2月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.02/14 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.190~最近のピアノアルバム~】

 今回は少しお詫びから...。3回前のこのコラム(Vol187)で「図書館三昧」と題し、どうもこの所ぼくの好きな私立探偵ものが元気が無いと書き、収穫はアメリカ期待のドン・ウオズロウくらいのものとしたのだが、このコラムを読んでくれている知り合いの一人が、日本の重要人物を一人忘れていませんか...、と有難い忠告をくれた。そうでした今乗りに乗っている人気作家、東直己がいましたね。彼は私立探偵たちが元気を失い通ある90年代の初めごろからシーンに登場、故郷の札幌に腰を据え、くだけたトーンの「ススキノ探偵シリーズ」やシリアスに事件と向かい合う正統派ハードボイルド「畝原シリーズ」などの、傑作私立探偵ものシリーズを書き続けており、その「ススキノ」が、大泉洋、松田龍平のコンビで映画化され、一躍脚光を浴びた素敵な作家である。「ススキノ」シリーズの第1作が「探偵はバーにいる」だけに、いつもバーに入り浸って酒まみれなのだが、バー=ジャズ好きで、マスターに自身のお勧めのジャズ・アルバムを紹介したりしているのだ。そのアルバムもピアノトリオが多いようで、特にお好みはビル・エバンスの様だが、本当に東氏自身がエバンス好きかはしかとはしない...。彼に関しては札幌在住のシンガー、MIZUHOの新しいアルバムが出て、コーディネイトを大学時代の仲間がやっていたので、アルバムのライナーを彼に頼んだらとアドバイスしたことがあった。ただ彼が締切で忙しいとのことでこのアイデアは実現しなかったが、大のジャズ好きは間違いないようである。

 とここまでが前置き、その東氏がピアノトリオ好きというのにひっかけた訳では無いが、今週は注目のインディーズ・レーベル「インパートメント」の若きジャズ担当西野君に、同社が出しているお勧めのトリオ・アルバムを数枚紹介してもらうことにした。昨年初めスタジオにも遊びに来てくれた、イスラエル出身で今NYでも最も成長株と言われるシャイ・マエストロの2作目、フランス領マルティニク島出身でパリで大人気のグレゴリー・プリヴァ、そして昨年他界した大御所ジョージ・シアリングがお気に入りのベーシスト、ドン・トンプソン(カナダ随一のジャズメン)を自宅に招き、2人で収録したプライベート・アルバム、その名もずばりの『ホーム』等であり、若き注目株から大ベテラン迄、どれも珠玉の出来栄えの傑作アルバムばかり。特にお気に入りはシアリング&トンプソンの温かな交情が描き出されたデュオ作だが、心に沁みるいい作品である。このデュオ作はきっと東氏の"ススキノ探偵"も気に入るはずだと、今このコラムをしたためながら思った次第...。
2月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.02/07 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.189~エルカミナンテ岡本~】

 ラジオ日経は今でこそ、第2放送を「RN2」などと称し、平日は終日音楽局(「モア・ミュージック、レス・トーク」のキャッチ)に仕立てているが、ぼくのようなOBにとっては考えられないことなのである。かつてのラジオたんぱでは、音楽番組はまさに局の網走番外地的位置付けだった。この「テイスト・オブ・ジャズ」も、少し前に登場した業界の有名人、木全信大先輩から引き継いでまさに艱難辛苦の連続。「個人的趣味の番組は止めさせろ...」などと言われ続けたもので、それを掻い潜り、時に喧嘩をしながら、今日まで続いているという次第。「お気楽に番組続けていますね...」などと、若い局員から時々皮肉を言われることもあるが、この局での音楽番組継続の難しさを知らないから...、と少しばかりむっとしたりもする。その局が今や音楽局なのだから...時代は回るのである。

