8月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.08/07 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.265~次々に逝く】
 
  6月末から7月にかけては季節の大きな変わり目で、急に暑くなりぼくのようなロートルには毎日かなり応えるが、これが病気の人ならば耐え難い筈で、それに耐えられず...と言う人も少なくないようだ。そんなこともあってか今年の夏はジャズそしてラグビー関連の重要人物3人が相次いで亡くなってしまった。この3人とは一寸声を交わしたり、数回番組に登場してもらったりしたもので、およそ知り合い等とも言えない関係だったが、ぼくにはどれも印象深い人達ばかり...。

 先ずはピアニストのプーさんこと菊池雅章さん。この7月7日にNYの病院で亡くなり享年75才。80年代ごろから拠点をNYに移し、ワールドワイドな活動に力を入れた、日本人ジャズメンでは初めて海外で本格的勝負をしたとも言える世界的ミュージシャンだった。ぼくのジャズ学友、チンさんこと鈴木良雄(b)がかつて、彼のバンドに在籍していた関係などもあり番組にも2度ほど出演してもらったこともある(30年以上前)のだが、学生時代からのジャズアイドルの一人だけに、プーさん出演時はえらく緊張してしまった覚えがある。ジャズプレーヤーとしては珍しい東京芸大出身(今はかなり増えているが...)の超インテリで、相当バンドを組んでいた日野皓正さんも彼の言うことは絶対で頭が上らなった。NYで闘病生活を続けていた話は聞いていたが、とうとう逝ってしまった。残念である。

 そしてもう一人はぼくのようなジャズライターのはしり、相倉久人さん。あの血気盛んなジャズ黄金時代。東大出気鋭ライターとして全共闘世代のアイドル、平岡正明氏と共に熱く激しくあの時代を突っ走った彼は、山下洋輔さんと最も親しく初期の山下トリオの讃美者でもあった。学生時代から敬愛していた存在だけに、ぼくなどは恐れ多くてあまりお付き合いもなかったが、山下さんに正式紹介され色々と話す機会もあった。だがなぜか番組出演の依頼はしなかった。と言うのも彼は70年代半ばから「ジャズは死んだ...」と公言、ジャズライターとしての仕事からロックの方に軸足を移してしまったこともその因の一つ。あのときお願いしておけばと今は悔やむばかりだ。合掌。

 そして3人目はこの中では一番若い、と言っても享年62才。慶応ラグビーのある象徴とも言える上田昭夫さん。彼のラグビーブログは色々な意味で中々に面白いし、結構裏情報も載っており、毎回楽しみに読ませてもらっていたのだが、このところ入退院を繰り返した話ばかり、いささか心配していたところ当然ブログ更新もないままこの7月23日に難病「アミロイドーシス」のため亡くなってしまった。国立競技場でラグビー試合があった後には、彼が慶応ラグビー関係者と集まる中華屋で時々一緒になり、ラグビーではなくお互い知り合いのフジテレビ関係者の話などを数回したが、慶応らしくないベランメー調の気さくな男で、強烈な愛校心の持ち主。新人勧誘等も積極的に行っていた。慶応大監督として2度日本一を経験、フジTVのキャスターも務めるなど多才な人でも有った。 大変に残念であるこの齢になると周りはどんどん亡くなってしまう。せいぜい楽しみを見つけ頑張るしかない様だ。3人に改めて合掌!

【今週の番組ゲスト:ボーカリストのサラ ガザレクさんとピアニストのジョシュ ネルソンさん】
M1「ALL AGAIN」
M2「O PATO」
M3「PETIT PAPILLON」
M4「BLACK BIRD/BYE BYE BLACK BIRD」
 
8月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.07/31 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.264~追分通信2015「カフェ・グルマン」祝4年目突入】

 7月の末から信州追分の山荘に来ている。今年も7月半ばからこちらに...と考えていたが、台湾関連特番等々色々あってこの時期になってしまった。猛暑が続く東京を離れると流石にいくらか心地良いが、それでもこの高原の地も暑いことには変わりない。ここ数年は「軽井沢ジャズフェス」コンサート評書きで、7月末の週末は終わってしまっていたが、今年はそれが無くなった為、日曜日は追分宿のお祭り「追分馬子唄道中」を楽しんだ。追分の古本屋「追分コロニー」、そして軽井沢の文化施設になった感のある「油屋プロジェクト」も順調に進んでいるようで、御主人の斉藤さんには祭りの担当で忙しいため会うことは出来なかったが、やり手のおかみさんとは少し話をした。いつもは閑散としている追分通り(電柱が無くなり美しい景観)も、この日ばかりはかなりな賑わいだった。

 
この追分の山荘に来ると、早朝の我が老バカ犬を連れての散歩が日課。御影用水わきの遊歩道を歩いていると、2匹の犬連れのご婦人とすれ違う。すると「小西さん...」と声を掛けられる。ぼくの御ひいきの用水脇の「カフェ・グルマン」の御主人平井さんの奥方。彼女はフランス語通訳としてもバリバリ仕事をこなすワーキングウーマン。挨拶を交わすと「今、土日は夜も営業しているから是非いらっしゃいよ...」とお誘いを受ける。ぼくも7月中はバカ犬と2人だけ。夕食を自分で作るのも面倒だしと思い、早速そのお誘いに乗ることにした。

