7月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.07/08 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.573~原信夫死す】

  長年日本のジャズ界~ビッグバンド界を牽引してきた生きる日本ジャズ史とも言える存在、最長老の一人でもある原信夫氏が亡くなった。享年94才。合掌!

 原さんはテナー奏者だったが、それ以上に日本のビッグバンドの象徴とも言える「シャープス&フラッツ」のリーダーとして、長い間余りにも有名な存在だった。1951年バンド開始だから、60年以上のバンド歴で、やはり昭和ジャズ&歌謡の良き時代が終わった感も強い。彼のフルバンド「シャープス&フラッツ」が活動を停止してもう10年余り、そして今やTVなどのポップス&歌謡番組でも、フルバンドなどがバックを務めるシーンなどは、ほぼ皆無になってしまった。確かシャープスはNHKの紅白歌合戦のバックバンドも長い間努めていた筈だが、もうそれも遠い昔の話。それだけに今や彼及びシャープの存在を知るのも、少数派になってしまったが、本当に残念なことだし、寂しい限りである。

 ぼくがジャズと言うもの~モダンジャズと言うよりもアメリカのポップス音楽=ジャズだった時代、そうした外来音楽=ジャズに関心を持ち始めた頃から、シャープスは美空ひばり、江利チエミなどの昭和歌謡(&ポップス)のバックバンドとして、高い実力と人気を誇っていた。バンドリーダー&サックス奏者としてだけでなく、彼は作曲も手掛けておりその代表作は美空ひばりが唄って大ヒットした「真赤な太陽」。この歌のバックバンドは当然シャープス"だったが、「真っ赤に燃える太陽だから...」なんとも麗しくも懐かしい歌ですね。

 原さんが我がジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」に登場したのは、もう40年以上前の彼の全盛時の頃。前任の故木全信さんがビクターレコードに転身、彼が原さんのアルバムディレクターを担当、そこで彼がスタジオに引っ張ってきたのが、原さんとの最初の出会いだった。担当して以来ジャズ番組に迎える初大物と言うことで、その時はかなり緊張したことをよく覚えているが、日本のジャズ界を代表する大物ながら、その気さくな物言い・態度にも強く惹かれたものだった。
 その後大学の後輩のサックス奏者、佐藤達哉君がバンドのバンマス(リーダー)を務めるようになり、何回かコンサートなどにも足を運んだし、バンドのラスト・コンサートのヴィデオ制作は敬愛する先輩の大プロデューサー、河内要氏が原さん直々の頼みで担当、そんな縁もあって原さんの動向は大いに気になっていたのだが、やはり天寿を全うされた形になってしまった。

 そう言えばジャズが最も人気だったのは、スイングジャズの全盛時。ベニー・グッドマンやグレン・ミラーのバンドが人気を得ていた頃で、それを日本で引き継いだのが原さんなどのフルバンドで、シャープスなどの他に東京ユニオン、スマイリー小原のビッグバンドなど、TVの画面を彩る人気バンドが数多く存在しており、それらをバックにひばりやチエミ、後輩の中尾ミエや伊東ゆかりなどが、愉し気にTVの中で歌い踊っていた。昭和そのものとも言えそうな平和で良き時代だった。なんとも懐かしいですね。

【今週の番組ゲスト:フリーランスプロデューサーの田中英俊さん】
イタリアのレーベル「CAM JAZZ」の復刻・発掘企画から
M1「古き友ら / Antonio Faraò」『WOMAN'S PERFUME』より
M2「Arena /  Antonio Sanchez」『MIGRATION』より
M3「Chick Came Around  / Lee Konitz」『IDEAL SCENE』より
M4「Nuovo Cinema Paradiso / Enrico Pieranunzi, Marc Johnson, Joey Baron」 『Play Morricone 1 & 2』より




 

7月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.07/01 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.572~タンゴの巨星・小松亮太】

 ジャズよりも長い歴史を持つとも言われるタンゴ。もちろん南米アルゼンチンを代表する情熱の音楽で、ぼくも大好きなサウスアメリカ音楽だが、この古い因習に捉われていた伝統音楽を、現代の息吹を保つ若々しい音楽~モダンタンゴへと変貌させた立役者が、言わずと知れた鬼才アストル・ピアソラである。ひと頃はフィギュアスケートの国際大会などでも、ピアソラのタンゴが良く伴奏曲として取り上げられ、タンゴと言う存在、そしてピアソラの名前も一般に知られることになったが、彼はまさにジャズ界のマイルス・デイビスとも比較されるべき偉大な存在でもある。

