12月22日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.12/21 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.130~マリア・シュナイダー~】

 久しぶりに「ブルーノート東京」に行った。話題のマリア・シュナイダー楽団を聴くためである。彼女の楽団は前々から是非に…と思っていたので、思い切って広報の女性に入場を頼む。関係者の申し込みも多いのですが…とは言われたが、快諾してもらい、どうにか入場できた。今最も旬で創造的とも言える活動を展開しているマリア・シュナイダー。マイルス・デイビスと組んで数々のジャズ金字塔を打ち立てた、今は亡き世紀のコンポーザー&アレンジャー、ギル・エバンスの直系の弟子として師匠の仕事を見続け、独立してからは圧巻とも言える意欲的な作業を展開、音楽ビジネスの世界でも独自の業績を上げている才媛の彼女。初来日だけにジャズ関係者の関心も高く場内は満杯だったが、ぼく自身の印象は期待が大きすぎたせいもあるが、五分五分の出来栄えだったように思える。

 彼女は実に知的な雰囲気を漂わせたチャーミングな女性で、10数人のメンバーをそのコンダクトで見事にまとめあげ、繊細で拡がりのある彼女ならではの素晴らしい音宇宙を繰り広げてくれた。アコーディオンなども加え、色彩感豊かなその独特な世界にはかなり満足したのだが、不満もいくつかあり、彼女が自身の音楽についていささか説明し過ぎと言う点、メンバーがドラムのクラレンス・ペン以外は全員が白人で、ダニー・マッカスリンやリック・ペリー(sax)、イングリッド・ジャンセン(tp)など、今NYで大活躍のミュージシャンが集まっているのだが、やはり黒人のソロイストがいないため、ライブでは何か今いちアクセントに乏しく(アルバムでは素晴らしいのだが…)物足りない感じもしてしまった

 まあ幾つか不満も残ったのだが、今思えばこれだけの表情豊かなオーケストラ・サウンドを聴かせてくれる、ジャズ・オーケストラも殆ど無い訳で、その点ではやはり脱帽ものだし、マリアはジャズの女性時代の先頭を切る象徴的存在だと言う事を再確認できただけでも、聴きに行った価値は十二分にあった。それにしてもカウンターの端っこのぼくの隣席は、あの日本を代表するハイノート・トランペッターのエリック宮城。「紅白歌合戦」のバック・ミュージックの仕事の合間を見付けて駆け付けた彼の所には、メンバーが次々立ち寄り雑談を交わしており、みんなNY時代の仲間だと言う事。流石に顔の広いエリック。それを見ているだけでも十分に楽しかったですね。       


12月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.12/14 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.129~ジャズ・ジャパンアワード2012~】

 まもなく2012年が終わってしまうのである。今年1年何をしてきたのか…、反省しきりの昨今だが、この時期は1年を振り返る時。様々な分野で1年間のベスト作品を選定する企画が行われるが、ジャズでも恒例のアワード選出があり、レギュラーでレビューを担当している!「ジャズ・ジャパン」誌から、ベスト・アルバムやニュー・スター、高音質アルバム、ベスト・ライブなど6部門程のベスト選出の依頼があった。

 ジャズ・ジャパンの前身、スイング・ジャーナル誌の選出は、年間のベスト作を15くらい順番に選出するもので、これにも頭を悩ませたが、ベスト1作だけを選べ、となると実に難しい。パット・メセニーやブラッド・メルドーなど、今世界のシーンをリードしている、大物達の素晴らしいアルバムも今年は幾つかあったが、個人的に最も惹かれたのは、昨年と同じ上原ひろみだった。今や彼女の活動は、ジャズと言う枠を超えてしまった感もあり、ワールド・ワイドで老若男女を魅了し尽くしている訳だが、フォルテからピアニッシモまで一瞬にその全領域を駆け巡る、表現・表情の多様さ、力強さなどは、言葉にならないほど。『ムーブ』と言う新作は、このところトリオを組んでいる、アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスと言うスーパー・スターたちとの共演作で、特にドラムのフィリップスはハード・ロック畑の大立者。しかしそのロック・スターも、ひろみと組むと素晴らしい化学反応を起こし、新たな音楽世界が開かれるのである。まさにヴィヴァひろみ!なのである。

