12月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.12/25 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.285~ジャズ2015】 
 我が「テイスト・オブ・ジャズ」も今回の放送が2015年の打ち止め。毎年掉尾の番組では、気鋭のジャズ評論家、ライターを招きその年の印象に残ったアルバムをいくつか紹介してもらって来ているが、今年はジャズライターのニューウエーブとも言える柳楽光隆くん。
 
彼は「21世紀のジャズ・シーンを網羅した初のジャズ本」というキャッチで評判を呼んでいるジャズ本「ジャズ・ザ・ニュー・チャプター」の著者でもある新進気鋭のライター。この本はかなり好評の様でこれまでにvol3まで出されている。そしてこのジャズ本の中心になるのが、新世代を代表するピアニスト&プロデューサーのロバート・グラスパーで、番組でもまず彼の新作『カバード』から1曲紹介した。このトリオアルバムは、タイトル通りヒップホップ、R&Bからロック、そしてジャズスタンダード迄をグラスパー流に大胆にカバーしたもので、その斬新なアプローチが目立つ秀作。この他彼の周辺の「ネクストチャプター」とも言えるミュージシャンのものも取り上げている(曲目については下を参照)。

 
一方日本のジャズシーンについても...、というぼくからの要望には、今注目の才媛、挟間美帆の『タイム・リバー』を挙げてくれた。山下洋輔氏にその才を見出されたこの若きジャズ作曲家は、いまや本場NYをメインに大活躍、世界中が注目する存在に成長しており、その新作は彼女が表現の更なる高みに到達したことを如実に物語るもの。ぼくも今年のJ-ジャズのベストの1枚として推薦したいアルバムでもある。そしてラストはこのバンドの一員でもある、テナーのダニー・マクシャンの新作で閉めてくれた。「ジャズ・ニューチャプター」。若き黒人ミュージシャン達の台頭を物語る、この言葉通りの状況が今新たに生まれつつあり、ロートルのぼくなどはどうもラップ&ヒップホップが生理的に受け入れ難いのだが、これまでのジャズファンとは違う新しいファン層が増えつつあるのは実感出来る1年間であったと思う。ぼく自身の2015年お勧め作品は前回のコラムで紹介した通り。

 
そのレギュラー番組に引き続き、暮れの31日には、夕方5時から1時間のジャズスペシャル番組を放送する。この特番は「ジャズゆく年くる年」ということで、今年の回顧と16年以降のジャズシーンの展望...などをしようというもので、ジャズ評論家の青木和富、佐藤英輔の御二人をスタジオに招き、心行くまで語りあってもらうという趣旨。進行役は我らが山本郁嬢。番組は2人が印象的だったアルバムをそれぞれ5枚ほど持ち寄ってもらい、それらについて語り合ってもらうことから、ジャズシーンの現在&未来像がなんとなく浮かび上がればベストと言うもの。
 
この特番でもやはり今シーンの中心にいる、グラスパーの『カバード』からスタートすることになった。ただ英輔氏は余り本場のアメリカのミュージシャンを取り上げることが無く、アルゼンチン、アフリカのマリ、キューバなどの周辺諸国のミュージシャン~ワールド・ミュージック・ジャズのアルバムを主に紹介。ジョシュア・レッドマンなどのアメリカの主力を紹介した和富氏とはだいぶ趣が異なっており、そこら辺もかなり興味深いところだと思う。ただ2人とも共通していたのは、これまでのジャズというものが今や大きく変質しつつあるのではないだろうか...、という点。ジャズはどんどん拡散しつつもその本質を保ち続ける...、というぼくの考え方にも近く、大きく頷けるものだった。
  
 
特番のほうは最後に柳楽氏のダニー・マクシャンに対抗するように、英輔氏が現代サックスの代表格、クリス・ポッターの最新作を紹介、和富氏は今年NYで亡くなった鬼才、菊池雅章の代表曲「ダンシング・ミスト」を紹介、冥福を祈りつつ幕を閉じることにした。「テイスト・オブ・ジャズ・スペシャル」の方も、日頃余り耳にしないようなジャズ音が聴かれるはずで、愉しみにしてもらいたいもの。 また来年も番組よろしくお願いします。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の柳樂光隆(なぎらみつたか)さん】
M1「Don't Even Care/ROBERT GLASPER」
M2「FOR FREE?/KENDRIC LAMAR」
M3「DON'T UNPLUG MY BODY」
M4「The Urban Legend/狭間美帆」
M5「NO EYES/DONNY McCASLIN」 
12月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.12/18 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.284~2015年もそろそろ...】 

 我らがジャズ番組も今年のオンエアーはあと2回ほどで終了。最後の放送では若きジャズライターの柳楽光隆くんをスタジオに招き、彼が推す今年のベスト作を5枚ほどを紹介してもらう。またドン詰まりの大晦日・31日には「テイスト・オブ・ジャズ・スペシャル(1時間)」として、青木和富、佐藤英輔という本邦を代表するジャズ評論家2名が、大きな地殻変動を感じさせた2015年のシーンを振り返り、併せて新たな地平を拓くであろう16年のシーンも展望する特別番組をオンエアーする予定にしている。

