5月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.05/10 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.150~ジャズコーラスの老舗~】

 ジャズ・コーラス・ユニットと言えば、今最も知られているのが、何回も来日を果たし、その洗練されたステージで、ジャズ・ファンだけでなく多くのショウ好きを魅了している「マンハッタン・トランスファー(通称マントラ)」と言う事になるだろう。男女2人ずつのこのコーラスユニットは、一人ひとりがピンでも活躍できる実力を備え、実際にソロ活動も行っているが、4人のモダンなハーモニーや自在なスキャットなど多彩なテクニックは圧巻とも言えるもの。このユニット誕生の基となったのが、モダンコーラスユニットの草分けとも言える「ランバート・ヘンドリックス&ロス」。50年代の半ばから後半にかけて大人気だった彼らは、デイブ・ランバートとジョン・ヘンドリックスと言う男性陣と紅一点のアニー・ロスの3人組。ジャズのアドリブ演奏に歌詞を付けたり、スキャット処理をしたりと、その奔放なボーカル技は今聞いても新鮮で、この前彼らの2枚組ベスト・アルバムを買って聴いたが、余りの素晴らしさに感激しきりだった。

 そんな彼らより早くから、ジャズ・コーラス・ユニットとして活躍していたのが「フォー・フレッシュメン」。ユニット名通りの男性4人組のコーラスで、ダークダックスやデュークエーセスなど日本のコーラス・グループの師匠格にあたる。1947年に結成された彼らは、コーラス・ハーモニーだけでなく全員が楽器を演奏し、それも素晴らしい腕前。初期のメンバーはもういないのだが、現在もなおメンバーを変えて70年近くユニットは続いており、世界中に多くのファンもいて、ファン・クラブも世界的規模で活動しているのだと言う。

 そんな「フォー・フレッシュメン」ファンクラブの日本代表が市原靖さん。彼は早稲田大が世界に誇るフルバンド「ハイソサイエティー・オーケストラ(所謂ハイソ)」でトロンボーンを吹いていたコンマスで、ぼくの同期でもある。知り合ったのはつい最近だが、そのファンクラブの世界大会には日本代表として毎年出かけていると聞き、興味深かったので「フォー・フレッシュメン」の魅力やそのファン・クラブの活動などを紹介してもらうことにした。世界には面白い活動をしているクラブがいくつもあるのだが、このクラブもその一つと言えるだろう。

 市浦氏は無類の好人物。番組出演を世界中のフォー・フレッシュメンファン・クラブにすぐに発信してくれたとのことで、結構「期待しているよ...」と言うリアクションもあるようだ。我らが「テイスト・オブ・ジャズ」も、南米や北欧各国のジャズ・ファンからも注目を集めるかもしれないと、今期待ワクワクと言った所です。

【今週のゲスト:サックスプレイヤー 宮地スグルさん。昨年末にリリースされたアルバム『The Grooves Around the Globe』 から4曲お届けします】
M1:「The Elements Of Gravity」
M2:「No Hay Mojito」
M3:「Meu Espirito」
M4:「Djemaael-Fna Square Parc-1/Recorda-Me」

5月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.05/03 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.149~日本をこよなく愛したジャズ・プロデューサー~】

 日本はアメリカに次ぎ世界第2のジャズ大国などとよく言われる。最近でこそレコード不況の影響もあって、余り新しいアルバムも登場することが少なくなってしまったが、かつてはアメリカを凌ぐほど日本のレコード会社各社は、アメリカ&ヨーロッパのジャズ・レーベルと積極的に契約を結び、数多くのジャズ・アルバムを出したものだった。それだけにジャズをメインにするレコード・プロデューサー達、ECMのマンフレッド・アイフャーや、キャンディドのアラン・ベイツ、リバーサイドのオリン・キープニュース等々、誰もが日本好きを公言し、しばしば日本を訪れたりもしたものだった。

