6月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.06/22 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.415~話題のコルトレーン発掘盤】

 今年のジャズ界の話題と言えば何と言ってもジャズの神聖レジェンド、トレーンことジョン・コルトレーンの公式スタジオ録音の奇跡とも言える音源発掘と言うことになるだろう。6月末に世界同時発売(!)されるそのアルバム。タイトルはずばり『ザ・ロスト・アルバム』。トレーンの絶頂期、1963年に正式録音されたもので、あの黄金カルテット(トレーン、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)エルビン・ジョーンズ(ds))による失われた公式演奏記録が、なんと55年振りに発見されたと言うのだから、ジャズ界で話題沸騰になることは至極請け合い。現に朝・毎・読の3大新聞をはじめ音楽関係各誌、更に何とNHKの定時ニュースでもかなりな時間を割いてこのニュースが取り上げられた(残念ながらぼくは見ていないのだが...)のだから、話題枯渇状態にあったジャズ界にとって、なんとも嬉しいビッグニュースになったのである。

 ユニヴァーサルから期間限定で送られてきた音源を聴いたが、アルバム収録曲は7曲。50分余りの収録でその内に未発表曲が2曲、いずれもマトリックス番号が付けられており、タイトルは無し。トレーンならではの「シーツ・オブ・サウンズ」を生かした目まぐるしい展開のナンバーになっている。この録音が行われた63年前後には、彼の代表アルバムともされる『バラード』(62年冬)『コルトレーン&デューク・エリントン』(62年9月)『コルトレーン&ジョニー・ハートマン』(63年3月)と言った人気&傑作盤が収録されており、この吹込みはなんとシンガー、ジョニー・ハートマンとの共演前日に行われたものだと言う。この3作に共通しているのは『バラード』にも象徴されるように、バラードタイプの心和むソフトタッチの演奏がメインなのだが、今回出されるこの『ロスト・アルバム』はかなりフリーブローイングにも接近した、後期トレーンにも近いハードエッジでゴリゴリと迫ってくる重めの演奏が多いこと。当時のライブアルバム『ライブ・アット・バードランド』(63年10月)ではこれに近いエッジの利いた演奏が展開されているが、ここでも1曲目の未発表曲や彼の代表曲の一つ「ワン・アップ、ワン・ダウン」などがその代表的な先鋭プレーでもある。
 実を言えば、最近は余りトレーンのそうした真摯にしてトーゥーマッチ(ヘビー)なプレーに接していなかっただけに、かなりずっしりと迫って来て、素晴らしいと思いつつもいささか...と言った感じも抱いてしまう。

 今から半世紀ほど前、荒れた世の中にあった大学生時代、新宿のジャズ喫茶に入り浸って「石を投げたり」「ジャズを浴びていた」頃には、トレーンは間違いなく世界の一つの中心だった。彼の過激・激烈を絵に描いたようなあの来日コンサート(この1年後に彼は他界、あの過酷な日本ツアーが彼の寿命を縮めたのは間違いない事実だが...)では、ぼくら3大学のジャズ研(早稲田、立教、慶応)が、公式記者会見で大学生だけの質問時間を取って、彼に直接質問をぶつける等も敢行、ある種のジャズ神でもあった彼の本質に迫ろうなどと言う大胆な試みも行ったものだった。だがあれから55年、月日は過酷に流れ去り、今やオールドボーイに成り果ててしまったぼくには、あの突き詰めた迄の過度の真摯さに、多分に惹かれつつも...と言う感じがあるのもまた事実。でもでもここでの彼の演奏、そしてエルビン以下の黄金カルテットの面々のプレーもさすがの迫力だし凄いの一言。ジャズ黄金時代の底力ここにありの言った感がひしひしと迫って来る。但しぼくがここで最も気に入ったのは、なんとも言えない明るさを漂わせたミュージカル「メリー・ウイドー」の挿入曲でもある「ヴィリア」。この軽快感は同時期に吹き込まれた3枚の傑作アルバムにも共通したもので、ホッとすると同時に愛おしさも強く感じられる。

 このアルバムが世に出るようになったのも不可思議な縁によるもの。元の収録テープはレコード会社が消去(合理化のための様だ)、トレーン自身が自宅に記録・保存用として持ち帰っていたテープ、それが数十年後にある音楽オークションで遺族から提出され、競売にかけられ「ヴァーブ」の担当者の目に止まる。そこからまた様々な紆余曲折を経ること10年余り、今回ようやくインパルスレーベル作品として日の目を見たと言う次第。ある意味本当に奇跡の発掘であり、本当にこんなジャズ大看板にもこんなことが起こるのだと言う好例とも言える。
 発売は6月末。番組でも是非このアルバムを特集し、その意義や魅力を誰かプレーヤーに解説してもらうつもりです。期待して待っていて下さい。よろしく!
【今週の番組ゲスト:「Ladyやまねこ」のトランペッター、コンポーザー、アレンジャーの中西暁子さん】
1stアルバムの「Let Them Talk」から
M1
Bluesette
M2
Blue Dancing Manatee
M3
「星めぐりの歌」
M4
Hana Aoi

6月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.06/15 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.414~期待のオルガン奏者】

