10月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.10/20 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.380~ハローウィンとジャズ】

 ここ10数年、9月半ばぐらいから10月にかけて、街は異様なカボチャのおもちゃやお面などで埋め尽くされる。所謂「ハローウイン」祭りである。それまではほとんど見掛けなかったもので、オールドボーイのぼくなどは関心も無かったのだが、アメリカから渡りじわじわと若年層や女性陣に浸透し始め、今では秋の一大イベントと言う認識も高まり、街は仮装の若者や子供で溢れかえる。本場アメリカなどではこのハローウイン、恐ろしい仮装集団が実際に街や人を襲うなどと言う、いかにもあの悪漢トランプを生み出した、悪しき大国ならではの事態がここ数年起きているとも言われ、この流行は間もなく付和雷同型社会の日本でも起きるの
では...とも考えられる。しかし多くの連中は果たしてこのイベントがどんな起源を持ち、何時がその当日なのか...、意外と知らないものと思えてならない。と言うことで好奇心旺盛のチャンジー(じい様)でもあるぼくが、恥を忍んで調べてみるとこれはなんとあのケルト民族(アイルランド)由来の収穫祭が起源。そこでは人々が仮装して悪霊を追い払い収穫を祈願するのだそうで、お祭りは10月30日と決まっているとのこと。そうなるとこの日に都心の盛り場~特に渋谷が凄いようだが、そこに出没しなければ仮装した馬鹿な悪ガキたちにも会わずに済むと言うもの。数年前たまたま運悪くこの夜に渋谷の飲み屋で打合せ、帰り道はひどい目にあったので、この10月30日と言う日、オールドボーイ達はしっかりと心に留めておかねばならない。

 
それにしてもこのお祭り、ヨーロッパ移民の中でも最も新参者でもある、アイルランド移民によって新大陸アメリカに持ち込まれた訳だが、今では宗教色は皆無でただ単なる仮装のお祭り日(子供主体だが)と成り果ててしまい、それを秋に何か新たな商売ネタをと考えていた日本の広告業界と流通業界の結託で持ち込まれ、今の異常な隆盛になったと言う次第だ。こんなことに熱中する位ならばもっと政府内閣をしっかり監視する方にでも精力を注げば...とも思うが、それもオールドボーイの孤独な嘆きなのかも知れない。もう世も末である。

 
さてこんな忌まわしきハローウインだが、これを商売のタネにと考えるのはどこも同じで、音楽業界も右に倣え。この時期には「ハローウイン・ミュージック(ハローウインにぴったりな音楽)」なるコンピレーションアルバムもいくつか登場している。ただその多くはなぜかその起源を尊重してか、宗教的色彩の濃いクラシックのコンピレーションアルバムである。そこでぼくのハローウイン関連ジャズナンバーのお勧めを一つ。現代屈指のジャズピアニストの一人、チック・コリアが自身のトリオで吹き込んだ「グレート・パンプキン・ワルツ」。これは『ハッピー・アニバーサリー、チャーリー・ブラウン&スヌーピー』と言う一頃大人気だったジャズレーベル「GRP」が企画したアメリカンコミック「ピーナッツ」関連オムニバスアルバムに収録されているもの(70年代初めの録音)。このコミックならではの愛らしさ全開のジャズワルツで、少しのおどろおどろしさも無い所がなんとも微笑ましくてグッドです。

 
それにしてもこんな仮装のお祭りにうつつを抜かすならば、もっと他にも骨太のものがある筈で、今年はあの革命児チェ・ゲバラの没後50年。少しは彼の生きざまでも...などとも思うが、それならばおまえ自身は...と問われると返す言葉も無い。チェ・ゲバラに関しては大メジャー「ユニバーサル」が、その没後50年を期して「チェ!アフロキューバン・ジャズ」というジャズラテンの素晴らしいコンピレーションアルバムを出してくれた。ディジー・ガレスピーからチューチョ・バルデス、ミッシェル・カミロまでどれも血沸き肉躍る熱演・快演が全14曲、興奮しまくりです。仮装なぞを止め熱き志で...とオールドボーイの繰り言を再び。

