感である。

 そんな元気のよい若手女性サックス軍団のの中でも、その実力と美形によって高い人気を誇っているのが、纐纈歩美(こうけつあゆみ)である。その彼女がスタジオにゲストとして登場してくれた。珍しい名字だが岐阜県の多治見市出身でこの街にしかない名前だと言う事だが、まだ23才。スタジオにも何回か遊びに来てくれ、現在はボストンのバークレー音楽大学に特待生として勉強中の寺久保エレナと並ぶ若手実力派の彼女は、本格的にデビューを果たして以来まだ2年半余り。だがすでに2枚のアルバムを発表し、最新作は北欧のノルウェーに単身渡り、現地の有名なレインボウ・スタジオ(欧州随一とも言われる)で収録、北欧を代表するミュージシャンと共演している。そのアルバムを携えてのスタジオ来訪だったが、アルバムのミキサーもヤン・エリックと言う「ECM」の諸作などを手掛けているいま世界屈指のミキサーで、ヤン自身も“素晴らしい音色と驚くべきジャズ・フィーリングを持っている”ミュージシャンとして彼女を絶賛している。

 「音色で魅せるクール・ビューティー」とアルバム・キャッチにあるが、確かにそのとおりのクール・ビューティーで、そこら辺も彼女の大きな魅力だが、やはり何より若いにもかかわらず、その圧倒的な力量が魅力の原点である。タイトルは『レインボウ・テイルズ』。レインボウ・スタジオで新しく生まれた物語と言った感じだろうが、自身でもこのレコーディングによって、大きく成長出来たと言う。オリジナルも4曲とこれまでになく意欲的だし、そのプレーにも磨きがかかっている。アルバム記念で全国ツアーを7月初旬から実施し、全国25都市ほどを回り、それが終了すると第2弾として、北欧からレコーディング・メンバーを呼び、また何か所かでツアーを行うので、今年の後半は大変なようだが、まだまだ若いだけにそこは元気一杯に突っ走ることだろう。
 
 纐纈歩美さんは7月最後の“ジャズ”の時間に登場します。まだまだ無限の可能性を秘めた彼女ですが、その現在の充実ぶりを番組でご確認ください。


7月28日の番組ゲスト、纐纈歩美さん


7月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.07/13 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.107~ジャズシティー札幌~】

 前々回のこのコラムで、この夏行われるジャズ・フェスについて記したが、北の街、札幌でのジャズ・フェスは、7月7日の七夕から8月23日までおよそ2か月間、毎日ジャズ演奏があるという訳では無いようだが、かなりコンスタントにどこかで演奏会が開かれているという。札幌がジャズ都市に一大変貌を遂げ、このジャズ・フェスの芸術監督がサダオさんこと渡辺貞夫だと言うのも凄い。
 
 出演ミュージシャンもサダオさんを筆頭に、寺井尚子やケイコ・リー、小林香、マリーン、更にはポップスの古内東子、外国からもあのシャクタカやラリー・カールトンなどが特設テントで公演をし、大ラスの8月23日には北の大地が生んだ天才サックス少女、寺久保エレナが、バークリー音楽大学の夏休みを利用して故郷に戻り、その成長振りをファンに見せつける企画もあるという。

 そんなジャズ・シティー札幌で今注目のジャズ・ディーバがいる。MIZUHO。“ソウラン節”や武満徹の“翼”などをジャズにアレンジして歌ったり、スタンダードも彼女なりの手の加え方で、独特の味付けをするなど、個性豊かな実力派である。エレナの先輩でバークレー音大卒業の彼女は、ここの教授である世界的トランぺッター、タイガー大越と組んで、今まで3枚のアルバムを発表しているが、如何せん活躍の拠点が札幌だけにその実力が全国的に認められるに至っていないのは残念だ。そんな彼女はまたタイガー大越と組んで、デューク・エリントン作品集(「Dear Duke」)をこの4月に発表した。アレンジも面白く、今までのエリントン集とは一味違ったユニークな仕上がりとなっており、ANA国際線の機内ミュージックにも取り上げられることになっている。
 そんな彼女が是非番組に出たいと、日帰りで札幌から上京しスタジオに来てくれることになった。日帰りと言うのもまだ子供さんが小さいため、夜は家に居たい為なのだが、日帰りでこの番組出演のためだけに上京とは、こちらも恐縮してしまったのだが、是非と言う彼女の希望、そうなればOKせざるを得ない。その時にはエリントン・ナンバーだけでなく、子供の時から慣れ親しんだ“ソウラン節”のジャズ・バージョンも聴かせてくれるはずである。
 彼女の番組登場は明日のオンエアーで。札幌のジャズ事情なども教えてくれるに違いない。この夏札幌に行こうと思っている人は必聴だと宣伝しておきますね。
            