 そんなピアソラに影響され、憧れ、難楽器でもあるバンドネオンを習得、一躍日本のタンゴ界にセンセーションを巻き起こしたのが、若き天才、小松亮太である。彼は両親がタンゴ奏者と言う環境にあり、必然的にタンゴの径へと進んだ...とも思われがちだが、第一人者になるためのその努力は全く凄いものがある。今や押しも押されぬ日本のタンゴ界の屋台骨を背負う存在の彼が、ピアソラ生誕100周年に当たる今年、大部のタンゴ書籍と祝ピアソラとしての記念アルバムを同時に発表した。このニュースを新聞で知り、これは是非とも久しぶりにスタジオに呼ばないと...と思い、出版社とレコード会社双方の担当者を通じ彼とコンタクトを取り、今回スタジオに遊びに来てもらうことになった。彼の登場は何と20数年振りのことで、まだ彼がデビュー前と、デビューして直ぐ、その2回以来の登場となる。本当に懐かしくも嬉しい限りで、果たして巨匠になってしまった彼が...、といささか心配したのだが、重いバンドネオンを抱えながら、以前と変わらぬ飄々とした態度で、彼はスタジオに現れてくれた。

 彼が著した「タンゴの真実」(旬報社)は、400ページを超す日本初の本格的タンゴ紹介本で、歴史から楽器の話、ピアソラを筆頭にタンゴの巨匠達を語る等々、実に内容豊かな凄い本である。アルバムの方はピアソラ100周年記念で、ピアソラの大作「バンドネオン協奏曲」を新日本フィルと彼が共演したもの。このアルバムの中には、タンゴ歌手として世界的に知られる女王、藤沢嵐子のラストコンサート(91年)も1曲収められており、まだ若かりし頃の彼がバックで参加していた、この「ロコのバラード(ピアソラ曲)」も、番組では紹介している。

 肝心の番組の中身だが、本当に久しぶりの登場だけにタンゴ本からオーケストラとの共演等々、途中に持参のバンドネオンをかき鳴らしながらも彼のタンゴ愛など話題は尽きず、あっという間に番組終焉。余りにスムーズに進行しすぎたせいで、予定では彼のバンドネオンソロでエンディングを迎えるはずが、時間が無くなってしまい、彼の妙演をリスナーにお聞かせ出来なくなってしまった。誠に申し訳なく、小松君もいささか残念そうではあったが、また次回顔を出してくれるとのこと。この次は20数年などと言うインターバルでは無く、直近の登場となるのは間違いないと思います。小松亮太。日本のタンゴシーンを担う本当の巨星です。

【今週の番組ゲスト:バンドネオン奏者の小松亮太さん】
新譜「ピアソラ バンドネオン協奏曲他」から3曲
アストル・ピアソラのアルバムから1曲
M1「バンドネオン協奏曲 第一楽章」
M2「ロコへのバラード」
M3「A FUEGO LENTO〜とろ火で」※ピアソラの演奏
M4「雨あがり〜after the rain〜」


 



















































小松さんの著作「タンゴの真実」も旬報社より好評発売中!

6月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.06/24 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.571~歌うベーシスト】

 「歌うベーシスト」とはもちろんベースを奏でながら歌う、文字通り二足のワラジを履くシンガー&ベーシストのこと。この所このシンガー&ベーシスト(歌うベーシストと言うとベーシストが唄う...、と言うちょっと違った意味合いになってしまうので...)、かなり注目を集める存在になっている。その先駆けとも言えるのが女性のニッキ・パロットで、彼女の存在を有名にしたのは、ジャズをメインにした日本の某レコード会社。次々と彼女の新作を発表、彼女の名前と同時に、そのシンガー&ベーシストと言う存在の面白さもアピールすることになる。そしてジャズのみならず、ヒップホップなどブラックミュージック全般のニューヒロインとして、エスペランザ・ホールディングスが登場、この本命とも言える存在が、シンガー&ベーシストと言う存在をファンの間で定着させた感がある。

 面白いことには、エスペランザもニッキも女性だと言うこと。男性でもベーシストで余技に歌ったりもする輩もいるが、それはあくまでも余技、本職はベースと言うのが殆どだった。ところが最近のシンガー&ベーシストはもっぱら女性の独壇場、それもベーシストと言うよりシンガーと言うイメージの方が勝っている。更に付け加えると、この2人とも人を強く惹き付ける美形だということ。ベース弾きとしての力量があっても、歌い手となるとやはり華が必要となる。

 そんなジャズにおける歌うベーシストの世界に、今回新たな有望株が登場した。それもジャズにとってのかなり辺境とも言える地からで、一人では無く二人チームの一員としてなのである。彼女の名前はカンデ・ファッツ。アルゼンチンの女性で、2人組ユニット名は「カンデ・イ・パウロ」。カンデとパウロと言う2人の名前から取った、至極簡単なユニット名で、そのうちのひとりはピアノ&キーボード奏者のパウロ・カリッツ。かなり知的な雰囲気のキーボード奏者である。
 2人は自身で作成したユーチューブを公開した所、世界中から大反響を集めユニバーサルレコードからオファーがかかり、デビューアルバムのレコーディングに至ったと言うかなり幸運な進展具合。そのデビュー作は今人気絶頂のボーカリスト、グレゴリー・ポーターなど多くの音楽関係者が絶賛しており、ぼくの所にもそのインフォメーションが送られてきた。ラテン全般そしてアルゼンチンも大好き人間としては、このユニットの存在聞き逃す訳にいかない。と言うことでデビュー作を聴いてみると、これがなかなかのもの。

