2月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.02/10 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.344~新年会続き

月は何かと飲み会も多い。もういい年令のオールドボーイ~かく記すぼくのことだが~にとっては、遅くまで飲むというのも結構きついのでもあるが、何かと色々な絡みもあり断れない...。などと言いながらも結構愉しんでいる訳だが、そんな新年会の中でも毎年決まっているジャズ関連の会合が2つある。一つは大学時代のジャズクラブ仲間の集まり、もう一つはジャズライターやレコード会社のジャズ担当、ジャズ喫茶のマスター、マスコミ関連、ジャズイベント屋等など、60人以上が高田馬場のジャズクラブの地下室で開く、酒池肉林(?)の親睦会である。

 
ジャズ研の集まりの方はぼくの前後数代の連中、となるともう60代後半のオールドボーイズ10数名と言うことになるが、年1回一泊旅行を全員で行い、そしてこの新年会に集まるというのがここ30年ほどの定番。学生時代からの付き合いで、それもジャズ好きの集団と言うことで、いい年をしても結構うるさ型の集まり...などと想像しがちだが、長年リーサラ(サラリーマン)生活を続けていると、ジャズなどとはトンと無縁と言う輩も多く、話もジャズ関連は皆無でほとんどが健康問題と言う、そこら辺のおっさんの集まりと少しも変わりがない。年1回の旅行も子供が小さい頃は家族連れが原則だったが、子供も少し大きくなれば、そんな煩わしい旅行に付き合うのはまっぴらと...間もなく霧消してしまった。メンバーの中には熱心にアルバムを買い続けている殊勝な人間もいて、ジャズの話題を振ろうとするのだが、生憎なことにほとんどは無関心でいつも打ち切りになってしまう。まあこれがオールドボーイの真の姿といった寂しい所でもある。

 
一方ジャズ関係者によるジャズ新年会の方は、ジャズアルバムの売れ行き厳しき折にも拘らず、毎年結構な人数が集まり、新人プレーヤーなども売り込みを兼ね参加、ステージで熱い演奏を披露してくれたりもする。今回登場したのは東京芸大出身の期待のドラマー、石若駿くん。彼は番組にも2回ほど出演してくれているJ-ジャズの次代を背負う有望株。彼のユニットの演奏で始まり、挨拶はレコード協会の前会長など数名、その中に前の衆議院議員、石井一氏もいて少しびっくりした。彼もかなりなジャズ好きで、今やジャズ関連の会の代表なども務めているとのこと。その縁での参加の様だが、ぼくも軽く挨拶をしておいた。と言うのも彼(神戸が地盤)の秘書を長く勤め、その後九州・福岡の筑後市の市長に当選し3期ほど勤めたK君は、大学時代のトレッキング関連同好会の幹事長だった男。石井氏に尋ねると今でも時々Kと会うとのこと。よろしくお伝えくださいと伝言しておいたが、果たしてどうなることか...。

 
ところでぼくにとってこの新年会のメリットの一つは、色々なジャズ担当者やミュージシャン、シンガーに会い、その場で出演交渉ができること。この場では売り込みもいくつかあり、ダータ(無料)での出演交渉には言うことなしで、いくつか決めることも出来た。めでたし・めでたしである。そしてもう一つは意外な情報が耳に入ってくること。今年は古くからのジャズ仲間で、日本で唯一のグラミー賞ジャズ部門受賞プロデューサーのk氏から、ある大物女性シンガーのジャズアルバムを作ったという秘密話を聞いた。これは3月末ぐらいに発表予定のものとのことで、今はまだシークレットなのだが、今やジャズシンガーとしても色々と仕事をしている八代亜紀よりも大物は間違いなし。発表になれば話題になること必定だが「イヤーそれにしてもやはり彼女歌上手いよねー」とのK氏の話で、なんと企画実現までにおよそ2年間かかったとのこと。その彼女のアルバムが出るならば番組に是非連れてきて欲しい...と頼んでおいたが「小西さん、それは約束出来ないよ...」と軽くいなされてしまった。もし実現したらデビュー直後からおよそ40年振りのラジオ日経(当時はラジオたんぱ)番組登場と言うことになるが、結果は何とも言い難しだ。
【今週の番組ゲスト:神戸在住のジャズシンガー松原衣里さん】
M1「Wild Is Love」
M2「Forget Me」
M3「Razzle Dazzle」
M4「The Great City」
M5「Here's to Life」
 
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2月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.02/03 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.343~やっぱりラグビーはおもしろい】

 日本のラグビーシーズンはこれまで1月で終了と言うことになっていたのだが、昨年から世界的ラグビー大会「スーパー・ラグビー」に日本チーム(=
サンウルブス)も参戦するようになり、2月にはもうそのスーパー・ラグビーがスタート、年間を通してラグビーシーズンと言うことになってしまった。これも善し悪しだが、1月末のラグビー日本選手権決勝、これで国内ラグビーシーズンの一応終了ということには変わりなく、その最後の決勝戦を早稲田ラグビーの不甲斐ない敗戦以来いささか御無沙汰だったが、久しぶりに秩父宮に足を運ぶことにした。
 
サントリー(サンゴリアス)vsパナソニック(ワイルドナイツ)と言う現在最高の力量の持ち主どおしの決戦、好試合間違いなし。パナのゲームキャプテンは早稲田OBでぼくのご贔屓の布巻俊介、一方サントリーには5名ほどの早稲田OBが参戦、それだけに久しぶりにどちらかに加担することもなく純粋に試合を観戦できた。