 と言った処でぼく個人として今年を振り返ってみると、やはりジャズ関係者や周辺でも亡くなった方も多かったことが第一。ジャズもその良き時代を担ってきたヒーロー達が次々と姿を消していき寂しい限りなのだが、自身の年令を考えればそれも至極当然のことと言えそうだ。そして周りの友人、知り合いも同じような状況になりつつある。このコラムでもそうした追悼はいくつか書いてきたが、最近で印象に残ったのは、野坂昭如と小鷹信光という2人の大人(たいじん)告別のお知らせだった。2人ともぼくは2回ほどしかお付き合いしたことが無いのだが、両者とも強烈な印象が残っており、野坂さんも小鷹さんもほぼ同じ頃の早稲田文学部卒業生。
  野坂さんは一時代を画した放送人で、同時に正真正銘のダンディーなアナーキストでもあり、あの「ほたるの墓」などでも知られる強烈な戦災体験を持ち続け、一貫して反骨・反権力を通した早稲田を代表する「漢(おとこ)」だった。巨泉さん(大橋巨泉)などとの特別番組でゲストに出てもらい、政治理念など持論を語り合ってもらったが、信念を曲げないその強烈なアナーキスト気質には、びっくりさせられたものだった。
 
 
野坂さんの死亡記事が一面を飾ったのに対し、同年輩・同時期の早大卒業生と言うにも関わらず、小鷹さんの方は一部の新聞の死亡欄にひっそりと載った位で一般の知名度はほとんど無かった。だがことハードボイルド小説好きには、彼は「神」のような存在だった。一般的には彼はあの松田優作主演で人気を博した「探偵物語」の原案者(小説も1作ありこれが傑作)として知られていたが、ハードボイルド小説の元祖、ダシール・ハメットの翻訳者で研究家。日本のハードボイルド研究を体現化したような素晴らしい漢だった。僕は2回ほど東中野の事務所でインタビューし、2時間特番で「探偵物語のオリジナルラジオドラマ化」という話も持ち掛けたのだが、これは諸般の事情でダメ。しかしその知識の広範なことは驚くべきで、当然ジャズ好きでもあり、ジャズの話でも感心させられることも多かった。つい最近もジェームズ・クラムリー等の傑品ハードボイル小説の現場をアメリカ中かけて車で探し歩く旅をし、それを一冊の本にまとめた作品を出されていたが、その尽きせぬ情熱は感動ものだった。素敵な2人の男達の魂に改めて献杯!

 
さて今年もまたお勧めアルバムを紹介して欲しいと、2~3の出版社から頼まれたが、ぼくが挙げたのは、外国部門ではキューバを代表するピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバと今は亡きベースの巨星、チャーリー・ヘイドンの共演盤(なんとブルーノート東京での05年のライブ)『トウキョー・アダージョ』、国内盤では番組にも何回か登場した、現在最注目の新進ピアニスト、桑原あいの『ラブ・テーマ』の2枚。どちらもその哀感に泣かされること必定の傑品で、特に桑原はこのアルバムで大きな成長を示したことは間違いない。あとボーカル作品では、カナダのシンガー、ダイアナ・パントンの「全ての子供たちと子供の心を持ち続ける大人達へ...」と添え書きがある『アイ・ビリーブ・イン・リトル・シングス』がお勧め。これはその副題にもある通り、子供たちの唱歌や子供をテーマにしたナンバーを取り上げたアルバムだが、実に心地よい素敵なもので心休まる佳品。
 
以上どれも買って損のない作品ばかりで2015年番組からのお勧めアイテムです。
【今週の番組ゲスト:インパートメントの西野孝さん】
M1「Gone Under with Shayna Steel/SNARKY PUPPY」
M2「Little ghetto boy/LALAH HATHAWAY」
M3「飾りのついた四輪馬車/karrin allyson」
M4「Sunrise in Beijin/CHRISTIAN SCOTT」
M5「Meeting Across The River/RANDY BRECKER」 



12月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.12/11 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.283~クリスマスジャズ】

 
12月に入ると街はクリスマス一色。どこそこのイルミネーショオンが...と言った特集が雑誌の誌面を飾るが、こちとらロートルおっさんにはほとんど無縁な記事。しかし一頃のクリスマス狂想曲が姿を潜めたように思えるのは好ましいことだ。ぼく達ロートル世代のガキ時代はほとんど全員が貧しく、生活もつつましいもので、クリスマスプレゼントなんてものは全く無縁だったが、ただ小学校の2年生の頃どうしたはずみか、親父がクリスマスで街へ連れて行ってくれることになり、銀座から京橋辺りをぶらついた想い出がある。あの頃はまだクリスマスなどは異郷のもの。信じられない程の大勢の人達がすることも無く(当然買い物をする金も無い)、ただブラブラと銀座の街をほっつき歩いている光景は、今見れば異常なのだが、クリスマスとは街をぶらつくことと言ったイメージが植えつけられてしまい、その後も何となく街に出てほっつく癖がついてしまった。

 
そんなクリスマスも欧米では最大の年中行事。それだけにこの時期の商戦も活発で、なにかにつけクリスマス関連グッズも登場する。当然音楽業界もこれに便乗してポップスやトラッドのクリスマスソングを集めたクリスマス関連アルバムがこの時期には数多く街に出回る。ポップス系のクリスマスソングと言えば代表曲は「ホワイト・クリスマス」。これは歌い踊る貴公子、ビング・クロスビーが主演した同名映画の主題曲なのだが、彼が歌って大ヒットし、クリスマスはこの曲と言う事になり,そのクロスビーを受け継いだのがボーカル帝王、フランク・シナトラ。マフィアとの関係も噂されるこのショウビジネス界の帝王のクリスマスアルバムは、老若男女を通じて大ヒットし、一家に一枚的なアルバムにもなっている。