 さてこうした音楽が不当に無視され続けたこの局にあって、ポップ音楽の権威が誕生しているのは特筆すべきこと。音楽メインのFM局や中波局などからは、音楽評論家やライターがほとんど登場していないのに、音楽辺境局だったラジオ日経出身のポップス権威が何人かいるのは凄いことだと思う。ただ残念ながらそうした連中は、みんな途中で辞めてしまってはいるのだが...。その一人がケルト、ギリシャ、アルゼンチンなどポップスの周辺音楽の権威、松山晋也くん。彼は局を辞めた後、今は亡き伝説の雑誌「スタジオ・ボイス」の編集長などを歴任、今はフリーの音楽ライターとしで世界を飛び回っている。そしてもう一人がエルカミナンテ(探究者)岡本の別称を持つ岡本郁夫くん。

 彼はその別称からもお分かりのようにサルサ&ラテン・ジャズの権威にして、ラテンDJとしても知られる。岡本君の本職はラジオ制作会社のお偉いさん。皮肉にも今は「RN2」制作トップを務めているらしいのだが、実は早大ジャズ研の頼もしき後輩。それだけにぼくの言うことは良く聞いてくれる、と言うよりは聞かざるを得ない立場。ラテン・ジャズ大好きなぼくなどは良く色々と教えてもらうのだが、それならば移転した新スタジオでそのラテン・ジャズ談義を...と言う事で、彼のお勧めするラテン・ジャズ・ディスクを数枚持って、スタジオに遊びに来てもらった。坊主頭で遠目にはプエルトリコの悪党にも見違える彼だが、そのワイルドな風貌もあってDJとしてももてまくりのようで、羨ましい限り。
 その彼のお勧めはキューバの超絶技巧ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバをメインにした今注目のラテン・ジャズ・スーパー・ユニット「ボルカン=ボルケーノ(火山)」。まさに活火山の様な火を吹くような激しい演奏が展開される快作。その他にもさすがと言えるアルバムを持参してくれた。エルカミナンテ岡本が登場するのは2月第2週のジャズの時間。ブラーボ・アミーゴ!
2月1日の「テイスト・オブジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.01/31 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.188~ブルーノート創立75周年~】

 ジャズの3大レーベルと言えば「ブルーノート」「プレスティッジ」「リバーサイド」と言う事になるが、このうち現在も続いているのはBNの愛称で知られる「ブルーノート」だけ。そのBNは今年で創立75周年。我が国で最初にジャズ・ブームが起きた1960年、アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ(JM)の来日時にも、いわゆるジャズ喫茶であるBNでの彼らのアルバムを愛聴しているファンは多かった。当時3大ジャズ・レーベルのうち、BNだけは国内販売が無く、輸入盤は相当に高価、貧乏学生はジャズ喫茶で聴くしかなかった。
 BNの特徴はその内容、レーベル・ポリシーの良さ、ジャケットの素晴らしさ等、いくつか上げられるが、何よりあの当時(それからもかなり長いこと...)輸入盤しか手に入らず常に高嶺の花だったことが、日本での圧倒的人気には大きく影響して居るように思われる。レーベル番号順に1番から続けて出す...、などと言った無謀とも思える企画も、ここだったからこそ可能だったとも言える。

 さてそんなBNも今年で創立なんと75周年。昨年プレ75周年と言う事で、新しく社長に就任したドン・ウオズ(自身も有名ミュージシャンで、素晴らしいアルバムを出している)が来日し、ミュージシャンも獲得し、次々と新企画を実施するから期待していて欲しいと宣伝していたが、ホセ・ジェームズやグレゴリー・ポッター等と言った、新しいタイプのシンガーの作品を次々に出すなど、いよいよ動き出した感が強い。このドン・ウオズに対し、日本のMr.BNとも言える存在が、ここのトップをやっていた行方均氏。BNがここ10年ほど最注目を集め、1番から順番にすべて出すなどと言うある意味無謀企画が通ってしまうのも、行方氏の功績とも言えそうだが、その彼も昨年末に退社してしまった。レコード会社大手は完全な外国資本。それだけにユニバーサルに昨年買収されてしまった、EMI出身だと何かとやりずらかったかも知れない。
 仕事も出来るが態度もでかい。今日のBNの隆盛の立役者、行方均プロデューサーに75周年を語ってもらうべく、今交渉中である。色々な面白い話が聴けるはずである。
1月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.01/24 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.187~図書館三昧~】