 
秩父宮はこの好試合に満員御礼、試合前からいい意味の緊張感がありわくわく状態で、2時の開始と同時に盛り上がりも高調。試合は一進一退で点数が入らない均衡状態だが、ガチな力のぶつかり合いだけに見応え十分、スリリングでいて御愉しみ感もたっぷりな満足もの。前半はお互いPG(ペナルティーゴール)だけの33のイーブン試合、後半になってもこの状態は続き、パナが相手のキックをチャージし初トライするもサントリーも相手の反則を確実にPGで決め一進一退、点数差はわずかにサントリーがリードのまま終盤を迎えるが、両者相譲らずそのままエンディング、サントリーが勝利を収める。普通こうしたノートライでの勝利となると、かなり非難も集まるのだが、今回はそんなことは一切なし。力と力のガチ対決に観客は大満足。めでたしめでたしの大円壇だった。

 
この試合、日本ラグビーもここまで進化したか...と言った、見ごたえのある大満足な熱戦だったが、ぼくが興味深かったのは試合の経過以上に、ラグビーチームスタッフの動き。たまたま座った席(記者席の端)が、通路を隔ててパナソニックのロビー・ディーン監督以下コーチ陣席の隣。それだけにスタッフの仕事振りも窺え、終始仲々に愉しいものだった。今や彼らもパソコンを駆使し展開を読み、指示を出すITラグビー時代に突入しているのだ。激しい試合だけに傷つくものも多くその交代指示など、実に目まぐるしく大変な作業。特にパナのキックチャージからトライへの一連の流れでは、監督・スタッフも絶叫、冷静さもこの瞬間は完全に失われる感もあり、横目で見ていて微笑ましくもあった。やはりラグビーは面白く愉しい。

 
もうシーズンが終了してしまう(いや2月末からはまた新たな楽しみもあるが...)のは、いささか寂しいし何よりわが早稲田ラグビーの著しい不振が残念でならない。そんなことを考えて記者会見場に行ったら、ラグビー記者の一人から今夜フジTVで、深夜深い時間に一時間特番で早稲田ラグビーを取りあげる...と教えてもらった。となればこれはなにを置いても見ないと...と言うことで夜中のスタート時まで頑張った。16年度の早稲田ラグビーはこれまでの不振を一掃する為、山下大悟新監督を迎え様々な面で改革を図った。公式ジャージーの改変、スポンサー企業の導入等など、そんなところがTVマンの興味を惹いての企画だろうが、何せ実力が伴わず帝京大に大敗、そこまではかなり忠実にフォローしていたTVクルーも、こりゃ駄目だとなって後はOBの早稲田への注文などでごまかした感のある一時間特番でいささか残念ではあったが、特番を組んでもらえるだけでも良しとしなければならないだろう。残念だがこれが現実でもある。まあ「頑張れ早稲田ラグビー」とだけ言っておこう。

 
さて今日の1曲はジャズラグビー組曲の「タックル組曲」3部に分かれたこのナンバー、世界にも珍しいラグビーをテーマにしたジャズナンバーで、作ったのは日大芸術学部の講師で、実力派ジャズボーカリストの丸山繁雄。ぼくのジャズ研の後輩で世界的にも珍しいジャズ研究で博士号を取得した才人。もう廃盤になってしまった彼のデビュー作に収められていたナンバーで、亡くなった早稲田の名フランカーに捧げられたもの。いささか見つけにくいが興味ある人は古レコード屋など探してみてください。結構いい値段になっているかもしれませんが...。
【今週の番組ゲスト: ジャズシンガー高樹レイさん、ピアニスト伊藤志宏さん、Uplift Jazz Record 江口丈典さん
M1「Smile」
M2「Clair」
M3「Naima」
M4「Over The Rainbow」
 
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3月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.02/03 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.347~2017mの山、そしてまたひとり】
 
 以前月に数回は山行をしていた頃は、山岳写真家や山のエッセイスト、ヤマケイ(山と渓谷社)のお偉いさん~ヤマケイ協力の番組もやっていた関係、そしてトレッキングサークルの面々等々、本当に色々な連中と山に入ったものだった。まあこんなことを言うといかにも凄そうだが、実際は年に数回アルプスに行く位で、後は同行のメンバーの車で関東・信越の山に入るぐらいで、決して威張れたものではないが、関東周辺の名だたる山は殆ど全て踏破している位に、良く山行したもので、その帰りは温泉と決まっており、温泉の数もかなり稼いだものだった。それが60才を超えた位から、温泉探訪は別として山には殆ど行かなくなってしまい、年に数回仲間と山行をする位で、足腰の衰えもオールドボーイならではの顕著なものになってしまった。これではいかんと思い直し、大学時代の仲間に頼むと早速案を出してくれた。

 その案とは東京都の最高峰、雲取山トレックである。ジャズ研のクラブ先輩や同期の仲間など(不思議なことにジャズ好きであると同時に山好きでもある)数人との、気の置けない山行である。この山行元々はあの東日本大震災の週に実施されるはずのものだったが、それがあの大震災で取りやめ、今回ようやく実現したという中々に因縁深いもの。その上今年は2017年、そして雲取山も海抜2017メートルの高さを誇り、どうやら17年の山としても脚光を集めているのだとも聞く。それはグッドではないかと言うことになり、三条の湯で一泊し翌日雲取に登る計画と決まった。一日目は立川駅から青梅線に乗り終点の奥多摩駅でバスに乗り換え、雲取山の麓の三条の湯に向かう。三条の湯、山深い渓谷の奥にある秘湯で、PH10.2と言う高いアルカリ濃度を誇る。バス停を降りてから林道をひたすら歩くこと3時間半、ようやく辿り着ける山中の秘湯(鉱泉)だが、長い時間を掛けるだけの価値は充分にある秘湯で、ぼく自身は三条の湯は今回で3回目。10数年振りの再訪になる。以前ならば三条の湯までかなり楽ちんに着いた筈なのだが、やはり年を重ねるとそうもいかない。