 こうした歌ものクリスマスアルバムがこの手では主流だが、勿論演奏もののクリスマスアルバムも数多く、あのマイルスもクリスマス関連曲を吹き込んでいるほど。アメリカの場合にはレコーデイングの時にわざわざクリスマスナンバーを1曲ほど余計に吹き込んでおき、その年の暮れのクリスマス作品に収録などと言う事も少なくないとも言われている。

 
こうしたジャズクリスマスアルバムはわが国でもこの時期の定番になっており、今年も何枚か出されているが、注目はピアニスト立石一海くんのもの。彼は上智大のジャズ研出身で卒業後はレコード会社「ビクター」のジャズディレクターを務め「熱帯ジャズ楽団」などを担当、レコード不況のあおりを受け退社、もともと好きだったジャズピアニストとして独立したと言う経歴の持ち主。独立後はジブリやTVアニメ作品のジャズ化アルバムを数枚出しこれがヒットしたのだが、これを偶然聴いたのが韓国のレコードプロデュサーで、彼はこのアニメジャズ作が大いに気に入り、韓国でツアーをやらないかと彼を誘い、それ以来韓国でも人気を得て今回のクリスマス作品はその韓国のレコード会社からの作品と聞く。邦盤はジャケットを日本で人気の高いムーミンの絵に変え、それも好評のようだ。「ホワイトクリスマス」「サンタが街に...」など典型的なクリスマスソングが並ぶが、アニメジャズでの子供から大人までのハートをがっちり掴むノウハウを生かし、今回も実に聴きやすく愉しいクリスマスジャズアルバムに仕立ててくれている。今回はその彼をスタジオに呼び、好評の韓国ツアーやアニメ・ジャズの面白さなどを語ってもらう。性格もいい好男子の彼は子供の為のジャズ・コンサートも実施、ジャズの普及にも勤めている。お愉しみに。


【今週の番組ゲスト:ピアニストの立石一海(かずみ)さん】
M1「Let It Snow Let It Snow Let It Snow」
M2「Have Yourself A Merry Little Christmas」
M3「Rudolph The Red-Nosed Reindeer」
M4「December In Seoul」 

12月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.12/04 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.282~ライブ三昧】

 日頃は出不精のせいもあり、ラグビー観戦以外余り外出せず、ライブ鑑賞もしない(勉強不足で反省)のだが、11月下旬の数日はラグビー早慶戦を挟み、珍しく3日程(プラス1日)ライブ鑑賞が続いた。このプラス1日については後で記すが、ライブの方はライブハウス、コンサートホール、そして大使館公邸と、それぞれ趣きの異なった場所でのライブ鑑賞だったので面白かった。

 まず初めは我がクラブ仲間で、J―ジャズベースの第一人者、チンさんこと鈴木良雄のライブ。チン、チンと日頃は呼び捨てにしているが、南里文雄賞最後の受賞者にしてジャズシーンの大御所、少しは敬意を払わねばとも思うのだが...。そのチンさんのバンド名は「ジェネレーション・ギャップ」。その名称どおりにチンだけがベテランで、後はピアノのハクエイ・キムなど、全員が30代のバリバリと言う世代ギャップ激しきバンド。こうした若手(中堅)と共に彼も良く頑張っていると言うか良くやれているな...と思うのだが、そこにはJ-ジャズのこれからを考える、チンなりの戦略や覚悟があり、メンバー全員も彼を敬愛し、ユニットとしてもまとまりのある好バンドなのである。今回結成10年目にして初めてバンドのアルバムを発表、その御披露目もかねて全国ツアーを3か月近く実施、その最終ライブが渋谷のJGブラッドだった。「お前よー、10年もバンドやってて、一度も聞きに来ないじゃないか...」とお叱りのTELが2度ほどあり、これはいかなくてはと言う事で、渋谷まで足を運んだ。元々彼は日本のヴァイオリン教育の第一人者、鈴木愼一(ぼくもここの天才少年の1人だったのですが...)を叔父に持つ音楽一家の一員で、山深い木曽福島の出身。数年前に故郷の御嶽山をテーマに曲を書き、いざ発表と言うときにあの大噴火で曲はおくら入り。それを今回のアルバムに収録、これが和太鼓やお囃子と共演したなかなかの名曲で、その演奏が渋谷ライブでの目玉になっている。ライブでは若い面子を引き連れ、彼らに刺激されながらも、意気揚々と若々しいBエースプレーを披歴、ハイライトの「御嶽」ではドラムと和太鼓・お囃子の掛け合いも決まっており、愉しいステージが実現されていた。終わって「好いステージだったね」と声を掛けると「どうした珍しいじゃないか、褒めるなんて...」と切り返されてしまった。まあしかし流石、御大チンさんである。繊細にして大胆、静謐にして華麗。いい演奏聴かせてもらいました。

 
 次の夜は川崎市。ここを代表する大ホール「ミューザ川崎」で行われた川崎ジャズフェス。これまでのフェスを大きく模様替えしての新顔ジャズフェス。このホールは日頃はクラシックを行う大ホールで、その偉観に圧倒されたが、どういう訳か音楽(ジャズ)関係者の姿が一人も見当たらず、席は客席の中央で市のお偉方達に挟まれいささか居心地が悪かったが、音は最高のロケーション。内容はリシャール・ガリアーノとロン・カーターというジャズアコーディオンとベースの珍しいデュオコンサートで、№1どうしのまさに巨匠による貫禄デュオ。ただ広いホールではいささか地味目で、第2部の寺井尚子バンドの方が、舞台映えするのはいささか皮肉なものだったが、演奏内容は保証済みの素晴らしさ。ラストのガリアーノ&寺井の絡みも聴き応え充分だった。