 ニュー・スターには番組でも取り上げたフランスを本拠地にしている新人ボーカリストで「モンク・コンペティション」の優勝者、セシル・マクロリン・サルバンド(彼女に注目しているライターはほとんどいないはず)。それと前々から山下洋輔さんにその才能を聞かされていた注目のアレンジャー、国立音楽大出身の挟間美帆の2人を選んだ。挟間嬢は来年初めのジャズの時間に登場してもらう予定にしているので、乞うご期待。

 尚このジャズ・ジャパン・アワードは来年2月23日、今年と同じく横浜駅前の日産ギャラリーで表彰式と演奏会を実施する予定になっている。まだ正式決定ではないが、これも今年と同じく進行役は我らが山本郁が担当する予定。彼女の進行振りにも期待が高まる。ぜひ会場に足を運んでください。それと番組では12月30日に、ジャズ評論家の青木和富氏や話題のジャズ・ミュージシャン達を招き、2012年のジャズ・シーンを振り返ると言う特別番組もオン・エアーする予定ですのでこちらもよろしく。


12月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.12/07 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.128~早稲田ラグビー等々~】

 12月頭の恒例行事、伝統のラグビー早明戦も終わってしまった。我が早稲田ラグビー部は、最後の最後インジュリー・タイムで明治に逆転負け。大変に残念な思いだし、何とも後味の悪い思いでもあるが、一方の明治は久し振りに対抗戦グループ3校同時優勝。長年の悔しい思いを晴らしたのには率直におめでとうと祝福したい。

 だがそれにしてもだ。この試合なんとも後味が悪いのは、あまりにもこの試合の審判Hのレフリングがひどかったからである。ラグビーは審判批判は厳禁と言う事で、早稲田の後藤監督も試合後の記者会見で、それについては何も語っていないが、相当悔しい思いだったろうし、上田キャプテンも「自信を持っていたフォワードの、あの認定トライで全てが崩れてしまった」と悔しそうに語っていたが、それほどこの判定と最後の最後での明治側のノッコンの故意の見落としは、開いた口が塞がらない程の、ひどい判定だった。普段はレフリングについての質問などほとんどないのだが、この日は記者からもその疑問が出されたほど…。「何であれで認定トライなの…」と言った感じは試合中も感じたものだったが、レフリーがHだと記者会見の席で知り、それでは仕方ないとも思ったものだった。このHには3年前の帝京大との大学選手権の決勝でも、あまりにひどいレフリングをされ、早稲田の選手やファンも、大変に苦い思いをさせられたもので、鬼門になっている男。それもこれも早稲田の不運と諦めるしかないのだろうが、それも含めて早稲田に実力がなかったのは確かだろう。

 それでも今年も早稲田の試合、秩父宮はもとより、菅平や上井草、帝京大の百草園グランドなど、まさにフリークの様に数多く見たものだった。だが僕以上にいい年の爺さんやおじさん、おばさんフリークが多いのが早稲田で、その高齢化現象はどことなくジャズ・ファンにも似ている。もっとも人気のある早稲田でもこんな状態だから他の大学やトップ・リーグのチームなどでも観客は少ない。早明戦はもう35年余り、ほとんど全試合見ているが、最近の観客数の減少にはほんとに寂しいものがある。ましてや今年は早明戦100試合目と言う節目の試合。もう少し客が来てもいいと思うのだが、かつてのあの賑わいには到底及ばない。ワールド・カップも日本で開催されるし、7人制もオリンピックに採用されたと言うのだから、ラグビー協会ももう少し真剣に人気高揚策を考えるべきだろう。ましてや色々と問題を抱えた審判を、最も人が集まる早明戦に起用するなどはもってのほかである。とまあ、憂さを晴らしたところで(Hには真剣に怒っているのですが…)、早稲田ラグビーが大学日本一になり、優勝歌「荒ぶる…」を歌う日が来る日を、切に願っているのです。頑張れ、早稲田ラグビー! 


