5月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.05/29 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.255~山岳写真家】

 特に仕事や用事がない時は、近くの市立図書館で時間を過ごすことの多いロートル生活のぼくだが、先日何時ものように図書館に行き、どんな情報が載っているかと久しぶりに「ヤマケイ(=山と渓谷)」の最新号を覗いた。するとほぼ最初の1ページに「コンタツおじさん逝去」とある。「え、えーあの元気で明るいコンタツさんが...」と本当に驚かされた。コンタツおじさんこと近藤辰郎さんは山岳写真家。20年ほど前には彼をパーソナリティーにした山行番組を山と渓谷社提供で制作、山好きの番組女性アナウンサーやヤマケイのお偉いさん達など共に、良く一緒に色々な山行を行ったものだった。
 八が岳、木曽駒、白馬等々、どれも良い山行だったし、山小屋の親父さんや従業員達にコンチャン人気は絶大。ときには番組と「ビスターリ」と言うヤマケイから出ていた当時の中高年向けの山雑誌(今は当然廃刊)との共同企画で、コンタツさんと僕と女性アナが静岡と山梨の県境の見晴らしの良い秘境山(熊伏山)に登るジョイント企画を実施したりもした。そんな山行はどれも愉しい思い出ばかり...。番組終了後もコンタツさんのやっている写真教室に同行したり、新橋のヤマケイ御用達の飲み屋で一緒になったりと、付き合いは色々あった。だが肝心のヤマケイが経営不振からIT関連出版社に買収されてしまい、本社も神田に移転など色々ごたごたがあってからは、賀状のやり取り位でほとんど付き合いが無くなってしまった。ぼくも余り山行(山行クラブにも顔を出さなくなってしまった)にも行かなくなったこともあり、彼の動向は殆ど判らないまま。それが今年の春先、神保町の石井スポーツ本店に久しぶりに山道具を見に行くと、海外遠征などでも知られる石井スポーツの名物お偉いさんにひょっこり出会い、「そう言えばコンチャン(近藤さん)この前店に遊びに来たよ...」と聞かされ、元気でやっているんだなーと懐かしくもホッとした覚えがあった。
 それがこの訃報であり、4月の中旬に亡くなったとのこと。全く残念で寂しい。遅まきながらお墓を聞いて(住まいが伝通院の近くなのでその近隣のお寺の筈)、お参りにうかがわなければと当時の担当アナと話をしている間も、あの人懐っこい笑顔が浮かんできてまた寂しい思いがした。彼は仲々にダンディーな江戸っ子で山屋らしくない洒脱な人。山岳写真家ながらヤマケイ本誌の表紙モデルも、1年半ほど務めた経歴の持ち主。奥さんは大手代理店の敏腕広告ディレクターで、彼女の作ったソニーのカラーTVのCMは大評判になった。誰にも愛される人柄で番組の取材で大菩薩峰に一緒に上った帰りの中央線。勝沼駅に立っていると、山帰りのおばちゃん、おじちゃん、学生さんから次々と「コンタツおじさん...写真撮って...」等と声が掛り、その人気の凄さに驚かされたものだったが、愛される人柄だった。エノケンや川田晴子など戦前の古いジャズ~歌謡曲にも詳しく、番組でも紹介したしぼくもそこら辺について教えてもらった。写真集も何冊か出しているが、写真には自ずとその人柄が写しだされる様で、明るい屈託のない人だけに、彼が撮ると山の陰影に欠ける嫌いはあったが、山の愉しさを写しだすには最適な人だった。

 もう一度コンタツさんと山に行きたい...、と願ってもそれは叶わない。エノケンのジャズ歌謡も共に聴けない。せめて墓参りに行って密かに語り合う位しか出来ない。寂しいがこれも又人生の定めなのだろう...。コンタツおじさん 享年79才。合掌!

【今週の番組ゲスト:インパートメントの西野孝さん】
AGATEレーベルの新作を中心にご紹介頂きました。
M1『CONFIAMTION / JEFF LORBER,CHUCK LOEB』
M2『DO YOU? / JOHN PATITUCCI ELECTRIC GUITER QUARTET』
M3『I'm Hip / BOB DOROUGH』
M4『Change The World / TUTU PUOANE』
M5『One Month / MARK GUILIANA JAZZ QUARTET』
5月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.05/22 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.254~北島直樹】

 一般的に良く言われることだが、女優それもトップに近い女優ほど、その性格や行動などは男性に近い~男性的とされる。仕事的にも個人的にもその手の大女優とは余りお付き合いが無いので、その真偽の程は良く分からないが、かなり当たっているのでは...とも思う。まあ仕事の性格上からも、そうでないとやって行けないのだろうが...。これはジャズの世界でも似たような感じがある。今やJ-ジャズの世界でも女性上位傾向で、シーンを引っ張っているのは女性陣と言った感も強い。そうした女性陣~そのトップは当然あの秋吉敏子さんだが、それに続き現在第一線で活躍中の山中千尋や上原ひろみなどは、そのプレーや性格などかなり男勝りとも言える。そしてその筆頭を走っているのが寺井尚子。