MIZUHOさん(左)と山本アナ(右)


7月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.07/06 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.106~アップルコアの日本人ピアニスト~】

 江戸っ子と言うのは3代続いて初めてこの名称を名乗れるのだが、そうなると歴史の浅いアメリカ、その中心都市のニューヨーカーとは、果して何年・何代アップル・コア=NYに住んでいれば、それに該当するのだろうか。その正解をぼくは知らないが、移民の国アメリカの象徴都市だけに、少なくとも10年近くこの街で生活し、自身がニューヨーカーだと信じていれば、その資格は充分にあるのではと、ぼくは思っているのだが…。

 さてそうした意味でのニューヨーカー・ピアニストが、この前突如スタジオにやって来た。今日の“ジャズ”の時間に登場する、ピアニスト百々徹(どどとおる)である。彼が本場NYに渡ってもう15年余り。先ほどのぼくの定義で行けば、もう十分なニューヨーカーの一人である。その彼が新作のトリオ・アルバムを引っ提げてスタジオを訪れてくれたのである。
 
 彼が番組に登場するのは、前作を出した5年前以来のこと。彼一人かと思ったら、今回のアルバムのメンバー3人で来社、日本ツアーを行う面々である。みんな生粋の日本人だが、同時にニューヨーカーでもある。ベースの中村恭士とパーカッションの小川慶太。百々君より10歳ほど若い面々だが、アメリカ歴は彼よりも長い本場での若き匠たちである。中村君などはアメリカ生まれで数年日本に居てまたアメリカに渡ったという経歴。“もうアメリカ人じゃないの”と水を向けると“いや日本人です”と毅然として答えてくれたのが印象深かった。

 さてそんな百々トリオの新作(彼にとって5枚目のアルバム)のタイトルは“JAfro”。日本で育った百々徹が、地理的にもっとも遠いアフリカに出会って書いた音楽と言う意味合いで、Japanese+Afroと言う意味合いの彼の造語だと言う。彼は現在SOMIと言うアフリカ出身の歌手のバックを務めており、彼女と一緒にナイジェリアやウガンダなどアフリカ各国を訪れ、その音楽にも大きな変化が表れたと言うが、確かにその通り。今回スタジオで初めて彼の新作を聴いたが、実に力強いアフロの香りが充満しており、かつての繊細さから大きな転換を示していた。ただ嬉しいことに日本もアルバム・テーマの一つで、なんとあの八代亜紀の“舟唄”をジャズ化してくれている。これもなかなかの絶品で感激した。ジャズ・アルバムの売れ行き減少で、残念ながらこのアルバムは彼自身のレーベルから出されることになったが、“ディスク・ユニオン”や“山野楽器”などジャズ・アルバム販売に熱心なCDショップでは、積極的にこのアルバムを推薦しているようで、彼もほっとしていますと語ってくれた。この春に待望の子供もできたという百々君。
ますますその世界を拡げつつあり、頼もしい限りである。 


ピアニスト百々徹さん(左)、パーカッショニスト小川慶太さん(中)、べーシスト中村恭士さん(右)


6月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.06/29 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.105~ジャズ・フェスあれこれ~】

 CD売り上げの極端な落ち込みなど、音楽業界を取り巻く状況はますます厳しさを増しつつあるが、この季節だけはどうやら元気が戻ってくるようだ。音楽イベントまっさかりの夏の到来である。ぼく自身は足を運んだことは無いのだが“フジ・ロック”などこの時期のロック・フェスは動員力、出演者などお見事の一言。それに引き換えジャズはやはりかつてのようなパワーはない。斑尾やフジ・ジャズ・フェスなど、盛況のジャズ・フェスが各地で数多くあったあの時代、やはりバブル期の産物だったのか…。