 
 そんな中で最も日本好きとも言えるのが、ドイツ人のホルスト・ウエーバーだろう。

「enja」と言うジャズ・レーベルのオーナーだった彼は、昨年2月に肝臓がんの為に亡くなってしまったが(享年78才)、来日回数40回余り、なんと服飾ディーラーからの転身で、ジャズ・レーベルを立ち上げたと言う経歴の持ち主。このレーベル立ち上げには、日本のジャズ関係者が大きく関係しているのだが、このほどその死を悼んで、同じドイツ出身のピアニスト、ティチアン・ヨーストによるオマージュ作品『さよならの記憶』が出された。そこで番組でも「enja」誕生の立役者となった、新宿の主、ジャズ喫茶「DUG」のマスターにしてジャズ写真家の中平穂積氏と、長年「enja」の担当ディレクターとして彼と付き合いのあった「ミューザック」の代表、福井亮司氏を招き、ホルストについていろいろと語り合ってもらうことにした。彼をジャズ・プロデューサーへ仕立てた中平さんは、彼の大親友。山中湖にある中平さんの別荘へも良く泊まりに来て、釣りを楽しんだりしたと、その交友を語ってくれ、彼がホルストに多くの日本人ミュージシャンを紹介し、ここから日本人のアルバムも数多く出され、欧州のジャズ・ファンはJ-ジャズ好きも多かった。

 ホルストの恩恵を受けたミュージシャンも代表格は、山下洋輔と日野皓正の2人。「中平さんの紹介で知り合い、その後の豊かな時間を2人で共有した」(山下)。「兄弟みたいな人だから、何を話せと言っても無理だね、思い出がありすぎて...」とそれぞれが追悼盤にコメントを寄せているが、本当にJ-ジャズ紹介の功労者だったし、日本好きだった。

 ぼくも3度ほど中平さんの店で彼と飲んだことがあり、彼のプロデュースしたアルバムのライナーもいくつか書かせてもらったりして、大変に想い出深い。今はこうした個性的なジャズ・プロデューサーが少なくなってしまい、本当に寂しい想いがしますね。番組では2人がそれぞれ「enja」のアルバムを掛け、その思い出を語ってくれています。合掌! ホルスト・ウエーバー!

【今週のゲスト:新宿DUGのマスターでフォトグラファーの中平穂積さん(写真左)とMUZAK代表の福井亮司さん】
M1:ジョイフル・ノーヴェンバー/ティチアン・ヨースト・トリオ
M2:JIRGE/JULIAN
M3:ロック・マイ・ソウル/ブラック・グローリー
M4:ブー・ビー・ドゥー・ワップ/ティチアン・ヨースト・トリオ

4月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.04/26 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.148~秋田の女性ピアニスト~】
 3週間続いた女性ピアニスト特集の最後は、秋田在住の早川泰子。今回東京と横浜のジャズ・クラブに招かれ、4か所ほどでギグ(仕事)をこなすらしいが、その合間を縫ってスタジオに遊びに来てくれた。彼女と顔合わせるのは今回が初めてだが、今から10年程前、彼女がデビュー・アルバムを出した時に、ジャズ専門誌「スイング・ジャーナル」のアルバム・レビューをぼくが担当する事になり、初めてその存在を知ったのだった。当時は秋田在住のピアニスト、と言う位しかインフォメーションが無かったのだが、そのバップ一筋の真摯な姿勢には心惹かれるものがあった。

 最近はそんな傾向も薄れつつあるが、やはりジャズ(J-ジャズ)は東京...と言うイメージはまだまだ強い。確かに大阪、神戸と言った関西圏や福岡、札幌などと言った大都市では、その土地在住のジャズ・ミュージシャンも少なくないが、秋田というある意味ジャズの辺境の地で、頑張っている女性がいるのは大変に心強い思いもある。そんな彼女もデビュー・アルバム以降、順調にその実力を伸ばし続け、東京などでも良くライブを行うようになった。その一つが我ら、早大ジャズ研の拠点でもある新宿の老舗クラブ「J」。マスターのバードマン幸田(大学の同期)からも、是非彼女を番組に登場させるようにと強く勧められ、ぼく自身も一度会ってみたいとも思っていたのだが、今回ようやく幸田くんとの約束も実現した次第。