 全10数曲のうち、スタンダードが「サマータイム」など3曲ほど、また若い世代のユニットだけにレナード・コーエンやニール・ヤングと言ったロックの巨匠たちのナンバーも取り上げており、当然故郷アルゼンチンのナンバーも、母国のロックの英雄、アルベルト・スピネッタの銘品「パロ・タル・ベス」やフォルクローレの巨星、ユパンキなどのものが数曲あり、やはりこれらが素晴らしい。そして興味深いのはあの往年の東映の大スター、梶芽衣子の「修羅の花」を、ラストで取り上げていること(日本独自企画のようだが...)。この曲はクエンティン・タランティーノ監督が自身の映画「キル・ビル」で使い、世界的に知られるようになったが、2人もこの映画で強くインスパイア―され、今回取り上げてみたのだと言う

 アルゼンチンと言うともっぱらタンゴと言うことになるが、ガトー・バルビエリやラロ・シフリンなど世界的なジャズミュージシャンも排出、結構ジャズでも知られる国なのだ。それに最近ではアルゼンチン音響派など新たなポップミュージックも注目を集め、「アルゼンチン音楽ガイド」などと言うムック本も登場するほど、かなりな音楽充実国でもある。その国でベースを巧みに扱いながら、故郷の哀愁を醸し出すフォーキー&ジャージーな歌唱を聴かせるカンデ、その彼女を静かにフォローするピアノのパウロ。絶妙の息遣いで独特な世界を作り出すこの2人。きっとかなりな話題を集めるはずなので、皆様も要注目です。

【今週の番組ゲスト:フランス在住のサックスプレイヤー 仲野麻紀さん】
新譜『アンソロジーvol.1-月の裏側-』と『Cyrcles』から
M1「おもてとうら〜「ふたりののベロニカ」のために〜」
M2「あなたが欲しい」
M3「リフレクション」
M4「ジムのペディ1番」

6月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.06/17 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.570~コロナワクチン狂騒曲】

  5月末のある日、コロナワクチン接種の1回目を済ませた。このワクチン接種はやはり何か不安ありだし、日頃から秘かに蓼科高原の一角に沸く強力なデトックス効果を保つ温泉水を汲み出し、この黄金の水を飲み・湯浴みしているので、まあ必要なしと信じていたのだが、高校同期のセミリタイア気味の内科医の男が、あれはやっておくべきだ...と、かなり強引に勧める。不承不承その意見に従って接種希望を国分寺市に出したが、まあ余り期待しないで待っていると、接種券が市役所から送られてきた。友人や知り合い、特に都区内に住むチャンジー(爺さん)やチャンバー(婆さん)等は、息子や嫁など一家を動員してTELやパソコンの前に張り付いて、ようやっと予約日を確保した...などという話をする。

 まあそんな状態ならば今回は諦めかと思いつつ...、試しにと思って市役所に連絡を取る。1回目直ぐに話中で当然連絡取れず。まあもう1回駄目ならば...と思いTELすると、なんとこれが通じたではないか....余りの順調さにいささか唖然、係の人がワクチン予約ですか...と冷静に確かめる。一瞬ぼーっとしてしまったが直ぐに我に返り「そ、そうです...」と返事、「何時が...」と聞くので思ってもいなかったが、「なるべく早く...」などと返す。「今一番早いのは来週の水曜日です...」と至って順調、2回目は6月の何日...と次回ともども簡単に決定。余りの順調さに拍子抜けしてしまった。
 主に東京やその近郊に住む、大学時代の仲間や高校の仲間などの中には「その順調さ異常じゃないか...、何か良くないことが...」などと宣う輩までいる。そう聞くと何か...少し心配にもなるが、まあたかがワクチン接種である。黄金のデトックス温泉水とワクチン、これで鬼に金棒、もう怖いものはない筈である

 そして迎えた接種当日、国分寺市民とは言え実質は国立市在と言った感じ、市の西の外れの国立と立川の市境近くの辺境に住むだけに、市役所までは2回バスを乗り継がなければならず、その市役所行のバスも1時間に2本と僻地並みに本数が少ない。かなりな雨が降りしきる中、バスを乗り継いで市役所庁舎脇に建てられたワクチン接種用のテント小屋へ向かう。そう広くない会場だが時間ごとに区切られ、小人数だけにかなりスムーズに進行、医師からいくつか質問あったのち、肩のあたりに注射を打たれ直ぐに終了。15分ほどその席で待機した後、帰宅と言う運びで至って簡単。アメリカなどでは至る所でこのワクチン注射が行われているようで、一日の摂取数は膨大とも言われる。物量作戦でコロナを封じ込めようと言うもので、それはかなりな成功を収めているようでもある。