 
この御影用水では何と言っても気になるのが、あの3羽のはぐれ鴨達。どうやら用水工事で可哀そうに3羽とも野垂れ死にしてしまったようで、用水散歩もつまらなくなったと思っていたが、居ました、多くの鴨達が...。用水の上流~下流にかけて3チーム、全部で17~18羽ほど。その多さにびっくりしてしまいました。まああのはぐれ達のように用水に住み着いている訳ではないだろうが、また用水散策の楽しみが増え一安心。

 
夕方からは「カフェ・グルマン」の夜の部に参加。「週末には夜も営業していることがまだ知れ渡って居ないみたいで...」と御主人の平井さん。客ももう一組だけだったが、3年ほどかけて全て自分で手作りしたユニークなドーム・ウスの建物。軽井沢随一とも言える用水越しのお山(浅間山)の眺望。それ以上に素晴らしいのが、フランスで本格修行した娘さんのガレットやクレープなどの抜群料理。いつもはビールで過ごすのだが、今日は本格的料理を...と言うことで、娘さんのお勧めと言うトマトとズッキーニに豚肉などの具材を詰めてオーブンで焼いた料理(正式には「ファルシ・プロヴァンサル」と言うようだが)、これも素晴らしく美味しかった。

 
この他お勧め料理も続々で、それらは写真のメニューを見てください。外資系広告代理店を辞めてこの地でお店を開く決意をし、自力で店舗を作り上げた平井さん。全く頭が下がるし、お店も3年目を過ぎ遂に4年目に突入と聞く。祝4年目と言う感じで、いつかはこのお店でジャズライブをやりたいもの。東京のジャズミュージシャン達やジャズ仲間達にもそれは伝えてある。早くしないとお前が逝ってしまうかも知れないぞ...、脅されてもいるのだが、それもまたロートルの愉しみの一つなのです。
 
軽井沢や上田、佐久など東信を訪れる機会があれば、ぜひ一度お店に立ち寄って見てください。応援団の一員として「カフェ・グルマン」の料理、接客、景観、お勧めですよ。
【今週の番組ゲスト:名古屋を拠点に活動しているピアノトリオ『ディア ブルース』のピアニスト中嶋美弥さんとベーシストの名古路一也さん】
M1『Funky Blues』
M2『Afro Blue』
M3『Raindrops keep falling on my head』
M4『Birdland』


























↑カフェ・グルマン外観





←ファルシ・プロヴァンサル
7月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.07/24 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.263~ジャズフェス2015夏・秋の陣】

 日頃は景気のいい話の少ないジャズ界だが、夏から初秋にかけては各地でジャズフェスが開催され、かなりな賑わいを迎える。まずは7月の末に軽井沢の大賀ホールで開かれる「軽井沢ジャズフェスティバル」。ぼくもしょっぱなから関わってきたこの別荘地フェス、4回目を迎える今年はフェスを仕掛けた伊藤八十八プロデューサーが昨年死去、開催が危ぶまれたが彼の奥さんが中心にになって、これまで通りに2日間興行。洋輔さん(山下洋輔)やTOKU、寺久保エレナなどもお馴染みの面々も出演、メデタシの結果となった。当然ぼくも現地に赴きます。そして同じ日にずいぶん前から続いている青森県八戸市南郷のサマージャズも寺井尚子などを迎えて開催される。この他真夏の帝国ホテルジャズフェスなどかなりな数のフェスが夏休み時には全国で開催される。

 9月に入ると例年通り国内最大のジャズフェスとも言える「東京ジャズ」が丸の内国際フォーラムで開かれるが、このフェスについては総合プロデューサーの八島敦子女史にスタジオに来てもらい、全貌紹介をする予定にしている。しかしフェスの準備で世界中を飛び回っている彼女、上手くスケジュールが合うのか、いささか心配な所もある。そして今年は9月27日()に、「ブルーノート・ジャズフェスティバルインジャパン」が、横浜赤レンガ特設ステージで開催されることになった。本家NYのブルーノートでは毎年ジャズフェスを開催、NYっ子に大評判だが、それを一日限りで横浜の赤レンガ倉庫街にステージを作って実施しようと言うもので、久々に期待の出来る大型ジャズフェスと言えそうだ。

 と言う事で「ブルーノート東京」広報担当の佐々木女史にスタジオに来てもらい、現在確定している限りでのこのジャズフェスの様子を紹介してもらうことにした。このフェス、特設スタジオの建設と言う所がカギで、どれほどの収容人員になるかは、まだはっきりしていないのだが、かなり楽しみでもある。出演の目玉が現代ギタリストの頂点、パット・メセニー。彼はブルーノート・オールスターズと初の野外共演を果たすと言う。そして今最も注目のジャズ新世代の旗手、ピアノのロバート・グラスパーもトリオで出演。その他若い世代に大人気のスナーキー・パピーなども現在、出演交渉を進めているが、その全貌が明らかになるのは、どうやら8月末とのこと。それだけに期待も高まり、佐々木さんも大いに期待してくださいとのこと。

 9月の東京ジャズ、そしてこのブルーノート・ジャズフェスには、アメリカなど諸外国からも多くのジャズメンが来日するので、多数のミュージシャンやシンガーもスタジオに遊びに来てくれる可能性大。期待して待っていて下さい、よろしく!