 そしてラストはスウェーデン大使公邸でのライブ。丁度スウェーデンを代表する美形シンガーのイザベラ・ラングレンが2週間ほど来日公演を行い、感謝の意味も込めスウェーデン大使が自身の公邸でパーティーとミニライブを実施したもの。小柄で噂通りの美形の彼女は、自身のピアノトリオをバックに数曲披露、チャーミンングな歌声で魅せた。日頃は大使公邸などに入ったことが無いだけに、ボーカル共々かなり興味深いものだった。


 最後に「プラス1」のライブが高田馬場のボス、茂串氏の持つライブハウス「コットンクラブ」で開かれた『伊藤八十八氏を偲ぶ会』。昨年の今頃亡くなったジャズプロデューサー、伊藤氏についてはこのコラムでも再三取り上げて来たが、その彼を偲んでの追悼会。150名近い参加者で会場は満杯。発起人にはサダオさん(渡辺貞夫)や日野ちゃん(日野皓正)等の大御所も名前を連ね、彼と早稲田大文学部の同期、森田一義くん(タモリ)もその発起人の一人。会ではタモリも挨拶をし、その後追悼演奏が開かれ、サダオさんや坂ちゃん(坂田明)もソロ演奏を披歴、マリーンもトリオをバックに2曲ほど披露と、かなり豪華なライブになった。それにしてもサダオさんの元気なこと。80才を超えているとは全く驚かされます。この会ではタモリやサダオさんとも久し振りに挨拶を交わせて、八十八さんのおかげとなにか嬉しい思いがした。それにしても彼はぼくより一才下、大変残念で寂しい。あの「おニャン子」の一員だった伊藤氏の奥方の挨拶も心に沁みるもので、来年の彼主催の「軽井沢フェス」などの仕事は、彼女が代表として引き継いでいく様なので、全面的に協力していかねばと改めて思ったものだった。彼のこれまで作った作品が写真と共に乗せられている追悼誌が記念品として配られ、改めてその作品群の多さに感嘆させられた。 
【今週の番組ゲスト:ピアニストの宮川純さん】
M1「The Way」
M2「JB'S Poem」
M3「Pulse」
M4「The Water Is Wise」

11月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.11/27 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.281~温泉とジャズ】

 
年令を取りロートル化(自身では何時までも若いつもりなのだが...)して来ると、どうも外に出るのが億劫になりがちで、この所新しい温泉を見付ける旅にも出ていない。と言うよりも余り山行をしなくなってしまった為に(山のクラブもご無沙汰)、温泉発見旅も無くなってしまった訳で、ぼくの場合は山行=温泉旅なのでもある。もう少し前、まだぼくがラジオ局員だった頃は取材出張もかなり多く、全国を取材で飛び回ると同時に温泉の入浴数を増やしていったもので、まあなんやかんやでぼくが入った温泉は、少なくとも1500を超え、その中には台湾の温泉も北投など10数箇所含まれている。まあこれも仕事上の役得と言った所だが、あの頃は九州の鹿児島に取材に行けば、タクシーを使って近くの温泉5~6か所は必ず廻ったもので、温泉代が100~200円、タクシー代が1万円超え等と言う事もざらだった。ぼくの温泉師匠とも言える故美坂哲男さん(岩波書店の有名科学もの校閲者にして、TVの旅番組で短パン・キスリング姿でビール漬けの気楽なおっさんとしても知られていた)は、なんと3000湯を達成しており、その記念温泉旅行を丹沢の中川温泉でやったのも、今となっては懐かしい想い出になってしまった。

 
そんなぼくだが最近のお勧め温泉は、山梨にあるサントリーのウイスキー工場で知られる白州にある尾白の湯。日本の大地溝帯(フォッサマグナ)の端に位置するこの温泉は、ミネラル含有量が日本でも屈指の温泉のひとつとされる超高度効能温泉で、前から一度行きたいと思っていたのだが、機会が無く先月初めて訪れたもの。追分の山荘帰りにわざわざ清里を経由し白州周りで帰ったのも、このお湯を味わってみたかったからに他ならない。
 
この日本を縦断するフォッサマグナの傍には穴場の温泉も少なくないのだが、この尾白の湯は南アルプスの名峰、甲斐駒ヶ岳の真下になる、広大な尾白の森(「べるが」と言う綺麗な公園)の一角にある公共の湯で、甲斐駒と八ヶ岳連峰が一望できる絶好のロケーションに位置する。赤湯と白湯の2つのお湯があり、赤湯が高濃度ミネラル泉で白湯はそれに土地の水(白州の名水ではあるが...)を加えた温泉。赤湯は露天しかないのだがこれがやはり真っ赤と言うか真っ茶と言うか、如何にも効能豊かな色合いで嬉しくなるし、実際にもしょっぱい味のする霊験あらたかなお湯。公共施設だけに秘湯の雰囲気こそないが、温泉としてはあの故湯、有馬温泉にも似た好いお湯だ。

 
そして温泉と言えばもう一つのとっておき情報を...。温泉県の長野でも実際に温泉を汲める温泉給湯施設は殆ど無いのだが、上田市郊外(昔の室賀村)にある「ささらの湯」では、すぐ近くにこの源泉汲み上げ施設があり、風呂だけでなく飲用としても利用ができて健康にも好いので、追分の山荘にいる時には1時間ほどかけてこの山間の給湯施設までお湯汲みに行くことにしている。この施設は中々の穴場で、地元民(ジモッティ)でも知る人の少ない穴場。上田や別所温泉方面に行かれる温泉好きの方は、一度試されるのも一興。泉質は保証済みで驚くほど安価である。