 帰宅してからも特に何事もなし。但し翌日は少し注射した辺りに痛みを感じたが、特にいう程の事もなし。問題は2回目の接種である。接種後ダルさ等で一日は仕事にならないとも聞くし、痛みもあるとのこと。まあいささか心配ではあるが、これが済めばデトックスの相乗効果も相俟って、コロナ禍には無双だと信じたい。ただこうした変な過信が良くないのは分かっています。静かに2回目の摂取が終了することを待っています。
 ただ今回のワクチン接種を終え、もしこの接種が順調に行くならば、国民の大部分が疑問視するオリンピック・パラリンピック開催にも...、少しは光明が見えて来るのかも...と思ったのも事実でした。

【今週の番組ゲスト:ギタリスト宮之上貴昭(よしあき)さん】
4月1日リリースの新譜『THE MASTERS』と『TASTE of jazzguiter』より
M1「Nigeria」
M2「Elle」
M3「Taste of Honey」
M4「Mellow Hometown」

                                                           

6月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.06/10 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.569~ラグビーシーズン終了】
                                                                                               
 5月23日(日)に秩父宮ラグビー場で、日本選手権を兼ねたトップリーグ優勝決定戦が行われ、パナソニックがサントリーを僅差で打ち破り優勝を飾り、トップリーグ最後の王者となった。この試合現在のトップリーグチームの中でも。最高の力量を誇るチーム同士の競い合い...との言うことで、見応え充分ではあったが、実際の点数差以上にパナソニックの素晴らしさが目立つ試合だった。翌日のトップリーグ表彰式では、MVPにこの決勝戦でラグビー人生から引退、医師として新たな道を歩むことになっているパナのウイング、福岡堅樹選手が選ばれたが、至極順当な結果と言えるだろう。福岡選手に関しては一部週刊誌報道などもあって、その医大入学過程について執拗な疑問を投げかける向きもあるが、どうしようもない連中だと思う。確かに厳しい受験勉強を余り経ずして入学...などというと、受験失敗組など一部でやっかみなどが起こるのもある意味仕方ないかも知れない。だがまず福岡選手が、やりたいもの~成りたいものと言った明確な目標を持ち、それに向かって突き進む...、その意志の強さは医師として最も尊重すべきではないかと思う。彼がどんな医師になろうとしているのか...それは分からないが、彼ならば...と思わせてくれるような、医師の卵などはそうはいない。それにしてもラストゲームでの、2人の防御陣を突破しライン際を疾駆する彼の走力、素晴らしいものだった。願わくばまた医療系大学リーグでその快走を見せて欲しいもの。頑張れ!福岡...とここで熱いエールを送りたい。

 一方の敗者サントリーだが、前半にかなりな点差まで開かれてしまい、一方的な試合展開か...とも思われたのだが、そこは実力者、かなりな頑張りで1トライ差まで追い上げたのは、見事としか言いようがない。特に今回ジャパン候補にも初選出された、我が早稲田ラグビー部のキャプテンだった、SHの斎藤直人が味方ボールを最後まで繋ぎ、トライラインを割ったシーンには、かなり感激したものだった。しかしサントリーの今年の目玉、現在世界最高のSO&FBとも言われる、ボーデン・バレットの調子が今イチだったのは残念だった。開始からわずかで彼のパスが、相手のCBにインターセプトされそのままトライ、これで試合の大勢が決まってしまった感もあり、ちょっと残念だったし、物足りなかったのも事実である。それにしてもこれまでのバレットの活躍は、世界のスーパースターの名に相応しい見事なもので、十二分に賞賛されるべきものだと思う。彼にも賞賛のエールを惜しみなく送りたいものだ。

 それにしても今年のトップリーグ、外人勢が凄かった。弱小チームだったドコモをかなりなチームへと変貌させたTJペレイラを筆頭に、ワラビーズのキャプテン、マイケル:フーパ―等々、その豪華さには驚かされるばかりで、ある試合などは両チームの3分の2ほどが外人勢...などとあって、試合内容は面白くてもいささか感興に欠ける...試合も散見された。
 来年からはラグビーのトップリーグが、新リーグへと発展解消される。自前のグランド確保、自主財源等々様々な要求・課題を抱え、現行のチームも解散してしまうものも出て来そうで、前途多難な船出である。しかしそこは真の漢のスポーツ、ラグビーである。福岡選手に代表されるように、きっとそこを乗り越え進んでいくはずである。最後にジャパン・ラグビーの今後にもエールを...。

【今週の番組ゲスト:トランペッターの市原ひかりさん】
3月25日リリース『ANTHEM』より
M1「Anthem」
M2「The Thinker」
M3「Repetition」
M4「Revive」

6月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.06/03 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.568~ストイックに生きる】

  独特な光彩を放つニヒルでコミカルな俳優、田村正和が先日亡くなった。ぼくなどよりも少し年上だがほぼ同世代である。昭和の名優バンツマこと坂東妻三郎の次男にして、高廣、亮と言う3人兄弟は役者としても良く知られる存在。フジTVで放映された「古畑任三郎」などコミカルな役でも人気を博したが、元々は時代劇の大スター、バンツマの息子だけに、時代劇を得意とする役者で、「眠狂四郎」「大菩薩峠」などの当たり役を数多く持っていた。