 実際の彼女はお年の割に(失礼)、実にしぐさなど可愛らしいお人だった。だが何より驚かされたのは、ぼくが敬愛する日本の至高のバップ・ピアニスト、故大野三平さんの唯一の弟子だと言う事。この大野氏20年ほど前、番組にも登場してもらったが、典型的な破滅型ジャズメンで、苦み走ったいい男で女泣かせ。番組終了後当時の担当アナをしつこく誘い、彼女も音を上げていたが、ある意味そのプレー同様に一途で猪突猛進、そこらへんに多くの女性がコロッと参ってしまうのかも知れない。そんな三平さんの思い出を、彼女と1時間ほどしていたが、彼女のバップに賭ける情熱は師匠譲りのものと至極納得できた。

 彼女の旦那は今秋田でジャズ・クラブを開いており、彼女のアルバムのジャケットを切り絵で飾るなど、毎回全面協力していると言うおしどり夫婦の様だ。秋田が大好きでこの地を離れることなど考えられないと言う彼女、J-ジャズにもこうした地域的な拡がりが出て来ることは、大変歓迎すべきなのだろうと、彼女の話を聞いていて感じ入った次第。 その早川さんの登場は、4月最終週のジャズの時間です。乞うご期待!

【今週のゲスト秋田在住のジャズピアニスト 早川泰子(やすこ)さん】
M1「クレオパトラの夢」
M2「RHYTHM A NING」
M3「翳『砂の器』より」
M4「FLYING HOME」

4月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.04/19 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.147~桑原あい~】
 今ジャズ界は女性上位の時代...、と記すとジャズ・ファンからお叱りを受けるかも知れないが、ことJ-ジャズの世界ではその傾向は顕著である。世界のシーンのトップに君臨するとも言えそうな上原ひろみを筆頭に、寺井尚子、山中千尋、ケイコ・リー、市原ひかり等々、まさに多士済々。この面子こそ、J-ジャズを牽引しているのが女性陣だと言う事実を、如実に物語っているだろう。


 さてそんな元気印のJ-ジャズ女性陣の中で、注目の若手と言えばまずはサックスの寺久保エレナ。彼女はデビュー時からスタジオに遊びに来て、その才能を披露してくれたが、彼女に続く注目株として、今急激に関係者の間で話題になっているのが、ピアノの桑原あいである。彼女はまだ20代そこそこで、本格的にデビューして2年余り。この4月初旬に本格的なデビュー作『シックス・センス』を発表したので、スタジオに遊びに来てもらった。

 彼女のユニットは「桑原あいトリオ・プロジェクト」と言い、プロデューサー役はベースの森田悠介(アルバムは彼女とのコ・プロデュース)で、この2人がユニットのコア・メンバー。それだけに当然、スタジオには彼女一人ではなく、ベースの森田君も一緒に登場した。まだ2人がコンビを組んで2年余り。森田くんは彼女の姉さんの大学の同級生と言う仲で、森田君と知り合ってようやくジャズに本格的に取り組めるようになったとも言う。

 そんな彼女は子供のころから天才少女で、エレクトーンのコンクールを総なめ状態。雑誌でもエレクトーンの天才少女としてよく取り上げられていたと言う。若いだけに当然ジャズだけでなくロックや様々な音楽に興味を持っており、それらが混在した形で彼女の音楽=ジャズ世界が形作られているわけだが、尊敬するのが、ミッシェル・ペトルチアーニと上原ひろみと言うあたりにも、その良さはうかがえる。アルバムのタイトルはシックス・センス=第6感で、脳と音楽(ジャズ)の関係に興味があり、その問題を考えながら全曲を書いてみたという彼女。その音楽も決して頭でっかちのものでなく、若々しく瑞々しい彼女の感性に裏打ちされたもので、実に新鮮な響きを有しおり、それに確固としたテクニックがプラスされるのだから、ある意味で完璧とも言えるのだ。さすがに各方面で話題になるだけのことはある、期待の新星そのものと言える。
 桑原、森田2人のまるで兄弟の様な仲の良さ(スタジオでも仲良くやり合ったりしていたが...)、これも今回の番組の一つの聴き所でもあります。なおこの4月から「テイスト・オブ・ジャズ"は、また少し放送時間が変更になっていますので、ご注意してください。