【今週の番組ゲスト:Blue Note東京の佐々木香奈子さん】
今年初めて開催される『Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN』をご紹介いただきました。M1「BREATHING UNDER WATER / HIATUS KAIYOTE」
M2「DILLALUDE / ROBERT GLASPER」
M3「GRETEL / SNARKEY PUPPY」
M4「LAST TRAIN HOME / PAT METHENY」
 

 

7月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.07/17 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.262~モンキー小林】

 日本におけるモダンジャズ開国は忘れもしない1960年。世は安保闘争に明け暮れそれから10年近い、動乱の時代の幕開けでもあったが、ジャズの世界ではこの年にアート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャーズ(JM)が初来日し大評判を集め「蕎麦屋の出前持ちも(彼らの大ヒット曲)"モーニン"を口ずさむ...」とまで言わせ、一大ジャズブームを現出、彼らがそれまでのスイングジャズなどとは決定的に異なった、新しいモダンジャズを日本中に根付かせたのであった。言うなればブレーキー&JMはジャズ開国の黒船的存在で、彼らに憧れ(音楽やファッション等々)、ジャズミュージシャンを目指す若者も少なくなかった。その後、新宿や渋谷にジャズを聴かせるジャズ喫茶が続々と誕生、ジャズは最先端の若者文化として定着することになった。

 そんなジャズ黎明期に秋田の地でジャズの洗礼を受け、長じてジャズドラマーになったのがモンキーの愛称で知られる小林陽一である。彼は何年か東京で活動した後、本場NYに渡りストリートミュージシャンとして現地の若いミュージシャンと共演、腕を磨いたのだった。その当時の仲間にはアルトサックスのビンセント・ハーリングなど、後にビッグネームになったミュージシャンもいて、ストリート仲間のハーリングとはグッド・フェローズなどと言ったバンドも結成し、何枚もアルバムを発表している。小林が率いるユニットはいくつかあるが、管楽器が入ったものはどれもが「JM」に象徴されるいわゆるハードバップタイプのもの。直ぐに口ずさみ易いかっこいいテーマを持ったナンバーが多く、今でもジャズファンのハートを揺さぶる好曲が多く、その内の一つトランペットとサックスの2管によるユニットは、ブレーキーの娘さん(シンガーでもある)のお墨付きで「ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズ (JJM)」と名乗っている。リーダー小林の愛称のモンキーはお猿のモンキーでは無く、セロニアス・モンクのモンク(高僧)の方の意味で、NYストリート時代の仲間が彼を見てそう呼んだ事から、一般化したとのこと。そしてその2管クインテットの面々は、トランペットの谷殿くんをはじめ全員がバークリー音楽院等本場のジャズ学校出身で、小林も「やはり本場でもまれてきた連中は違う」と絶賛しており、彼らに全幅の信頼を置いている。

 新作の「ノーノーノーノ―」は最近本格的に曲作りを始めたと言う小林の自信作で、タイトルはニューヨーカーが拒否の時にはノーを4回連呼するところから名付けられたものだと言い、如何にもハード・バップならではの格好いいテーマを持った好ナンバー。その他にもJMの「ダッド・デェアー」などハード・バップの十八番も並んでおり、あの良き時代のジャズの愉しさを想い起させてくれる夏軍な演奏が並ぶ。ジャズも進化し続けているのだが、愉しさの原点とも言えるこうしたガッツ溢れるプレーを展開し続けるモンキー小林とJJM。何時までも若々しくジャズを続けて欲しいものと願ってやみません。

【今週の番組ゲスト:ジャズドラマーの小林陽一さん】
M1『No No No No』
M2『Coisa n°10』
M3『Take Your Pick』
M4『Dat Dere』

7月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.07/10 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.261~映画Cu Bop(キューバップ)】

 本格的な夏の訪れとともに、ポップ音楽の世界でもサルサ、ラテンジャズ、ブラジルものなどの楽園音楽系が良く聴かれるようになってきた。楽園音楽と言えばもう一つ、ジャマイカ生まれのレゲエがあるのだが、ぼくはこのレゲエが全くダメ。あのリズムとメロディーがどうも体が受け付けない。まあこのレゲエはおいて置くとして、サルサ、ラテンジャズなどその他の音楽は楽園音楽の称号に相応しく、まさに夏本番にピッタリ。そんな夏向きの楽園音楽の時期に、その素晴らしさを強烈に印象付ける音楽映画が、渋谷の映画館でレイトショウとして封切られる。
 「Cu Bop(
キューバップ)」。ジャズに詳しい人ならばバップ+キュー(=キューバ)だからラテンジャズあるいはサルサ関連の映画だと見当がつくかもしれないが、まさにそのとおりのラテンジャズ関連音楽ドキュメンタリーなのである。この手の映画が日本で公開されるのは大変に珍しい事。その上このドキュメンタリー映画には知り合いの女性が当初から関わっていることもあって、番組でも是非紹介したいと思っていた所、その関係者から是非監督の高橋くんが番組で紹介したいとオファーがあり、二つ返事でOKを出した。