 人気、実力ともに抜群な美形の彼女も前述の大女優達に近く、ユニットリーダーとしてもまた全体のジャズシーンに於いても、ぐいぐいと引っ張って行く男勝りの性向・指向の代表格だと言えるだろう。その女王~寺井尚子ユニットで、15年近くも音楽監督役を務めて来たのが、ピアニストの北島直樹さん。寺井と共に数多くのライブをこなし、アルバムも多数吹き込んでいる彼は、物静かな常識人(?)でほとんど怒ったりしない温和な人柄の持ち主。まあそんな彼だから、長い間ジャズクイーンと付き合えたとも言えそうだが、ぼくが彼と知り合いになったのは、これもボーカル界の大御所、マーサ三宅さんの久々のレコーディングの現場でのこと。マーサさん直々に頼まれてそのレコーディングのコーディネイター役とプロデューサー役を務めた時、音楽監督にマーサさんが指名したのが北島氏だった。このアルバムは幸運なことに翌年の「ミュージック・ペンクラブ」主催の音楽賞で最秀作品に選出され、マーサさんも大喜びだったが、寺井尚子、阿川泰子、そしてマーサ三宅と、こうした大看板達が絶対の信頼を寄せる北島氏。人あたりも柔らかくセンスも好いが、ある意味職人肌の持ち主で柔軟な反面かなり頑固な所もある、それなりに興味深い人物でもあった。
 そのレコーディングでのバッキングの巧さやアレンジの秀逸さにかなり心惹かれ、色々と話をしてみると、リーダー作はもうずいぶん以前に出したきりだと言う。それならばそのレコード会社の若い社長に持ちかけ、北島氏の久方ぶりのリーダー作を出そうと言う運びになった。その作品へのぼくの提案は、彼のソロとお気に入りのミュージシャンとのデュオで構成するアルバム。彼のオリジナルがメインになって出来上がったそのアルバムは、タイトルが『アローン&トゥギャザー』。アローン・トゥギャザーと言う有名スタンダードがあり、その曲もそのアルバムで取り上げてはいるが、アルバムはソロ(アローン)&デュオ(トゥギャザー)作だと言う事。この「&」がアルバムの肝になっていて、彼のオリジナルが数多いこのアルバム、関係者やジャズファンにも好評で、北島氏の代表作に仕上がった。まあこんな関係で彼とは因縁浅からぬ仲。

 その彼が今回ピアノトリオでの新作(4枚目)を出したと言う。ガーシュインなど有名スタンダードのオンパレードで、送られてきたテスト盤を聴くとこれがかなりいい出来栄えで、銘品『アローン&トゥギャザー』に勝るとも劣らないもの。そこで北島氏にスタジオに来てもらい、新作の聴き所、最近の仕事振り(宇崎竜堂さんのバックを担当)、また寺井さんの所を辞めた本当の訳など、色々と聞いてみることにした。いくらかシャイな彼だが寺井と言う大看板が外れた自由さからか、色々と良くしゃべってくれた。仲々に面白い内容です。乞うご期待!

【今週の番組ゲスト:ピアニストの北島直樹さん】
M1『I Got Rhythm』
M2『Beautiful Love』
M3『Tea for two』
M4『The Way You Look Tonight』
5月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.05/15 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.253~後輩登場~】

 ぼくは中央線の高円寺育ちで、小学校入学は杉並で4番目に古い杉並第4小学校(ちなみに一番古いのは阿佐ヶ谷駅前の杉並第1小学校)。ただしぼくの小学生時代は子供が多すぎて午前、午後と言った2部授業制という今では考えられない変則形式だった。流石にそれはまずいとなって、確か2年生の時に家の近くに馬橋小学校と言う新設校が出来てぼくはそこの2期生。そちらに移ってからは通常授業になったが、ここで言うのも何なのだが小学生の時はヴァイオリン少年として近隣では結構知られた存在だった。なにせ3才からヴァイオリンを手にし、小学校に上がる直前大病をした為一時ストップしていたが、当時は数少ないヴァイオリンを抱える嫌味なお坊ちゃまで、ソロ演奏会なども良く学校でやらされたものだった。それだけに小学校に音楽部が出来た時はまず最初に勧誘されたものだった。その後は公立の中学・高校と進み早稲田大に入ると言う経過なのだが、このぼくと同じ道(小・中・高・大学ともに同じで、小学校と大学でも同じクラブ(早稲田ダンモ研)を歩んだと言う、世にも珍しい後輩がいる。