 ジャズシティーと言えば、やはり大都市NY=アップルコアと言うことになるだろう。ぼくなどより上の世代では、いやそれは発祥の地ニューオーリーンズだよ...などと言われる方もおられかも知れないし、中部の大都市、セントルイスを忘れては困るよ...などと通ぶった注釈を語られる方も...いるかもしれない。ただ誰もがジャズにとって、NYと言う大都市の存在を第一義に考えるのは至極当然とも言えるだろう。しかしこのNYにも匹敵するジャズシティーとして、ウインディーシティー(
風の街)の別名を持つ大都市シカゴの存在を忘れることは出来ない。ジャズとブルースの街、シカゴ。

 
この街はモダンブルースの聖地でもあり、ジャズでもNYとはまた一味異なった「シカゴジャズ」とも言えるある流派()を構築しているジャズ都市でもある。それだけにNYよりもこの街を目指し、日本から修行に向かう若者もいる。そんな一人が今回番組に登場してくれるジャズオルガンの若手第一人者、土田「ハル」晴信くん。彼はこの5月に日本で初めて本格的なリーダー作を発表(シカゴや欧州既にリーダー作を発表している)、そのライブアルバムのライナーノート(解説)は、ぼくが担当させてもらっている。
 
横浜っ子の彼は高校時代からブルースにはまり、学業の傍らライブハウスにもオルガン奏者として登場する、かなりなやり手だったようだが、入学した大学を中退し本格的にブルースを学ぶため、聖地のシカゴへ単身渡り現地の音楽大学に入る。同時に黒人街のライブハウスでも活動を開始、音楽大学では本格的にジャズを学び、徐々にブルースからジャズに軸足を移行、シカゴのジャズシーンでも名前を上げていくようになる。シカゴ時代には2枚のアルバムも自主制作、現地では「ハル」の愛称で11年の長い期間活躍を継続、有望な若手として知られるようになる。その後日本に活動の場を移すも数年でドイツ・ベルリンに居を移し、同地をはじめ欧州各地で数年間活動を展開、数年前に再び横浜の地に戻ってきた...と言う、かなり興味深い経歴の持ち主。

 
ぼくがその存在を初めて知ったのも欧州から帰国直後のことで、毎年番組で取り上げる秋の横浜ジャズ祭「ジャズ・プロムナード」の紹介番組で、ゼネラルプロデューサーの柴田氏が有望新人として連れて来たのが彼だったのだ。彼が持参したアルバム(欧州の名門レーベルで、現地の有力な面々とレコーディングしたもの)を聴かせてもらい、その優れた内容に直ぐにファンになってしまった。まあそんな縁もあり日本での初の本格的デビューアルバム『サニー/ライブ・アット・アデュロン・ダック』では、アルバム解説を頼まれることになったのだが、この作品はぼくのご贔屓の神田・神保町にあるジャズカフェ「アデュロン・ダック・カフェ」でのライブ収録盤。彼が日頃行動を共にしている若い面々によるオルガントリオ(ギター、ドラム)でのライブ演奏で、シカゴ時代にしっかりと培った生のブルース感覚に、日本人的な感性もプラス、言わば「横浜発シカゴ経由」とも言える若々しいオルガンジャズを届けてくれており、番組でもその彼のシカゴ時代の面白いエピソード等もふんだんに紹介してくれている。それに彼はシカゴ歴11年で英語もペラペラ、奥さんはドイツ人で日本の漫画翻訳兼紹介業、その関係でドイツ語も堪能。素晴らしい才人でもあり、慶応大がその才に目を付けて講師として要請、毎週「ジャズ史」を英語で教えているとも言う。期待の若手と言うよりも、もう中堅と言った方が正確か...。「ハル」くんは、素敵なオルガン男である。

【今週の番組ゲスト:ジャズオルガンプレイヤーの土田晴信さん】
日本デビューアルバム「SUNNY」から
M1Next Time You See Me
M2Yours is My Heart Alone
M3Something You Got
M4I'm Confessin'
6月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.06/08 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.413~台湾取材2018】

 今年もまた台湾特番「台湾の元気を訪ねて」を今月末に放送することとなり(年2回放送で次回は11月を予定)、その取材で5月末から1週間ほど台湾に行ってきた。この台湾特番、番組開始からもう既に18年余り、各国の観光局・観光協会が制作費を出す観光紹介番組は他局でも時々見られるが、ある国の政府が制作費を負担する本格的紹介番組は極めて稀でそれもラジオ局ならば皆無のはず、それが18年も続いているのは作り手が言うのもなんだが、正に奇跡とも言えるもの。その上台湾は国民党と民進党と言う立場・考え方が異なる2大政党が覇を競っており、それがほぼ交互に政権を担当(4回ほど政権交代あり)、その都度180度政策や人事なども変わると言うお国柄なのに、延々とこの台湾特番は続いていることも考えれば凄いことなのである(こう続くともう政府関係筋も番組を打ち切れないのかも...)。