 その彼当然ながら、一介のラジオ屋のぼくなどとは接点はないし、どんな人物かも良く知らない。しかし一度だけその実像に接したことがある。六本木にある高級居酒屋(=料亭)で、店の名前はもう忘れてしまったが、確か当時付き合いのあった電通の営業マンが、連れて行ってくれたのだと思う。その店は全体に明かりも薄暗く、隠微な雰囲気が漂っており、真ん中に大きな囲炉裏がある店だった。その一角にいかにも銀座かどこかの、高級クラブに勤めている感の派手な女性がいて、その彼女を横に侍らせ静かにお酒を飲んでいる一人の男性がいる。いかにもな雰囲気でこちらも同席が躊躇われるほどだったが、独特なオーラを放つ男性だった。顔を背けていたので分からなかったが、タバコを吸い出すと彼が田村正和だと判明した。2人はほとんど会話もせず黙ってお酒(日本酒)を嗜んでいたが、一つ一つの動作が、所作とも言えそうな優雅さを帯びており、何とも蠱惑的だったのが今でも忘れられない。

 店はその後何人かが入って来て、いささかうるさくなって来たので、御両人は早々に退散していったが、流石大スターと言うオーラを伴った立ち振る舞い、素晴らしく様になっていた。電通の彼も感心して「田村正和ってやはり凄いなー」と感嘆の声しきり。まあそれ以来このスターとは当然の様に、顔を合わせることは無かったが、今でもかなり強烈な思い出の一つではある。
 今回彼の死去のニュースが流れ、その秘密のベールに包まれた私生活なども話題になっているが、その人生は徹底したストイックな生き方、秘密主義、そして役者バカ精神に貫かれていたらしい。役が決まると母屋と別棟(あるらしい)の自宅では、別棟に一人籠もり食事も一人ですると言った徹底ぶり。家族との団らんはNYなど海外旅行の折だけだとも言われる。

 こうしたストイックな役者人生は、偉大なるスター、坂妻の生き方を範としたものと思われるが、バンツマさんが亡くなったのは彼が5歳の折だと聞く。それだけに色々な人から話などを聞き役者の生き様、そのスタイルを作り上げていたのだろうが、あの六本木の料亭での一瞬の邂逅でも、彼のストイック人生は垣間見れた気がする。ある意味役者、特に名優とも言われる存在は怖いものである。人になりきる...。その為には名優ロバート・デニーロなども、ボクサーに扮すれば毎日食べ体重を何ポンドも上げ、老人に...となれば自分の歯迄抜いてしまう。この執念たるや恐るべきもので、田村正和もその私生活を一切明かさない...と言うのも、そのなりきる執念・信念の賜物なのだと思う。

 少し前に田中邦衛が亡くなり、今は田村正和。対照的にも思えるこの2人は、役者魂と言う点では共通するものも多く持っていたはずである。ぼくのような市井の小心もののチャンジーにとっては考えられないほど、名優と呼ばれる人物は執念と集中力の持ち主なのだろうが、まあぼくのような凡人人生も、また良しとも思える今日この頃なのです。

【今週の番組ゲスト:ビブラフォン、マリンバ奏者のYUKARIさん プロデューサーの赤松敏弘さん】
M1「Sparkling Eyes」
M2「The Theme From Lilly」
M3「Little By Little」
M4「The Night Has A Thousand Eyes」


 

5月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.05/27 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.567~旅するサックス奏者

 先日スタジオに一人の素敵な女性が現れた。 
 パリを起点にヨーロッパ、アフリカ、そしてもちろん日本など、世界各地で演奏活動を繰り広げ、それもコンサートホールやライブハウスなどだけでなく、寺院や教会、草原・畑地など、様々なお気に入りの場所でも演奏活動を繰り広げると言う...旅するサックス吹きこと仲野麻紀さんである。

 今ちょうどパリから里帰り中で、収録日の2週間後にはまたパリへ戻ってしまう予定...、そのわずかのチャンスを生かしスタジオに遊びに来てくれたのである。それも昼間には埼玉の飯能市近郊の田んぼでのコンサートを終え、スタジオにジャストオンタイムで駆けつけてくれた。まさに謝・謝である。 
 
 彼女の名前は以前から聞いてはいたが、パリ在住(2002年~)だけにどんなプレーヤーか音の程などは知らなかった。それが偶然のことに我が街国立の本屋の書架に、その名前を見つけたのだった。その書架に飾られた本には、ロバ(馬)と並んでサックス片手に草原に立ち尽くす姿が、印象的に写し出されており、タイトルを見ると「旅する音楽~サックス奏者と音の経験」とある。これがあの仲野さんか...と強く印象に残っていた所、その数日後なんとぼくも深く関係しているジャズブログ「Jazz Tokyo」の編集長、稲岡邦彌氏からTELあり。丁度今仲野さんと言うパリ在住の女流サックスが帰国中なので、番組にゲストに呼んでみたら...と言うお誘い。その偶然に驚きつつも二つ返事でOKを出し、彼女とも連絡が取れ、今回スタジオに来てもらうことになった次第。