 グズラこと名ベーシストの望月英明である。

 ただぼくと彼とは学年が4年違いで、学校時代はどこでも重なっていないのだが、ダンモ研のグズラと言う後輩が豊多摩高校(進学校です)出身とは聞いていたが、出会ったのはラジオたんぱ局員になってかなり後のこと...。そして小学校から高校まで一緒で、小学校の音楽部でも一緒だったと知ったのは、彼と知り合いになって時々飲むようになって偶然その話に及んだときと言う次第。もさっとしてヒグマの様な無骨な男で、そのベースプレーも力強く野太いもの。その彼の骨太のベースを好んだのが山下洋輔トリオのドラマー、森山威男だった。実力的には日本で有数の力量を誇るグズラだが、如何せんシャイと言うかアピールをしない男。彼の僚友とも言える天才アケタも彼のリーダー作を以前から考えているようだが、ぼくも会うごとに彼をせっついても「いやー、まだまだ...」と頭を縦に振らない。
 そんな天才肌のグズラだが、彼への不満もある。最近若いかみさんと再婚し飲まなくなったのだが、以前は酔うと酷かった。くどくど文句を並び立て、挙句の果てには手が出ることもあるが、後日になると反省しきり。いい奴なのだがこれが玉に傷だった。そのグズラがぼくのジャズ番組に出させろと言っていると、天才アケタから聞いた。まああの男がそう言うならば...、とスタジオに来てもらうことにした。それにしても自身のアルバムも無いのにと思ったら、最近彼が良くデュオ演奏を行っているピアニストの藤沢由二さんが初リーダー作を天才アケタ主催の「アケタズディスク」から発表、それにグズラも参加しており、是非紹介させろと言う訳。まあ彼の頼みならと直ぐにOKを出したが、その藤沢君のアルバムは『月に向かって歩け』と言うタイトル。良寛和尚が山野を放浪する姿のジャケットは印象的に描き出されており、彼のピアノも訥々・飄々としながらも熱いジャズ魂が横溢、アイデアとイマジネーションに富んだ内容のものだった。グズラのベースも力強く藤沢君をフォローしているのも殊のほか印象深かった。

 曲は全曲藤沢君のオリジナルで「月に向かって歩け」を始め、馬好きな彼らしく「酒と馬の日々」、演奏の様子を活写したような「ドッドド、ドッド」等々。初めてスタジオで会った藤沢君は誠実な人柄そのものの人物で、グズラを敬愛している様子がありあり...。
 シャイな人だが主役はかなり色々としゃべってくれたが、脇役のグズラは殆どしゃべりなし。挙句に2部授業についてでもしゃべりますか...等と混ぜ返す。まあ20年以上をかけて初めて大物が登場してくれたのだから、そのことだけで良しとしないといけないと思い、無口の彼をそのままにしておいた。
 ただパーソナリティーの山本嬢には、自身のリーダー作がいつ出るのかだけは聞け...、と言っておいたので、彼女は質問したのだがその件については笑って誤魔化していた。早く皆の要望に応えてリーダー作出して下さいよ。もういい年なんだから、わが愛する後輩のグズラこと望月英明くん!
【今週の番組ゲスト:ピアニストの藤澤由二さんとベーシストの望月英明さん】
藤澤さんの初のリーダーアルバムから4曲お送りしました。
M1『He Walks To The Moon』
M2『Extinction』
M3『The Day Of Wine And Horses』
M4『A Song For A Leaf】










《番組からのお知らせ》 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「JAZZYカフェ♪女性のためのジャズ入門」WOMAN EXPOで開催!

日経グループが総力を挙げてお届けする女性向けイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2015」でジャズセミナーを開催します。 「夜のくつろぎタイム」「クッキング中」などシチュエーション別のおすすめ楽曲や、 おすすめのジャズスポットを紹介します。 ナビゲーターは音楽プロデューサーの島田奈央子さんと日経プラス1編集長の望月保志さんです。入場無料、事前登録不要なので、お気軽に会場にお越しください!

【日時】5月23日(土)17:40~18:10 【会場】東京ミッドタウン地下1階 展示会場内オープンシアター(ホールA)
▼詳細はこちら⇒ http://woman-expo.com/session/session-detail?m=1&eid=42

★女性の活躍を応援する「日経ウーマノミクス・プロジェクト」と島田奈央子さんがコラボしたCD2種、日本コロムビアより5月20日発売!★ ■Something Jazzy~夜、部屋でくつろぎ、女子ジャズ http://columbia.jp/prod-info/COCB-54169/ ■Something Jazzy~クッキングのひととき、女子ジャズ http://columbia.jp/prod-info/COCB-54168/

5月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.05/08 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.252~あるピアニストの死~】

 医者でジャズメンと言うのは結構例があり、有名なのはピアニストのダニー・ザイトリン、トランぺッターのエディー・ヘンダーソンと言った辺りだと思うが、この2人とも精神科の医師だと言うのも興味深い所。歯科医となると結構多く、ぼくの知る所でも数人いて一人はドラマー、もう一人はヴァイブ奏者、そして残りはピアニストである。全員が開業医だけにかなり収入も良く忙しいはずなのだが、そこは結構うまく時間をやりくりしてライブの時間を捻出して愉しんでいる様子。なんとも羨ましい限りである。

 ところでそんな医師にしてピアニストだったある人物が昨年亡くなった。家人も知らなかった自宅でひそかに録音されていたソロピアノ演奏が死後偶然に見つかり、彼の仲間や関係者の努力で、この度その演奏が日の目を見る事になった。ピアニストにして内科医のその人は入江宏。アルバムタイトルは『メモリアルアルバム1955~2014 入江宏』。このタイトルからも分かるように還暦前に彼は亡くなってしまった訳だが、自宅で誰かに聴かせるためでなく弾き綴ったソロ演奏が、こうした形で世に出されることになったのは、何とも不思議なもので草葉の陰で彼がどう感じているのか...。と言ってもぼくは彼とは面識がなかったし、名前はかすかに記憶していた覚えもあるのだが、それも定かでは無い。