 ぼくの仲間でもキャッシュカードなどを沢山抱え、頻繁に使い倒している輩も少なくないが、どうもぼくなどはいい年令をして...等と思ってしまう。ぼく自身はカードと言えば、銀行とクレジット(2枚)そしてビデオ屋くらいでほとんど持たない主義だが、何故か図書館カードだけは多い。今住んでいる国分寺、よく利用する国立、この2つの市立図書館。そして春から秋まで山荘に行けば利用する、軽井沢、御代田の町立図書館。それと仕事の関係で港区図書館、国分寺と提携関係にある府中、小平の市立図書館と、全部で7枚、更に上野にある国立子供図書館(ここは素晴らしい穴場で、世界中の好絵本が見られる)の利用カードもあるので、図書館カードだらけである。

 
このうち最も利用頻度の多いのは国分寺と国立の市立図書館。両方合わせると15冊近く借りれるので、いつも利用しているのだが、読まねばならない本が数多あり積読状態。お気に入りは上記の子ども図書館と、蔵書数や環境などで府中と軽井沢図書館だが、府中は交通が不便、軽井沢は山荘に行っている間だけという難点がある。

 
図書館で借りるのは、やはり私立探偵が活躍するハードボイルド、そして自然本(山岳関連)、音楽書がメイン。ただし音楽関係本はどこも数が少なくほとんど読み切ってしまっている。唯一あの乗りに乗っている菊池成孔&大谷能生コンビのジャズ評論集M/D(マイルス・デューイ・デイビス評論集)だけは何回借りても読み切れずに、途中で返却する羽目になっている。また山岳関連もそう数は多くないため、結局私立探偵(ディックorプライベート・アイ)ものとなるのだが、これがジャズと同じく最近は人気が無いようで、読み応えのある私立探偵ハードボイルド作品は残念なことにほとんど無い。かつて彼らはジャズが流れる場末のバーなどで、孤独にバーボンなどを嗜んでいたのだが、今の若者達にはそうしたスタイリッシュな格好良さ、男の美学と言うものは、時代遅れの無縁な世界みたいで、新人探偵も殆ど登場しない。そんな中、孤軍奮闘しているのがドン・ウィンズロウ。彼は「減らず口」の陰にナイーブな心を隠した探偵ニール・ケアリー・シリーズ(「ストリート・キッズ」他)で人気を博したが、現在はカリフォルニアのサーファー探偵、ブーン・ダニエルズ・シリーズで、新しいファンを獲得しつつある。サーファーと言うだけに暗いバーで泥酔しながらジャズを聴くと言うことが無いのは残念で、好きな音楽も軽快なウエスト・コースト・ロックである、まあ時代は確実に変わりつつあるのだ。

 最近の音楽(ジャズ)書では、昨年暮れに番組に登場してくれたライターの村井康司氏の『ジャズ100の扉』がお勧め。ディスク案内書だが、有名盤一辺当にならず、パーカーから大友良英まで目配りが好い。特にぼくのご贔屓のヘンリー・スレッギル(前衛派の闘士)を100人に選出している辺りも応えられない。

 ところで最後に悲しいお知らせを...。このコラムの前身、3年ほど続いた「ジャズ徒然草」を担当してくれた清水君が、50才台半ばで先日他界された。技術畑の男で、真面目な人柄、誰にも愛された彼は、つい最近闘病中に再婚したのだが、その喜びもつかの間、悲しくも逝ってしまった。好漢に深く合掌。    


 
1月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.01/17 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.186~天才アケタ~】

 東京の高円寺で生まれ育ち、その地で30年間通学・通勤を繰り返し、結婚して数年は高尾の外れの新設団地住まい(かなりな山の中で、深夜に高尾の駅から40分ぐらいかけて歩くこともしばしば...)。さすがに疲れて国立の南に移り住み、そして現在の国立の北(住所は国分寺)に住んではや4半世紀。思い起こせば生まれてこの方、中央線を離れていない。それだけに典型的な中産階級路線、JR中央線には大変な愛着がある。この路線には気取らない良さと同時に、知的な雰囲気も濃厚だが、ただ一つ人身事故が多いこと。考えてみれば人身事故と言う単語、いかにも日本的な隠蔽体質むき出しの言葉で問題大有りだが、まあそれは今回は問題にしない。