 雲取山に登るのは今回が5回目、なまじ昔の登山経験があると失敗する。この時期の山行はなんと言っても冬山なので、それ相応の準備も必要なのだが、以前の経験もありそれなりにこなせる...などと甘い考えだったが、これが大間違い。事前にアイゼンももう少し高価な6本爪を買っとけば良かったのに、余り雪山に来ることも...などと考え、簡易アイゼンにしたのが大間違い。雪はさほどないのだが狭い山道の日の当たらない所はバリバリのアイスバーン。以前ならばなんてこともなく通り過ごした山道も立ち往生、その上簡易アイゼンは肝心な時に外れてしまったりで殆ど役立たない。しりもちをつきながらどうにかやり過ごしたが、仲間から"お前息も絶え絶えじゃないか..."と揶揄される始末。昇り降り全て8時間余り、以前ならば1時間は短く行けたはずなのだが...。そのおかげで最終バスにも乗り損ね、奥多摩駅までタクシー、温泉に入ることも叶わないトホホの山行、家に辿り着いた時は本当にホッとしました。やはりオールドボーイになればなるほど、山を舐めてはいけません。今回の大教訓でした。

 そして家に着くと訃報が待っていた。かなり長いこと患っていたピアニストの辛島文雄が亡くなったという知らせ。享年68才。。大分出身の音楽一家(父は大分大教授、兄弟も芸大教授など)の彼は、名門九州大学卒業後上京して様々なバンドで腕を磨き、日本逗留(麻薬使用容疑で帰国できず)中のあのレジェンド・ドラマー、エルビン・ジョーンズにその才を認められ、彼のバンドに参加、ワールド・ツアーなど華々しい活躍をした。以降は自身のトリオなどで、日本を代表するジャズピアニストとして人気を博した。日本人離れしたダイナミックなプレーは今の時代にはいささか熱すぎると敬遠される向きもあったが、素晴らしいピアニストだった。数年前からがんを患い、闘病生活が続いていたのだが...。辛島は新しいアルバムを出すとほぼったが、最後に顔を見せたのは数年前のこと。その頃から幾分調子も悪そうだったが、スタジオに来れば快活に振舞い、ユーモアたっぷりに昔の仲間達の逸話などを聞かせてくれたものだった。今月の14日には池田篤などを従え新宿"ピット・イン"で医師の許可を得てライブを敢行、これがラストステージになってしまった。

 山から帰宅してかなり疲れてはいたが、辛島のアルバムを...と思って、CD棚からエルビン・ジョンーズとの『ムーン・フラワー』、ハーモニカの名手トゥーツ・シールマンスを迎えた『ウイズ・シールマンス』を取り出し聴いてみた。心に沁みました。 合掌!

【今週の番組ゲスト:
「ジャズのお勉強」音楽評論家の青木和富さん】
1月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.01/27 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.342~ジャズVSカントリー】

 いよいよ「マッドドッグ」トランプの時代が始まった。日本の代議士や御用マスコミなどは、彼は一流ビジネスマンなので大統領になればそれなりに常識的な施策を...等と宣っていたが、肝心のトランプ本人はそんな甘い予測をあざ笑うように、TPPからの離脱、延期になっていた石油パイプライン施行(ネイティブアメリカン達の居住地を通過させる)、果てはメキシコ国境での壁の建設と、矢継ぎ早やに悪施法を決めてしまった。突然の(と言うより予測通りの)この暗雲来襲でなんとも落ち着かない毎日だし、アメリカの非白人層などは本当にやるせない毎日だと同情する。ただこれも一つ間違えればあの悪名高き人種差別団体、"KKK(クー・クラックス・クラン)"にもイエスを挙げてしまうだろう彼の多くの支持者達、ディープサウスや中西部に住みこれまでは物言わぬとされてきた一般白人層(貧困層も多いとされる)には、まさに天にも昇る心地良さなのだろう。あと数か月もすればこうした白人層とアフロアメリカンやラテン系アメリカン、そしてネイティブアメリカンなどとの亀裂・対立は埋めがたいものになっていくだろうし、それをただ口を咥えてみるしかない今の心境、大変に心苦しいものがある。

 
ところでこの「マッド」トランプの登場は、世界の~そして当然日本の子供達にも大きな悪影響を及ぼすことは間違いない。ちょうど今TVでは、横浜市長が被災地から移転してきた子供へのいじめに対する、市の対応の拙さを謝罪している所だが、トランプ流の自己中心思考が蔓延ればこんなことで謝る市=行政が悪い、などと言う意見もまかり通りことになるだろうし、差別的言動が子供達に一般化のする恐れさえある。恐ろしきポピュリズム時代、差別時代の到来の悪しき予感すらしてしまう。
 そんな差別時代の到来は、当然音楽の世界にもいろいろな形で影響を及ぼすに違いない。多くの有名シンガーやミュージシャンンがボイコットしたマッドトランプ就任直前のウエルカムコンサート。ここで幅を利かせていたのが、テキサス州やミズーリー州などアメリカ南部や中西部から来た(日本ではほぼ無名の)カントリーアンドウエスタン(&W)シンガー達。日本ではウイリー・ネルソンなど何人かを除いては、ほとんど話題にもならない&Wだが、アメリカでは根強い...と言うよりもジャズなどをはるかに凌駕する勢いを誇っており、右寄りの政治屋等が登場するときにはいつもそれをバックアップする一大勢力を形成する。一方ジャズはその誕生の経緯やその歴史から、その対極に位置する(享楽的側面も勿論あるのだが...)音楽として、その存在意義があったとぼくは信じている。ただこの所は残念なことにそうした力を失ってしまっている。しかし今またその対立構図が復活しつつある。長年NYに拠点を据えていたマッドドッグが、どんな音楽趣向を持っているのかは定かではないが、彼の支持母体は間違いなくカントリー音楽志向。ジャズvsカントリー、もっと言えばカントリーvs非カントリーアメリカンミュージック(ソウル、ラテン、ヒップホップ等々)。この音楽対立はマッドドッグの在任中は続くに違いない。そしてぼく達もその経過をしっかり見つめ続ける必要がありそうだ。