 サックス片手にスタジオににぎにぎしく登場した彼女、永年花の都パリ(ぼくは一度も行ったことの無い未知の街)に暮らす優雅さと、世界中を旅し演奏する颯爽とした力強さを兼ね備えた、真の意味での素敵な女性だった。ラジオプロデューサーなんぞと言う、ある種軽薄でいい加減な稼業をやっていると、結構沢山のいいナオン(女性~いやー軽薄ですね、業界用語なぞ使って...)、特に女性ボーカリスト陣には美形が多いものだが、真に魅力的な女性にはそうお目にかかれるものではない。才媛そんな言葉がぴったりな女性、それも旅するサックス吹きだと言うのだから、もう言うこと無し、知的にして蠱惑の存在なのである。

 あの伝説の双頭バンド「デガショー」の一員林永哲にも師事した彼女、「エリック・サティや民謡などを、異国情緒溢れるエスニック風サックスで奏でる...」などとその惹句にあるが、これもいささか軽すぎる紹介だ。そのサックスの音は軽やかな浮遊感がありつつ、地にしっかり根差した存在感と深遠さも持つ、枯淡にして蠱惑的なもの。これまでにかなりな数のアルバムを出しているが、番組ではそれらのアルバムからベストトラックを中心にまとめられた『アンソロジー』、この中から4曲ほどを紹介してもらった。その中には自身のオリジナルと同時に、近代フランス音楽の華とも言えるサティの仲野バージョンもあり、どのナンバーも興味深い。また曲の間の話も実にウイットに富んだ語り口で愉しく面白い。 

 何せラジオ大好き人間らしく、自身のインターネットラジオ局も開局していると言うので、是非皆様も聴かれると面白い筈だ(詳細は彼女のブログで...)。フランスで俳句を啓蒙する「カイエで俳句」の同人でもあり、更には日本の小難しい出版社(哲学本などが多く、音楽本には無縁と思われる)せりか書房や勁草書房等も彼女の存在に注目、前述の「旅する音楽(せりか書房)」の他、また来年には「ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた」も出版される予定だと聞く。
 我がジャズ番組への彼女の登場回は、6月24日か7月最初の1日を予定しています。旅する才媛サックス吹き、彼女のこれからの活動、お話共々是非注目・期待して下さい。

【今週の番組ゲスト:Steelpan Records代表の塩田哲嗣さん ボーカリストの佐藤ひびきさん】
M1Take Five / 1969クインテット」
M2
Charade / 佐藤ひびき」
M3
Sinking Low / 彩菜」
M4
arco iris / 友田ジュン」
M5
I Will Wait for You / 佐藤ひびき」



5月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.05/20 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.566~タモリとジャズ

 以前このコラムでタモリこと森田一義君が、民放TVでかつてオンエアーしたジャズ特番(3回ほどのシリーズで、大西順子が相手役で、清水ミチコやピーター・バラカン、故景山民夫など豪華ゲスト陣も登場等々...)を、偶然ユーチューブで見つけ愉しんだことを書いたら、それを読んだあるジャズ関係の知り合いが、こんなテープもあるんだよと教えてくれたのが、1984年の正月にNHKのFM放送で流された「タモリのジャズ講座」。そのカセットテープをプレゼントされ聴いてみると、これがなんと30分の正月ジャズ特番で元旦から3日迄の3回シリーズもの。特番にして30分とはタモリを使う意味が...と、いささかもったいない気もしたが、そこはTV番組とは違ってラジオだけに、彼も気ままにしゃべっており、TV番組とはまた一味違った面白さがあり、何とも可笑しく為にもなり、充分に笑わせてもらった。

 このジャズ特番、その前年の正月にも同じ様な企画で放送され好評だったので、再び正月特番として企画されたものらしく、3日間の放送はそれぞれテーマがある。元旦分は自身のアパートで、一人孤独に正月を過ごす人の為のジャズ、2日目は自分のアパートに好きなナオン(女性)を招く=連れ込むことに成功した時に最適なジャズ、そして3日目は大勢で愉しむためのジャズとなっており、それぞれにぴったりなジャズを彼が紹介するといった趣向。番組のTMはジョン・コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」で、タモリが「コルトレーンは暗く重い...、だからこそまさにこの特番にぴったりだ」と宣う辺りからスタート。自身の大学生時代、先輩から紹介されダータ(無料)で住んでいたと言うアパート生活の正月模様を紹介。この先輩とはぼくらの同期でタモリが敬愛能わざるジャーマネ(マネージャー)の先輩、ウリさんこと夭逝してしまった故瓜阪正臣君のことを指しているのだが、そのわびしい正月の過ごし方がなんとも身につまされる。そのうえ流れるジャズもなるべく暗く重いもの、ビリー・ホリディ―のボーカルもの何ぞだけに、何ともやるせなさが倍増する。