 
元々このドキュメンタリー映画が企画されたのは数年前のことで、3年ほど掛けこのほどようやく完成、劇場公開を迎えたのだった。映画の監督を手掛けたのはジャズなどを撮っているフリーカメラマンの高橋慎一。この高橋くんと一緒に制作を担当しているのが、芸大の作曲科出身で我が国屈指のキューバ音楽通の二田綾子嬢(と言っても女の子がいるので女史か...)。高橋くんのことは直接は知らなかったが、綾ちゃんとはもう20年来の知り合いで、10年程前にはラテンジャズ系の面白アルバムを紹介してもらうので、スタジオゲストに登場したこともある存在。彼女はぼくが行けなかった仲間とのキューバ音楽ツアーのコーディネイター役も勤めてもらった(このキューバツアー、言い出しっぺのぼくが台湾特番取材で行けなくなり、みんなから大いにひんしゅくを買ったトホホな思い出だが、彼女のおかげで実に愉しく有意義なものった様だ...)
 
 
そんな彼女から今キューバ人ミュージシャン2人に焦点を当てたドキュメンタリーを撮っているのだが、費用の問題や気まぐれなミュージシャン気質などで大変な作業と、何時もボヤかれていたので、完成はとうてい無理だろうと思っていたのだが、それが遂に完成、そのうえ「映画史上最も素晴らしいジャズシーンが収録されている」と、ロサンゼルスの映画祭で絶賛されるとは、全く驚き以外の何物でもない。

 
この映画は、ぼくも知っているキューバ在住のアルト奏者、セザール・ロペスと今は亡命してNYにいる若きピアニスト、アクセル・トスカの2人を追っかけたラテンジャズ・キュメント。上記の映画祭以外にも日本を代表する論客、アルト奏者でもある菊池成孔と、著名な評論家の四方田犬彦も絶賛しており、それだけでも見る価値あると言える。菊池は「全音楽ファン必見の音楽ドキュメンタリーの傑作」と言い、犬田は「故郷キューバを捨てた音楽家とそこに留まった音楽家との、両者の対決に立ち会ったスリリングな音と映像」と評価している。ぼくはまだこの作品未見なので、この2人の評価が正しいか...、果して面白いのか...は何とも言えないのだが、まずその評価は間違いないだろう。監督の高橋くんもこの2人が高く評価してくれたことを本当に喜んでいた。 封切りは7月19日から渋谷の「アップリンクファクトリー」。週1回9月の末まで上映され、高橋くんと画家、音楽家、ライターなどのトークセッションも終映後に行われるというもの。 高橋くんは綾ちゃんと同じように偶然キューバに行きどっぷりと嵌まってしまった、ある意味でのキューバおたく。しかしこうしたオタクならば大歓迎で、実に情熱的な好青年。ぼくも今月中には是非見るつもりですが、もしラテンに関心があるならば是非見て下さいネ。才媛の綾ちゃんもこんなに素晴らしく仕上がったのは...と感激していたのですから。

【今週の番組ゲスト:今週19日から上映が始まる注目の映画『Cu Bop』監督の高橋慎一さん】

M1『DEL SASSER / Los CUBANOS』
M2『Blue Bossa / HABANA JAM SESSION』
M3『UNTIY / UNTIY』

7月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.07/03 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.260~新レーベル】

 この音楽ソフト受難の時代にまたまた新しいジャズ・レーベルが誕生した。「JazzTOKYOレコーズ」。このレーベル名を聞くと首都圏に住む少し熱心なジャズファンならば、あるジャズショップのことを思い出すはずである。ジャズストリートにして東京のカルチェラタン、お茶の水の街にある「ディスク・ユニオン」のジャズ基幹店~「ジャズ・トウキョウ」である。まあその推測通りこの新レーベルは、ディスク・ユニオンのジャズ基幹店が初めて世に問うジャズレーベルと言う事で、ジャズファンならばかなり気になる筈なのである。更にその第1弾に選ばれたのがピアニストの八木隆幸くんとあらば、これは番組でも是非紹介せざるを得ない。

 関西出身の八木くんは数年前の前作を聴いて、そのバップスピリット横溢のプレーに感心しスタジオに呼んだ事がある、ぼくもお勧めの俊才。それをディスク・ユニオンの基幹店が全面的にバックアップしようと言うのだから、目立った話題に乏しいジャズ界にあってもかなりな朗報。アルバムタイトルは『スカイ・スクレイパー』。摩天楼のことである。と言う事でスタジオには、八木くんとこの新レーベルの代表にして御茶の水「ジャズ・トウキョウ」店長の生島昇氏の2人に来てもらうことにした。