 
そんな中央線文化を代表するものの一つがジャズ。なにせ「中央線ジャズ」という用語もあり、同名のジャズ本も出されている。そしてこの言葉、J-ジャズのある側面を象徴しており、ジャズの全盛期にはこの「中央線ジャズ」に属するミュージシャン、シンガーも多かった。その言葉の命名者は、国立でジャズ・バーのオーナーに収まっている、かつての新星堂のジャズ責任者、村上寛氏だが、彼の店には一橋大の学生も良く集まり、その連中が彼を担ぎ出し始めた「国立パワー・ジャズ」も、昨年暮れ無事に4回目のイベントを好評のうちに終了した。

 そして
中央線ジャズの拠点になっているライブ・ハウスが、西荻窪にある「アケタの店」。ここも今年で40周年で、そのオーナーはピアニスト、楽器オカリナ制作者にして奏者、エッセイスト、美大講師、そしてジャズ・レーベル「アケタズ・ディスク」の社長と多彩な顔を持つ、自他ともに認める天才アケタこと明田川荘之。店の40周年と言う事は、中央線ジャズも40周年。となれば是非とも彼に登場してもらわないとならない。丁度昨年終わりに、新譜も4枚出たところだったので、それを持って店の宣伝も兼ねて番組に登場してもらうことになった。

 
彼の父親は中央線文化を代表する有名彫刻家で、オカリナと言う楽器の発明者。その血を受け継いで立教大を出た後、プロのジャズ・ピアニストになった。そのピアノの腕前は勿論だが、天才を自称しているだけに、くだらない親父ギャグを連発する癖があり、今回の収録では比較的ギャグとダジャレの出は悪かったが、時々くだらないダジャレを言っては相変わらず一人乙に入っていた。ただ今回は番組ではかけられなかったのだが、彼と村上氏のコンビで作ったアルバム『わっぺ』に収録されている「エアジン・ラプソディー」。「アケタ西荻センチメンタル・フィルハーモニー・オーケストラ」と言う仰々しい名称のビッグ・コンボが演奏するこの曲、究極の名曲にして名演。ぜひ皆様にも聴いて欲しい一曲だ。ただ自身で「どうしてこんな名曲が書けるのか...、作者よ出てこい」などと自慢げに語る所は許しがたい。それにしても本当に泣かせる、素晴らしい曲で演奏です
1月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.01/10 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.185~先輩登場~】

 新年も2週目に入り新社屋に移ったラジオ日経もどうやら無事に動いているようである。この「テイスト・オブ・ジャズ」もこのコラムで何回か記しているように、記念すべき半世紀~50年目に突入、どこまで続くのか皆様も愉しみにしていて下さい。
 
 さて50年目となると、やはりこの先輩に登場してもらわなければという事で「ラジオたんぱ(日経)」の先輩にして、このジャズ番組をスタートさせた当人、木全信(きまた まこと)氏である。彼は局でぼくよりも6年ほど先輩。いかにも慶応ボーイと言った、いい意味での好男子であり、とっぽさを持った先輩(局の歴史上最高の美女と噂されたアナウンサーのMさんをものにしたことからも、その好男子振りはわかる筈だが、この2人その後離婚してしまった)、ちょうど30才になった年に局を退社、大手のレコード会社ビクターに移籍、その後アルファ・レコードの副代表なども務め、フリーのジャズ・プロデューサーとしても活躍した、ジャズ界の名物プロデューサー。 ぼくとは局で4年程しか重なっていないが、色々と面白い体験をさせてもらった。当時のたんぱ制作部はアナーキーな雰囲気に満ちており猛者も多く、彼などもその一人。昼間から近くの雀荘で打ち合わせをしていたりもしており、驚かされると共に嬉しくもなったものだった。彼への最初の挨拶も確かその雀荘だったと思うが...「お前早稲田大のジャズ研だっていうじゃないか、じゃ俺のジャズ番組手伝え...」と言う事になり、色々な人を紹介され、当時彼がジャズ・ライターもしていたので、そのつてでぼくもジャズの原稿を書かせて貰ったりして、今に至るという訳。
 