12月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.11/30 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.127~インディーズ・レーベル~】

 ここ数年ジャズ・レコードがかなり売れなくなっていることは、このコラムでも何回か書いて来たが、これはジャズだけでなくポップス、ロックなあらゆる分野に共通していることで、これまではアルバムを盛り立てるためにライブがあったのだが、今やアルバムはライブの会場で売るのが主流、となりつつあり、これはあのローリング・ストーンズなどロック界の大物でもそうなのだと言う。まあそんなこともあって「AKB48」のような握手券付といった、あくどい囲い込みを図るようにもなっている訳だが、これも仕方ないことなのかも知れない。
 そんなこんなで、最近のJ-ジャズのアルバム事情では、かつての大手レコード会社からアルバムが出ることは少なく、ほとんどがインディーズ系になってしまった。そんな中で頑張って、ジャズ・アルバムを出し続けているインディーズ・レーベルもある。「インパートメント」もその一つだが、ここはジャズ専門誌にほとんど広告も出さないし、インフォメーションもないので、地道にアルバムを出し続けている割に、ジャズ・ファンにはその存在を知られていない。この会社のレーベルの一つ「リップカールレコーディングス」は、かつてボサノバやブラジリアン・ミュージックの好アルバムを出し、結構注目を集めたものだが、ジャズ・アルバムをコンスタントに出し続けていることは、実は僕も知らなかった。そこで最近のこのレーベルの好アルバムとレーベル事情などを紹介してもらおうと、ここのジャズ担当の西野孝君に番組に来てもらった。

 彼はジャズ担当になってまだ数年と言う事だが、ギタリストでなんとあのバークリー音楽院に留学経験もあると言う本格派。彼はグレゴリー・ポーター、セシル・マクローリン・サルヴァントと言った男女のボーカリスト、そしてビリー・ハーパー、エディー・ヘンダーソン、ジョージ・ケーブルスと言ったスーパー・スター達のユニット「クッカーズ」など、素晴らしいアルバムを紹介してくれた。ぼくも偉そうに「せっかくこんないいアルバムあるんだから、もっとインフォメーションに力を入れなくちゃ…」などとサジェッションしたら、素直に肯いてくれた。いい奴である。そんなことよりお前がもう一寸色々目配りするべきではと、反省しきりのぼくなのでした…なお尚西野君の登場は12月第1週のジャズの時間です。


11月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.11/23 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.126~追分の秋景色~】

 山荘の改修など雑用があって、4日ほど追分に来ている。今年は暑さが結構長く続いたようだが、さすがにこの時期になると林は真っ赤&黄に色濃く染め上げられており、実に鮮やかなのだが、困るのは落葉が凄くて、テラスなどは一面葉っぱの絨毯、掃除するのも一苦労だ。久方ぶりに「カフェ・グルマン」にでも寄って、軽い昼食でも…と思い、バカ犬を連れて御影用水に向かったが、お昼時とは言え誰にも出くわすことなく、静寂そのもの。ただ残念なことに肝心の「グルマン」は、ぼくが追分にいる間、臨時休業とのこと。この前追分に来た時も店はオープン前で、まったく縁が無い格好だが、ブログなどを見ると結構順調そうなので、それで良しと言う訳だろう。用水では相変わらず常連の3羽のはぐれカモ達がひっそり寄り添って泳いでおり、彼らも夏の頃とは違って何か心寂しい。

 この追分の秋景色の中にいると、あの欧州を代表するジャズ・レーベルECMの「モスト・ビューティフル・サウンド・ネクスト・サイレンス(沈黙に続く最も美しいサウンド)」と言うレーベル・コピーが直ぐに頭に浮かんできて、ドルフ・グスタフソンなどの静寂系ピアニストの音が無性に聴きたくなってしまう。そう言えば10月末に原宿の白寿ホールで、今のECMを代表するピアニストの一人で、ポーランド・ジャズ界きっての逸材、マルティン・バシレフスキのトリオの演奏を聴いたが、これも実に静寂と興奮が混在化したECMらしい素晴らしいものだった。ポーランドは50年代から60年代にかけて、「夜行列車」などと言った、ジャズを音楽に使った秀逸なフィルムを数多く輩出した、隠れたジャズ王国。そんな懐かしい好フィルムの数々が「ポーランド映画祭」として、今月末に渋谷で上映されることになっているなー等々、バカ犬を連れての御影用水散歩は、次々と止めどもなく様々な思いが頭をよぎり、挙句の果てには帰り道を間違うという、不始末まで引き起こしてしまったのです。恥ずかしい!