 残念なことに今では、9月の初頭に行われる”東京ジャズ”くらいなものになってしまったが、この所またいくつか夏らしいジャズ・フェスがスタートし始めた。昨年からスタートした「真夏の夜のジャズ・イン・葉山」と今年から立ち上がった「軽井沢ジャズ・フェスティバル」の2つである。両方ともにリゾートで行われるフェスで、葉山の方はマリーナに特設ステージを組むもので、一方の軽井沢は、軽井沢の大賀ホールを使ってのもの。これらが活性化して定着化することを切に願うが、惜しむらくはこの2つのイベント、ほぼ同じ日に行われるのである。これでは行きたくともどちらかしか選べない…。ぼく自身は追分の山荘にいるはずなので、軽井沢を選ぶつもりだし、前々からの念願である“軽井沢ジャズ・クラブ“の設立もこのイベントと同時に行ってもいいとも考えている。何せこのジャズ・イベントを立ち上げたのは、古くからの知り合いで「早稲田ニューオルリンズ・ジャズ・クラブ」出身のジャズ・プロデューサー伊藤八十八氏。彼にもクラブの顧問になってほしいとも考えていた矢先だけに…。

 さて去年好評だった葉山の方は面白い趣向があり、八代亜紀、稲垣潤一、クリスタル・ケイと言った、歌謡曲やポップスの歌い手が登場し、山中千尋などのジャズ・プレーヤーと共演するというのだ。この企画には中々にそそられるものがある。それらの詳細については、7月の半ばの”ジャズ”の時間で“葉山フェス”の担当者が登場し、その内容を伝えてくれることになっている。また恒例の「東京ジャズ」情報も、イベント・プロデューサーの八島女史(彼女も軽井沢ジャズ倶楽部、推進者の一人)がその面白さ、愉しさを伝えてくれることになっている。7月の後半は番組もジャズ・フェス一色といった感じで、サプライズ・ゲストなども飛び入りの可能性もありそうですよ。


6月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.06/22 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.104~NYからのゲスト~】

 アンナ・ケイなどこのところどう言う訳か、NYからのゲストが増えているが、今日紹介するのもそのビッグ・アップ(=NY)からのお客様だ。と言ってもアメリカやヨーロッパのミュージシャンではなく、日本人ミュージシャン、すなわち里帰りの合間にスタジオに来てもらった次第。彼の名前は海野雅威(うんの ただたか)、気鋭のピアニストである。

 東京芸術大学作曲科出身という、音楽家のエリートでもある彼は、在学中からプロとして活躍、その才能に早くから目を付けていたのが、このコラムにもつい最近も登場した、ぼくの早稲田ダンモ研の仲間でもある、ベースのチンさんこと鈴木良雄だった。「今いいピアニストを見付けて、彼とやるのが楽しみなんだ」と語ってくれたのを覚えているが、そのチンさんのユニット在籍中に初アルバムを出し、彼のアドバイスなどもあり08年に本場NYに渡り、現地での活動を始めたのだった。

 ジュニア・マンスなど名ピアニスト達に可愛がられた彼は、それなりに順調に現地で活動を行っているようだが、彼の話で最も印象的だったのは、現役最年長のモダン・ジャズの巨匠、ハンク・ジョーンズの死を看取ったエピソード。ハンクもこの才能豊かな若者をこよなく愛していたようで、ハンクが入院してからは時々見舞いに行っていたようだが、あるとき訪れると様子がおかしい。それが臨終の日で、海野はハンクの手を握り締め続けたと言う。この話をしている時の彼は、少し表情がうるんでいたが、海野君ならではのいいエピソードである。

 今回はわずかな里帰りで、その間にライブも数回こなしたというが、録音の次の日にはもうNYへ戻るのだという。NYの花屋でアルバイトをしているという、可愛らしい奥さんを伴ってスタジオに表れた彼は、いかにも飄々・恬淡として、これでNYでやっていけるのかなとも思わせられたが、なんとあのハーレムに住んでいるのだと言う。「小西さんの知っているころのハーレムとは大違いですよ…。と言っても時には怖いこともありますがね…」。草食系の芸術家タイプにしては結構肝の座ったいい男でもありました。またスタジオに遊びに来てくれることを約束し、NYへ戻っていきました。


ジャズピアニスト海野雅威さん


6月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.06/15 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.103~雨の日のジャズ~】