【今週のゲスト ai kuwabara trio project 桑原あいさんと森田悠介さん】
M1「INTUITION~your six sense~」
M2「AUGURY, WAVES, DIVE!」
M3「BRAINWORK」
M4「Riverdance」

 

4月13日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.04/12 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.146~女性上位~】
 4月ももう第2週、新年度・新学期も順調にスタートを切ったようだが、今月の「ジャズ」はなぜか女性のピアニストが3人並ぶ。特に意識した訳ではないのだが、一寸面白い人を選んでいたら、結果として女性ピアニストが並んだ次第。ただこの3人、上原ひろみや山中千尋といった有名人ではないが、それぞれに特色がある注目の存在なのである。キャリアもかなりなベテランから注目の新人まで、活動拠点も東京と秋田とそれぞれに特色がある。

 ではその3人を紹介しよう。今週が山岸笙子、来週は桑原あい、そして最後が早川泰子、以上の3人である。「いやーどの人も知らないわ...」などと思われるかも知れないが、確かにそうである。しかし一番若いあいちゃんは20代半ば、まだ2枚しかアルバムを出していないが、今度の最新作で大注目を集めること間違いない気鋭の新人なのである。上原、山中に続く存在と一部で噂される彼女についてはまた来週特集するとして、残りの2人もかなりなキャリアの持ち主。まずバークリー音楽院出身の山岸さんの方は、ピアニストとしてより作・編曲者として注目を集める存在。歌番組なども数多くこなし、そのアレンジなどでも高く評価されている人。一方の早川さんは、地方(秋田)で頑張っているピアニストとして一部では良く知られた存在。東京には演奏活動で時々出て来る訳だがハンディがあるのは否めない。しかしそんなハンディをものともせずに、積極的にアルバムを作り、本場NYにも出かけてライブ活動も積極的に行っている、肝っ玉(かあさん)ピアニスト。生粋のバッパーで、バッド・パウエルを敬愛し、こんなにも一途にバップ道に突き進むピアニストも珍しいとも思える存在だが、それが女性だと言う点にも惹かれる。

 いずれにせよこの女性ピアニスト達、女性上位のジャズ界とも言われる昨今、それぞれ特色がある面白い存在ばかりなので、是非ご期待ください。

【今週のゲスト ピアニストの山岸笙子さん】
M1「Shooting Star」
M2「How Deep is Ocean」
M3「Midnight Forest 」
M4「Moon River」





4月6日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.04/05 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。


【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.145~ジャズ入門講座~】  

 桜の開花が異常に早い今年の春、桜並木の続く我が国立の街も、もうすっかりその見頃が過ぎてしまった。まあそれは仕方ないとして、この4月はなんでも「新」の付く時期で、新入学、新入社、ラジオ局ならば新編成等々、どこも「新」で溢れる。国立でも街の中心の一橋大学の新入生が、希望に満ちて闊歩している訳だが、ジャズでもこの時期は新人を呼び込まなければ...、と言う事で例年この4月の第1週の「ジャズ」の時間は、岩浪洋三、青木和富など、様々な第一線のジャズ評論家に登場してもらい、その人のお勧め入門アルバムやジャズの愉しみ方などをアドバイスしてもらっている。

 今回招いたのは今最もアクティブに活動しているジャズ・ライターの一人、村井康司氏。氏は「ジャズの明日へ」などの好著がある気鋭のライターだが、本職(?)は大手出版社S社の部長さんで、2足のわらじをこなす才人だが、その鋭い洞察力は仲々のもの。彼が今回選んでくれたのは、ポップスやヒップ・ホップに親しんでいる若い音楽ファンが、ジャズを聴きだすのに最適なアルバムと言う事で、ジャズ・キング、マイルス・デイビスのラスト・アルバムや、今年のグラミー賞R&B部門でウイナーを獲得した、ピアニスト&キーボーディストのロバート・グラスパー等々、全部で4枚のアルバム。中でも興味深かったのは、盲目の天才サックス奏者、ローランド・カークのアルバムを推薦していたこと。盲目ながらも素晴らしい才能のカークは、いっぺんに3本の管楽器を吹くと言う驚異のプレーヤーでもあるのだが、その奇抜なスタイルのせいでデビュー当時は魔人とかグロテスク・ジャズなどと言う、悲惨な呼び方もされた不遇の天才でもあった。もう亡くなって20年近くになるが、ジャズだけでなくブルース、ラグタイムなど、黒人音楽の全てに通じていた彼は、現在のラップやヒップ・ホップの原型とも言える、ジャズと他の黒人音楽の融合を図るような独自の世界を構築していた。村井氏も彼の功績を大きく評価、ぜひ一度その音楽に触れて欲しいと語っていた。ぼくもその通りと思う。