 
と言うことで今日の1枚は、今は亡き名ベーシスト、チャーリー・ヘイドンがスペイン内乱での自由市民軍の行動を称え結成したユニット「リベレーション・ミュージック・オーケストラ」の同名アルバムと言うことにしたい。限りない音楽の自由を称える彼らの演奏は間違いなく聞く者の心を打つ筈だ。   
【今週の番組ゲスト:「ジャズのお勉強」音楽評論家の青木和富さん

M1Grease Piece / The Brecker Brothers
M2Dance With Me / Earl Klugh
M3Captain Caribe / Lee Ritenour  Gentle Thoughts
M4Soul Shadows / The Crusaders
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1月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.01/20 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.341~またひとり音楽仲間が】

  昨年暮れ、それもどん詰まりの大晦日にかつての音楽仲間が一人突然逝ってしまった。石坂敬一氏。ユニバーサルミュージックやワーナーミュージックの社長・会長なども務め、日本レコード協会の会長も経験した、洋楽業界の大ボスともいえる人物だが、死んだのが大晦日の朝だけに元旦の新聞欄でも気付かず、その死を知ったのはかつての音楽仲間からのtelによってだった。

 
今や音楽業界のボスとも呼べる彼を、仲間等と呼ぶのは些かおこがましい気もするのだが、学年で1年先輩(彼は慶応大)で、入社歴も1年早い(彼は東芝音楽工業)だけにほぼ同期の音楽仲間と言った感じで、20代~30代初め頃は一緒に番組作りなどもした仲なのだ。それだけにかつてのぼくの中には、「困ったときの石坂頼み」といった迷言もあり、2時間とか3時間といった超ロング音楽特番(「ビートルズ・スペシャル」「ピンク・フロイドの魅力とは」等々)しばしば彼の登場をお願いしたものだった。彼とは仕事を始めた時が近い...と言うだけでなく、彼の勤務先=東芝音楽工業が当時の日本短波放送(現ラジオ日経)から歩いて数分と言う地の利もあり、彼に出演依頼をし易かったということもあった。

 慶応大相撲部出身(?)などと言う噂もあったが、およそそんな風には見えないやせ型の慶応ボーイで、当時の経団連会長で経済界の重鎮、石坂泰三氏の血縁と言うお坊ちゃんだった。無類の音楽好きであるのと同時に仕事熱心、ピンク・フロイドの『アトム・ハート・マザー』と言うアルバムに『原子心母』と言う邦題を付け大々的に売り出したのは伝説にもなっているが、何より驚かされたのはグラムロックの売り出しでたんぱ放送のスタジオに現れた時のこと。このグラムロックとは初期のデビッド・ボウイやアリス・クーパーと言ったロックシンガーが代表格で、派手な化粧をしたロッカー達のロックを指し、一時期かなり売れたものだった。そこで彼から頼まれグラムロック特集を組み、当然彼にもご出演願ったのだが、仕事熱心な彼はスタジオに自身も化粧して表れ、このグラムロックの面白さをとうとうと述べ捲った。その登場時、廊下を歩く姿を当時の局の先輩達が不審がり、総務部担当がお出ましになる等というハプニングもあった。まあお堅い当時の短波放送なら至極当然のことで、化粧姿の彼を最初に見たときはさすがにぼくもびっくりしたと同時に、その余りの仕事熱心さにいささか辟易もしたものだった。

 
そんな彼も洋楽本部長から邦楽本部長も兼任、氷室京介やユーミンなど日本のロックやニューミュージックの売り出しでも大成功、世界的音楽メーカー「ユニバーサル」に転身し社長・会長ととんとん拍子に出世、そうなると余り接点も無くなってしまい、年に数回の音楽関連パーティーなどで顔を合わせる位のものになってしまったが、その折には「小西さん、またあの頃の様に好き勝手に番組作りたいね...」等と、共にあの良き時代を懐かしんだものだった。

 
世界のジャズ市場の殆どを独占しているユニバーサルミュージックの代表を務めていた頃は、ジャズ関連のイベントやパーティーなどにも時々顔を見せており、ロックとポップス専門でジャズ門外漢だったため「頼むからジャズのことも一寸教えてよ...」等と冗談交じりに話しかけてきたが、そこはもう業界のお偉いさん、余り長いことは話もしなかった。最後に彼を見たのは昨年の秋、やはりあるパーティーの席だったが相変わらず元気一杯の様子。「憎まれっ子世に憚る...」の口かな...などと遠くから眺めていたが、それが暮れに突然の訃報。至って元気だったが朝の入浴中に心臓発作で突然に逝ってしまったとも聞く。お偉くなると外目では分からないストレスも多かったに違いないが、残念だし寂しい思いでも一杯だ。

 
彼の死を悼んで久々にピンク・フロイドの『原子心母』をアナログ盤で聴いてみた。石坂氏がプレゼントしてくれた箱根での野外コンサート。あの神秘的な情景体験を思い出しつつ、雄大なスケールを誇る彼らのスぺーシーなサウンド、心に沁みながら味わい尽くしました。 合掌 石坂敬一!          
【今週の番組ゲスト:disk unionのニュージャズレーベル「Playwright」
のディレクター谷口慶介さん】
M1「the Gift / fox capture plan
M2「Voce / Immigrant's Bossa Band
M3「Aqurium / bohemianvoodoo
M4「Close My Eyes / MASSAN×BASHIRY


1月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.01/13 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.340~吉祥寺のJAZZ親父】