【今週の番組ゲスト:SHOTA LEE BIG BANDのリーダー李 祥太さん】
5月にリリースされた1st アルバム『希望峰』から

M1Starting Line
M2「A Simple Pleasure」
M3Kibo-ho

M4But Beautiful
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10月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.10/13 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.379~温泉三昧】

ぼくのようないい年令をしたオールドボーイともなると、どうも出不精と言うか外で行動するのが何かと億劫になってしまう。以前だとあそこはいい温泉だ...などと聞けば、速攻で行動を起こしたものだったが、最近は余りそんな気にもならない。時間はたっぷりあっても、先立つもの(お金)が無い...と言う悲しい現実があり、まずはそれが大きな理由だが、それと同時に何事にも行動する意欲が沸かなくなっており、腰が重くなっているのである。

 
まあこんな具合だからこの所新しい温泉探求もほとんど行かなかったのだが、少し前に追分の山荘に滞在した折、思い立って以前から行きたかった妙高・黒姫近郊の妙高温泉群(頚城温泉群とも言える)の温泉を訪れてみることにした。妙高山には未だ登ったことは無いのだが、黒姫・飯綱と言った北信を代表する幾つかの山(妙高など北信五山と呼ばれる)の頂は数度踏破している。この山塊の主峰、妙高山にも山仲間から誘われ、火打~妙高と連なる素晴らしい縦走コースを歩くはずだったが、特別番組の取材が入ってしまい山行は直前でキャンセル、その時の悔しい思いもあるだけにこの近郊の温泉探訪は、是非実現したいとも思っていたのだ。それと同時にもう一つ行きたかったのが上越高田市。古くからのこの城下町は雁木街など独自の冬風景が残っている印象深い街で、妙高地区温泉群からは30分ほどの所。

 
当日は早朝に追分の山荘から信越道を走り、2時間弱ほどで高田市に到着。城跡やこの町を代表する日本画家、小林古径のアトリエなど市内の名所を巡り、この古都を堪能した。その後一路直江津に向かう。ここは上杉謙信など上杉氏のお城跡=春日城があり、これが完全な山城。上まで行くのにそうはかからないだろうとタカを括っていたらこれが大間違い。たっぷり30分近い山登りで、かなりな汗をかいてしまった。昔の人はこんな所を軽々と昇り降りしていたのだから、その足腰の強靭なことを実感、同時に自身の体力の衰えもだが...。その上に下山道を誤って大回り(道標にも誤りあり...)、なんと上りの倍以上の時間がかかってしまった。トホホな城跡巡りだった。

 
これで相当時間を食ってしまったので、真っ直ぐに妙高温泉群の関温泉に向かう。妙高山は2000メートルを越す越後随一の名山でその麓には赤倉、関、燕、妙高、杉野沢など数多くの温泉が湧き出しており、大きな温泉群を形成している。その中で最も有名なのが赤倉温泉だが、そこから大分高い所にあるのが燕温泉(本当に山奥でここに数軒の旅館あり)で、そのすぐ下に位置するのが関温泉だ。標高1500メートルを越える高山温泉で古くからの湯治場兼スキー場。今スキー場は若者のスキー離れでなかなか成り立ちが難しいようで、関温泉も例外でなく寂れた感じが強く、ぼくのような温泉好きにはそこがまた応えられない所でもある。泊まった宿もスキー客がメインで、日頃は余り泊り客もいないと嘆いており、その日は平日と言うこともありお客は誰もいなかった。こうなるとお目当ての温泉は貸切状態で言うことなし。その上温泉の質も硫黄泉の掛け流し、久々に良質なお湯を堪能した。

 翌日は早朝にそのすぐ上にある燕温泉の無料露天風呂に入湯、これまた妙高山がすぐ真上に見える絶好のロケーション。時間も時間だけに当然誰もいないので、お湯を独り占めで久し振りに温泉の醍醐味を堪能した次第。ここには河原湯と山の湯と言う2つの無料露天風呂があり、河原の湯の方が一般にはお勧めとのことだが、こちらはいささか遠いので山の方にしたのだが、妙高山の突峰がすぐそこに見え、山好きにはたまらない場所で、是非皆さんにも推薦したい。この日はもう一軒池の平温泉(ここは以前来たことあり)にも浸かり、温泉堪能旅は終了。