 その木全氏がこの春に、その長いジャズ・プロデューサー生活を振り返り、ケニー・ドリュー、バニー・ゴルソン等と言った有名ミュージシャンとの交友録などを新書(小学館)にして出版することになった。なにせ彼は300枚を超えるジャズ・アルバムをプロデュース、人に勧められギネスに申請なども考えたほどのプロデューサー。面白い話が数多くあるだけに、ここはひとつ番組でも語ってもらわないと...、と言う事で登場と相なった次第。木全氏ももう齢70半ば。だが相変わらず元気で女泣かせのいい男でもある。木全氏と会うと、いつもあのたんぱ時代のアナーキーな心地良さが思い出される。旧局舎で行われた番組収録の後、現在のラジオ日経社長を紹介したり、壊される局舎を案内して回ったりもしたが、さすがに彼も懐かしそうに、スタジオや局員のいる「通称」大部屋などを見ていた。入社当時はぼくなども生意気だと言うので、よく先輩に殴られたりもしたものだが、今思えばそれもまたディレクター修行として、面白い経験だった。但し慶応ボーイの木全氏からそんなことをされたことは一度も無かった。素人同然のぼくは、麻雀で痛い目にあったことは何回かあったが...。
 
 今は小奇麗な局舎で、こじんまりとおとなしく仕事をしている若い連中も、かつてこの局には個性的な人材が集まり、梁山泊にも似た痛快で面白い時代があったこと、少しは知っておいても損は無いと思うのだが...。
 
【今週の番組ゲスト:ジャズプロデューサー木全信さん】
この番組『テイストオブジャズ』の初代プロデューサーです。ケニー・ドリュー、ベニー・ゴルソン、チェット・ベイカーといった数々のジャズジャイアントのプロデュースを手掛けてきた木全さん。彼らとの思い出や、今だから話せる秘話など、木全さんならではのお話をたくさん伺いました。そんな貴重なお話などをまとめたエッセイが新書版で3月に発売されるそうです。『ジャズは気軽な旋律』平凡社からです。番組では木全さんのプロデュースされたアルバムから4曲お送りします。
M1『キャラバン/アート・ブレイキー&オールスター ジャズメッセンジャーズ』
M2『サマータイム/ケニー・ドリュー スペシャル』
M3『エンジェル/チェット・ベイカー』
M4『死刑台のエレベーター/ユーロアメリカン オールスターズ』】



1月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2014.01/04 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.184~2014年の幕開け~】

 皆様明けましておめでとう御座います。いよいよ2014年の幕開けです。ラジオ日経にとっては、昨年末に新社屋に移転し初めての正月ですし、一方ギネスもののこの「テイスト・オブ・ジャズ」も、その歴史がついに半世紀に達しました。ブラボーなどと自画自賛してはいけません。しかし我ながら凄いものだとは思いますが、ぼく自身もとうとうアルツを心配しないとならない高齢期に突入、いつまで番組を続けられることやら...。まあそんな心配を新年早々していても仕方無いですので、ここはひとつ明るい話題に変えましょう。

 さて正月第1弾のこのジャズの時間、毎年ここは大物に登場頂いていますが、今年は新春に毎年恒例のビッグ・コンサートを開催しているJ-ジャズの巨匠~山下洋輔さんにお願いしました。クラシックの殿堂、東京オペラシティー・コンサートホールに、一介のジャズ素浪人、洋輔が殴り込みをかけると言う趣旨で、2000年にスタートしたこの新春企画も今年で打ち止め。山下版「ラプソディー・イン・ブルー」、山下氏作曲のジャズ組曲等々様々な乱入企画を実施し話題を集め続けたこの異色コンサートも、14年目でとうとう企画に行き詰まったのか(?)ジ・エンド。そのラストは彼の子飼いとも言える、高橋信之助、スガダイロー、挟間美帆、寺久保エレナという4人のJ―ジャズの次代を担う精鋭が登場、それぞれに山下先生と共演、最後には全員が入り乱れての乱入セッションになるのでしょうが、山下流の締め方も大いなる聴きどころです。番組では新年早々まずはこのラスト・コンサートの話題。そして昨年、彼はNYトリオ結成25周年。セシル・マクビー、フェロン・アクラフという同じメンバーで、4半世紀も続けられるのは、ジャズの世界では稀有な例。これも凄いことであり、昨年暮れの記念コンサートも大盛況。このトリオについても洋輔さんに色々おうかがいします。