 

 いずれにせよジャズはそう難しい音楽ではないし、だれがなんと言おうと気に入ったジャズを愉しめばいいのだと、氏はアドバイスしてくれている。今や日本ほどジャズが街に溢れ返っている国は無いのだからジャズなど難しくて...、などと躊躇しているお友達がいれば、気楽にジャズを愉しむ様にさとしてみてくれませんか...。

 

【4月6日の番組ゲスト:ジャズ評論家の村井康司さん】
入門者にオススメのジャズをご紹介頂きました。
M1 「Mistery/マイルス デイビス」

M2 「Afro Blue/ロバート グラスパー」

M3 「What's Goin' On/ローランド カーク」

M4 「Liberty City /ジャコ パストリアス」

3月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.03/29 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中(4月からは毎週土曜22:00-22:30に引越し予定)。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.144~台湾あれこれ~】
 もう3月もお終い。例年以上に早い桜の開花に続いて、直ぐに新年度・新学期が始まる。例年この4月の初めのジャズの時間は、色々なジャズ評論家の方に登場してもらい、その人のお勧めするジャズ入門講座を開設することになっており、今年もまた気鋭のジャズ評論家が登場するはずだが、それは来週お伝えするとして、今日はちょっと趣向を変えて、ぼくがここ10数年関わっている台湾関連のトピックを紹介してみたい。

 ひょんなことからこの「イル・フォルモサ(美しい島)=台湾」に関わりを持ち、台湾・日本の友好特番を年2回ほど行うようになって、はや十数年。そんな関係で台湾の大使館~経済文化代表処から、台湾の文化イベントなどにも時々お誘いを受けるが、先日外人記者クラブのホールで台湾のドキュメンタリーを上映する会に招かれて行ってきた。会場は満杯、客の中には台湾特番のパーソナリティーを頼んでいる一靑妙さんもいた。あの売れっ子シンガー・ソング・ライターの一青窈さんは彼女の妹さんで、自身は歯科医にして女優。最近は台・日両方の血を受け継いだ、自身の家族の思い出を書いた「わたしの箱子」と言うエッセイが評判を呼び、第2弾も今年の5月に出すと言うエッセイストでもある才女。そんな様々な人であふれた会場で上映されたのは2本のドキュメンタリー。

 一本は台湾の高令者の方達の台湾一周バイク・ツアーの模様を収めたもの。その元気印に圧倒されたが、作品としていまいち...。続いてのメインは、台湾の高地に住む少数民族、タイヤル族のある集落の人々の暮らしを追った、BBCのスタッフによる司馬庫新と言う1時間半の長尺ドキュメントで、様々な賞も獲得しただけあって、素晴らしいものだったし実に興味深い作品でもあった。台湾はおよそ九州位の面積。そこに10を超す少数民族の人たちがいて、その大部分は高地(台湾には何と110を超す3000メートル峰がある山国でもある)に暮らしているのだが、このドキュメントに登場する集落も、台湾のシリコン・バレー、新竹市から車で3時間ほどの高い山奥にあり、自然豊かな土地で深い森と谷、高い峰々を有し、その中で自分たち民族の伝統を守りながら暮らしている。その自然と共存する貧しいが充実した生活。そして興味深いことには、ここの20余りの集落は全員がキリスト教徒だと言う事。自然やその暮らし振り、画面も美しく、生きると言う意味を考えさせらる、学ぶところも多いドキュメンタリーだった。代表処の文化組(広報)に言えば閲覧も可能かも知れないから、興味ある方は是非電話してみて欲しい。台湾、まさにイル・フォルモサ~美しい土地と人々です。