11月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.11/16 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.125~J-ジャズの未来を背負う二人~】

 自身紹介の愛好欄に、昔は「ジャズ鑑賞、ラグビー観戦、ハードボイルド~ノワール小説、山登り、温泉探訪…」、などと記したものだが、このほとんどが今や爺臭いものになってしまった。山はこのところ山ガールの出現で人気が高まっているが、ここ最近はぼく自身がほとんど登っていない。ハードボイルド小説はまず主役のディックとも呼ばれる、私立探偵に魅力ある存在が出現していない。大学ラグビーは大学生の観戦がほとんど無く、観客の加齢臭が若い連中に嫌われているといった情け無さ。そしてジャズだが、これも小難しい音楽としてかなり敬遠されている模様…。どうやらぼく自身の趣向は、今や完全に時代に遅れたものになっているようだが、まあそれも自身の年齢を考えれば仕方ないこと。

 しかし、しかしである。肝心のジャズについてはそんな寂しいことも言っていられない。次代が育たねば大変である。と言うことで1年半ほど前から「ジャズ版・友達の輪」という安易な企画を考え、若い優秀なミュージシャンに友達を紹介してもらい、彼らが次々と番組に登場、その輪を広げている。少しでもジャズの底辺拡大になればと言った浅知恵である。この友達の輪には入らない(と言うのはかなり有名人だということ)のだが、よく番組に登場する若いミュージシャンもいる。その代表格がトランぺッターの市原ひかり嬢。いまや日本のトップ・プレーヤーとして認識されており、ラジオNIKKEIにも数人ファンのいる彼女だが、アルバム・デビュ^前から番組に登場してもらい、その後はアルバムを出すごとにスタジオに顔を見せる常連の一人でもある。これには師の原朋直、父親のドラマー・市原康(早大ジャズ研の後輩)が、番組と深い繋がりを持っていたこともあるが、何より彼女自身の実力、そして可愛らしさによるもの…。 
 そんな彼女の最新作は、洗足学園のジャズ科の1年後輩のピアニスト、佐藤浩一とのデュオ作『プレシオーゾ』。学生時代からの仲間であり、長い間地道にデュオ活動を続けてきたという、この2人のアルバムは実にいい感じに仕上がっている。“ボーツとして聞いていられる音楽”と言う通り、少しの無理もない実に心地良いジャズなのである。
 番組ではこの仲の良い2人が登場、アルバム誕生秘話から2人がお互いをどう見ているかなど、愉しいトークを聞かせてくれている。これからのj-ジャズを背負う、期待の2人のトーク・セッションは、来週24日の「テイスト・オブ・ジャズ」の時間です。ジャズ、やはりまだまだ面白いですよね。


11月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.11/09 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.124~川崎のジャズ・フェス~】

 横浜と神戸。日本を代表するするこの2大港町は、同時に日本を代表するジャズシティーでもある。古くから外国人が多かったこの街は、早くからジャズを受け入れた歴史を持ち、今もジャズが盛んな街でもある。特に横浜は国内最大のジャズイベントとも言える「ジャズ・プロムナード」を実施し、これは20年の長きにわたって続いている。
 
 そんなジャズ・シティー横浜のお隣の町・川崎は、工業都市と言ったイメージで文化の香りはいささか稀薄である。しかしこの町、あまり知られていないのだが、最近は「音楽都市」を標榜し、文化の面にも力を入れている。なにせこの町には、洗足学園と昭和音楽大学と言う2つの音楽大学があり、駅近くには立派な音楽ホールが数多くある。この2つの音楽大学には、それぞれジャズ専攻科があり、優秀な卒業生をシーンに送り出しているのである。それだけにジャズに縁が近い街と言う事で、隣りの横浜に対抗し、音楽都市としてジャズフェスを実施したいという考えは、前からあったよう。それが実現したのは昨年のこと。国内ミュージシャン主体の横浜に対し、川崎は世界一とも言われるスイスのモントリュー・ジャズ・フェスと組んで、その日本版を実現しようと図ったのである。
 モントルー・フェスのメインプロデューサー、クロード・ノブもこの計画には大乗り気で、昨年第1回の「モントルー・ジャズ・フェス・ジャパン・イン・かわさき」が実現したのだが、昨年は東日本大震災の影響ですったもんだあって、なんとかフェスは実現できても、告知などは行き渡らず、関係者もやきもきしたようだ。そして今年が第2回、ようやく本格的に動き出して11月16日~24日まで、川崎市の各ホールでジャズフェスを実施することになった。今年はミッシェル・カミロやリー・リトナー、デビッド・サンボーンなど有名ミュージシャンも数多くステージに登場、面白いフェスが実現できそうなのである。
 