 
まああまりこんなことばかり書いていると、担当のO部長に怒られてしまうので、最後にジャズと温泉とのこじつけ関係を...。今ジャズは飲み屋からお蕎麦屋など至る所でBGMとして使われているのだが、洒落た旅館などでもジャズをお風呂のBGMにしている所は流石に皆無。お風呂に入る時ぐらいは音を聴きたく無い等と言う向きも多いのだろうが、静かなジャズを聴きながら温泉でゆっくり...等と言うのもまた一味違った趣きがあっていいのでは...。それと「居酒屋ジャズ」「お蕎麦屋ジャズ」などと言った用途別コンピレーションアルバムも出されている昨今、「温泉ジャズ」と言ったコンピアルバムが登場しても少しもおかしくないと思うのだが、どんなものだろう。硫黄泉にはコルトレーンやアイラ―等のいささか激しいジャズ、泡が多いラジウム泉にはゆったりと静かなピアノトリオナンバー等々。こんなアルバムが企画されたらその選者はぜひぼくに指名して欲しいものである。ジャズを知り、そして全国津々浦々の温泉にも通じた(とはまだ言えないが...)人物と言えば、ぼくの知る限りぼくを超える男はいない筈なのだが...。まあつまらないことをづらづら書いて、担当のO部長からまた警告を受けて仕舞うかも知れないが、どうかメンゴ・メンゴ(御免なさい)!

 【今週の番組ゲスト:ジャズシンガーのMAYAさん】
M1「さよならを教えて」
M2「恋心」
M3「枯葉」
M4「シェルブールの雨傘」

11月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.11/20 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.280~川上さとみ】

 
1970年代の半ば頃からジャズの花形楽器(と言うよりもジャズ界全体をリードする)楽器は、それまでのトランペットやサックスと言った吹奏金管楽器から、鍵盤楽器のピアノに移行したと言える。そしてこのピアノ全盛時代は現在までかなり長い間続いており、今や我が国ではジャズアルバムと言えば、ピアノものしか売れないと迄言われる程、少しばかり歪な状態にもなっている。
 
そんなJジャズピアノの世界では、御大の秋吉敏子さんを筆頭に、山下洋輔、小曽根真等と言ったベテランを除くと、女性陣の方が元気がいいようである。その筆頭格は国際的なスケールで世界中を飛び回っている真のワールドワイドなスター、上原ひろみ。そしてそれに続く山中千尋と何かと女性の名前が出て来る。

 
そんな多士済々の女性陣に番組ではスポットを当てようと言う事で、今最も忙しい一人、片倉真由子(ラジオデビューはラジオたんぱ)を先々週スタジオに招き、5年振りになる新作『エコーズ・オブ・スリー』を紹介して貰った。中村恭士、カーマン・イントーレと言うバークリー音楽院時代からの仲間を伴ったこのアルバムは、彼女らしい覇気に溢れた力感溢れるアルバムで、オリジナル中心でぐいぐい迫ってくる辺りも大きな魅力だった。

 
そして今週は美形のピアニストとしても知られる川上さとみをスタジオに招いた。彼女も今回4年振りになる新作を発表、こちらも殆どが自身のオリジナルと言う自信作で、タイトルは『バレリーナ』。この新作は彼女にとって6枚目のアルバムだが、デビューの時に今は亡き巨匠ハンク・ジョーンズにその才能を絶賛されたことで一躍注目を集めた彼女も、一時ピアニスト生命が危ぶまれるような難病を患い、そこから見事復活し堂々のピアニスズムを披露しており、その努力はやはり素晴らしいものである。タイトルにはそうした彼女の心境も反映されているようで、一面華やかなバレリーナの内面を鋭敏にしかも優美に描き出した、如何にも彼女ならではの世界。「水面に広がる波紋のように美しいピアノの響き」とアルバムのキャッチにあるが、そのとおりと言った感じの深遠で優美な川上ワールドが全編で展開され、最近聴いたピアノアルバムの中でも強く印象に残る一篇である。彼女にそのことを伝えると、いささか恥ずかしそうに微笑んでくれたが、その所作も美形の彼女ならではの優雅さ。多くの男性ファンを虜にするのも至極当然と言った感じだが、かなりきっぱりとした男っぽい性格のようでもある。

 
アルバムのオープニングナンバーは「ダマスカス・ローゼズ」で、絶世の美女と謳われたクレオパトラも愛した香水のこととも言われるが、こちらとはとんと縁がなく良く分からない。その他にも「パールズ」「サファイア・ブルー」などと、セレブ色の濃いタイトルのナンバーが続くが、彼女だとピッタリと言う感じなのも美人の得する所だが、その実力、アルバム内容の秀逸さも保証済み。 

 
そう言えば彼女、自身の姿には大分自信がある様で、今作も含め全てのアルバムが自身の少しセクシーなポートレート。力量があり美形、恵まれた才媛ですので、アルバム共々その語り口の優雅さも是非お愉しみあれ。

 【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの川上さとみさん】
M1「Damask Rose」
M2「Ballerina」
M3「Nostalgia」
M4「Sapphir Blue」

11月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.11/13 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.279~多国籍バンド】