 
この後はこれも一度是非行きたかった黒姫高原の「童話館」に足を延ばした。この黒姫にはあの童話作家、岩崎ちひろさんが別荘を構え執筆活動に励み、他にも色々な作家の別荘がある場所。広々した高原で、黒姫、飯縄、主で峰の妙高と北信の3名山が見事に見渡せる素晴らしいパノラマ。そこにある童話館は、妙高町が管理する名称通りの童話を扱った美術館で、岩崎さんの別荘も移築されており、自ずと童心に帰れる場所。アメリカの絵本作家、モーリス・センダグの代表作「怪獣たちの住むところ」の特大ポスターを買い求め、また追分の山荘への帰路についた。温泉、ファンタジー、コスモスなど秋の花々...、たっぷり秋を満喫した2日間でした。
 
今回の1曲は、センダグ風な童心とジャズの熱情溢れるジャズファンタジー、今巷で話題の上原ひろみとエドマール・カスタネーダの共演ライブ盤から、ひろみのオリジナル「ファイアー」と言うことにしましょう。特大ポスターは山岳写真家の山写真と一緒に、山荘の壁を大きく彩っています。

【今週の番組ゲスト: スティールパン奏者の山脇妃見子(きみこ)さん】

初のリーダーアルバム
1 ~Talking much about oneself can also be a means to conceal oneself~から
M1Chicken or Egg?
M2Stamp
M3Caribe
M4My Favorite Songs by Panorama 2K17
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10月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.10/06 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.378~ある天才ドラマー】

 かつて一人の天才ドラマーがいた。15才でプロデビューを果たすと「天才少年ドラマーあらわる!」と称えられ、当時の様々な人気バンドに参加、その後バークレー音楽院帰りの渡辺貞夫バンドに招かれ、サダオさんと共に日本のモダンジャズの黎明期を担い、最高のドラマーとして自他ともに認める抜群な存在だった。富樫雅彦である。その彼が亡くなったのは2007年8月、享年67才。

 
ぼく自身は彼の最盛期のプレーを同時代では耳にしたことは無く、たぶん数回だと思うが、それでも豪放にして繊細、凄みあるそのドラミングは実感できた。まさに鬼才にして天才だった。彼は若くしてプロになった人だけに、あの古き良き悪しき時代のジャズの風習~様々に荒れたジャズライフにべったりと浸かった所もあり、少しの間「塀の中」にもいた筈(?)である。そんな彼が70年に不慮の事故(女性に刺される)で半身不随になってしまい、ドラマーとして再起不能か...と言う話まで出たが、ある特殊なドラムを開発、車椅子生活ながらもドラム打楽器奏者として見事にカムバックしたのだった。ただこの事故で脊髄がダメになってしまったことなども影響し、2002年には現役引退、以降は作曲・絵画制作に専念した。

 
この不慮の事故(?)をよく覚えているのは、その事故を知らされたのが当時の人気ジャズ雑誌「スイング・ジャーナル」が毎年正月明けに開催するホテルでのジャズ・ディスク大賞授賞式の場だったからである。確か富樫さんのアルバムもその候補作に入っていたのでは...と思われるが、パーティでの立ち話の最中このニュースが知らされ、多くの参列者が一瞬青ざめたのである。「もうドラムを叩けないのか...」等悲痛な声も上がり、みんなが心配した場面を今でもはっきりと覚えている。