 「中央線ジャズ」と言う言葉、ひところ程には余り見掛けなくなったが、決して死語では無く今でもしたたかに生き続けている。世界中どこでも電車路線にジャズという言葉が結びつくなぞということはまあ考えられない訳で、しいて言えばあのジャズの代名詞、デューク・エリントンの名曲「A列車で行こう」くらいなものか...。このA列車とはNYの街中ダウンタウンからハーレムを通り郊外へと向かう路線のことで、一方の「中央線ジャズ」とは中央線を根城にしているジャズメンやその拠点のライブハウス等を指す言葉。今は国立のジャズバーのオーナーである村上寛氏が、レコードチェーンの新星堂グループでジャズを担当、「オーマガトキ」と言うレーベルで日本人ミュージシャン達のアルバムを発表、また中央線の西荻窪にある老舗ジャズライブハウス「アケタの店」のオーナーで天才ジャズピアニストでもある明田川壮之氏のレーベル「アケタズ・ディスク」など、この2レーベルでアルバムを発表している連中のジャズ、それを総称して「中央線ジャズ」という呼び名が付けられ、その「中央線ジャズ」は一冊のジャズ本にもなっている程。そしてその中心にいるのは、勿論明田川と村上のお二方と言う訳。

 しかしこの2人に象徴される、西荻、国立と言う2つの街だけでなく、かつてのジャズタウン=新宿、そして阿佐ヶ谷(ジャズフェスもある)、中野など、この路線にはジャズに関わる店やプレーヤー等も数多く、その代表格ともいえる街が、今や住みたい街のトップにランクされる吉祥寺であることは、ジャズファンならば周知の事実でもある。

 今でもジャズライブハウスやジャズバーが10軒以上もある吉祥寺、そんな「吉祥寺ジャズ」を隆盛に導いたのが「ファンキー」のオーナーだった故野口伊織氏。そしてもう一人が「メグ」のオーナーにして、売れっ子ジャズエッセイスト、更にはジャズレーベル「寺島レコード」の代表でもある寺島靖国氏。このライバルは卒業大学も早大(寺島)慶大(野口)と別れ、性格も対照的。それだけに互いを意識しあい「吉祥寺ジャズ」を盛り上げていったのだが、野口氏が亡くなってもう10年以上、今や吉祥寺の主となった感もある寺島氏も、ぼくより大分年上なので、もう大層なオールドボーイ。その上今年は寺島レコード設立10周年という節目の年でもある。師がこのところ余りスタジオに遊びに来ていないのと周年記念と言うお祝いの意もあり、一度はスタジオに招いておかないと、コロッと逝ってしまうかも...とも考え、新春のスタジオに馳せ参上して貰うことにした。

 このジャズ師(彼に敬意を表して寺島レコード関連アルバムでは、この師という呼称を使うことにしている)、もう大分の御年だが相変わらずの憎まれ口で元気一杯、スタジオでも変わらぬ元気っ振り。それにしても自身のレーベルを、10年も続けられると言うのは本当に驚くべきことだが、それだけ彼のファンが多いと言うことだし、彼が作る作品には絶大の信頼を置いていると言うことでもある。このレコード(CD)不況時代には考えられない大プロデューサーでもある。

 と言うことで彼がプロデュースした新作を数枚スタジオに持参してもらい番組を進めたが、その一番の目玉は一人のピアニスト(大橋祐子と言うお気に入りの女流ピアニスト)を、スタジオとコンサートホールの双方で録音、2枚組のアルバムで中身はほぼ同様の選曲にして、そのサウンドの響きがどう違うかを聴き比べてもらう...という世界でも余り例のない大胆な企画。寺島レコードはアルバムの演奏内容だけで無く、その音質の良さも売りの一つで、特性を最大限発揮した企画でもある。師は自慢気に「こんな無謀な個人的趣味の企画をやれるのは俺だけ...」と豪語していたが、悔しいかな確かにその通りで、それでも売れるようだから言うことなしなのである。憎らしいが売れれば勝ち。

 それにしても寺島師、10年を迎えますます意気盛んに頑張って欲しいもの。同世代の人は次々逝ってしまうが、憎まれ口をつきながらも何時までもお元気で...。応援出来ることは最大限御協力しますから...。
【今週の番組ゲスト:
吉祥寺のジャズ喫茶メグの店主、寺島靖国さんと、ディスクユニオン 寺島レコード担当の坂本涼子さん】
M1Estrellita / 大橋祐子トリオ」
M2Esperame en el Cielo / Franco Piccinno
M3Poinciana / Mike Longo
M4Wild Tales-Closing- / 栗林すみれ」


1月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.01/06 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.339~17年の幕開け】

 あけましておめでとうございます。いよいよ波乱の年、2017年が幕を開けました。ここ10数年で最も波乱と言うか混乱、そして暗雲立ち込める年になるのは、まず間違いないと思われますが、こうした波乱の年に限って(?)その幕開けが風もなく暖かく天候は実に穏やか...というのも不思議なものです。さてあと数週間で米国ではあの「マッドドッグ」トランプが大統領に就任、それ以降世界がどう変わるのかは、流石に時流を占う識者達も全く読めず、ましてや我らは何とも言い難く、ただ流れに身を任せるしかない訳ですが、トランプの閣僚名簿を見ると株屋と成り上がりの資本家、そして軍人とこれまでの米国政府とは全く異なった経歴の顔触れが揃っています。軍人は戦争を仕掛けること、成り上がり資本家や株屋達は自身が儲けること、マッドが宣う米国を強くするという言葉は、そのまま自分達の利益を増やすこととその為には手段を択ばないという宣言にも取れます。彼の大統領就任演説を聞かないと、今後の方針や根本の真意は汲み取れませんが、典型的な成り上がり金持ちの自己中心思想(=米国
中心主義)と彼は考えているようですから...。いずれにせよその行動、考え方など安倍首相の行動と共に、これからしっかりとウオッチしていかなければならないでしょう。大変な時代が来たものです。