 日本への諸外国からの観光旅行者は飛躍的に増加しており、爆買いで一躍名を馳せた中国人を筆頭に、フィリピン、タイ、台湾など東アジアからの旅行者も実に数多い。またそれに伴い、欧米諸国や中南米諸国などからの旅行者も最近街でひんぱんに見かけるようになっているが、こうした観光客の増加にも関係してか...、日本を拠点にする音楽家~ジャズミュージシャンも増加傾向にある。スティーブ・サックスやアンディー・ウルフ、セザール・ロペスなど、我がジャズ番組にも登場したミュージシャン以外にもその数は相当数いて、彼ら、彼女らは日本のミュージシャンとユニットを組み、従来の「和ジャズ」とは少し異なったテイストを有する「多国籍ジャズ」とも言える独特な新しいジャズを作り出している。

 そんなユニットの一つに、今注目の「nouon」があり、このユニットは4人編成のカルテット。リーダーはビブラフォーン奏者の山田あずさとフェンダーローズを演奏するピアニスト、ケビン・マキュー(米)の男女2人でいわゆる双頭バンド。残りの面々は邦人ドラマーと英国出身のコントラバス・クラリネット奏者、ヒュー・ロイドで、典型的な多国籍ユニット。このユニットの特色と言えば、やはり1.6メートルと言う大きさの超低音クラリネット=コントラバス・クラリネットの存在。この楽器ぼくも今回初めて耳にするもので、日本でこの楽器を扱っている人はほとんどいない筈。リーダーの2人は元々デュオ・チームを組んで活動をしていたのだが、ロイドの吹くコントラバス・クラリネットの音色に魅せられ、新ユニットを組むことにしたのだと言う。

 まさに「多国籍で例を見ない属性の重なりを有する独特なテイスト」のユニットで、未だ誕生して1年程。それが今回デビューアルバムを発表した。ぼく自身はこのバンドの存在全く知らなかったのだが、ジャズからロック迄何でもござれの音楽ライターS君が、非常にユニークで素晴らしい多国籍ユニットがあるから、是非音聴いてみて良かったら番組にゲストとして呼んでみてくれない...、と頼みこんで来た。そこでデビュー作『KUU』を聞いてみると、これが実にユニークで面白いサウンド。特にコントラバス・クラリネットの重低音が良く効き、独自の存在感を放っており、バイブとの相性も抜群。これは面白いと日米のリーダー2人にスタジオに来てもらう事にした。

 ビブラフォーン奏者の山田あずささんはなかなかの美形。で、ユニット名の「nouon」とは「on」にせず、全員が常にフラットな状態を保っていることを意識して名付けたのだと教えてくれる。確かに東にも西にもどこにも属さないユニークなジャズサウンドで、中々に繊細にして大胆でもある。リーダーの一人のケビンは、日本語も達者でサウンドの解説も簡潔。あのECMにも通じる幽玄で深化したサウンド。まだ結成1年余りなのでこれから更に磨きをかけていきたい、とも語ってくれた。ジャズの世紀(20世紀)が終わり、新たな世紀ももう10数年。色々なサウンドが混じり合ったハイブリッドジャズもどんどん進化を遂げつつある。そんな時代の注目すべきサウンドとも言えるこの「nouon」のジャズ音。新たな音地平を切り開くものとして、皆様もご注目あれ。

【今週の番組ゲスト:nouonのリーダー、ビブラフォン奏者の山田あずささんとキーボード奏者のケビン・マキューさん】

M1「Lip Service」
M2「Kuu」
M3「Conditiond Response」
M4「Showcase」

11月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.11/06 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.278~ラグビーワールドカップ】

 1か月以上に渡って続いたラグビー界最大のイベント「ワールドカップ」が無事終了した。決勝はニュージーランド(オールブラックス)vsオーストラリア(ワラビーズ)となり、名手ダン・カーターのドロップゴールなどが決まり、順当にニュージーランド=黒衣軍が勝った。点差はそう開いていなかったが、テリトリー争い(陣取り合戦)で黒衣軍が圧倒し、危なげない勝ち方だった。それにしても黒衣軍、本当に凄い面子揃いのオールスターズで、主将のリッチー・マコー、センターのノヌー、フランカーのジェローム・カイノ等々、信じられないような豪腕揃い。この面子で負けることは考えられないと思ったが、やはり予想どおりだった。
 この黒衣軍に続いて、今回のワールドカップを盛り上げたのは、言うまでもなく我が「桜ジャパン」。あの強豪、南アフリカ=スプリングボックスをロスタイムで打ち破るという世紀のアップセット(大番狂わせ)を演出、世界中をあっと言わせる共に、その後もサモア、アメリカを破りワールドカップで3勝も挙げるという、信じ難い快挙続きで、日本に一大ラグビーフィーバーを巻き起こした。これはあのラグビー全盛時にも勝るとも劣らないもの。立役者の一人、キッカーの五郎丸歩の名前は子供まで知っているという状態で、長年サッカーに押されっぱなしだったラグビー界がようやく一矢を報いたのだ。絶好の状態で次回の日本開催ワールドカップを迎える準備が出来ためでたい話なのである。

 ラジオ日経がこのラグビー人気沸騰時に、ラジオで唯一のラグビーレギュラー番組をオンエアーしているという事実。これは日本のラジオ業界、マスコミ界に誇ってもいいことで、パーソナリティーのスポーツジャーナリスト、藤島大さんを始め、担当ディレクター(唯一の女性ラグビーD)H嬢の努力も素晴らしいものである。そしてこれをフォローする営業のO部長(このコラム担当でもある)の労も、大としないといけない(一寸持ち上げておく)。また藤島氏とH嬢の2人は、今回あの歴史的な南ア戦勝利の瞬間を直接味わうと言う、稀有な栄光にも浴したのだった。それだけにレギュラー番組だけでは勿体ないので、是非特別番組でも設定すればと思ったのだが、11月3日、1時間の休日特番として実現。もう言うことなし。このワールドカップ特番については、パーソナリティーの藤島氏とゲストにラグビーマガジン編集長の田村一博氏を招き、選手のインタビューなど結構盛り沢山の内容でファンからも好評の様だった。ラグビーをてかげるラジオ局の面目も立ち、こちらもめでたし、と言った感じだった。
 