 この遺作アルバムは2枚組で、1枚はその自宅でのソロ演奏が12曲、そしてもう1枚は彼が医師見習い時代にプロのバンドに参加していた頃の演奏が7曲収められており、その1曲がジョージ大塚(ds)のバンド「マラカイボ」によるもので、これはかつてぼくもよく聴いていたものだけに、その名前はうっすらと記憶にあった訳なのである。
 あるジャズ専門誌の新譜レビューでこのアルバムがぼくの所に廻って来て初めてそのソロ演奏を耳にしたのだが、穏やかだが芯のあるいいソロと評価した。そしてこのアルバムが世に出るきっかけを作った(アルバムライナーノートも担当)のが、鳥取出身の入江氏の幼少時代からの友人で、ぼくも数回居酒屋でご一緒したことのある米沢伸弥氏だと知り、彼にこの入江宏と言う知られざるピアニストを紹介してもらおうとスタジオに遊びに来てもらうことにした。

 米ちゃんこと米沢氏は元々大手出版社の編集者だったが、期するところがあり独立、現在は湘南で古本屋をしていると言う洒脱な趣味人。入江氏との付き合いも長いだけに、彼が積極的にレコード会社などに持ちかけアルバムが日の目を見た次第で、その友情も素晴らしい。「このソロ演奏は孤絶した音楽だ。しかし冷ややかな孤独な印象では無く、ほんのりと暖かく湿ったせいの手触りである...」と彼は記しているが、その通りのいい感触のソロ演奏なのである。自身の死への恐れを秘めながらも淡々とピアノと向き合う。その心境は凛とした透明感に溢れており、仲々にいい演奏である。アルバムにはかつて入江と演奏の場を共にした、ジョージ大塚、山口真文、神崎ひさあきなどが追悼の言葉を寄せているが、入江氏はある意味幸せなジャズ人生と医師人生だった、と言えるのではないだろうか...。
 人知れずジャズに命を捧げた人(晩年は医院のある鳥取から、東京に終末通ってライブを続けていたとも聞く)がここに居たと言う事を、多くに皆さんに知ってもらえたら...。
【今週の番組ゲスト:音楽プロデューサーの米澤伸弥さん】
昨年亡くなったジャズピアニスト入江宏さんのメモリアルアルバムをご紹介頂きました。
M1『Last Night When We Were Young』
M2『ホコ』
M3『Up Jumped Spring』
M4『Stardust』

 

5月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.05/01 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.251~名物オーナー茂串氏~】

 「ジャズ喫茶」と言う世界的にも珍しい恐らく日本だけの形態の音楽カフェ。今でこそ数少なくなってしまったが、ジャズ全盛期の60年代~70年代にかけては、数多くのジャズ喫茶が新宿や渋谷と言った繁華街に存在した。ぼくが30才ぐらいまで過ごしたわが街、中央線の高円寺にも当時は6~7軒はジャズ喫茶があったはずで、高校生時代には学校帰りに恐る恐る覗いてみたりした。

 大学に入るとジャズ研と言う事もあり、「ポニー」「木馬」などと言った有名喫茶店に入り浸っていたものだが、それらも今はもう無い。かつて数多くあった喫茶店も今は殆んどが消滅、ジャズ喫茶自体が歴史的遺物と化しているのだが、あれから数十年今なお健在な店もあるのだ。その代表格が学生街、早稲田大がある高田馬場の老舗「イントロ」。ここの名物オーナーが茂串邦明氏。彼は今や高田馬場のドンとも言える存在にのし上がっており、「イントロ」以外にも「コットンクラブ」などジャズレストランやジャズバーを数店構える実業家で、都心の新橋にまで出店し大繁盛。その金儲けの才は半端ない。

 彼の原点「イントロ」も今年が輝く40周年。そこで今回は40年を記念して、彼にジャズ喫茶今昔などを語ってもらおうというもの。元々地方出身の彼は上京するとレコード店の店員になり、そこから一念発起してジャズ喫茶を立ち上げ、以降は音楽&水商売関連実業家の道を歩むことになる訳だが、最初の頃は大変であったと言う。だが早稲田大ジャズ研の連中や早稲田大の学生が集まり始め、ハービー・ハンコックなどの有名プレーヤーも店を訪れるようになり、順調に経営を伸ばしていったのだと言う。趣味でドラムを叩く彼は20周年の時には、兄貴と慕う吉祥寺のボス・故野口伊織氏(アルトを吹く)を招き記念アルバムを作り、そこでは2人で「ジョジア・オン・マイ・マインド」などを演奏したりしているが、その演奏も番組では取り上げている。今年の40周年でまた彼のドラムを中心に、ゲストのプロミュージシャン達と共に記念アルバムを作ることになっており、記念のイベントは店が出来た8月末に開催することになっている。
 高田馬場のドンとなった今も彼は恬淡、飄々としており、少しも偉ぶる所が無く、スタジオにも気軽に遊びに来てくれる気のいい男である。今は数店のオーナーの他、ドラマー、ラジオパーソナリティー(BSラジオ)などで大活躍、大忙しの彼だが、我らが山本郁嬢は殊のほかお気に入り。番組でも終始ご機嫌だったし、収録後は自身の新橋の店にご昼食に招いており、OKをもらったらしい。良かったね、茂串ちゃん!