 
それからの闘病と新しいドラムでの修練の日々。両手だけで演奏する独特のスタイルを獲得するまでは、本当に大変だったと思われるが,天才は見事に復活、スケールの大きな幽玄とも呼べそうな独特な富樫パーカッション・ワールドを築き上げたのだった。ただ思う様にプレー出来ないのと病の進行もあり、ついにスティックを畳んでしまうこととなり、作曲と絵画にのめりこんでいったのだった。その彼が書いた作品が素晴らしいと、彼の死後仲の良かったピアニスト、トーサさん(佐藤允彦)が気付き、自身のアルバムで数曲取り上げ、それがちょっとした評判を呼んだ。それを聴いたあるレコード・プロデューサーが、トーサさんを始めサダオさん、洋輔さん、日野さん、そして厚ちゃん(峰厚介)と言った、日本を代表する彼のかつての仲間達5人を招き、彼の書いたバラードナンバーを取り上げるアルバムを作りあげたのだった。

 
『マイ・ワンダフル・ライフ』。この作品は当時のスイング・ジャーナル誌「ジャズディスク大賞/日本ジャズ賞」に輝くことになる(ぼくもこの作品をべストに推した)。そして今年はこの天才ドラマーの没後10年目、そこでこのオリジナルアルバムに富樫さんのドラムソロを前後に2曲配置し、新たな形でこの名盤のEX盤と言う形で再発することが決まったのだった。

 番組ではこのプロデューサー、「ラッツパック・レコード」代表、棚橋まきと氏をスタジオに招き、色々と富樫さん自身やこのアルバム企画動機などについて、お伺いをすることにした。彼のそしてその作品の素晴らしさは、トーサ・洋輔と言う2人のジャズ界を代表するピアニスト達の言葉に表されていますよ...と棚橋氏は言う。「彼と共演すると、身体中の細胞が洗い直され、磨き直される感覚がある」(山下洋輔)、「たった一音聴いただけで誰と分かる、音楽を創るものの最高評価を、彼ははるか以前から獲得してしまっている」(佐藤允彦)。これ以上の誉め言葉はない。この審美的で創造的でもあるジャズアルバムは、今年の芸術祭レコード部門賞の大賞候補にノミネートされているとも聞く。アルバムが芸術祭賞を受賞、真の天才でもあったこの富樫雅彦と言うドラマー・打楽器奏者に、再びスポットが当たることを切に願っています。


【今週の番組ゲスト:ラッツパックレコーズの棚橋牧人さん
】7月20日にリリースされた『My Wonderful Life EX富樫雅彦バラードコレクション』から5曲紹介します。
M1My Wonderful Life / 佐藤允彦 渡辺貞夫」
M2
Reminsce'63 / 佐藤允彦 日野皓正」
M3
Memories / 佐藤允彦 峰厚介 」
M4
Waltz Step / 佐藤允彦」
M5
My Wonderful Life / 山下洋輔」

9月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.09/29 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.377~横浜ジャズプロムナード】

  このコラムでも記したように、ぼく自身大いに楽しみにしていた、横浜赤レンガ倉庫街特設ステージで開催予定だった「ブルーノート・ジャズフェス」が、目玉のスティール・ダンの片割れ、ドナルド・フェイゲン急病の為来日中止、それに伴いフェス自体も取りやめになってしまった。残念だが致し方ない。そこで同じ横浜での街イベント、ジャズフェス「ジャズプロムナード」への期待がいやが上でも高まる。このフェス今年でなんと25回目、大小8
つほどのホールで昼から夜まで数多くのステージが組まれ、その他にもジャズクラブライブや屋外ライブなども数多い。参加ミュージシャン数、ボランティア数、観客数など、我が国屈指の規模を誇る一大ジャズ祭典のこのフェス、ぼくは初回から聞きに行っているがもう25年も経ってしまったと言うことでまさに光陰矢の如し、歳月の速さに驚かされる。観客のぼくでさえそうなのだから、初回から関係して来た横浜ジャズ協会の面々はもっとその想いが強いはずだろう。