 その特番取材旅行だが、これまでに何回も記している通り、信じ難い低経費で超過酷な貧乏取材なのである。今回は飛行機会社とのタイアップがNGになり(今や台湾人気を映し台湾便はどれも超満員)、なんと格安のLCC利用で行きはなんと羽田発が早朝の5時。息子に車を出してもらいスタッフを拾い空港着は深夜2時半。70才を超えたロートルボーイがこんな過酷な...とも思うが、そんな泣き言も言えない。LCCは初体験だったが、早朝で体力・気力を使い果たしたと言う点を除けば、これが意外に快適。座席は狭いし何もサービス無しだが、これが反って良い感じでもある。ただしこんな時間の格安エアーに乗るのは若い人ばかりで、間違いなくぼくが最高齢の搭乗者。どうにか台北・桃園飛行場に着いたが、朝早くて肝心の取材までどう時間を過ごすかも一苦労だった。

 今回の特番テーマは大きく二つ。一つは大地震に見舞われた東海岸の観光都市、花蓮の現状紹介、そしてもう一つは台湾女性達のパワフルさを...と言うことで、3世代の政界や文化人、スポーツ選手など、各方面の代表的女性にインタビューを試みると言う趣向。スタッフはぼくと番組のメイン進行役のYくん(フリーの競馬アナだが、この特番には最初から関わっている)、そしてコーディネイターで取材ツアー実質上のボスとも言えるM女史。更に通訳兼お友達スタッフとして、日本通の漫画家兼エッセイストの哈日(ハーリー/日本大好きという造語の創始者)杏子さん。この4人で東海岸の花蓮に取材を敢行、愉しくもトホホな2日間の取材旅行を終え、自強号と言う人気特急で台北の街に戻り、インタビュー取材などと言った強行日程。メインのYアナは週末には本職の競馬中継があり、数日の台湾滞在で一足早く帰京、残りは3人で様々なインタビューなどをこなし、どうにか今回の台湾取材は終了となった。


 花蓮と言う港町は今回が2回目の訪問.10年以上前の訪問時はタロコ渓谷と言う大理石で出来た国立公園紹介で、花蓮の街自体は殆ど見ていない。この街は大理石でできた建造物も多い様だが、残念ながらぼくたちはほとんど見ていない。花蓮文化園区と言う旧日本酒醸造工場跡を、色々なセンスあるショップに仕立て直したり、旧日本家屋を宿泊施設にしたりと、中々に趣向豊かで興味深い。その後は日本人民宿のご主人(台湾駐在員から民宿経営)に、地震とそれ以降の町の様子などを聞き、夜は町はずれにある大きな夜市を紹介、色々と興味深い内容になった。そして翌朝の4時、東海岸の太平洋上に登る朝日を拝みに、海岸公園まで徒歩で行き番組のイントロ部分を収録。太平洋上から昇る朝日は見事の一言で全員しばし感激、Yアナもうまくその模様を活写、いいオープニングを録ることが出来た。花蓮の街はゴミがほとんど落ちていない(捨てると罰金を科せられる)実に清潔で、環境も海・山に囲まれ実に伸びやかでいい街、食物も美味しく言うことも無しだった。

 活躍する女性の方は台湾オペラ(京劇の台湾版)の主役、南国・台湾唯一のスピードスケート選手(アイドルの様な愛らしい姿に一同感激)、そして台湾政府のお偉いさんの3人。政府高官は忙しくて取材時間が散れず、東京のスタジオから電話を繋いで取材することで話が付く。まあ一事が万事でこのような綱渡り取材も多いが、コーディネイターのM女史は文句ひとつ言わずに動いてくれる。実にいいチームである。改めて感謝・感謝、謝謝(シェイ・シェイ)な心境である。
 何回行ってもやはり台湾は人々、食、そして文化、景観など全てが素晴らしい。ぼくらスタッフは完全な台湾フリークで、愛すると言った心意気が無ければ、毎回取材費に足を出し自身で補填と言う...、こんなスリリングで金食い番組などやっていられない。しかし東京に戻るともう次回の台湾訪問を考え、わくわくしてしまう。全く魅力的でいてはた迷惑でもある蠱惑の島国です、台湾は...。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の原田和典さん】
M1 CLOSE ENOUGH FOR JAZZ /  VAN MORRISON & JOEYDEFRANCESCO
M2APRIL IN PARIS / WILD BILL DAVIS
M3THE CAT / JIMMY SMITH
M4THE SETTLEMENT / LOGAN RICHARDSON





6月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.06/01 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.412~ジャズ二刀流の新星】

 ジャズの世界では一つの楽器だけでなく、二つないし三つ以上の楽器を自在に扱う人も結構いる。管楽器、特にサックスの人は専門がアルトサックスでも、テナーやバリトンあるいはフルートなどとの持ち替えを自在に行う人も少なくないが、これが他の楽器だとそうはいない。NYと並ぶジャズタウンでもあるシカゴをメインに活躍しているアイラ・サリバンと言う名手は、サックス以外にもトランペットやパーカッションなど多くの楽器を吹きこなし、それ等を自在に扱ったアルバムも出している。その他にもオルガンとトランペットのジョーイ・デフランセスコ、「唄うベーシスト」とも呼ばれる女性二刀流のニッキ・パロットなどの名前がすぐに思い浮かぶが、楽器ではピアニスト以外のプレーヤーは持ち楽器以外にはピアノに替えると言うケースも少なくない。これは子供の頃多くの人がまずピアノを習ったと言うことが大きいのだろうが、もう一つは作曲をする場合にやはりピアノを使うということも関係しているに違いない。