【今週の番組ゲスト:今年40周年を迎えるジャズ高田馬場の名物ジャズ喫茶店『イントロ』のマスター茂串邦明さん】
M1『Sophisticated Lady / Sarah Vaughan』
M2『Speak Like a Child / Herbie Hancock』
M3『Georgia on My Mind / intro20周年記念アルバム「Soulful intro Live !」から』
M4『I Want To Talk About You / John Coltrane』













(右)番組でも紹介した「イントロ」オリジナルコースター
4月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.04/24 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.250~期待の新星~】
 
 ジャズの街として最も有名なのは横浜と神戸だが、横浜の隣町の川崎も最近かなり熱心にジャズイベントを実施している。毎年秋に行われる「川崎ジャズ」には海外の有名ミュージシャンも多数登場、かなり華やかな催しとなっている。これに伴って川崎には素晴らしいホールも幾つか誕生し、さらにこの街にはジャズ科を持つ音楽大学が2つもあり、これらの大学ホールも素晴らしいものばかりとことも、市の担当者がジャズイベント実施に踏み切った大きな要因と言えそうだ。この「川崎ジャズフェス」はスイスの有名なジャズフェス=モントルーフェスと密接な提携関係にあり、1回目のフェスにはモントルーの有名プロデューサー、クロード・ノブが登場、その関係を印象付けたものだった。そして昨年度はジャズコンテストも実施、優勝者にはモントルーフェスのコンテスト参加権が与えられることになった。さすがにモントルーに参加できるとあってプロのミュージシャンもエントリーするなど、他の新人コンテストとは一味違う実力者どおしの厳しい戦いが繰り広げられた。その栄えある優勝者が今注目の若手ピアニスト、桑原あいだった(因みにこのコンテストの司会を担当したのは山本郁アナ)。彼女にはデビュー時から我が番組に登場してもらっているが、この栄冠を獲得したうえに『ラブ・テーマ』と言う新譜も発表したので、今回再度番組に遊びに来てもらうことにした。

 今回の新作もピアノトリオ作品で、タイトル通り映画の「ラブ・テーマ」を数多く取り上げている、彼女初のカバーアルバム。曲は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の愛のテーマと挿入曲「アマポーラ」のメドレー。鬼才スタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」のテーマ曲などのラブ・テーマ曲に加え、ビートルズナンバーやピアソラのタンゴ曲など、全10曲すべてその選曲が素晴らしく、ぼくにはピッタリ。メンバーも僚友の森田雄介に加え、アコースティックベースの須川崇志がプラスされた2ベース陣。ドラムにも注目の気鋭、石若駿が参加とこれまでのアルバムとは、かなり変わっている。これまでの彼女は、今流行のNUジャズ路線の気鋭だったが、このアルバムからは本格派として大注目の気鋭に変貌を遂げている。彼女も「これまでの路線を少し見直し、今回はジャズの歴史にもっと目を向けたいと思いました」と語っているが、これにはプロデュース役の伊藤潔君の貢献も大きいようである。
 伊藤君は名古屋出身で慶応大OBだが、学年はぼくの1年下。このコラムにも登場した名古屋のDrJAZZこと内田修氏の愛弟子で、ソニーの初代ジャズ担当として辣腕を振い、今は実家の名古屋の製パン業の役員として頑張っているが、かつての顔で大事なジャズアルバムの場合には、プロデューサー役としてわざわざ上京、素晴らしいアドバイスやサジェスチョンを、プレーヤーにしている。ぼくとの付き合いももう半世紀近い好漢でもある。今回も伊藤潔くんの適格なアドバイスや選曲サジェスチョンがあり、見違えるような素晴らしいアルバムに仕上がっている。日本のジャズ作品でこれほどプロデュサーの役割を認識させられたアルバムは最近では久しぶり。 
 
 番組では彼女だけでなく潔君にもと声を掛けたのだが、何せ本拠は名古屋、スケジュール調整が難しく彼女だけの出演となったが、アイちゃんは新作、また夏に行くモントルーへの期待などを率直に語ってくれた。このアルバムで彼女は上原ひろみ、山中千尋に次ぐ存在に成長したと断言できそうだが、皆さんも是非彼女の話お愉しみにしてください。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの桑原あいさん】
M1Finale
M2Nomado
M3Barry Lyndon
M4AmapolaDeborah's Theme
4月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.04/17 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.249~信濃追分初春模様~】

 4月の初めの数日間、信濃追分の山荘にいた。この時期の恒例行事、水通しの作業を行うためである。この水通し、水抜き作業に比べれば大分簡単で、マニュアル通りにやれば生来不器用なぼくでも結構出来るのだが、水抜きは大変。キッチン、トイレ、風呂等々、完全に抜いていなければ、厳冬期に水道管破裂などと言う危険性もあり,うかつに作業出来ないし、かつて閉めるべきねじが緩く水が噴出、止まらなくなり佐久水道局にご出馬願うなどと言うトホホな事件もあり、水抜きはなるべく人を頼んでやるようにしている。