 ところでこのアルバムが誕生した背景には、もう一つぼくが2人をスタジオに呼ばざるを得ない裏事情もある。と言うのも生島氏が時々お茶などをしに通う近くのジャズ喫茶、これが以前にそこのマスターが番組にも登場したことのある、ぼくもお気に入りの「アデュロン・ダック・カフェ」。ぼくは生島氏と店で顔を合わせたことは無いのだが、その名物マスターが生島氏に「君が是非聴かなければならない素晴らしいピアニストのライブを店でやるから来るように...」と厳命。半信半疑でライブに行った時のピアニストが八木くんで、彼はそのライブで八木くんの資質にいたく感激、それから色々と紆余曲折を経ながらも、八木君の今回のNY録音を新レーベルの第1弾として、世に問うことになったと言う次第。ぼくもマスターとその奥方から音が上がった時点ですぐに聴かされ、是非番組に彼を出演させるように懇願され、直にOKを出したと言う経緯がある。

 まあそんなこんなで八木くんと生島氏がスタジオに来て、新レーベルとその第1弾アルバムの紹介となった訳だが、このアルバムそのタイトルからもお分かりの通り、今年2月にNYで録音されたもので、ベースはベン・ウイリアムス、そしてドラムがロドニー・グリーンと言う、現在のNYを代表する俊英達。2人とも八木くんが共演を熱望していた面々だけに意気投合。素晴らしいセッションが実現した。アルバムのコーディネイト役はNY在住で「アヂュロン」のマスターの知人でもある小杉氏だが、大雪の日に行われたセッションは彼も非常に感心したものだったと言う。

 アルバムの全10曲のうち殆どは彼のオリジナルで、残りもバップピアノの開祖、バッド・パウエルの「タイム・ウエイブ」やハードバップを代表するピアニスト、ウオルター・デイビスの「バック・ギャモン」とバップ色が濃厚。小杉氏も指摘している通り、実に気合の入った演奏が全編展開されている。生島氏もディスク・ユニオンに来るジャズファンの関心は殆どが輸入盤、それだけに日本にも素晴らしい人がいることを是非知らしめたいと、このレーベル&アルバムを作ったのだと番組で語ってくれているが、その志や非常に良しである。聴き応え充分なアルバムだし、新レーベル発足の弁も又爽快な今回のオン・エアー。是非聴いて欲しいものです。

【今週の番組ゲスト:ピアニストの八木隆幸さんとJazz TOKYO RECORDSの生島昇さん】
M1『Labyrinth』
M2『Total Eclipse』
M3『The Souful Mr.Timmons』
M4『Skyscraper』

6月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.06/26 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.259~台湾取材旅行】

 6月の初め1週間ほど台湾にいた。7月20日の夕方に放送の台湾特番「21世紀の台湾と日本」の取材の為である。ここ数年の恒例通り今回も予算カツカツと言うよりもかなりな赤字で、またまた極貧取材ツアー。

 この台日友好特番、今回が15周年にして20回目と言う記念の放送。15年も放送していて僅か20回とは数が少な過ぎるではないか...、等と思われるかも知れないが、何せ台湾政府がスポンサーと言う特番。ラジオNIKKEI(旧ラジオたんぱ)では唯一の(恐らく他のラジオ局でもない筈だが)外国政府が金を出す特別番組。それが15年間も続いているのだから稀有の例と言っていいだろう。この正規特番以外にも、健康や貿易そして絵画・映画の芸術関連など、スピンオフ企画を入れれば30回近く台湾関連特番を組んでいる。まあ実に良く続いたものだが、制作するぼくも、それだけ馬令を重ねガタが来て無理も効かず意欲も減退気味だが、台湾の政府、マスコミ、映画・音楽、そして取材させてもらう市井の人達等々、多くの人達の協力を考えると止める訳にもいかない。

 
それにしてもこの特番、実に奇妙な縁でスタートを切ったもの。17年前のある晩、局の先輩女性が女将をやっている新橋駅近くの割烹で、友人4人ほどと深夜飲んでいた時(すでに3軒目で当方はかなり出来上がっていたのだが...)、近くの席に子供の様な女性がいるではないか...。そこで"女の子がこんな遅くまで飲んでいては駄目だよ..."などとちょっかいを一つかましたのだが、その時どうも先方に名刺を渡したらしいのだ。翌日見知らぬ女性からtelがあり「昨日新橋の割烹であったものだが、一寸話があるから今から伺いたい」とのたまう。こちらは酔っておりどんなナオンかも覚えが無いが、まあ仕方ないと会ってみると、これが歌舞伎の名優にして人間国宝、故市村羽左衛門丈の息子、市村萬次郎氏の奥方。その上彼女は単身台湾の台北に渡り同地の国立技芸学校を卒業、日本人唯一の京劇(台湾オペラ)の立ち役としてステージにも立ち、帰国してからは市川猿之助の殺陣指導などもしていたお偉いさんでもあった。その彼女が台湾に強力な人脈があるので、何か台湾関連番組をやりたいのだと言う。当時の台湾はごりごりの反共国家、そんな所の特番なんぞはお呼びでないと断ると、じゃあ香港はどうだと言う。香港はかつて同地のラジオ局と24時間相乗り特番を制作した思い出の地。ならばと言うと数日後に当時の香港政府長官を紹介してくれ、香港政府の全面協力で番組がとんとん拍子で決定。中国返還1周年の記念大イベントをクライマックスに据えた特番を放送することになった。そして翌年からは台湾政府も国民党から民進党に変り、実に民主的な面白い国へと変化、そのダイナミズムを愉しみながら次々と特番を作り続けたと言う次第。そして政府が再び国民党へと180度変化しても、それまでの実績が認められた為か、なんとか今日まで細々と継続している。