 そこでこのフェスの広報担当の前沢陽一氏をスタジオに呼んで、このフェスの見どころ、愉しみ方などを教えてもらうことにした。「モントルー・フェス」はジャズだけでなく、ロックやワールド・ミュージックのステージも数多く組まれており、かえってそちらの方が主流になりそうだが、「川崎フェス」も本家になぞって、なんとあの60年代ウエスト・コースト・ロックの中心グループ「ジェファーソン・エアプレーン」も登場することになっている。そこら辺も含めて、このモントルー・フェス・イン・かわさき”大いに愉しみなので、前沢氏の話を参考に、ぜひステージに足を運んで見て欲しいもの。放送は11月10日のこの時間です。お楽しみに。


「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき2012」の実行委員・前沢陽一さん(左)と山本アナ


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11月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.11/02 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.123~30年ぶりのアルバム~】

 一昔前まではリーダー・アルバムを出すと言う事は、ミュージシャンにとって大変なことだった。その大変さは今もあるのだろうが、以前に比べればその垣根はだいぶ低くなっている。一つにはこれまでアルバムと言えば、大所のレコード会社から出るものと決まっていたのだが、最近はそのほとんどがアルバム、特にジャズ・アルバムなどは出さなくなり、またかつてのようにそうしたレコード会社から、リーダー作を出す意味合いも薄れてきてしまった。得に若い人たちはYouTubeなど自身の音楽を発信するツールが増え、前ほどリーダー作にこだわってはいないようにも見える。しかし中高年のジャズ・プレーヤーには、やはりリーダー作に重みがあることを充分に知っていて、それを出せればやはり相当に嬉しいもののはず。そんな中高年ジャズ・メンの一人が、ピアニストの元岡一英で、今回30数年振りにリーダー作を発表した。 

 元岡は高橋知己などのメンバーがほとんど北海道出身の「北海道バンド」などの活動で知られ、多くのアルバムにも顔を連ねてはいるが、自身のリーダー作はアメリカから帰った直後に出したソロ・アルバムのみ。そこで彼のトリオの一員であるドラマーの渡辺文男(サダオさんの弟)が、彼にリーダー作を出すことを勧め、盟友である天才アケタが自身のレーベル“アケタズ・ディスク”で制作することを快諾、今回お披露目となった次第。

 その彼が30年ぶりの新作を携え、スタジオに遊びに来た。新作のタイトルは『東京ダスク』。東京のジャズ・クラブがスタートする夕暮れ(ダスク)を描いた印象的ナンバーがタイトル・チューンの好ピアノ・トリオ・アルバム。30年振りと言う事で、自身もだいぶ気合が入り、ライナー・ノートも自身で書きジャケット写真も自身で選んだりしたと言う。そして出来上がってみると、やはり大変に嬉しかったと率直に語ってくれた。ぼくよりも少し年令は下だが同世代、ジャズの良き時代とともに歩いてきた彼が、自身のアルバムを出し心から喜んでおる姿は、やはりなんとも微笑ましいものでもあった。
 
 そんな彼が登場するのは、11月第1週の「ジャズ」の時間です。映画出演など楽しい話も聴けます。なお今週のオンエアーはいつもの土曜日18:00-では無く、再放送を行っている土曜日22:00スタートですので、聴かれる方はご注意下さい。


ゲストのピアニスト元岡一英氏


10月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.10/26 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.122~ラズウェル参上~】

 いま日本の現代文化で、世界への発信力が最も強力なのは間違いなく漫画=コミックだろう。出版社もその屋台骨を支えているのはコミック部門だとも聞くし、その多様さにおいても日本を凌駕するような国は欧米にも存在しない筈だ。そんなコミック大国~日本にあっては学園、スポーツ、政治経済などすべてがコミックの対象だが、ジャズ・コミックと言うのは残念ながらほとんど無い。若い人にジャズ・ファンが少ないせいか、ジャズ・コミックが無いからファンが増えない(と言う事もないだろうが)のか…。