 季節の移ろいは大変に早い。ちょっと前に桜の開花などと言っていたつもりが、もう梅雨の季節である。この時期は雨や曇りが続き外出もおっくうになってしまうが、この期ならではの愉しみも無くはない、その一つが井の頭線の乗車だ。吉祥寺から渋谷までの短い路線だが、何か高級感漂う路線で、ぼくは結構気に入っている。ぼくの出た都立高校も、この沿線の浜田山と言う当時は畑の中の小駅の近くにあったが、今は洒落た駅と街になっており、やはり愛着も湧く路線なのだが、この時期井の頭沿線は、アジサイの盛りなのである。あの箱根の登山電車のアジサイ群とはいかないが、結構見栄えが良く、渋谷に用事で出るときは吉祥寺で乗り換えて、この線に乗ってアジサイ見物を愉しむのである。

 さてそんな雨の時期、雨に関する歌といえば歌謡曲や演歌が定番で、やたらと数が多いのだが、洋物ではあのジーン・ケリーが主演した傑作ミュージカル映画の「雨に歌えば」や、カーペンターズのヒット曲「雨の日と月曜日は…」などがすぐに思い出される。ただこれらをジャズで演奏したり歌ったりしたものはぼくの知る限りでは無い。

 そしてジャズと雨だが、この結びつきで一番知られているのは、西海岸の歌姫スー・ライニーのその名もズバリの『雨の日のジャズ』だろう。ぼくは彼女のライブをサンフランシスコの小さなジャズ・バーで聴き、その歌声、容姿などに惹かれすぐに大ファンになってしまった。と言ってももう十数年前のことだが、何とも言えない色香漂う、いいナオン(女性)だった。その彼女のアルバム『雨の日のジャズ』は、彼女が19才のとき(1959年)のものだが、ナイト・ウエア姿の彼女は実に艶やかで気品があり、ジャズ・ボーカルのジャケットの中でも最上位にランクされる素晴らしいものだ。収録曲は「雨」のナンバーが中心だが、中にはロスト・ラブ・ソングもいくつか含まれており、やはり雨ならではのいささか気の重いナンバーが多いのだが、歌は一流で内容も素晴らしい。
 
 このアルバムでの「雨」ソングは、最も有名なのがジョージ・シアリングの大ヒット・ジャズ・チューン「9月の雨」。そのほか「雨のブルース」(淡谷のり子先生にもありそう…)や「レイン・オン・ザ・ルーフ」などがあるがどれもあまり知られているとは言い難い。そしてスー・レイニーだが、彼女の傑作としてはもう1枚、あの映画音楽の巨匠、ミッシェル・ルグランの曲を歌った「ルグラン集」がある。これはもう廃盤になってしまっているようだが、「雨の日のジャズ」はまだCDショップにあるはず。この季節に是非お勧めの1枚で、ジャケットだけでも充分に買う価値ありますよ。   


今週の番組ゲストはチンさんこと鈴木良雄さん(左)


6月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.06/08 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.102~鳥の歌~】

 早いものでもう初夏。早朝にうちのばか犬を連れて散歩に行くと、むせ返るような新緑で気持ち良いことこの上ない。東京の西、まだ緑も多く残る国立だけに、緑と共に鳥達のさえずりも活発だ。この時期の鳥と言えば、うちの近くでは何と言っても(はぐれ)郭公(カッコウ)。もう10年近くこの時期になると朝早く孤独に”カッコウ、カッコウ…“と友あるいは伴侶を求めてなきわめく。いささか哀れではあるがその声を聴くと初夏の訪れを実感させられる。

 これが追分の山荘だと、鳥の歌声はうるさいばかり。中でも目立つのがキジの鳴き声だ。朝早くに時々親子連れで林や畑を横切るところに出くわす。こちらは犬連れなので追っかけないように一苦労だし、犬を散歩している人も多いので出くわさないようにと、気になって仕方ない。それにしてもあのキジの“ケーン、ケーン”という鳴き声は、追分の風物詩、印象的な風物音の一つでもある。

 さてこうした気持ちを安らかにしてくれる鳥達の鳴き声だが、ジャズにも鳥を歌いこんだナンバーは数多い。鳥に関する曲で最も有名なのは、世界的なチェリスト、カザルスが書いた「鳥の歌」だろう。これはクラシックのナンバーだが、ジャズ・ベーシストなどもソロなどでよくこの曲を取り上げており、最近で秀逸な演奏は西山瞳(P)と安カ川大樹(b)のデュオで奏されたこの曲だろう。ジャズで鳥アルバムと言えば、ジャズ・ボーカルの第一人者、カーメン・マクレーの『鳥の歌からソング・オブ・バード』と言う事になるだろう。これは文字通り鳥をタイトルにしたナンバーばかりを集め彼女が歌い綴った秀作で、有名な“バイ・バイ・ブラックバード”など数多くのバード・ソングが聞かれる。