 そしてもう一つ、洋輔で新春となれば、やはり猫返し神社の話題。これは立川市の北、彼の住む砂川地区にある由緒正しき神社(阿豆佐味天神社)で、ぼくの家からも車で20分ほどの大きな神社ですが、その実際の名前よりも、山下先生がいなくなった猫を探す祈願をした所、すぐに見つかったことで全国的に有名になり、猫返し神社との別名が付けられ、今や山下さんの演奏が神社で流されることでも有名になっている山下神社。この神社での初詣の話題なども当然取り上げることになっています。まあいずれにせよ今年もまた、よろしくお付き合いの程、隅から隅までズズズイーと...。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニスト山下洋輔さん】
去年9月に、ニユーヨークトリオ25周年を記念したアルバム『Grandioso』をリリース。また先月は、愛猫とのどたばた&ほのぼの生活を描いたエッセイ『猫返し神社』を飛鳥新社から出版されました。
http://books.rakuten.co.jp/rb/12568183/
「今日はずいぶんおしゃべりしちゃった...」って山下さん(笑)、楽しいお話をたくさん伺いました♪
M1:セヴン・テイルズ・キャッツ
M2:ジェントル・カンヴァセーション
M3:フリー25
M4:エヴリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ

 

12月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.12/27 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.183~年の終わりに~】

 2013年ももうジ・エンド。個人的には色々あった年ですが、この年齢になればそう慌てることも無く、泰然自若の心境で居ればいいのだが、そこは小心者、何かと心配の種が尽きない。まあ今年で言えば最大のイベントは、このラジオ日経の局舎移転だろう。日本短波放送(ラジオ日経)に入局して半世紀近く、この赤坂・アメリカ大使館前のビルに通い詰めた訳だが、それも25日から虎ノ門の金毘羅神社脇のビルに移転してしまった。

 ぼく自身はこの局で定年を迎えもう9年余り。全くフリーの立場で、番組制作やイベント企画等に関わらせて貰って来たが、新社屋に移るとどうなるのか...。まだはっきりと定まってはいないが、この「テイスト・オブ・ジャズ」は、来年以降も続けられるはずで、来年初頭には、この番組の生みの親でかつての局の先輩、ジャズ業界の有名人でもある、K氏にも登場してもらう予定。彼の話では来年はこの番組誕生50年目。まさにギネス物の長寿番組だが、先日台湾の民放社長連中が来局した折、その話をしたら全員が感嘆していた。まあ当然と言えば当然のこと。長いのだけが取り柄とは言え、本当によく続いたものだ。、日本の有名ジャズ・ミュージシャンはサダオさん(渡辺貞夫)以外は、ほとんどが一度は顔を見せているはずである。

 ところでこの赤坂のラジオ日経のはいっているビル(自転車会館ビル)の1階には有名なパブがある。「キングス・アームス」、日本のイングリッシュ・パブの草分けで、神戸にも同名の店がありそちらの方が一般的には有名だが、実は神戸はこの赤坂の分店として誕生したもの。古風ゆかしいこのパブ、ぼくなどには敷居の高い店だったが、入局直ぐに先輩に連れていってもらい、大感激したものだった。当時は美人のママがいて,これがなんとあの藤田まことの母親(義理かも知れないが)。「うちの息子も最近ようやく売れて来たのよ...」などと言うから誰だと思ったら、当時大人気のバラエティ番組「てなもんや三度笠」の主役のまことさん。ひやーと驚かされた思い出もある、この由緒正しき店で、かつてのラジオたんぱの先輩や仲間達30名程が集まり、「さよならキングス...」という私的なパーティーを開催した。遥か福岡から数年程しか在籍していなかった同期のH君なども参加(10数年ぶりの再会)、実に愉しくも嬉しい一時を過ごした、だがやはりちょっと寂しくも残念な、ラジオ日経局舎移転ではある。