 まあ実に本当に良く続いたものだが、これもひとえにスタッフのおかげ。パーソナリティーの市村潔子女史と、ラジオNIKKEIの誇る名競馬アナウンサー(今はフリーだが...)山本直也君。この名コンビあってこそなのだが、それ以上の立役者が番組コーディネイター役のミス・エミリーこと翠英美子。元々ラジオたんぱの優秀セールス・ーマンだった彼女、退社後はフリーのコーディネイターとして番組やイベントで活躍、彼女が台湾でのスケジュールやゲストブッキングなどを完璧に仕切り、ぼくなどは彼女の指示通りに動くだけ。猿回しと猿の関係に近いのだが、簡単な中国語も出来る彼女は、極貧のホテル生活にもめげず台湾でも大活躍。その働きあったからこそ番組もここまで来れたとも言える。 
 
 今回は15周年放送20回の記念回と言う事で、歌手の小林幸子、雅楽の東儀秀樹、野球解説の赤星憲弘、宝塚花組トップ、明日海れななど、コメント陣も実に多彩で豪華。またはじめて台湾最高の観光スポットにしてパワースポットでもある阿里山にも行ってきた。今回も台北のライブハウス「ブルーノート」に寄ろうと思ったのだが時間が無かった。ただ東京と同じく小洒落たカフェやスーパー、居酒屋などのBGMは殆どがジャズ。一昔前は台湾流行歌だったことを考えれば雲泥の差。台北も実に洗練された街に変化している。こうした洗練化、それが果して良いのかははっきりしないが、いささかつまらなく思うのもまた事実なのです。いずれにせよ、再会(サイチェン)!台湾・台北の心境ですね。

今週の番組ゲスト:ジャズボーカリストの高樹レイさんとギタリストの中牟礼貞則さん】
M1『My Foolish Heart』
M2『I Can't Started』
M3『Smoke Get in You Eyes』
M4『Bat Beautiful』

6月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.06/19 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.258~新宿ピットイン50周年】

 日本のモダンジャズの歴史~Jジャズ史は1960年のアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの来日公演から始まると言うのは、余りにも有名な史実。この歴史的コンサートを、ぼくはテレビ中継
(TBSの前身「ラジオ東京」のテレビ放送)で初めて見たのだが、当時は中学生だったはずで、御大ブレイキーの迫力あるアップ画面に思わずびっくり。まさに黒人の饗宴と言った感じで、こんな音楽誰が聴くのかと当時は思っていたのだが、その数年後にはびったりとハマまってしまいそのまま現在に至っている次第。

 
そのモダンジャズが日本に根付いた拠点が騒乱の街、新宿で、中心となった小屋=ライブハウスが新宿ピットインだった。このピットインなかりせば、あの当時のジャズ繁栄は無かったろうし、ぼくももう少しマシな道を歩んだかも知れない。店が出来た頃は連日の様に入り浸って、サダオさん(渡辺貞夫)を始め、日野さん(日野皓正)、山下さん(山下洋輔)、トーサさん(佐藤允彦)など当時の気鋭の人達の迫力ある演奏に痺れまくっていたものだった。その新宿ピットインが今年で50年目を迎え、その記念イヤーでさまざまな催しを行い、そのレーベル「ピットイン・レーベル」でも、いろいろな周年記念アルバムを出すと聞いた。
 
そうなれば実際に...と言う事で「ピットイン・レーベル」のメインアーティスト~ピアニストの辛島文雄とレーベルのメインプロデューサーの品川之朗の2人をスタジオに呼んで「ピットイン50周年」について語ってもらうことにした。辛島はその記念作として久々のソロアルバム『エブリシング・アイ・ラブ』をこの4月末に発表したばかりだし、彼も一員である「ピットイン」所縁のベテラン達=「ザ・J-マスターズ」のライブアルバムも同じころ出たので、その2作品を紹介しながら、ライブハウスの50周年を振り返ろうと言う企画。辛島のソロアルバムは確か6年振りで、沖縄のライブハウスで収録されたもの。彼のオリジナルは1曲のみで、後はタイトル曲を始め「リコーダー・ミー」「これからの人生」「わが心は歌う」など、彼が大好きな曲ばかり12曲を好きなライブ小屋で、ただ一人心いくまでピアノを唄わせた素晴らしい作品。「ピットン」が誕生した頃、彼は福岡の高校生で是非そんな素晴らしい場所でピアノを弾きたいと熱望していたのだと言う。