 
今回はそのような2つの楽器持ち替え(と言うよりも2つを同時演奏)の若き名手として、今各方面から大きな注目を集めているNY帰りの新人を紹介する。彼の名前は曽根麻央、弱冠26才。この春発表したデビューアルバムのタイトルが『インフィニット・クリーチャー』。アルバムのキャッチフレーズは「驚異の二刀流(トランペット&ピアノ)大型新人が放つ異例の2枚組セルフプロデュース・デビューアルバム」。ジャズアルバムが売れないと言われるこの時代、それも新人のデビュー作なのに2枚組、更にセルフプロデュースと言うのだから、レコード会社の彼に賭ける期待の大きさが如実に分かろうと言うもの。この2枚組、1枚目がアコースティックサイド、そしてもう一枚がエレクトリックサイドと今の若者らしい構成になっており、アルバムジャケットもあの「マトリックス風」なハードボイルド仕様。
 それだけにデビュー前から何かと話題になっていた彼、是非番組に出演して欲しいもの...と思っていたら、担当のディレクターからTELがありゲストに呼んでもらえないか...との依頼。直ぐにOKの返事を出したが、あのジャケットなどからもかなり尖がった感じの青年が想像され、山本アナもいささか緊張気味だったが、スタジオに来てみるとこれが意外な程の好青年。茨城の流山市出身、地元期待の星として流山の親善大使(?)を任命され地元貢献もしているとのこと。しかしそのジャズ経歴は華麗にして超一流で、あのバークリー音楽大学を首席で卒業、國際トランペット協会ジャズ部門優勝、権威あるセロニアス・モンク・コンペティションでも入賞など、ジャズ関係の賞も数多く獲得、NYで数年間活動ののち、17年に帰国したばかり。

 アルバムは新人で2枚組という破格の扱いだが、その両方に日頃から付き合いのある若いジャズ仲間を集めており、気心知れた面々も目一杯その実力をフル発揮、自身のアピールにも務めている。幼少期からピアノを習い、8才でトランペットを手にし、自然に両方の楽器を扱うようになったと言う彼。凄いのはこの両楽器を同時に演奏すると言う独特なスタイルを構築していること。番組でも「ぼくがこの2つの楽器をを同時演奏しているのは、一度に聞こえてくる音楽的な情報量が多いからなんです。ライブでこの同時演奏をやると聴いている人もみんな興奮しますね。将来的にはもっと大きなオーケストレーション、映像などとのコラボレーション、様々なことにチャレンジしてみたいです」と語ってくれたが、そのスケール大きな演奏はJ-ジャズのこれからの発展にも大いに寄与するものとして、期待大と言った感じです。
【今週の番組ゲスト:噂の二刀流トランペッター・ピアニスト曽根麻央さん】
デビューアルバム「インフィニット・クリーチャー」から
M1Within The Moment
M2Beyond Gravitation
M3Isfahan
M4Japanama

5月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.05/25 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.411~日大アメフト部悪質事件】

 このジャズコラムでも再三書いているとおりのラグビーフリーク。これは半世紀以上前のぼくの高校時代に遡るのだが、当時の高校(都立進学校高校)の体育主任は後に教育大(現筑波大)の教授になる男。彼はその頃日本でただ一人の国際審判委員の資格を有しており、それだけに当時来日チームの国際試合の主任審判はその先生で、彼が常に笛を吹いていた。そんな学校だけに秋から冬にかけてはラグビー漬けの日々で、その極めつけが1月末にあるクラス対抗ラグビー大会。1年間の4分の1程は毎日ラグビーの日々だったが、その上高校3年のこの大会でぼくはトライした後ゴールラインのポールに顔をぶつけ、2週間ほど入院を余儀なくされ、これもあって(当然これだけでは無いが...)1年間の浪人生活を送らなければならなかった。
 そしてその後進んだ早稲田大はラグビーの名門。大学時代はそうでもなかったが局員になって直ぐのイングランド代表とジャパンとの「世紀の国際試合」(ジャパンが大接戦を演じた歴史的試合)を秩父宮で生観戦、再度ラグビーの魅力に取りつかれ今に至っている。更には局のH嬢の努力もあり数年前にはラグビー番組も実現、ある意味長年の夢も実現と言う嬉しくも幸せな状況にもある。