 まあそんなこんなではあるが、来年からもまた新たな気持ちで番組続けて行きます。何卒御支援の程よろしくお願いします。それとこのコラム担当のO大部長。色々ご迷惑おかけしますが、こちらもよろしくね。では皆さんまた来年!

【今週の番組ゲスト:放送作家の中野俊成さん】
ビフォーアフターやアメトークなど第一線でご活躍です。業界では大のジャズファンとしても知られています。中野さんが今年一年のジャズ界を振り返り、お勧めのアルバム5枚選んで下さいました。
M1:I DON'T EVEN CARE/Robert Glasper Experiment『Black Radio2』より
M2:It's All Over Your Body/Jose James『No Beginning No End』より
M3:LIQUID SPIRIT/Gregory Porter『LIQUID SPIRIT』より
M4:BLUEPORT/3 Cohens『Tightrope』より
M5:ORBITS/Wayne Shorter『WITHOUT A NET』より

 

12月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.12/20 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.182~今年のベスト作は~】

 いよいよ年の瀬が近くなって来た。この時期はどうしても1年間を振り返り、その年のベスト作品選出といったお仕事がある。レギュラーでレビューを担当している「ジャズ・ジャパン」やウエッブの「ジャズ・マガジン」など数誌からまた依頼があった。「ジャズ・ジャパン」誌はこの選出を受け、来年2月に横浜日産本社のイベント・スペースで、大々的な「ジャズ・ジャパン・アワード」の表彰式を行うことになっており、その進行役は来年も恐らく山本郁嬢が担当するはずである。

 さて僕の今年のベストはチック・コリアの『ザ・ヴィジル』(コンコード)にした。このチックのニュー・バンドは夏の東京ジャズでもトリを務めたバンドだが、久々に彼の本領発揮と言った感じで、あの一世を風靡した「リターン・トゥ・フォーエバー」などをも想い起させる力感溢れた若々しい多国籍バンドで、21世紀ジャズのある地平を指し示したものとも思われる。東京ジャズでのステージは、ぼくは今年のベスト・ライブに選んだほど感心したのだが、余りにラテンジャズ色が濃いと敬遠するジャズ関係者も多かった。ジャズ畑の人はチックとの関係も長いとはいえサックスのティム・ガーランドぐらいで、後はキューバ、パナマ、など南米、アフリカの若手達だったが、その巻き起こすグルーブは凄まじいものだった。アルバムはスタンリー・クラーク、ラヴィ・コルトレーンなどの有名所が並び、ステージ程の若さと力強さこそ感じられないが、それでも十分な迫力に溢れ素晴らしいものだった。

 またボーカルのベスト作には3年ほど前から注目していたパリ在住のセシル・マクロリン・サルバンドの『ウーマン・チャイルド』(ビクター)を選んだ。ハイチ人とフランス人の混血と言う彼女、2年ほど前のデビュー作を聴いてその才にびっくりし、その年のベスト・ボーカルに選んだのだが、インディーズ・レーベルから出されたため殆ど注目されることも無かった。それが今回ビクターが扱うことで一躍脚光を浴びる形となったもの。その他、ロベルト・フォンセカ(キューバ)やアンドレ・メーマリ(アルゼンチン)など、ジャズの枠を越境するミュージシャンの作品が興味深かった。そうそう忘れてならないもう一人が、今NYで最も勢いのあるイスラエル派の一人、ピアニストのシャイ・マエストロ。我がスタジオにも遊びに来てくれた彼は、その後日本でも大注目の一人に成長したが、その彼の新譜もなかなかのもの。