 しかし、しかしである。ジャパンが持てはやされ、ラグビー人気復活と言うこの期に、信じられないようなことが起きてしまった。ぼくのラグビー原点とも言える早稲田ラグビーが全く駄目で、あの帝京大に対し90点を超す得点を許し(早稲田ラグビー史上最悪)、まさに大学生対中学生と言う不甲斐ない試合をやらかしてしまったのである、早稲田ラグビーを見続け40年ほど、今回は悪い予感がして久しぶりに秩父宮には足を運ばずトンずら。TV観戦だったが結果この惨劇。余りの不甲斐なさに、遂にラグビー部のフェイスブックに生まれて初めて檄を飛ばしてしまった。本当に数日間何もやる気が失せてしまう放心状態。実際に観戦しなかったのだけが唯一の救いで、いいロートルのやることではないが、これだけは仕方ない。
 
 早稲田はこれから慶応、そして伝統の明治大との大一番が残っており、どうも分が悪い。こんな時はジャズでも聴いてとも思うが、あまり好いジャズが思い浮かばない。となればここは狂乱のラテンジャズしかない。50年代のジャズに生気を吹き込んだ、ディジー・ガレスピー&チャノ・ポゾの歴史的共演「マンテカ」で憂さをはらそうと、大音量で聴きまくった。
 
 いいぞジャパン、いいぞラジオ日経ラグビー番組。そしてどうした早稲田!奮起せよ早稲田ラグビー。これが偽らざる現在の心境である。今回もまたラグビーネタで、担当のO部長には大分嫌味を言われるかもしれないが、まあお許しあれですね。

【今週の番組ゲスト:ピアニストの片倉真由子さん】
M1「Into Somewhere」
M2「Echo」
M3「At The Studio(Reunion)」
M4「You know I Care」

10月31日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.10/31 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.277~信濃追分秋景色】

 10月の半ば3日ほど追分の別荘に居た。天気も良く見所満載の追分周辺、この時期は追分~軽井沢でぼくの最も好きな季節。在住者や軽井沢通に言わせると、ベストシーズンは冬でそれに次ぐのがこの秋だとのことだが、冬は水抜きをしてしまうので住むのは難しい。実際に暮らさないので、冬の本当の良さは判らないが、木々が赤、黄に染まるこの時期も見事で、冬程ではないが観光客も殆どおらず、心安まりのんびりと過ごせる好個の時期でもある。それだけに今回の山荘滞在は、所用も幾つかあったが、何より心を落ち着けたいのが一番だっただけにまさにぴったり。今回柄にもなく心落ちつけたいと思ったのも、前の週に3日おきに通夜が3つも続き、「メメント・モリ」ではないがいささか落ち着いて珍しく「生と死」について考えたいとも思ったからだった。


 その亡くなった三人とは、一人が局の後輩(お偉いさんだった)、もう一人は大学のジャズ研の後輩でEMIジャパンのジャズ担当総括者、そしてこのところ余り会っていなかった古くからの山友達で、3人は50代後半から60代半ば、60代後半と年令も分かれており、全員のイニシャルがHだと言うのも何かの因縁か...。山や温泉仲間はぼくがあまり山行をしなくなってしまったせいもあり、会う機会が少なくなってしまったのだが、一頃は結構熱中して山行に励んでおり、一緒に山に登ったものだったが(山と渓谷社の連中などと共に)、最近は急に元気を失くしてしまい、山にも行かなくなってしまったようで、酒好きな快活な男だったが、色々と気持ちが沈んでしまったのが良くなかったのかも知れない。ラジオ日経の後輩の彼は役員までやった優秀な男。この7月頭には後輩の退社祝いの昼食会の時に会ったのが最後。その時は元気そうだったが、その僅か数か月程後に「がん」で逝ってしまった。60代半ばにしてはかなりな進行速度だが、いい男だっただけに全く残念なこと。

 
そしてその3人の中で最も若いのが、早稲田大学のジャズ研後輩のHくん。レコード会社は昔とは趣きが一変、完全外資の会社ばかりになり、その上CDは売れない2重3重苦の中にあり、50代社員など殆どいないと言うよりも生き残れなくなっているようだ。H君のEMIも「ユニバーサル」にワールドワイド規模で吸収、合併され早や数年。今や旧EMIの社員は殆ど残っていないと言う有様で、彼も昨年退社しあるプロダクションに移ったのだが、やはりかなりなストレスがあったことは想像に難くない。大学時代はギターを弾きかなり有望とも言われていたようで、レコード会社に入社以降も時々ライブなどもこなしていたようだった。彼が手掛けた新人では、今かなり注目されているギターの井上銘などもいるが、やはりこのジャズギターには人一倍愛着が強かったようである。通夜の席でもウエス・モンゴメリーなどがバックに流されており、通夜客の涙を誘っていたが、まだ50代後半、若すぎる感じでとても寂しい。EMIの社屋が元のラジオ日経の局舎のすぐ近くにあったので、時々昼飯などを一緒にしたのだが、ジャズ研出身者にしては生真面目すぎるほどの真面目男。それだけに色々悩みも多かっ筈だが、天国でウエスやケニー・バレル等のギター名手達の演奏をのんびりと心から愉しんで欲しいと思う。

 
追分の山荘から見る木々の紅葉ももうすぐ真っ盛り。それがしばし続き本格的な冬の訪れとなる、その静かで穏やかな一瞬の中、物故者達との交流を思い返す。寂しくはあるが静かで落ち着いた一時だった。こうした折のバック・ミュージックに最適なのはやはりECM系の静謐な音楽。特にキース・ジャレットとスティーブ・キューンのソロピアノが心に沁みました。合掌!