【3月30日の番組ゲスト シャイマエストロ(p)さん(=写真右)とズィウ゛・ラヴィッツ(ds)さん】
オンエアー曲
アルバム『SHAI MAESTRO TORIO』から
M1 Sleeping Giant        M2 Painting
M3 Angelo                   M4 One For AC

3月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.03/22 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.143~NYの最有力若手登場~】

ジャズの世界は黒人(アフロ・アメリカン)が中心なのは、その歴史を見ても明らかだが、白人プレーヤーやシンガーたちの役割もそれと同じくらい大きいのは言うまでもないこと。その白人ジャズプレーヤーの多くは、ユダヤ系であることは意外に知られていない。ベン・シドランと言うシンガーがユダヤ人の歴史をジャズ組曲のような形でまとめたアルバムが、以前に出されたことがあったが、そこに参加したユダヤ系ミュージシャンが数多くいたことには、まったく驚かされた。日本の芸能界でも出自については噂されるものだが、ジャズプレーヤーのユダヤ系の多さはその比ではない。その上ミュージック・ビジネスはユダヤ系ががっちりと押さえており、ある意味音楽業界はユダヤ系の牙城とも言える。

 ただし今はユダヤ系ではなく、本国イスラエル出身のジャズ・ミュージシャン達が、NYのジャズ・シーンを席巻しているのは見過ごすことが出来ない。その中心になっているのがコーエン兄弟で、その中の一人アネットは、ジャズ/クラリネットに革命を起こした素晴らしい女性プレーヤー。そんなイスラエル出身の新しいプレーヤの中でも最注目の存在が、シャイ・マエストロ。イスラエルの音楽学校を優秀な成績で卒業、NYに渡ってすぐにそのピアノの才が各方面で脚光を集め、このほど初めてのリーダー・アルバムを出した。そのアルバムを携えて来日公演を行ったのだが、その合間を縫ってスタジオに立ち寄ってくれた。

 日本は2回目と言う彼はドラマーのザジを伴ってスタジオに来てくれたが,日本のジャズ・ファンの素晴らしさ、京都の美しさなどを語ってくれ、全てオリジナルになる初めてのリーダー作についても曲作り裏話など気さくに紹介してくれた。まだ若干28才。彼自身も若いがイスラエルという国もまだ若い国。それだけに若い才能が伸び伸びとやれる要素も強い、と自国のジャズの素晴らしさについて感想を述べていた。NYで頭角を現してまだ間もないが、これからのシーンを担っていく最有力株の一人であることは間違いない。この彼の話を通訳してくれたのは、ラジオ日経のお偉い女性局長のIさん。彼女には通訳がついていない、ジャズメンなどがスタジオに来た時に頼んでいるが、いつ頼んでも実に的確で素晴らしく、イスラエル大使館の女性担当官も舌を巻いていた。シャイの音楽やトークと共に、彼女の通訳の素晴らしさもお愉しみいただければと思います。


3月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.03/15 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.142~キューバからの女性ピアニスト~】

このコラムでも再三書いているように、ぼく自身のジャズの好み、と言うよりも買い求めるジャズ・アルバムのほとんどは、楽園系ジャズと言うかラテン・ジャズと言う事になっている。この分野、日本のジャズ・ファンには無視され続けて来たものだけに、日本盤が出ることも実に少ない。そんな中久しぶりに女性ピアニストのマリアリー・パチェーコのアルバム、タイトルは『トーキョー・コール』がリリースされた。

 このパチェンコ嬢、1983年生まれと言うから現在30才になったばかりの若さ。ジャケット写真を見る限り、肌の色は褐色で仲々の情熱的な美女で、如何にもキューバ出身のいいオンナ。まあただ単に見た目が美女であるから、ここで推薦と言うのではもちろん無い。タイトル曲は彼女自身のオリジナルで、これがびしっと決まったなかなかの迫力もので、この1曲でこのトリオの世界に引き込まれてしまう。ドラムスは岩瀬立飛、ベースが若手随一の実力派、川村竜という日本人のリズム隊と組んだトリオ・アルバムなのだが、見事なコラボレーションを聴かせ、およそキューバ・日本の連合ユニットとは思えない素晴らしさなのである。彼女は母国のキューバでは、2002年に若手主体のジャズ・コンペティションに参加、そこで優勝を果たし一躍その名前を挙げ、12年には有名なモントリュー・ジャズ・フェスのソロ・ピアノ・コンベンションで女性初の優勝に輝き、名実ともに世界のトップ・ピアニストに仲間入りする実力派。その余勢をかって12年に日本で録音されたものだけに、このアルバムでの彼女のプレーは、力強さと輝きに満ちており、能天気な音楽とラテンン・ジャズを敬遠する向きにも、訴えかける所は多いはずである。「キャラバン」「朝日のように爽やかに」などの有名曲も取り上げているが、そのアプローチも新鮮で聴き応え充分だ。