 
もう1枚の『J-マスターズ』の方は、ぼくのクラブ仲間のチンさん(鈴木良雄)をはじめ峰厚介、向井滋春と言った「ピットイン」のステージを熱く飾ったベテラン達6名が集結。「リカード・ボサノバ」「ソニー・ボーイ」などメンバーお気に入りの曲を持ちより、気持ち良さげに演奏した快演集。このアレンジなどもピアノの辛島が手掛けている。
  「もうこの年になったら好きなように、気ままにピアノと向き合いたいよね...」と言う辛島は、ベテラン・ジャズピアニストの境地ここにあり...と言った感じでピアノを淡々としかも真摯に弾き綴っている。エルビン・ジョーンズなどビッグネームのバンドで活躍した、彼ならではの素敵な境地である。
 
新宿ピットインのオープンは12月24日、クリスマスの日である。その暮れの日を中心に記念イベントが組まれており「この日は日本中のジャズメンが集結するんじゃないですか...」と品川が豪語していたが、まさにその通りのビッグジャズイベントになる筈である。期待して待ちたいものです。
【今週の番組ゲスト:ピアニストの辛島文雄さんとピットインミュージックのプロデューサー品川之朗さん】
M1『Everything I Love/辛島文雄』
M2『Straight No Chaser/The J MASTERS』
M3『Late Autumn/辛島文雄』
M4『Recorda Me/辛島文雄』

6月13日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.06/12 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.257~カシオペア・野呂一生】

  この「テイスト・オブ・ジャズ」は、もう50年以上の歴史を誇るギネスもの音楽番組なのだが、その出演者と言うと、やはりそこには人の縁と言うものが強く働いている感じもある。この番組には、日本のジャズメンのうちサダオさん(渡辺貞夫)以外は、殆どの人が一度は登場しているなどと結構自慢げに語っている訳だが、実際には一度もスタジオに来ていない人も、サダオさん以外でも当然いる。その代表格が人気フュージョンバンド「カシオペア」~現在は「カシオペア3rd」だが、そのリーダーでギタリストの野呂一生さん。ぼくが余りフュージョン好きではないと言う事もあり、そんなに無理して出演オファーを図らなかったのが、彼がこれまで登場しなかった最大の理由。それにはカシオペアのスタッフに知り合いがいなかった事もかなり大きく関係している。ライバルバンドとも言える「スクエアー(スタートはT-スクエアー)」は、このコラムでも時々登場していたヤソさんこと故伊東八十八氏が立ち上がげから関係していただけに、伊藤剛などスクエアーの面々はそのデビュー時から良くスタジオに遊びに来ていたものだった。

 一方のカシオペアにはそんな人もいなかっただけに、ノーギャラのこの番組ではなかなか声が掛け辛いと言う事情もあった。但しカシオペア3rdの他の面々、天下の手数王、ドラマーの神保彰、最近加入の紅一点、オルガン&キーボードの大高清美、そしてナルッチョことベースの鳴瀬よしひろと言った面々は、自身のリーダー作を出した時にはスタジオに登場しており、これまでに一度もそういう機会が無かったのが、リーダーの野呂一生だったのである。

 それがひょんな縁でバンドの新作を携え、今回番組初登場と言う事になった。『ASOBO』とタイトルされたその新作は、ジャケットもメンバー全員が遊園地で愉しげに遊んでいる姿が、ポップに描き出されており、中身もそのとおりの遊び心に溢れた愉しいもの。このアルバム4月末に既に発売されており、CDショップやアマゾンチャート等全ての部門で第1位を記録。彼らの人気が如何に凄いものかと言う事を改めて実感させてくれたのだが、当のリーダー野呂氏はそんな人気とは無縁の、かなり物静かで落ち着いた紳士。前もって此方が持っていたイメージとは、大分違っていていささか面食らったが、50数年の歴史あるジャズ番組と言う説明をすると、そんな番組に招かれるとは...といたって丁重。特にほかの面々は一度は番組に来ていると言うと「それは知らなかった。今回出れて光栄です」と言う嬉しい返事で、すっかり彼のファンになってしまった。

 番組では今回の第3期のカシオペア誕生の経緯、この新作の自作紹介など、かなり色々と率直に語ってくれており、このバンドのそんな熱心なファンでもないぼくも興味深いものだった。一方学生時代が彼らの全盛期と言う山本アナはかなり興奮気味、いささか揚がっている様子も見えたが、2人の愉しい会話は弾んだ。アルバムはCDにかつてのヒットチューン10数曲を演奏したボーナスDVDも付いており、これならばアルバム・チャートのトップを邁進するのも当然と言ったおトクもの。皆さんも是非お買い求めを...。 