 しかし最も面白かったのは、ナンパが成功して正月休みに自身のアパートに、良いナオン(女の子)を連れ込むことに成功、そんな折に掛けるべきジャズ...と言う、妖しげでNHKらしくないテーマの2日目の番組。アパートの部屋を適当に小綺麗に、しかもナオンが少し掃除でも...と、気づかせるためにちょっとした小細工を...。ここらへの駆け引きがなんとも微妙で、また何とも笑えて面可笑しい。そしてその時に掛ける曲、まずは女性なら誰でも好きなジョアン・ジルベルトのボッサ曲、そして当時大流行りだった女性泣かせのナンバー、マイケル・フランクスの「アントニオの歌」。そして雰囲気が出来上がったら、ジャズの本場NYの話などして、メル・トーメの「マンハッタン」を掛けて...と、NHKには珍しくきわどいお話などを盛り込み30分のジャズトークが続く。流石タモリ、話芸の天才...ならではの見事さである。

 このジャズ特番を聴いていると、また誠一ちゃん(中村誠一)とのあの絶妙な掛け合いジャズスキャット、堪能したくなってきた。こんな異能の才人の、マスコミでの最初の仕事を担当出来たのも、ラジオ屋としてのぼくのささやかな自慢ではありますが...。

【今週の番組ゲスト:トランぺッターの中西暁子さん】
新譜『Boo Boo Boogaloo』から
M1
Boo Boo Boogaloo
M2
Cloudy
M3
Chiquita
M4
Hana Aoi




5月13日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.05/13 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.565~犬派or猫派

  今の学生はどうか知らないが、ぼくらの高校生の頃は受験参考書と言えば旺文社全盛時代で、特に同社の受験生向け小型英語辞典(=豆単)を、英語の勉強では丸暗記したものだった。だがこの齢になるともうそれらもほとんど覚えてもいない。結構無駄な努力を払ったものだが、中には今でも記憶に残っている単語もあり、その一つが「キャッツ&ドッグス」である。これはもう皆様も良くご存じの筈だが、「イット・レインズ・キャッツ&ドッグス」と言う使われ方で、「土砂降り」と言った意味である。西洋では猫は土砂降りのシンボル、犬はそれに伴う強風のシンボルだそうだが、犬猿の仲ならぬ犬猫の仲も確かに土砂降りにも似たいさかいではある。因みにこの「キャッツ&ドッグス」に「ライフ」が付くと、喧嘩の絶えない夫婦生活となるのだそうだが、これも猫と犬との仲の悪さを象徴していて面白い。

 我が国では一時、犬派が完全に猫派を凌駕していたと言われるが、ここ数年の様子を見るとその傾向はどうやら逆転しているらしく、ペットショップなどでも猫の方が完全に人気で犬を上回っているとのこと。猫カフェはあっても犬カフェなるものは存在しない。これが果たしていい傾向かどうかは何とも言えないし、ぼく自身は元々猫派だと思いつつ(小学生時代には何と家で捨て猫も含め10匹近くいたこともある)、この30年近くは子供たちの希望もあり、犬しか飼っていなかったが、バカ犬ピーちゃんが数年前あっけなく昇天してしまってからは、もうペットとは無縁の生活。それだけに猫も犬も好きな両刀使いなのだが、ぼくのようなチャンジーになってしまうと、自身の後にペットだけが残ると言うようなことは考えられなくて、もう2度と犬も猫もどちらも飼うことは無いだろうと最近は思っている。

 ところでジャズの世界では、一般とは違い(?)圧倒的に猫派が優勢である。誰にも媚びない不遜にして優雅な猫の生き方、これがジャズメン達の気質にぴったりと言うことで、ジャズメンを愛称としてキャッツと呼ぶことが多い。ジャズのアルバムにも、オルガンの名手ジミー・スミスに『ザ・キャッツ』と言う名盤があったし、ジャケットにはアンドレ・プレビンなどウエストコーストの洒脱アルバムでは、猫の写真やイラストを扱ったものも数多い。一方犬の方は、ただ主人に忠誠を誓いしっぽを振る所謂体制順応動物として、自由を愛するジャズメン達は、その存在が余り気に入らないようである。実際の所アルバムジャケットなどでも、犬が主役を務めるものは余り見たこと無しなのである。

 かつてノーマン・メイラーと言うアメリカを代表する大作家(裸者と死者などの作品あり)、ジャズメンやファンに大きな影響を与えた人だが、彼の分析では人は「ヒップ(自由に誇りをもって生きる人)」と「スクエアー(因習にとらわれた常識人)」の2種類に分けられ、ジャズに関係する連中はヒップな生き方を実践せよ...と言ったことを、その著作の中で記していたが、これも猫派vs犬派に通じるものがあり、猫は「ヒップ」な存在で犬は「スクエアー」だとも言えそうだ。
 まあそれにしてもあの連日のピーちゃんとの1時間近いお散歩。これは今考えるとぼく自身の健康維持にも、非常に大切なものだったが、もうそれも叶わくなってしまった。至極残念なことである。