 番組では今年の最後に売れっ子の放送作家にしてジャズ・ライターでもある中野俊成氏を招き、1年間を振り返る予定です。どんなアルバムを彼が選ぶのか愉しみです。

【今週の番組ゲスト:評論家の村井康司さん】
11月25日にアルテス・パブリッシングから「JAZZ100の扉~チャーリーパーカーから大友良英まで」を上梓されました♪http://www.artespublishing.com/books/903951-38-6.html
村井さんの好きな曲を中心に100枚、その関連曲を合わせて全300枚、お勧めアルバムが紹介されています。JAZZへのアプローチを考えている初心者の方や、ジャズってなんだか難しい...って思っている方には特におススメ!!その本に紹介されている曲を中心にお届けしました。
M1:I Could Write A Book/Miles Davis『Relaxin'』より
M2:Skating In Central Park/Bill Evans / Jim Hall『Undercurrent』より
M3:Sophie/Kenny Wheeler『Music for Large and Small Ensemble』より
M4:Let Her/Esperanza Spalding『Radio Music Society』より
M5:On Travel/東かおる&西山瞳『TRAVELS』
12月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2013.12/13 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.181~ノーサイド~】

 落ちゆく冬の陽が、フィールドに深い影を投げかけ、5万人近い大観衆が静かにそのフィールドの一点を見つめる。そこに登場する歌姫ユーミン・松任谷由美。彼女は夫の正隆、そしてギター奏者を従え、その大観衆に静かに語りかける。「~少年は(楕円球を追いかけつ続けることで)戦士へと成長する。」

 そして彼女のラグビー賛歌が歌い始められる。「彼は目を閉じて、枯れた芝生の匂い 深く吸った...。同じゼッケン 誰かがつけて、また次のシーズンを かけてゆく 人々がみんなあなたを忘れても 私ここにいるわ...」
 この「ノーサイド(試合が終わったらば全てを流して互いの友情を育む...)」という言葉、ラグビー精神の発露のように言われているが、本場のイギリスやニュージーランドなどでは聞かれない、ある種の和制英語だが、そんなことはどうでもいい。ここには間違いなくラグビーの良き精神が宿っており、ユーミンは見事にそれを歌に仕立て、国立競技場での最後の早明戦で披露してくれた。早大の垣永主将は、そのユーミンの歌声で目頭を覆っていた。セレモニーが終わっての記者会見で「この1年間のこと、出られない仲間のことなどが思い起こされて...、恥ずかしい話です」と彼は語ってくれたが、良い光景だった。

 思い起こせば40数年間、雪の早明戦、今泉の大逆転トライ、昨年の1点差試合など、この早明戦を一度も途切れることなく見続けて来た(はずである)。やはりぼくのラグビー観戦はこの早明戦に尽きるともいえそうだ。そう言えばもう30年ほど前には、ぼくもラグビー記者会の一員で、ラグビー特番を放送したりしたこともあったし、ラジオ日経はその創業時にはラグビー中継もやっており、ラグビー協会から感謝されていたものだった。

 今ラグビーは、ジャズそして私立探偵小説など、ぼくの大好きなものと同様、一時の元気が無い。そこで来年にはラジオ日経でも是非ラグビー関連企画をと密かに考えている。果して実現するのかはしかとはしないが、ラグビーもジャズと並んで素晴らしいもの。ラグビーと言えばユーミンのノーサイドと言う事だが、我らが後輩のジャズ博士、ボーカルの丸山繁雄(日大芸術学部講師)のジャズ・ラグビー組曲も忘れてもらっては困る。丸山はあの森田一義=タモリと一緒に、来年から早大ジャズ研主催でジャズ講座を始める企画も、密かに進行中のはず。タモリも丸山もラグビー大好き人間。試合は早稲田が勝利したが、熱の籠ったいい試合だった。ジャズとラグビー、どちらも素晴らく、ぼくの一生の生きがいです。

【今週の番組ゲスト:TRI4THのトランペッター織田祐亮(おりたゆうすけ)さん】
先月発売された『FIVE COROR ELEMENTS』から4曲お送りします。
M1「Volare Via」
M2「Everybody Knows That」
M3「Hop」
M4「Last Dancer」

 

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