 野呂さんはこのカシオペア3rd以外に、自身のギターをフューチャーしたユニットも持っており、そちらも今年の秋にはアルバムを発表する予定とのこと。その折には是非またスタジオに呼んで欲しいと言われ、二つ返事でOKを出した。好漢との不思議な縁が今回生れることになった。

【今週の番組ゲスト:カシオペア3rdの野呂一生さん】
2ndアルバムの『A-SO-BO』から4曲ご紹介します。

M1『MODE TO START』

M2『CATCH THE WIND』

M3『FEEL LIKE A CHILD』

M4『ARMFUL

 


6月6日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.06/05 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.256~TOKU】

 このコラムでも再三書いて来たが、ジャズアルバムが売れない~そこで新譜も出ないと言った、無い々ずくしの負のスパイラルに落ち込んでしまっている。これはジャズだけでなく音楽ソフト界全体の問題で、CDや配信も本当に良くない。かえってかつてのアナログ盤が若い音楽ファンの関心を集め、アナログ盤専門店誕生と言ったニュースも聞く。
 そんな音楽~ジャズ業界だが、少し毛色が変っているのがジャズボーカルの世界で、次々と新人も登場し、アルバムセールスはどうか判らないが、奇妙な活況状態にあるとも言える。これには若い女性達の自分探しの一環としてのジャズボーカル教室の盛況。そこの卒業生がセミプロ化し、名刺代わりにアルバムを制作と言った言いにくい側面も確かにあるのだが、元気が無いよりはあった方がはるかに良いのは言うまでもないこと。しかしこの奇妙な活況は女性ボーカルに限ったことで、若い男性ボーカリストはほとんど皆無といった状態。一時脚光を浴びた小林桂も、最近ではその動向すら余り耳にしなくなってしまった。そんな中にあって一人気を吐いているのが、プロ歴15年に及び、今や中堅になってしまった感もあるTOKU。

 彼はボーカリストであると同時に、日本を代表するフリューゲルホーン奏者。これはいまだ根強い人気を誇る故チェット・ベイカーと同じ。と言うよりもTOKUはチェットの影響で、この2刀流に手を染め始めた訳で、そのボーカルスタイルもチェット流の囁くようなウイスパーボーカルなのである。そのTOKUが今回、ジャズボーカルの大御所、故フランク・シナトラ追悼のジャズアルバム『ディア・ミスター・シナトラ』を発表した。折しも今年は「ザ・ヴォイス」ことシナトラ生誕100周年と言う記念年。それだけに以前から敬愛して止まないシナトラ追悼集を...と言う事になったのだが、今年は自身も15周年と言うメモリアルイヤー。それだけに好個の企画になったと言う感じだ。
 そこでTOKUに久しぶりにスタジオに遊びに来てもらうことにした。なんと10数年振りの登場である。ものともとTOKUは出身大学は違うが、早稲田大モダンジャズ研究会=ダンモ研OBで、ぼくの後輩にあたる(後で知ったことだが...)。早稲田生のクラブ員がほとんどいなかった低迷期に、彼はクラブを盛り立ててくれた陰の功労者だとも、デビュー後に聞かされたが、もし彼が居なければクラブは消滅したかも知れない...などと言われると、自ずと頭が下がるし、その彼の周年作品とあれば、番組で取り上げざるを得ない。

 そのTOKUくんのボーカリストとしての才を見つけ、レコーディングに引っ張り出したのは、ソニーレコードのディレクターで、今や早大ダンモ研OB会会長と言う重責を担っている渡部康蔵君。彼がデビュー間近の彼をスタジオに連れて来て、それ以降も何回かスタジオには来ているのだが、この所はとんとご無沙汰で、今回はなんと10数年振りの登場。彼は新潟県三条市の出身で、番組の山本アナも新潟弥彦出身で三条の高校に通っていたのだと言う。初対面の2人はその地域のローカルな話で収録前に盛り上がっていた。
 アルバムはロン・カーターや別所哲也などの豪華ゲストを迎え、TOKUが御大の持ち歌を楽しそうに披露している優れものなのだが、なんとシナトラの十八番とも言えるあの究極のバラード「マイ・ウエイ」は、人気ヒップホップアーティストのZeebraを迎え、ヒップホップ・マイウエイに作り替えられている。この辺りも興味深い所なのである。

 その語り口・雰囲気などがタレントの「DAIGO」に似ているなーと、山本アナと収録後に意見が一致したのだが,今や男性ボーカルの世界を一人で背負って立っている感も強い彼。「ジャズボーカルの王道アルバムにしたかった」と語っていたが、そのとおりの好アルバム。これからも大いに男性ボーカルの為、気を吐いて欲しいものです。

【今週の番組ゲストヴォーカル&フリューゲルホルン奏者のTOKUさん】
今年生誕100年を迎えるフランク・シナトラをトリビュートしたアルバム『Dear Mr.SINATORA』からご紹介します。
M1『I've Got You Under My Skin featuring Advanced Music Gallery』
M2『The Lady Is A Tramp featuing 別所哲也』
M3『Strangers In The Night』

M4『My Way featuring Zeebra』


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