 家の近くを飛び回る郭公については、全盲で異才の巨人、ローランド・カークに“カッコウのセレナーデ”という心優しいフルート・ナンバーがあり、ぼくはジャズのバード・ソングではこれが一押しである。実に美しいメロディーを持った佳曲だが、途中には郭公の鳴き声をちょっとノイジーに活写したりする部分もあり、愉しく心弾むナンバーであることこの上ない。一度近くの樹の上で泣いている(はぐれ)郭公にこの素敵なジャズ・ナンバーを聴かせたいとも思うのだが、何せ相手は鳥のこと。どんな反応を示すのかこればかりは予測がつかないのですよ。  


6月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.06/01 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.101~昔の仲間~】

 昔のことと言っても、もうふた昔ほど前の早稲田大学生時代、ぼくはジャズ研と山登りの同好会の2つに所属していた。それから40数年、山の同好会の方は仲間ともほとんど御無沙汰だが、ジャズ研のほうは昨年50周年の記念コンサートとパーティーを行い、OB会の重要スタッフにも加えさせてもらっている。
 ぼく自身は大学を出て直ぐにラジオ局に入局、以来現場の仕事を中心に行い、定年後もまだ制作の仕事をやり続けられているのは、大変に幸せなことだが、特にジャズ研と早稲田の人脈は貴重で、世に言うバカダ大を卒業したのは幸運なことだったと今つくづく思う。
 
 大学生の頃は本当に学生の闘争心が燃え盛った時代で、バカダ大はその象徴的存在でもあっただけに、色々と面白くも怖くもある経験をさせてもらったが、今打ち合わせや結婚式などで大学に行くと、そんな面影はこれっぽっちも無くいささか寂しい想いもあるが、それはさておき大学時代の仲間の話である。
 
 早稲田のジャズ研は数多くのプロミュージシャンを産み出しており、他の大学からもジャズ研に入りたい、と申し出る学生が後を絶たなかった時代もあったようだが、ジャズ人気の急激な低下と共にそんな話は今や昔で、どうやらクラブを維持するのが精一杯というのが、現役学生達の実情のようだ。そんなジャズ研だが、プロ・ミュージシャンとして最初に有名になったのは、今や日本のベーシストのトップ的存在である、ぼくの同期のチンさんこと鈴木良雄である。彼はバークリー音楽院帰りのサダオさん(帰国最初の演奏を、早稲田祭でジャズ研の学生の鈴木たちと行い、それはまさに歴史的な名演・熱演だった)に見込まれ、1年下の天才ギター少年だった増尾好秋と共に、彼のバンドに抜擢され、ピアニストからベーシストへと転向したのだった。この増尾と同期でトランペットでは芽が出ず、司会とマネージャーになったのが森田一義=タモリである。

 そんなチンさんが久し振りに自身のバンド“ベーストーク”でのアルバムを出した。彼は自身のレーベル“ONE”を立ち上げているが、このレーベルを出しているレコード会社の社長は五野洋氏(早稲田ハイソ・ジャズ・オーケストラのOB)、役員にはタモリも名を連ね、今回の新作のエクゼクティブ・プロデューサーも務めている。アルバム・プロデューサーは、チンさんのデビュー作(CBSソニー)以降40年以上の付き合いである伊藤潔氏。慶応大OBの彼は現在名古屋の中堅パン会社の社長だが、長年の友情でチンさんのアルバムの制作だけは続けている。そんな古き良き仲間達によって彼の新作『ダンシング・ルナ』は出されている訳だが、そうなると同期の仲間だけにチンさん自身にも、やはり番組に登場してもらわないとならない。彼が番組に登場する時には、盟友の伊藤くんも登場することが多いのだが、今回は果たしてどうなることやら…。
 さて我らがチンさん、鈴木良雄の”テイスト・オブ・ジャズ”の出演は6月初めのことに成りそうです。アルバム自身も彼の感性が良く出たなかなかの好アルバムで、ぼくにはいささか甘美過ぎるきらいもありますが、60才半ばでこの甘く心優しいサウンド。やはり優れものです。


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