 水と言えばこの佐久、小諸など東信外れ地域の稲作栽培の重要な役割を担っている御影用水~ぼくの早朝散歩コースのこの用水も、3月末には水通しを完了、散歩時には満々と水を湛えゆったりと流れていた。ただ残念なことにこの用水名物の、7~8年は用水の主として君臨していたあの3羽のはぐれ鴨達が、昨年の用水改修作業の為、3羽ともいなくなってしまい(野犬に殺されてしまったとも聞く)、用水散歩の愉しみは半減、何とも寂しくも切ない思いなのである。

 ところでぼくの住む国立では、4月初旬は桜満開のお花見時期だったのだが、気候が1か月ほど遅い追分では、東京の3月初めの陽気。芽吹きもあまりなく寒々とした感じで、一斉の開花は5月のGWとなるのだが、この時期は様々な花々が咲き誇りまさに豪華絢爛、見事な花模様を描き出し、ぼくも大好きな時期なのである。佐久にある広大な農林省(2001年に独立行政法人に変ってしまったが...)の牧場の桜並木は見事の一言。お山(浅間山)をバックにした桜の満開、目に焼き付く見事さである。

 今回山荘に来たもう一つの理由は、伊藤八十八氏の死去でその開催が危ぶまれた軽井沢ジャズフェス。4回目も例年通り今年7月末に大賀ホールで開催が決定、軽井沢にいるジャズ関係者に協力をお願いすることなのである。今年の開催は困難だろうと思えたのだが,亡き八十八氏の奥さんの努力などもあって開催にこぎつけ、本当に良かった。このジャズフェスのおかげか(?)、佐久や小諸などにジャズを聴かせる店も増えたみたいで、今回も小諸郊外に新しく出来たジャズカフェを訪ねてみた。中々に洒落た店でオーディオなどにもこだわりがあり興味深かった。

 またここ数年追分の山荘に来ると必ずやる作業がある。車で1時間以上かかる上田市。その郊外の室賀地区にある「ささらの湯(湯質、湯量とも最高)」。ここの源泉を販売している温泉タンクの温泉水を汲みに行くことである。この温泉タンクの存在、たまたま通りかかって知ったのだが、温泉県の長野でも数少ない希少価値。長年の糖尿病患いもこの温泉水でかなり血糖値が下がったようでぼくの大のお気に入り。東京まで多量の温泉水を持って帰るのは大変だが、なるべく追分にいる時には温泉水汲みを実施、この温泉水を飲み生気をいただく。もう少し人々に知れたらとも思うが、そうなると汲みにくくなってしまうので痛し痒しなのだ。

 そして困難な作業がもう一つ。東京から持って行ったCD、レコードの整理。大胆な断捨離作業をして町のゴミ処理場に持っていくのだが、これが今や「小西さんのCD」として結構有名になってしまい、職員の人達にも気に入っているCDがあればプレゼントする。それにしても生来の「けち」の所為で捨てきれない。これは...と思って聞いてしまうともう駄目で、結局残しておこうとなってしまう。そんなこんなで数千枚。この年令になればもう二度と聞かない~聞けないと分かっていながらなのです...。困ったものです。

【今週の番組ゲスト:ジャズクラリネット奏者の笠井義正さん】
M1『It Don't Mean A Thing』
M2『Lulu's Mood』
M3『Minor K』
M4『Mood Indigo』

4月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.04/10 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.248~スタンダードとディズニー~】

 ジャズ演奏やジャズボーカルにおいては、スタンダードソングの持つ意味合いは大変に重要だし、アルバムが売れるかどうかも、このスタンダードが入っているかが結構大きな要素になっている。このスタンダードソングは、そのほとんどが30年代から50年代にかけて書かれたもので、ミュージカルや映画の主題曲ないしは挿入曲が多く、少なくとも発表されて20年以上の時間が経ち、多くの人によって名曲と認められたもの...と言った定義になっているようだ。スタンダードソングには作曲、作詞を一人でこなすコール・ポーターのような達人も居れば、ジェローム・カーン(曲)&オスカー・ハマーシュタインⅡ(詞)や、リチャード・ロジャース(曲)&ロレンツ・ハート(詞)等と言った作曲と作詞家の名コンビが手掛けているものも数多い。

 ところでこうした名作曲家(&名作詞家)によるスタンダードと並んで、スタンダードソングの供給場として知られるのがディズニー映画。「白雪姫」「シンデレラ」「メリー・ポピンズ」など、アニメや本編のディズニー映画の主題歌や主題曲はよほどのことが無い限りスタンダードになっており、それらの歌は世代を超えて世界中の人から愛され続ける、エバーグリーン・スタンダードソングなのである。最近大ヒットした「アナと雪の女王」の主題歌「レット・イット・ゴー」も今はまだスタンダードとは言えないが、後10年もすれば間違いなくスタンダードの仲間入りを果たすはずで、改めてディズニー映画の知名力の凄さを思い知らされる。