 
まあそんな世界情勢はさておいて、この正月は天気も良く絶好の初もうで日和。早朝出発し恒例参拝の富士吉田市の浅間神社に向かったのですが、余りに中央高速道路が順調に進んだせいか、富士吉田市に向かう車線を通り過ぎてしまい、次のインター出口は遥か遠い甲州の勝沼。こうなるともう引き返す訳にもいかずそのまま勝沼で降りて一路進んでいくと、なんと幸運なことに浅間神社の分所とも言える甲斐一宮の浅間神社に出くわし、こちらで初詣を済ませることとしました。本宮に比べるとかなり小振りですが、人もさほどは多くなく心行くまで願い事が出来ました。怪我の功名と言うやつですかね。
 
初詣をすませれば次は今年の初温泉。一宮となれば眺めの良い露天風呂のほったらかし温泉となる訳ですが、ここは新年で天気も良し...と言うことで、少し遠いもののお風呂からの南アルプス連峰や八が岳の眺めも抜群な、市川大門そばのみたまの湯に行くことにしました。正月はさすがに日帰り湯も営業しているところは少なくお客で満員でしたが、南アルプスの北岳など眺望ばっちりで愉しい温泉気分に浸れました。
 
翌2日はTVでのスポーツ観戦で、箱根駅伝とラグビー大学選手権。駅伝は早大が健闘し往路2位に食い込んだのですが、ラグビーの方は正月越え出来ず不甲斐なかった早大ラグビー部。そのせいで余り試合観戦も楽しむことも出来ずにお開き。いささか寂しい思いでした。まあこんな正月ですがこれからが本番、今年もオールドボーイらしくせいぜい頑張るつもりですので、お手柔らかによろしく...。

 
ところで今年最初のジャズ番組のゲストは、大学時代からの仲間、J-ジャズベースのレジェンド「鈴木"チン"良雄」と、1学年下で森田一義=タモリと同期でNY在住のギタリスト増尾良秋の2名。学生時代からサダオさんに認められプロ入り早くから人気者となった彼ら。2人ともNYにわたり修行、増尾の方は美人の米国女性と結婚してそのまま現地住まい。美少年だった増尾ちゃんはジャニーズ並みの人気を誇ったものだが、その彼ももう70才、そのお祝いライブにはタモリも祝福したという。良き仲間を迎え今やベテランの彼らにいろいろと話を聞きます。

 
今週の推薦ナンバーは当然2人の共演曲ですが、年始と言うことでもう1曲是非オススメしたいのが、「ブギウギの女王」として戦争直後に一世を風靡した、笠置シヅ子の「ラッパと娘」。戦前の昭和13年ごろの録音で、作曲・作詞は日本ジャズの大立者、服部良一。どうしてこんな曲を選んだかと言うと、今月の末から月1回「ジャズは愉し...(仮題)」と言う教養講座を、とある区役所から頼まれ引き受けることにしたのですが、そのテーマがこれまで余り関心の持たれなかった「日本のジャズ」。ぼく自身もこの分野をそんなに知っている訳でもなく、鋭意勉強中なのですが、そこで驚かされたのがこの笠置シヅ子の「ラッパと娘」。ドライブ感、卓抜なフィーリング、力強い歌い口等など、まさに天才の名にぴったりで、本場の歌手にも充分に伍せるだけの実力の持ち主。それだけに戦後直ぐ「東京ブギウギ」などで大ヒットを記録したのも至極当然なのですが、その魅力は今のジャズファンを揺り動かすに違い有りません。彼女の音を見つけ出すのはいささか大変かも知れませんが、是非聞いてみて欲しいものです。ジャズソングに対する認識が一変するはずです。それと安倍政権のおかげで今や時代はまたどんどん戦前回帰に向かいつつあり、そうなればジャズやロックなども退廃音楽として敬遠される悪しき風潮も蔓延るかも知れないだけに、この笠置シヅ子の歌声はそうした風潮への強い歯止めとしても、意味あるものとも思うのですが...。
 
それにしてもこうした悪しき時代に抗い、皆さまもまた良いお年を...。  
【今週の番組ゲスト:ベーシストの"チンさん"こと鈴木良雄さんと、NY在住のギタリスト増尾好秋さん】
M1「Around The World In 80 Days
M2「Sailing&Rolling
M3「I'll Be With You
M4A Nightingale Sang In Berkley Square
 
12月31日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2016.12/30 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.338~16年も終焉】

 いよいよ2016年もどん詰まり。あと一晩眠れば新しい年となる訳だが、その2017年は、ここ数十年の内で最も予想の付かない激動の年になるのは間違いなく、そうなれば16年は後年そのプレリュ-ドイヤーだったと位置付けられるに違いない。その激動~暗雲の最大要因は、誰もが予想しなかった「マッド」トランプの米大統領就任。日本にとってほとんど良いこともない筈であろうに、アメリカがマッドへの期待感で株式が高値を付けると、日本の株式市場も活況を呈すると言う魔訶不可解な現象が起きており、これに伴い完全に破状したアベノミクスも、その責任を問われることもなく雲散霧消...と言う、首相にとってはウハウハな結果に終わってしまった。マッドが大統領就任後に何をやらかすかは、世界中がしっかりと監視していかないとならないが、ただ2点だけぼくも彼を買う処有りなのだ。
 
その一つは70才という高齢で有り余る資産を持ちながらも、大統領などという未知の分野の激職にチャレンジしようとして、それを実現させてしまった点(アメリカンドリームの悪しき例ながらも、日本の高齢社会ではある意味希望の星とも言えそうだ)。そしてもう一点は電話会談とは言え、台湾の女性英雄、蔡英文総統とコンタクトを持ったところ。中国からの強烈な反発は目に見えていたのだが、それを押し切った辺りは、マッド大統領の面目躍如と言った感じで、この2点だけは評価できるのだが...。