 
と長々書いてきたのだが、今回のテーマはラグビーでは無く今話題のあのアメリカンフットボール(アメフト)。このアメフト、元々はラグビーが基盤になってアメリカで誕生したもの。それだけにこの2つは決して無縁な競技ではなく、実際に早稲田、慶応などでも高校時代の有力ラグビー部員が、大学では一度アメフトを経験、その後にラグビー部に入部などと言った例も少なくない。しかし結構近いこの競技も実際の試合になると大分様相が違う。防護服とも言えるあのユニフォーム姿から見ても、アメフトの危険度はラグビーの比では無い。それだけにラグビーの倍以上の7人もの審判がグランドに目を光らせている訳なのだが、その実態はお寒いもの。TVで何回もその試合の模様が流されており、その余りのひどさに怒りが高まる日大のディフェンスメンバーによるあの悪質なファール。これはもうファールと言うよりも傷害罪を適用した方がいいもので、ラグビーならば一発でレッドカード、選手生命も断たれかねない追放もののファールプレー。しかし7人も審判がいてその事件を見ていながらも試合は続行、この選手はその後も数度ラフプレーを続け相手選手との乱闘まで繰り広げ、ようやく退場となっている。審判の権威も何もありはしないと言った有様。ベンチに帰って来た彼も結構意気揚々で、他の選手も拍手を送っているのだから...。もう何をかいわんやで、ラグビーから派生しアメリカナイズされ独自の進化を遂げたこの競技、いかにも今のアメリカならではのスポーツ...だとも言える。

 
その上問題は日大の内田と言う監督。試合前の指示でまず相手の司令塔のQB(クオーターバック)を潰すことを選手に命じ、これを実行すれば彼にレギュラーの座を約束...などと指示したという(本人は否定)。更にこの男、日大の理事会の実力者で、スポーツ部関連と全日大の事務方の人事権を握っている常務理事だとも聞き、開いた口が塞がらない。2週間後にようやく記者会見を開くと何の説明もなく即監督辞任。これで事態収拾を図る構えだが、何の解決にもならない。この事態、更に驚かされるのは、何と日大の理事長は相撲部上がり、そして筆頭理事がアメフト部等々、全くスポーツ部OBが大学全体を仕切っている独裁の世界だと言うこと。スポーツ部上がりが悪いとは言わないがこれはもう論外。これではあのぼくらの若い頃の象徴、伝説の秋田明大をトップとした日大全共闘が挑んだ、50年前の悪名高き日大当局と何ら変わっていない。正に「日大帝国」の構図なのである。全国に数百万いるに違いない日大のOB、OGが何故この事件を機に声を上げないのか。今やこの大学自体の存在意味が問われかねないのに...。

 
そしてこの事件何かに良く似ていると思ったら、あのモリカケ疑惑や財務省隠ぺいなど、一連の政治疑惑と正に構図がそっくり。何か日本のモラルが崩れつつあることは明白。その男が憲法を改正し日本を強き良き国へ...などと宣うのだから、余も終焉と言った感じで、一方の内田は辞めたがもう片方の安倍はついぞ辞める気配すらない。全く困ったものである。
 といった所で今日の1曲は、日大全共闘などの怒りが充満していたあの時代を象徴する怒涛のナンバー、ブラックネスの闘士と称えられたアーチ―・シェップ(ts)渾身のプレーが聴かれる、30分を超す力演「マジック・オブ・ジュジュ」。怒りがある種のカタルシスに転嫁されるこの演奏。いまでもロートルのぼくでさえも血沸き肉躍らせてくれる。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富先生】
今週は「ジャズトーク」。ジャズボーカルについてのお話です。
M1WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO / BILLIE HOLIDAY
M2AUTUMN LEAVES / SARAH VAUGHAN
M3TAKE FIVE / CARMEN MCRAE
M4ROLL 'EM PETE / ELLA FITZGERALD
M5I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN / DINAH WASHINGTON



5月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.05/18 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.410~祝「ミュージック・ペンクラブ:ジャパン」50周年&Oくん昇格!】 

 
先日我が家の郵便ポストにかなり大きな荷物が入れられていた。何かと思い開封してみると、中に「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン50年の歩み」と言う大判冊子と会員名簿、音楽賞の記録などの資料が入っていた。そういえば昨年会員名簿を新調するので、再度経歴などを送って欲しいと事務方から連絡があり、一応送ったことを思い出した。それがこんな立派な形になって結実した訳である。この会はクラシック、ポピュラー、オーディオのライター達が自身の権利を守ろうと50年前に作り上げた組織で、欧米では同じ組織は大分以前からあり、ここの会員はかなりな尊敬を受けているとも聞く。
 日本でも太田黒元雄、堀内敬三等の著名な先達が頑張って立ち上げた組織で、今では3分科会で160名ほどの音楽ライターがおり、ここの会員であれば一応ライターとして世間的な認識を受けられると言うことになっている。この会員になるには結構厳しい条件があり、先輩会員3名の推薦が必要なのだが、ぼく自身はかなり前から会員になることを勧められても、3名も推薦者を...と渋り続けていたが、10数年前当時の事務局長からどうしても...と言うことで先輩に頭を下げ3人を確保、晴れて「ミュージック・ペンクラブ」の会員になったと言う次第。しかし実際はここの会員になっても仕事面でそう役に立つものでもなく、会員費払い込みなども何時も遅れ気味、会長自から(現在の会長はポピュラー評論の大家鈴木道子氏)連絡をしてきて、初めて会費を払うなどと言うトホホな事態も何回かあるほどで、およそ模範的な会員とは言い難い。しかしこうした立派な50年史や会員名簿などを見ると、もっと積極的に関わらないといけないなー...とつくづく感じいる、反省!