 ジャズでディズニーと言えば帝王マイルスの「サムデイ・マイ・プリンス・ウイル・カム」、コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」「チム・チム・チェリー」等が最も有名で、ボーカルの方はもう数えきれない。こうした単体のナンバーだけでなく、アルバム全体をディズニーでまとめたアルバムも幾つかあり、その代表作がピアニスト、デイブ・ブルーベックの『デイブ・ディグス・ディズニー』。このアルバムは「不思議の国のアリス」など代表的ディズニーナンバーをジャズ化して、アメリカや日本で大ヒットを記録した。そんな訳でディズニー映画のレコード会社「ディズニー・レコード」は、こうしたディズニージャズのアルバムをこれまでも何枚か出しているのだが、今回日本の若手ジャズメン、それもピアニストがメインでディズニーナンバーのジャズピアノヴァージョンアルバムを企画したのだった。タイトルは『ピアノ・マン・プレイズ・ディズニー』。中塚武、シュローダー・ヘッズ、toconoma等と言ったピアニストやピアニスト中心のユニットが8組ほど、全13曲のディズニーナンバーをカバーしている。一昔前のこの手のアルバムだと「星に願いを」などの典型的スタンダードがメインになるのだが、全員が20代、30代の若い面々だけに、取り上げるナンバーも「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「美女と野獣」などのテーマ曲が並び、今時で大分趣きも違ってきているが、そこら辺が返って新鮮で興味深い。

 今回はこのジャズ企画を担当したエイベックス(日本のディズニー・レコード契約)の若きマドンナ、内田裕美さんに色々とお話を伺いながら若手達の音を聴いていこうと言うもの。有難いことに内田さんは、このアルバムの番宣材料として作った「ピアノマン・トートバック」を2名のリスナーの方にプレゼントとしてくれると言う。ミッキー・マウスがピアノを弾いているこのトート・バック。欲しい方はおハガキで申し込みください。
 宛先は〒105-8565東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー 日経ラジオ社「テイスト・オブ・ジャズ プレゼント係」迄。締切は4月末日、どんどん応募してくださいね、それとディズニーのジャズ化番組もお楽しみ下さい。

【今週の番組ゲスト:エイベックスの内田裕美さん】
ディズニーの名曲をオールピアノカバーしたアルバム『PIANO MAN PLAYS DISNEY』から5曲お送りします。 
M1『美女と野獣(美女と野獣)/ toconoma 』
M2『チム・チム・チェリー~スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス~踊ろう、調子よく~お砂糖ひとさじで~笑うのが大好き(メリー・ポピンズ)/ →Pia-no-jaC← 』
M3『輝く未来(塔の上のラプンツェル)/ Schroder-Headz 』
M4『くまのプーさん(くまのプーさん)/中塚武』
M5『レット・イット・ゴー~ありのままで~(アナと雪の女王)/ fox capture plan 』















↓こちらが「ピアノマン・トートバッグ」




4月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.04/03 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

    
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.247~ジャズ入門~】

 いよいよ4月、我が国立の街が最も美しく色めき立つ時である。国立駅からまっすぐ南に延びた大学通り(一橋大学に由来する)、それに直角に交差するさくら通り。この2つが正に豪華絢爛の桜咲き誇る道路となり、華麗なお花見図を描き出す。街の桜並木としては恐らく都内随一。夜桜も見事で本当に国立に住んで良かったと思える時期である。もうすぐ一橋大の新入生も集まり、街は一段と賑わいを見せるはずだが、我らが「テイスト・オブ・ジャズ」もこの4月第1週は新入生、新社会人向けとして、ジャズライターやジャズに関心のある文化人、ジャーナリストなどをゲストに、その人の勧めるジャズ入門アルバムを紹介しつつ、ジャズの愉しさ、面白さを味わってもらう企画を毎年実施している。

 今年招いたのはジャズライターとして最も若い世代になる柳樂光隆(やぎらみつたか)氏。若いと言ってももう30は越しているのだが、今注目の気鋭ライター。最近ジャズシーンでも、ヒップホップなどストリート感覚の若向きな音楽とジャズを融合させた、ジャズの新たな動き(ニューチャプター)が席捲しつつある。このことは、これまでにもこのコラムで再三記して来ているが、そのジャズの新動向に最も精通している一人がこの柳楽君。このジャズ新潮流について彼が監修したムック本「ジャズ・ニュー・チャプター」は大好評で、現在第2巻まで出されているほどで、この秋には第3巻も予定されていると言う。

 そこで彼に今回のジャズ入門のゲストとして、今の最も新し目のアルバムを数枚紹介してもらい、その魅力について同世代感覚で語ってもらうことにした。彼とは今回が初対面。ヒップホップやアンビエントなどを同時代音楽として聴いて来ただけに、それ等とジャズとの融合には少しの違和感も無く溶け込める強さがあり、元々レコード店で働いていた強みもあり、実に守備範囲が幅広い。今回紹介してくれたアルバムも、ロバート・グラスパー(p)、エスペランサ・スポールディング(b/vo)を筆頭に、テイラー・アウグスティン(p)などどれも今の息吹を如実に伝えるもの。彼の本もジャズ本にありがちなお勉強色はほとんんど無く、小洒落たファッション感覚のジャズ本で、これならば若い連中も手に取りやすいと言った感じ。彼は元々レコード屋にいただけに、様々な音源に詳しく、当然ジャズの歴史にも通暁している。ジャズの伝統と新機軸に難なく対応できるフレキシビリティー。羨ましい限りだがロートルのぼくなどは、どうもヒップホップを生理的に拒絶するものがあり、この新潮流を全面的に理解することが難しいようである。まあ更なる勉強も必要なのだろうが、あまり無理しないようにと...、彼の話を聞きながら思った次第。しかし若いファンには柳楽君の話、かなり面白いはず。是非新入生、新社会人、そして今の最先端のジャズを理解したい人達は、番組聴いて下さいネ。