 
さて個人的には、ぼくのようなオールドボーイにとって周りの大事な人やペットが逝ってしまう、寂しい年でもあった。我らがジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」の生みの親でもある、よき先輩のジャズプロデューサー木全信氏(朝・毎・読という3大紙にその死亡ニュースが掲載された)ががんのため死去、わが愛犬~バカ犬ことピーちゃんも15年生きた結果あっけなく死亡と...、寂しい出来事が続いたが、オールドボーイにとってそれは宿命で致し方無い所。来年はせいぜい頑張るしかない。

 
番組の方は年末恒例の16年のジャズアルバムから...ということで、毎月ジャズのお勉強講座をお願いしている評論家の青木和富氏にベスト盤4枚ほど選んでもらった。彼が選んだのは今最高に充実しているピアニスト、フレッド・ハーシュのNY「ビレッジバンガード」でのトリオライブなど、どれもぼくも納得の4枚だった。ただボーカルだけは以前にこのコラムでも紹介したノラ・ジョーンズ『デイ・ブレーク』ではなく、今年の大詰めに出された大御所、トニー・ベネットの90才(!)を祝うセレブレーションアルバム『ベネット 90才を歌う』にしたかった。スティービー・ワンダーなどアメリカ音楽界の大物達が祝福に訪れた正に夢の豪華ボーカル饗宴作品なのだから...。

 さてぼく自身も、数社から頼まれてベスト作を選出したが、そこでは国内編が渡辺香津美のデビュー45周年記念作『ギター・イズ・ビューティフル』。海外編としてはキューバの若手注目ピアニスト、アロルド・ロペス・ヌッサの新作『エル・ビアッヘ』(旅)としてみた。どちらもそのライブが今年のベストともいえる素晴らしいもので、香津美の方は彼の45周年を祝し、沖仁、井上銘、押尾コータローなど彼を慕う若手ギタリストが集結、彼とデュオを繰り広げるというギターの愉しさが満喫できるもの。一方アロルドの方はドラマーの実弟を伴ったピアノトリオ作で、キューバジャズ+アフロミュージックといった趣きの威勢の良いアルバム。東京ジャズでは彼らのステージが終了すると同時にCD売り場の作品が売り切れてしまったと言う程、観客に興奮を与えた若さ溢れる熱い音が詰まった秀作で、それぞれにライブの感激がそのままCDでも味わる、素晴らしい内容のアルバムとして、皆様にもお勧めしたい逸品だ。
 ところで2017年最初の放送は、今やJジャズの大御所となってしまった、大学時代からの友人2人をスタジオに迎える予定です。 お愉しみに...そして来年もまたよろしく...。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
M1CHEROKEE / PAT METHENY
M2RISING GRACE WOLFGANG MUTHSPIEL 
M3FLEURETTE AFRICANE(African Flower) / NORAH JONES
M4 A COCKEYED OPTIMIST / FRED HERSCH
M5BACK BONE /  THAD JONES - MEL LEWIS ORCHESTRA
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12月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2016.12/23 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.337~ジャズクリスマス】

 12月24日はクリスマスイブ。若い頃には色々と楽しみもあった日だが、オールドボーイになってしまった最近では、そんな楽しみも霧消してしまう。ただ今年は24日が土曜日で、我が「テイスト・オブ・ジャズ」の放送日。ここはひとつ何か仕掛けねば...ということで、ビング・クロスビーなど古今東西の鉄板ジャズクリスマスナンバー特集等々幾つか考えたが、なんと今年のクリスマスアルバムでアマゾンのジャズチャートでもトップに輝いているアルバムがあるではないか...。その主役は前々から一度番組に登場してもらいたい、と思っていたシンガーだと気付き、これはラッキーと言うことで早速クリスマスイブ放送分のゲストとして、スタジオに招くことにした。ウィリアムス浩子。今各方面で注目のシンガーである。

 
彼女はこの所「マイルーム」と言うシリーズ企画を発表、既にそのシリーズは4作を数えており、このクリスマスアルバムはスピンオフ企画と言うことになる。そのシリーズはどれもジャズチャートのトップを占め、録音の良さを決めるジャズ批評誌の録音賞でもトップに輝くなど、かなりな人気シリーズでもあり、彼女自身も知る人ぞ知る人気のディーバでもあるのだ。そんな彼女、大学を出てからは地元の静岡でOL生活、その後一念発起してロンドンに語学留学、そこでジャズボーカルに目覚め、帰国してからジャズスポットなどで歌うようになったと言う少し変わった経歴の持ち主で、歌はほとんど独学とのこと。
 
番組ではいつものテーマ曲を外し、彼女の歌う「ホワイトクリスマス」でスタート、「レット・イット・スノー」等のアルバム収録のクリスマスナンバーを掛けることにし、曲の間には彼女のクリスマス体験、ジャズ修行なども聞いている。彼女の歌は先ず癒しとも言える柔らかな歌声が何とも魅力的で、同時に発音の良さと言うか、その言葉が的確に聴き取れる辺りも素晴らしい。こうした歌の基本が出来ていない、自称ジャズシンガーが多すぎるだけに、その存在は光つているとも言える。

 
彼女のクリスマスアルバムなどその作品は、自身の会社「バークリー・スクエアー・ミュージック」から出されているが、この「バークリー・スクエアー」とはジャズボーカル好きならばよく知られているナンバー「ナイチンゲール・サング・イン・バークリー・スクエア」から取ったもので、これは実際にロンドンにある美しい公園。この曲を名花、アニタ・オデイが歌っているのを聴き、ジャズボーカリストになろうと決心したと言う、彼女にとっては忘れられない重要ナンバー。実際にその公園にもロンドン時代に訪れ感激したとのことだが、それだけに彼女はこの重要曲をこれまで数回吹込んでおり、「大手のレコード会社ならこんなこと出来なかったと思うんですが、それも自身で設立したレーベルならではの良さですね...。これからもまたこの曲吹き込むかもしれません。私の成長バロメーターの曲でもあるんです」と語ってくれているが、番組でもクリスマスナンバーの中にこの曲を紛れ込ませ、たっぷりとその魅力を味わってもらうという趣向も用意してある。