 
また「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン音楽賞」の方も既に今年で25周年。毎年ベストアルバム選考リストは事務方に送っているが、会への協力はこれ位なもの。ぼくが所属しているポピュラー部門の昨年度最優秀賞は坂本龍一の『async』、そして作品企画賞はぼくも1票を投じた「上原ひろみ&エドマール・カスタネーダ」などであった。新装なった会員名簿もなかなかに立派なもので、ポピュラー部門の会員は60名ほどだが何れも40代半ば以上。もう少し若いライターが入会しないとこれからの権威付けも難しそうだと言う感じもありあり。まあでも自身の経歴などを見ていると、何か誇らしさを感じるのもまた事実で、こんなならばもっと積極的に...とも思うのだが、そこは無精なだけにそうもいかないのもまた事実。何れにせよ「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン」設立50周年、あっぱれを献上したい。
 
そしてもう一つお目出度いことと言えば、このジャズコラムを長年担当しくれている営業部長のOくんが、その秀逸な働きを認められ今回いよいよ局長に昇進したのである。おめでとう0局長。仕事も出来て人柄も良いと来れば営業局長昇進も至極当然のこと(これは当然お世辞も入っているが...)と言っておこう。放送局の制作プロデューサーなどと言っても所詮はサラリーマン。となるとやはり他人の昇進は気になるもので、ぼくがまだ現役の局員ならばここで影口の一つでも叩きたくなる処だが、今は悠々自適の身、O君の昇進を心から喜びたいと思う。これからは色々と忙しくなるはずだが、当面はまだこの担当を続けてくれるとのこと、有り難い限りである。これからもよろしくね。
 
最後にもう一度感謝とお祝いの念を籠め、謝・謝!

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの栗林すみれさん】
3月・4月と連続リリースされた二部作「PIECES OF COLOR」「the Story Behind」から
M1Water Flow
M2Long Roller Slide
M3Children's Mind
M4Halu

5月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.05/11 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.409~信濃追分春景色2】

 先週に引き続き追分の山荘滞在記を...。5月のGW大体天気も良くお山(浅間山)や八ガ岳そして北アルプス連峰まで見渡せる日も多かった、この期間後半は4連休、いつもはひっそりと閉ざされている各別荘も、流石にこの時期はどこもオープンされそれなりの賑わいを迎える。ぼくのいつもの早朝散歩コースは、御影用水からその下の越生学園グランド周辺迄、およそ1時間余りを速歩で行うのだが、この時期はどこの別荘が開いているか...と言った探索も兼ね、用水の上部の方~ここはかなりな高級別荘地帯、、あの悪名高き(?)「オスカー・プロ」の社長さんや美容コンサルタント、イッコウさんなどの別荘、そして四谷の有名レストラン「ミクニ」の軽井沢店などが散在する、森深き一帯を歩くことにしている。特にオスカー別荘などは堅固な要塞といった趣きもあり、いささか静かな別荘には似つかわしくないとも言えそうだが、これはこれで又良しなのだろう。そんな中を早朝トレッキング・ポールを携え歩き廻る、これもまたなかなかに乙なもので、この一帯の散歩では雉の姿を見掛けるのもしばしば。なかなかに御愛嬌でもある。


 さて今回はGW明けに、軽井沢の病院での眼科検査などもあり、およそ10日ほどの長滞在。その間色々と車で走ったり歩き廻ったりして、今までは気づかなかった嬉しい新発見も幾つかあった。まず第一は新しい温泉、八千代温泉「芹の湯」を見つけたこと。この温泉間違いなくこの地域の秘湯と言った感じで、温泉案内書などでも見掛けたことも無い。ただこの地域と言っても正確には群馬県下仁田町。軽井沢と下仁田の街との中間位の山中に位置する秘湯なのである。この温泉自体は、時々下仁田のインターで降り、軽井沢まで山登りする途中の集落に案内が出ていて気付いてはいたが、なんてことも無いお風呂だろうと推測、まさかこんないいお湯だとはついぞ知らなかったし、殆ど知られていない筈。ここがいいよと教えてくれたのは、軽井沢で最も美味なカレー専門店「アラ・ガール」(中軽井沢駅前)の奥さん。軽井沢からは車で下ること40分程、集落の案内板からも10分ぐらい山にわけ入った人家など無い秘境の地。こんな所に良く温泉が...と言う感じなのだが、いざそのお湯に浸かってビックリ。決して広くはないが小じんまりとした好い雰囲気の温泉で、なによりその泉質の素晴らしに驚かされる。一寸なめてみるとこれが実にしょっぱい。いわゆるナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉でこれほど塩分の濃い温泉もかなり珍しい。本当にたまげてしまった。各地の温泉を巡り、特に関東・甲信越の温泉は知り尽くしている筈の、温泉マニアを自称するぼくも、今回ばかりは脱帽もの。「姫街道の隠れ湯」とパンフレットにあるが、下仁田と軽井沢を結ぶ裏道路(=姫街道or
もみじ街道)にこんな秘められた良所があったとは...。2時間ほどいたがその間に訪れたのはたったの一人だけで、それもどうやらジモッティ。まだまだこんな温泉があるんですね。東京に帰ったら直ぐに温泉好きの愛好家達に教えないと...と一人ニヤッとしたが、彼らのうちの何人かはもう既に入っているかも知れません...。