 
さて我がジャズ番組では、このジャズフェスについて初回からほぼ毎回その内容を紹介して来ており、紹介役はフェスのプログラム・ディレクターでもある柴田浩一氏。彼は毎回このフェスに登場する、プレーヤーやシンガーを連れてスタジオに遊びに来てくれ、これまでにも向井滋春、板橋文夫、平賀マリカなど数多くのミュージシャンがゲスト登場している。今回彼が同行したのは中堅ピアニストの板垣光弘。地味だがしっかりとした技巧を誇る実力派。確か10年ほど前にデビュー作を出した時に番組に登場してくれた筈で、なんとそれ以来のこと。「久しぶりですね...」と挨拶を交わす。柴田氏はこのフェスの運営役の横浜ジャズ協会の中心人物で、国の内外を問わず多くの参加希望者が集まる中、それらを取捨選択し全体のプログラムを組み立てていく。仲々に難しい役割をもう25年に渡って続けており、それだけに多くのミュージシャンとの付き合いがある。特に彼のお気に入りは鬼才ピアニストの板橋文夫。毎回彼はフェスのトリとも言えるラストステージを関内大ホールで開催、自身のフルバンド、ピアノトリオ、ソロなどをミックスした形で延々2時間半ほどステージなのだが、今年もまたそのトリの役は彼だとのこと。

 
今回ゲスト登場の板垣氏は、柴田氏が以前からフェスに登場してもらいたいと思っていた実力派ピアニストとのことで、シンガーの伴奏役などではフェス登場はあったが、自身のトリオでの参加は初めてとのことで、板垣氏も張り切っている。彼のステージがあるのはNHK横浜放送局の玄関大広間。これは柴田氏が担当する、NHK横浜局FM放送のジャズ番組特別企画(4時間近い生放送)で、彼など4つのバンドが登場し、生演奏を披露すると言うもの。ぼくも2回ほどこのステージを見たが、観客も多くミュージシャンも生演奏でかなり張り切っており、スリリングな演奏を聞かせ、柴田氏のインタビューも途中に挟み込まれるなど、ラジオ放送としても面白いものであった。
 
このフェス今回もまたフィンランドやイタリアと言った欧州各国、そして本場アメリカからもデトロイト・ジャズフェス・スペシャルバンドなどが登場、国際色豊かなステージを繰り広げてくれる。またこれらと並ぶ目玉ステージは、先日亡くなったペギー葉山さんを偲んで、ブルーコーツ・ジャズオーケストラが、佐藤マサノリと堀江真美と言う男女のボーカリストをフューチャーして行う「ありがとう ペギーさん」。またモダントランペットの創始者、故ディジー・ガレスピー生誕100周年を記念し、高瀬龍一、類家心平、中村啓介など日本を代表する5人のトランぺッター達が、彼の業績を偲びペット競演を果たす異色ステージなどである。またこのフェスに共催するジャズクラブも全部で20数軒。それぞれでジャズステージが組まれる訳だが「今も昔もジャズは横浜!」とパンフレットにあるとおり、さすがジャズの街、横浜ならではである。
 
10月7日(土)8日(日)の2日間開催なので、是非秋の一日、港町そしてジャズの街でもある横浜に行ってみたらどうでしょうか...。

【今週の番組ゲスト:横濱ジャズプロムナード プロデューサーの柴田浩一さんとピアニストの板垣光弘さん

1078日に開催される「横濱ジャズプロムナード 2017」をご紹介頂きました
M1
It Don't Mean A Thing / ブルーコーツオーケストラ+佐藤マサノリ、堀江真美」
M2Waltz for Debby / 板垣光弘」
M3Shiny Stockings / 和田明」
M4The Blue Bird / 板垣光弘」



9月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.09/22 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.376~あのころ...】

 このジャズコラム、毎週続けるのが結構きつく感じる時もある。何をテーマにしたらいいか迷うと言うか思いつかないのだ。このコラム、純生ジャズテーマだけに絞ったものだったらば、もう今頃はギブアップしていたかも知れないが、ラグビー観戦、山行、ハードボイルドノベル&フィルム、そして温泉などなど、かなり好き勝手に書き綴っているからこそ、前のシリーズからして10数年間も続けて来れたのだ...とも言えそうである。そして今回だが、またまた何を書こうかと悩んでしまい、丁度ラグビーシーズンも始まり台風通過の中、神奈川県海老名市の相模川脇のグランドに、早稲田大ラグビー部のシーズン初戦(対日体大戦)をずぶぬれになりながら観戦したその模様でも...と思っていたら、担当のO部長から「弱い早稲田ラグビーに関するコラムなんて、しょうがないでしょう...」と言う当然なダメ出しを受け、又々振出しに戻ってしまった。