【今週の番組ゲスト:ベーシストの落合康介さん】
M1Jade Meditation
M2
Nicholstrophy
M3
Lop Nur
M4
「やみぐるみ」


5月6日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021.05/06 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.564~草津良いとこ

 今年のGWは昨年に続いてコロナ禍での非常事態宣言発令中で、外出もままならない状態だったが、ぼくはその中の一日、上州の草津温泉にいた。江戸時代から知られ明治時代初期、かの有名な温泉博士、ベルツ博士が紹介したことで世界的に有名になり、温泉地として西の別府と並ぶ東の代表的名湯。湯量の豊富さ(日本一とも言われる)、余りに酸性度が強烈すぎる為、魚などが死滅してしまいそのままでは放出できず、わざわざ石灰で中和する大規模な設備を放出口近くに作る程、温泉としての充分過ぎる魅力を有したキングオブ温泉=草津温泉。

 宣言下だけに人もあまりないのでは...と、追分の山荘から車でお山(浅間山)の脇を峠越えして向かうこと1時間半ほど。温泉街に入る手前では、車が通るとあの有名な「草津良いとこ一度はおいで...」と言う草津節が路上で奏でると言う粋な仕掛けもあり心躍る。温泉街の中は入るとやはり渋滞、例年ほどではないがかなりな人出ではある。それもどうしたことか若い連中が多いのだ。

 このコロナ禍、温泉入浴とは何と不謹慎...等とお叱りの声もあろうと思うが、ぼくはれっきとした自身のコロナ禍対策の一策として、この温泉に来たつもりなのである。まあ多くの他の来訪者の面々はどうか知らないが...。と言うのも昨年の秋ごろ、あるニュースを新聞で見たからに他ならない。群馬大学の薬学部のある教室で実験した所、草津の湯畑(温泉地の中心のお湯の湧き出る場所)の源泉は、コロナ菌の70%程(?)を死滅させてしまう...と言うもの。かなりショッキングなニュースなのだが話題にもならず、どうやら消えてしまったようなのだが、大の温泉フリークを自任するぼくは、このニュース、我が意を得たりと言った感じだった。世界に冠たる温泉国の日本は、自己免疫力の増強と言った面では当然のことだし、魚が一瞬に死滅してしまう程の強力な殺菌力、どうしてこの温泉力に注目・利用しないのか...不思議に思っていた。そんなところにこのニュースを目にし、これはなんとしても草津温泉へ...と思っていたので、いい機会だったのである。それにしてもなぜ草津温泉の観光町や観光協会は...と疑問に思っていたのだが、街に入って観光パンフレットを見ると、確かに「草津温泉がコロナを不活化...」とあり、そのデーターも裏に載っている。それによると草津湯畑の源泉は、コロナ菌を10秒間で97.5%、1分間で何と99.1%の不活化率を誇るとある...。これは一般の水道水の280倍、殺菌液の50倍強だとも書いてある。ただしこの温泉水は、余りに酸性度が強いので、到底人間は飲めない。しかしこの強烈な酸性泉に浸かっているだけでも、コロナ禍に対してかなりな効果はある筈だとぼくは強く信じている。そして何より温泉は自己免疫力を高める。

 町と観光協会共作のこのパンフレットには、小さく「この実験結果は、草津温泉に来訪・入浴すると、感染症にはかからない、または治癒すると言うことではありません」と良心的な断り書きが載せられているが、まあこのご時世直ぐに誤解する人もいるかも知れないから、注釈も仕方ないのだろう。しかしぼくは再度言いたい、草津の強烈な温泉は入浴するだけで、何らかの効果があるのは間違いない。温泉の長い歴史がそれを如実に物語っている筈である。湯畑には手荒い湯も設置され、来訪者は気楽に手洗い殺菌を行っていた。これで一日は持つであろう。それ程草津のお湯は強烈だし「草津良いとこ、一度はおいで、チョイナ、チョイナ」なのである。

 草津には町営の日帰り温泉が3か所、大滝の湯、西の河原・露天風呂、御蓙の湯とあり、今は新しく湯畑のすぐ脇に出来た御座の湯が一番人気で、この日も行列が出来ていたが、やはり本命は古くからある大滝の湯。一応露天風呂もあるがここの売りは、地下にある高温源泉風呂。気付かずに素通りしてしまう客も少なく無いのだが、4つある湯船の中でも最高温風呂が強烈にして最高。余り長くは浸かっていられないが、何せ強烈度マックス。コロナ禍などぶっ飛ばすぞ...と言った趣きなのである。

 ぼくもコロナをぶっ飛ばすため、かなり長く入っていた心算なのだが、そうは長くは居られなかった。しかしこれでコロナ禍は大丈夫と...、勝手な自己判断を下し...またまたお山(浅間山)を越えて、追分の山荘に戻った。久々に充実したよき1日だった。

【今週の番組ゲスト:ベーシストの清水昭好さん】
初リーダーアルバム『Satya』から
M1satya
M2Choro
M3View from the countryside
M4Room106


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