 そして今回の山荘滞在での次なる発見は、小諸の市立図書館。軽井沢の図書館は数年前に新装なって素晴らしい施設になったのだが、小諸市図書館はこれを上回るもの、是非行ってみるべし...と知り合いから発破を掛けられ足を運んでみると、これがその通りの素晴らしさ。蔵書数も多いし何よりレイアウトが抜群で見易く、閲覧スペースも最高。1年半ほど前に新装なったこの図書館、これまで公立図書館で最高なのは家の近所では府中の市立図書館と信じていたが、小諸もそれに匹敵し、実に使い易く蔵書も豊富なグッド図書館だった。その上東京住まい(追分に山荘があるとは言え)のぼくでも、10冊まで貸し出しも可だと言う。なんという太っ腹で好待遇。直ぐに図書カードを作り限度の10冊まで借りてしまった。そうなると今回の10日ほどの滞在で、軽井沢、御代田、そして小諸と3か所の図書館で借りた本がなんと20冊余り。そのうち4冊ほどが絵本だけにどうにか読み通すことが出来た。それにしても欲張りな男だとつくづく思ったが、これで山荘暮らしもぐっと愉しみが増えた。せいぜい頑張って読書に励まねば...。


 そしてもう一つ嬉しいことは、あの改装中の「カフェ・グルマン」が、いよいよ7月頭には再オープンだと言う。マスターの平井さんは孤軍奮闘、再オープンに向けて一人で改修工事中。もうそれなりにお年の筈(ぼくよりは若い)だが少しも疲れを見せない。今までのカフェ店舗部分は2つの宿泊部屋に作り替えられ、お山の姿を眺めるのには軽井沢随一とも言えるオープン・バルコニー、そこはカフェ&ダイニングのメイン・ルームで、周りを壁で囲った本格的なダイニングルームに作り変わる様だ。それに伴い慣れ親しんだ「カフェ・グルマン」と言う名称も、カフェ&プチホテルに相応しいフランス語名に変わる可能性大とのこと。渋い風情のカーペンターと言った趣きで貫録充分な平井さんが、色々説明しながら案内してくれる。再オープン以降はぼくの様な庶民にはそうそう気軽に通えなくなってしまうのは、いささか寂しくもあるのだが、またまた素敵なカフェ&洋風旅籠屋になること請け合い。私設応援団としてはPRなどお手伝い出来ることがあれば、どんどん指示して欲しいと彼に伝え、工事中の現場を後にしたのでした。

 さて今回の1枚はヴィクトリア・トルストイの『ホワイト・ラシアン』からお馴染みの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。この時期にヴァレンタインとはいささかピント外れかも知れないが、山荘のCD整理の最中に見つけ出した1枚で、北欧の美形シンガーだが話題は彼女があの文豪トルストイの直系だと言うこと。どうしてスエーデン在住なのかは知る由もないが、革命時代に曾祖父が欧州に亡命しこの国に流れ着いたのかもしれない。そんな彼女はジャズ系シンガーソングライターといった趣きで、このアルバムではスタンダードはこの1曲のみ。これがかなり意欲的な唄いっぷりでいいんです。バックも同地の有名ミュージシャン達で、もう10年以上前のアルバムだけに廃盤なのかも知れないし、彼女がまだシンガーを続けているかもしかとはしませんが、このスタンダー仲々に拾いものとも言えるお勧め曲です。
【今週の番組ゲスト:名古屋を拠点に活動されているDear Blues のピアニスト 中嶋美弥さん】
4thアルバムの「Walking Cats」から

M1inception

M2MofMof

M3Something hot

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5月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.05/04 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.408~信濃追分春景色】

 GWは追分の山荘に居る。と言うのもGW明けに御代田の病院で眼科の検診があり、帰京する訳にもいかず山荘生活が続いている次第。この総合病院には実は結構、縁があり、ボケてしまった母親はこの病院で数か月程入院、ここで最期を迎えてしまった。地方の総合病院だけに施設は今一つだが、ここの眼科は東信地区でも大評判、遠く上田市や佐久市からも患者が押し寄せかなりな賑わい。昨年の夏、目の出来ものを見てもらって以降の付き合いで、元々糖尿病の気のあるぼくだけに緑内障などの危険性も指摘され、それ以来ここに通っているのだが、流石に山荘が水止めしてしまう冬にここに来ることは出来ず、今年はこれが2回目。検査はいささか心配だが、どんな結果が出るか...。

 ところで4月末から5月初めのGW、軽井沢周辺は流石に少し人も込み合っているのだが、以前に比べると思った程でもない。軽井沢駅前のアウトレットにさえ顔を出さなければ、人込みとか渋滞と言った感じも余りない。この時期は早朝の散歩が最高で、御影用水の畔を回り一周1時間余り、以前はバカ犬ピーちゃん連れだったのでなんてことも無い散歩コースも、一人で歩くとこれが結構きつい。ただ木々は芽吹き、小鳥達も活発にさえずり、快適感この上なし。特に雉の「ケーン、ケーン...」と言う甲高く鋭い鳴き声が最も印象深い。実際に散歩の途中で雉の親子連れに出会うこともしばしばで、犬連れの散歩者などと出会わないかといつも心配になってしまうが、そこはどうにか雉の方でもやり過ごしているようだ。御影用水と言えばもう一つ、以前ここにはぐれ鴨が3羽住みついており、散歩のときに彼らに出合うのが楽しみだったが、5年ほど前に用水の補修工事で全ての水を抜き、彼らの居場所が無くなってしまい、野犬に殺されたりと全滅と言う悲惨な目にあったとも聞く。それが今年もまた数羽の鴨が用水で遊んでおり、前のはぐれ鴨のように用水に住みついてはいないが、たまたま遊びに来ているとしても、彼らの姿を拝めるだけで気持ちもホッと安らぐ。