 
肝心の人気の高いクリスマスアルバムは全15曲。「マイ・ルーム」シリーズでの相棒、ギターの馬場孝喜の他にピアニストなどのゲストも参加しており、定番の「ホワイトクリスマス」で始まり、男性ジャズシンガーの大御所,メル・トーメの「クリスマスソング」で締めるという構成。「ア・チャイルド・イズ・ボーン」などのジャズナンバーから讃美歌まで実にスムーズな曲配列で、彼女のソフトな歌声がクリスマスの雰囲気を充分に高め、楽しませてくれる。あの服部克久氏も「ナイスパフォーマンス&ナイスアレンジメント」と絶賛しており、これからジャズクリスマスの定番アルバムになりそうな予感もしますね。
【今週の番組ゲスト:ヴォーカリストのウィリアムス浩子さん】
M1White Christmas

M2
Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow
M3
Christmas Time Is Here
M4
A Nightingale Sang In Berkeley Square
M5
What Child Is This




12月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2016.12/16 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.336~山恋い】

 ぼくの自宅は武蔵野台地~国分寺崖線いわゆる「はけ」のすぐ近くにある。家から数分の神社はまさにその「はけ」の端っこ、それだけにいささか神社の樹木に邪魔されるとはいえ、西の方の展望は抜群。晴れた日にここの階段に立つと、関東平野周辺の山々が一望できる。霊峰富士を囲むように、南の端から大山そして丹沢連山、道志山塊、高尾山などの多摩の山々、その奥に大菩薩や奥多摩、更に秩父連山、そして武甲山で山の連なりは切れる。ぼくのちょっとした自慢はこの神社から見える山々のピークのほとんど全てを登っていること。ただ残念なことに未だ富士山だけはその頂上を極めていない。どうも夏のあの異常な賑わいに心折れてしまうのだ。まあ富士山は別格として、これらの千~千五百メートル内外の山々の中に大山、武甲山と言った目立った形状の山が最初と最位置するところも良く、大室山、大岳山、大菩薩等と言った形の良い山々が目立つ。その山の連なりを見ているだけで山行きの心が疼くのだが、ここ数年は体力の衰えも有り、年数回の山行しかしていない。

 
これでも大学時代は、ジャズ研と山の同好会の2つのサークルに所属、最盛期の夏などは合宿など様々に山行もしていたのだが、ラジオ局員になってからは余り山に行くことも無くなり、30~40歳代は殆んど山のことなど忘れていたのだが、40代後半にいささか面白くないこともあり、そのストレス発散にと...再び昔の仲間等と山に向かうようになった。ちょうどその頃、山の専門誌「山と渓谷社」が、中高年向けのトレッキング誌を出すと言う話があり、つてを頼りに山渓社に行き、当時常務だったS氏(編集長)に会いその「ビスターリ」と言う中高年向け雑誌とタイアップする山行番組を決めた。この番組は3年ほど続き、今は亡きコンタツおじさんこと人気山岳写真家の近藤辰郎さんをパーソナリティーに、月に一度は山に行かせてもらい、その山行企画は単行本にも掲載されたりもし、好い想い出になっている。その一泊山行の泊りはほとんどが温泉、その目的の山と温泉を探すのも一つの楽しみだった。50歳の頃はこの仕事の山行以外にも土、日は日帰りないし一泊山行を繰り返し、一か月で6回ほども、今考えれば信じられないこともしていた。それだけに関東近辺から山梨、長野、それと仲間の一人が東北支社長だったので、岩手山、岩木山、鳥海山などと言った東北の有名・無名の山々も数多く登ったものだった。山岳写真家を名誉会長にした、山の同好会も作り上げ、山行&温泉狂いの日々だったとも言えそうだ。

 
しかしこの数年はもうオールドボーイだけに余り高山に登る体力も無くなり、もっぱら温泉三昧。それではいけないと思い先日水止め作業で追分の山荘に行ったついでに、お山(浅間山)の外輪山、小浅間山に20年振りに登ってみた。高さは1300メートルほどだが、昔からの登山道である浅間山正面口(小浅間はその脇に立つ)は上る人がほとんどいない(火山活動のせいもあって閉鎖されているのかも...)。それだけに余り高さはないのだが火山灰に覆われた道はかなり難儀で、昔では考えられないほど時間がかかってしまったが、頂上からの展望は抜群。富士山から北&南アルプス、八が岳から北の菅平、谷川連峰等々、本州の主要な山々が一望、麓の軽井沢の街並みも綺麗で、久々に心軽くなる想いだった。やはり月に一度ぐらいは山行もしないと...と新たに決意を固めた次第だった。

 
と言ったところで今週の1枚はヒーリング系サックス奏者の代表格、ポール・ウインターの『キャニオン』。ポール・ウインターグループは、ホワイトハウスで最初に演奏したジャズバンドと言うことでも知られており、自身のバンド名が「アースバンド」と言うことからも、他のミュージシャンとは違い彼の自然志向がお分かりになる筈。野生動物の鳴き声などを織り込んだ『野生の祈り』などと言ったアルバムも出しているこのアルバムは、ユニット仲間やスタッフと共に、キャニオン=コロラドのグレートキャニオン(大峡谷)を実際に筏を組んで下り、そこで録音をすると言った雄大かつかなり無茶な企画アルバムで、川の流れや鳥の声などもバックに流れていると言った異色作。グラミー賞の候補作品にもなっているもので究極の自然派ヒーリング作品とも言えるものだけに、皆様も一寸変わったジャズアルバムとして、お聴きになってみたらどうだろうか...。

【今週の番組ゲスト:SALSA SWINGOZAのリーダー大儀見元さん】
M1Timbalero
M2Night and day」
M3Bilongo -Remix」
M4Unaflor


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