 今は本国のキューバを離れ、どうやらオーストラリアを活動拠点にしている様だが、今年の5月頃にはまた日本を訪れライブ・ツアーをする予定だとも聞く。日本側のプロデューサーにはその折には、是非番組に出演してくれるように頼んであるので、彼女の生の声が聴かれるのでは…とも思っています。乞うご期待ですね。 
【3月16日の番組ゲスト:トランぺッター西尾健一さん】
オンエアー曲
M1:Half Sugar
M2:Stella by Starlight
M3:Bitter Truth
M4:なんだっけ?



3月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.03/08 スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.141~丸山繁雄~】

 ラグビー・シーズンも日本選手権のサントリーの完全優勝で終わってしまい、観戦の愉しみも消えてしまった。我が早稲田ラグビーは帝京に完敗、来季どう立て直しを図れるのか、部員・スタッフの奮起が強く望まれるところだ。来季勝て無ければ向こう数年は、早稲田は長期低落に落ち込む感じもする。

 まあこんなことは早稲田ファン以外は、どうでもいい事かも知れないが、このラグビーとジャズ、一見無関係なこの2つを結び付け、世界で唯一とも言えるジャズによる「ラグビー組曲」を作った男、それがボーカリストの丸山繁雄である。彼は早稲田ジャズ研の後輩で、日大芸術学部の講師、そして日本のジャズメンで初めて、ジャズで博士号を獲得した本格派にして日本屈指の実力派でもある。もう25年ほど前になるが、彼のアルバムをラジオたんぱ(ラジオ日経)の最も大きな、第2スタジオを使って作ったこともあり、このアルバム結構評判も良かった。

 そんなぼくとも因縁浅からぬ丸山繁雄なのだが、彼がジャズ・ボーカリストとして最も尊敬しているのは、ジャズ・ボーカルのレジェンドとも呼ばれるジョン・ヘンドリックス。モダン・ジャズ・ボーカルの歴史を形作ってきた偉大な存在だが、すでに90才近い高齢者。そのレジェンド最後の公演をこの3月に仕掛け、一緒に共演を果たそうと企画し、それを実行に移してしまった。そんな彼をいささかでもバック・アップ出来ればと思い、久しぶりにスタジオに招き、2人の日本での3か所でのライブ・スケジュールや、ジョン・ヘンドリックスへの自身の溢れる想いなどを語ってもらった。ジョンはちょうど番組オン・エアーの日に来日を果たすはずだが、超大物の上に超高齢だけに色々と問題も多く、来日するまで心配事が絶えないとぼやいていたが、まあ才人、丸山のことだからそこは上手くやることだろう。それにしても彼のギャラの高いこと。それを負担してまで、彼を日本に招き、共演を実現させようと言う丸山の熱意には感服だ。

 男性ジャズ・ボーカルと言えば、小林圭とかTOKUなど女性受けのいいルックス第一主義が横行しており、彼はその点いささか男の色気には欠けるのだが、歌の上手さは天下一品。その実力が再度ファンに確認されることを、師匠ジョン・ヘンドリックスとの今回の共演を通して是非望みたいものです。同じ早稲田ラグビーをこよなく愛する同志としても、今回の公演成功を祈っています。
【3月9日の番組ゲスト:ジャズシンガー丸山繁雄さん】
オンエアー曲
M1 Almost Like Being In Love /丸山繁雄
M2 This Could Be The Start Of Something Big / Jon Hendricks
M3 Baubles Bangles And Beads / 丸山繁雄
M4 The Song Is You / 丸山繁雄



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