 追分の山荘から軽井沢の街までは車で15分ほどだが、渋滞に巻き込まれるとこれが1時間以上、そんなこんなあって余り街には出ないのだが、先日は知り合いが来たので久しぶりに軽井沢旧道にある名門中華料理店「営林」に行ってみることにした。営林の本店は赤坂、たんぱ時代に局の仲間と共に良くこの店に通ったもので、行きはタクシーの相乗り、帰りは赤坂から局まで20分ほど歩いて帰るのが、何時ものコースだった。営林と言えば「スーラ・タンメン」の元祖とも言える銘店。注文するのは決まってこの「スーラ」だったが、局が虎ノ門に移りぼく自身も週に1~2回の出社とあって、もう数年はこの本店に行っていない。軽井沢店も4月半ばにオープンし11月初めで閉店と言うスケジュールになっているが、知り合いでも来ない限りまず訪れることも無くなってしまった。と言う訳で知り合いも昔この店に通ったとのことなので、久しぶりに軽井沢店を訪れてみよう、となった。営林は軽井沢のメインストリートに鎮座しているが、軽井沢の本拠とも言える旧軽井沢の店舗も、昔から残っているのは本当に少なくなってしまい、浅野屋ベイカリー、ブティックの「サンモトヤマ」など数件だけ。軽井沢新聞が出している軽井沢の案内書に1990年代の旧軽井沢図と言う面白い地図が載っているが、それによれば軒並みかつての銘店は消え去ってしまっている。そんな中にあって営林は一人気を吐いているお店。それだけにもっと通い詰めなければ...とも思うのだが如何せんお値段がお高い。その上軽井沢店はリゾート店と言うこともあり、本店に比べ数百円割高なのだ。局員時代はそうも感じなかったが、セミリタイアの今のぼくとしてはこれはかなり応える。しかし久しぶりの「スーラタンメン」、食すると流石に美味だった。ぼくは中華麺は細麺だと味が良くてもまずダメで受け付けない。しかしこの"スーラ"は細麺、それが少しも気にならなく美味しく食べれるのだ。摩訶不思議だし、矢張り絶品の中華麺である。なにをおいてもお勧めの逸品。


 そして嬉しかったのは、お店のバックミュージック。今や高級中華料理店で掛かる音楽は殆どがジャズ。丁度ぼくらがいたときはセロニアス・モンクのソロアルバムがかかっていた。「ラウンド・ミッドナイト」「パノニカ」等など。山荘で村上春樹の編・訳のエッセイ集「セロニアス・モンクのいた風景」(新潮社)を読んでいた時だっただけに、その偶然の一致に一寸びっくりした。この本は春樹が巻頭にモンクについてのエッセイを記し、それ以外はロレイン・ゴードン、レナード・フェザーなどと言った大物ジャズ関係者が彼についての想い出を記したもので、訳は当然村上春樹自身。そう言えば昔国分寺の「ピーター・キャット(彼がやっていたジャズ喫茶でその後千駄ヶ谷に移転、作家として有名になって閉店)」でも良くモンクが掛かっていたことを思い出す。彼はエッセイの中で「極北でとれた硬い氷を奇妙な角度で有効に鑿削っていく様なピアノの音を聴くたびに『これこそがジャズなんだと思った』、それによってしばしば温かく励まされた」と記しているが、ぼく自身も営林での食事のバックに流れるモンクの厳しくも暖かなピアノソロに、生き続けることの意味合いを温かく教え示されたような気分になったものだった。
【今週の番組ゲスト:ジャズシンガーの高樹レイさん、フレットレス べーシストの織原良次さん、プロデューサーの江口丈典さん】
1月にリリースされた三部作完結編の「Duo three」から
M1 Fly me to the Moon
M2 My Favorite Things
M3「鳥の歌」
M4 Infant Eyes



      
4月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018.04/27 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.407~山本郁アナ代打コラム】

 皆さん、お久しぶりです。テイストオブジャズの進行役をしています山本郁です!今回小西の代打で10年ぶりにコラムを書かせて頂きます。
 
あ、代打といっても、何かあったわけではありません。小西は元気です。年相応に少々呆けていますが、至って元気ですので御心配なく。

 もう16年、このコンビでテイスト・オブ・ジャズをお送りしているわけですが、以前から時々書いて来たように、まあ、とにかくマイペースなオジサンで、ちょいちょい「しでかして」くれるわけです。そうして私の中にストレスが堆積していくので、たまに吐き出さないといられないという事で、今回ペンを取りました。