 そんなコミックの世界で、ジャズを題材に描き続けているのが、ラズウェル細木画伯である。彼のジャズ漫画はプレーヤーの様子やジャズの歴史を描くのではなく、あくまでもジャズ・ファン、それもジャズ・レコード・コレクターという人種の生態を描くことにあり、そこがファンの共感を集めるところで、今年は文化庁の手塚治虫賞を受賞したとも聞く。彼は特にジャズの名門「ブルーノート」の収集に力を注いできたようだが、ジャズのそしてジャズ・レコードの衰退に伴い、以前ほど収集にも力を入れなくなってしまったようだが「ブルーノート」についてはうるさい存在だ。そこで番組に登場してもらい、。その大好きな「ブルーノート」について語ってもらおうということになった。

 もう50才台半ばの好中年でもあるラズウェルさんは、早稲田大学の歴史ある「漫画研究会(通称漫研)」出身。T君と言うこの部の先輩がラジオNIKKEIにもいたが、東海林さだお、園山俊二など多くの有名漫画家を輩出している名門である。ペン・ネームのラズウェル細木は、何とジャズ漫画の主人公、エサ箱(レコード屋の安いレコードやCDを入れる箱のこと)漁りに命を懸ける若きサラリーマンらしき人物の名前でもあり・それを即ペン・ネームにしてしまったのだと言う。ジャズに対する愛溢れた行為ではないか…。
 
 そんなラズウェル先生の為になる面白「ブルーノート講義」が聴かれるのは、10月最後の「テイスト・オブ・ジャズ」の時間です。なお10月からはラジオNIKKEI第2放送で、月~金の毎日午後1時から再放送を行っています。ラジオだけでなく、今話題のradiko~パソコンやスマホでの聴取法で、お昼のひと時“ジャズ”を楽しんではいかがですか…。


ジャズレコードコレクターであり、『酒の細道』『う』『ときめきJAZZタイム』でおなじみ漫画家のラズウェル細木さん


10月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2012.10/19 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.121~情熱のピアニズム~】

 先日”情熱のピアニズム”というジャズ・フィルム(正確にはジャズ・ドキュメント・フィルムだが)を試写会で見た。その“ピアニズム”の主役は、1998年に36才で夭逝してしまった、ヨーロッパを代表する天才ジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニ。フランス出身の彼は母国では神格化される存在だが、日本ではジャズファンぐらいしかその名前を知らないだけに、この地味なドキュメント・フィルムに人が入るかは(渋谷で単館上映されその後全国公開)いささか疑問だが、ぼくは大変に面白かった。

 情熱的で躍動的、しかもその底に苦渋も秘めた圧巻のピアニズム。確かに彼はジャズ界の英雄ではあったが、音楽一家に生まれ育った彼が人々の注目を集めたのは、そのプレーだけでなく、彼が障害者、全身の骨が壊れやすいための発育障害、身長が1メートルに満たない小人だということにもある。ぼくも彼のステージを2回ほど「ブルーノート東京」で見たのだが、共演のベーシストに抱きかかえられステージに登場し、ピアノの椅子に導かれるといった具合で、あんな感じでどんな演奏が…と思うのだが、いざ演奏が始まってみるとそのピアノに圧倒され尽くすと言った感じで、まさにミューズ(音楽の神)の申し子と言った趣きだった。

 そんな天才の早すぎる一生を、彼の周りの人物などの証言を基に綴った1時間40分ほどのドキュメンタリーで、監督は「イル・ポスティーノ」などで知られるマイケル・ラドフォード。彼自身はジャズに興味はないようで、ペトルチアーニの存在も、フィルム制作のオファーを受けるまで知らなかったと言う事だが、それ以降生前の彼について資料を集められるだけ集め、このフィルムを作り上げたのだった。こんなに小さく奇異な見てくれにも関わらず、ペトルチアーニは人生を謳歌し活動的に生き、実に女にもてた人物だったようで、突然に捨てられてしまった女性達も、みな一様に、彼のことを慈しんで彼のことを語っているのが印象的だった。最後の女性とは籍も入れたらしく子供も出来るのだが、その子供も遺伝のせいでまた彼と同じく小人だった(その息子も画面に登場し、偉大な父親を讃えている)ことも、彼を痛く打ちのめしたらしい。 

 自身も早死にと言う事を常に感じ、生き急ぐように人生にそして演奏にのめり込んだ感じは強いが、そのハンディキャップにも関わらず、いつも陽気でポジティブだったとフィルムは語ってくれている。演奏場面はそう多くはないが、色々と考えさせられる素晴らしいジャズドキュメントだけに、ぜひ多くの人に見て欲しいものと思う。いい映画、素晴らしい人生。ジャズやっぱりいいものですね。


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