【今週の番組ゲスト:ジャズ評論家で音楽ライターの柳樂光隆(なぎらみつたか)さん】
M1『Butterfly / Robert Glasper』
M2『Black Gold / Esperanza Spalding』
M3『Ain't Misbehavin  / Jason Moran』
M4『The Thought of You / Otis Brown Ⅲ』
M5『Pink Moon / Taylor Eigsti』

3月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.03/27 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

    
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.247~ザ・レジェンド~】

 先日ジャズ関係の集まりがあり、その席である人から「小西さんの番組コラム(このコラムのこと)良く読んでますよ。仲々面白いじゃないですか。ただラグビーだとか温泉だとか、あまりジャズに関係ないものが多過ぎません...」と指摘された。「いやこれで良いんです。ジャズを筆頭にどれもぼくの趣味なんですから...。それと貴方も早稲田出身で結構ラグビー好きだし、温泉も好きなんじゃないですか...」等と秘かに呟いたものの、口に出したのはお詫びの言葉。「すいません、ジャズから離れないように気を付けます...」。

 と言う事で丁度シーズンも終了したことだし、もうラグビー関連はこの前のコラムで打ち止めの筈だったが、お叱りを受けるかもしれないが事情が変り今回は再度ラグビー関連コラムとした。その理由はラグビー日本選手権で優勝した、あの「ヤマハ発動機」の清宮克幸監督が、我らがラグビー番組「藤島大の楕円球にみる夢」の4月ゲストとして登場。先日収録が行われ彼とも少し話をしたので、これは是非載せないと...、と言う事に勝手に決めたのである。
 今回大方の予想(?)を覆して、ヤマハを見事ラグビー日本一に導いたことで、清宮克幸はラグビー界でまさにレジェンド的存在になったと言えそうである。これが古巣の強豪サントリーだったならば、アンチ清宮連中はあのメンバーだから当然と囃し立てたろうが、着任時にはほとんど廃部寸前だったヤマハを、僅か4年間で立て直し優勝まで導いたのだから、そのサクセスストーリーは明白。これに長年低迷していた早稲田ラグビー部を完全に蘇らせたあの実績が加わり、ラグビーレジェンド誕生と言った図式になる訳である。

 ぼく自身は彼を最初に見たのはTVのスポーツドキュメンタリー。当時彼は大阪の高校ラガーマンで、高校ジャパンのキャプテンとして本場ウエールズに遠征。その実録は高校生なのに本場のプレーヤーにも堂々と伍し貫録充分。この男が早稲田ラグビー部に入るならばと、大変に頼もしく思ったものだった。後で聞くと彼は高校からラグビーを始めたらしく、中学時代はあの荒い大阪で名うての番長だったと言う。彼も収録後関西のラガーメンは言葉づかいも荒く、スクラムなどを組む時など、「ワリャー...」などと言った言葉の荒さ、勢いで、他の地域のチームを圧倒してしまう事も良くあるんだと語ってくれた。藤島氏から聞いた話では、早稲田時代の大学選手権で大阪体育大との試合、フォワードのもみあいの中、相手の選手が彼を踏みつけたことがあったらしく、試合後清宮はキャプテンにも拘らず相手の選手一人一人に「お前がやったのか...」と眼付けをして、相手陣をビビらせたと言う有名なエピソードがあるそうだが、さもありなんと言った感もある、迫力充分な好漢でもある。

 いま早稲田ラグビーファンの間では低迷している母校の状況打破の為に、清宮カムバック待望論が充満しており、彼が復帰すれば帝京一強の大学ラグビー地図も一変するはずなのだが、彼はもう次のジャパン監督の座を視野に入れているので、早稲田に帰る気はありそうにもない。残念なことだがそこら辺の本音も、ラグビー部先輩の藤島氏が番組で上手く引き出している。4月第一週の「楕円球にみる夢」、ラグビー好きならば必聴の番組である。
 一方で豪快な好漢、清宮だけにさぞ豪放な飲みっぷりで魅せるのかと思いきや、彼は下戸でお酒は全くダメとのこと。これにも驚かされた。番組では毎回ゲストのリクエスト曲を中に挟み込むのだが、彼は音楽はあまり聴かないとのことで、初めてリクエスト曲無しの構成。これまた興味深い所で、色々な意味で面白い番組になっています。乞うご期待!

【今週の番組ゲスト:トランペッターの原朋直さん】
M1『Dark Dance』
M2『Lay Line』
M3『Gauge』
M4『Wait, With Hope』

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