【今週の番組ゲスト:「かわさきジャズ2015」の実行委員会事務局長 前沢陽一さんとビデオアーツミュージックの服部幸弘さん】
M1「Wild Rice/Lee Ritnour」
M2「Obrivion/Richard Galliano」
M3「Day Dreaming/Geila Zilkha」
M4「ラストダンスは私と/伊藤君子」

10月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2015.10/23 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.276~ビッグアップルの歌姫】

 「ビッグアップル=大きなリンゴ」と言えば、皆様ご承知のとおりNYの代名詞。今でもビートルズがオーナーだった、あの幻のレコード会社「アップル」同様、隅をネズミ(?)にかじられた真っ赤なリンゴが、NYの観光ポスターなどにも登場してくる。そう言えばぼくも久しくこのビッグ・ップル、訪れてないですねー。行きたいなーなどと言った個人的思い入れはさておき、この隅をかじったネズミ=ラットは、またジャズプレーヤー&シンガーの俗称でもある。そうなるとNYを蝕んでいるのはジャズと言う事になってしまうが、勿論そんなことは無い。まあしかし世界中からジャズを学びここで勝負したいと多くの逸材が集うだけに、この街でジャズを生業にしていくのは難しいと言う証拠でもある。

 
そんなNYから一人の歌姫が今回スタジオに遊びに来てくれた。と言ってもアメリカ人ではなく生粋のジャパニーズシンガーだが、もうNY在住歴数十年と言う年季の入ったニューヨーカーでもある。彼女の名は平麻美子。その存在を知っているファンの数は余り多くないと思われるが、ベーシスト安ヵ川大樹が主催する意欲的レーベル「ダイキムジカ」から2枚のアルバムを発表している女性シンガー。デビュー作は彼女同様NY在住歴が長く、かなり各方面で活躍している実力派ピアニスト、百々徹くん(彼も数回番組に登場)とのデュオ作。数年前に出されたのので、今回はこのデビュー作と今年出された最新作『ハート・コーリング』を携え、スタジオに来てくれたもの。

 
実の所ぼくも彼女の存在、これまで知らなかったのだが、彼女の知り合いのある女性シンガーから「素晴らしいシンガーなので、アルバム聴いてもらって気に入ったらスタジオに呼んであげてくれない」と頼まれ、聴いてみるとこれが実に味のある旨いシンガー。NYで長い間働いていると言う実績は伊達じゃないと言った感じで、良いシンガーだねと紹介者に言うとおり返しNYからメールがあり、この10月に日本で帰国ライブツアーがあるので、その折スタジオに行きたいと返事がある。

 
そしてスタジオにやってきた彼女。流石NY暮らしも長い逞しさと洗練さを感じさせる仲々のいい女性。東京生まれ東京育ちだが、大学は当時東京に誕生したばかりのテンプル大東京校で、その後本校に学び音楽科に変り、NYに移り住みシンガーを目指したと言う次第。やはりNYでのラットライフ(ミュージシャン生活)は厳しい様ようだが、それでもがんばり続け、アルバムは自身で安カ川氏に売り込みをかけ、デビューを実現させたと言う頑張り屋でもある。NYに数か月ほど滞在し、その後直ぐに名刺代わりにアルバムを作る多くの日本の若手女性シンガーと違い、本場でもまれて来た人だけに表現・発音・発声どれをとっても本物の輝きがある。その上彼女、番組出演と言う事でリスナープレゼントも用意してくれていた。素晴らしい人である。彼女の新譜や布バック、ステッカーなどを2名様にプレゼントするとのこと。詳しくは下記の応募要領を見てほしいがアルバム共々ぼくが欲しくなってしまった。

 
今回のライブは何処の会場も好調でかなりな人を集めているようだが、彼女自身そろそろ次の道の場所をどうするか、NY生活を続けるか、はたまた帰国し東京を拠点にするか、今真剣に悩んでいる最中だと聞く。彼女は一人娘、家族の問題などもあるそうだが、これはNY在住のジャズ関係者共通の悩みでもある。 これからどうするのか...、気風の良い明るい彼女の深い思い込みを有した歌い口。大いに魅せられながらも、かなり気になる所でもあります。
【今週の番組ゲスト:NY在住のジャズシンガー平麻美子さん】
M1「Skylark」
M2「Tea For Two」
M3「Detour Ahead」
M4「Akai Fuusen」















 


平さんと、ジャズレーベルのD-musicaからリスナープレゼントを頂きました!

平さんの新作「Heart's Calling」とコットンバッグ、D-musicaのサンプラーとステッカーの詰め合わせを2名様に!ご希望の方は、このページ右側上(Now ON AIR!!のすぐ下)の「番組宛メール送信フォーム」よりお申込ください(「投稿・お問い合わせ内容」にプレゼント希望とお書きください)。締め切りは、1115日です。当選者には後日メールにてご連絡差し上げます。

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