 
さてどうしたものか...と困っていた折、丁度お彼岸も近いので久しぶりに両親の墓参りに鎌倉の霊園にでも行こうかと言うことになり、その途中の車内でラジオを付けたらば(NHKFM)「アルフィーの...」と言う1時間番組。その回は高見沢と桜井の2人の担当日(メンバー3人のうち2人が担当)、貴方のお気に入りは...と言うテーマで、彼らの持ち歌へのリスナーからのお気に入りリクエスト、そして彼ら自身の想い出のナンバーなどを交え、2人のトークで綴る内容。リクエストで掛かる彼らのナンバーはどれもちっとも面白くないが、彼らの想い出のナンバーは「スリー・ドッグ・ナイト」の「ワン(ニルソンのヒット曲)」。彼らはアルフィーが学生時代(明治学院大)から憧れたロックコーラスユニットで、同じ3人組だけに参考にした所も多かったなどと、その思い出を語っている。アルフィーも今年で40周年らしく、そこで最初の数年は売れずに本当に大変だったとも2人は語っていたのだが、丁度その頃(70年代の終わりころ)ぼくは彼らといささか関わりを持っていたので、その頃の話が大変に懐かしくも感慨深かった。

 彼らは今や芸能界の一大勢力となった「田辺エージェンシー」の所属で、ここの社長は今や芸能界のドンとも謳われる、かつての「ザ・スパーダーズ」のリーダー&ドラマーの田辺昭知氏。その相方の川村龍夫氏との両輪で、丁度その頃は会社発展の一途。マチャアキこと堺正章、売れ始めたタモリこと森田一義が田辺AG所属で、この2人のおかげで、こことは何かと関係も深く、正月特番(3
時間だった)などはタモリ、研ナオコなど、ここの看板スターを毎年使って作っていた。そんな田辺所属のスター特番の添え物的扱いで登場したのがアルフィーであり、その一員の坂崎君とも仲の良かった、拓大を出たばかりの所ジョージなどであった。そしてこの特番には、まだ売れない頃の漫才コンビ「ツー・ビート」も顔を出し、タケちゃんも出し物を披露したりもしていた。この当時のマネージャーS氏は、「好い連中なんでぜひ使ってやってください...」とよく頼んで来たものだが、お笑いのセンスもある坂崎君以外は余り使い道が無いようにも思えた。
 その頃は本当に彼ら自身も迷っていた最中で、数年後にはあの「メリーアン」で大ブレークする訳だが、もう少しあの時何かで起用して恩を売っておけば...とも思うが、それも今となっては詮方なき事。そう言えばS氏は同時にあのシミケンこと清水健太郎も担当していたはずで
,その頃は清水くんにかかりきりになっていたと思われるが、あれから40年余り。清水君の方はその後、何回も逮捕されて今や消息不明。一方何をしても売れなかったアルフィーの方は、音楽界の大スターとして君臨、人生とは何とも分からないものである。高見沢・桜井両氏のラジオトークを聞きながら、あの頃のことが急に思い出されてしまい、色々と感慨にふけることもあった。
 そう言えば当時のラジオ短波(現ラジオNIKKEI)も、それまでの専門放送から方向転換、一般化路線推進などと言って好き勝手やっていた感もあり、ぼくなどはその先棒を担いでいた一人。大変面白くはあったが今となっては反省しきり...。

 
では最後に今週の1曲。山下洋輔トリオ(坂田明、小山祥太)の「砂山(童謡の砂山のジャズバージョン)」。当時のタモリやナオコによる正月特番の特別ゲストには山下一派(小山君は大学ジャズ研の後輩)に登場してもらい、番組最後を過激かつハチャメチャに締めるという方程式を、あの頃はいつも実施していた。そんなことが許された良き時代の想い出のジャズ・童謡ナンバーです。演奏も素晴らしいの一言。
 
なおこの「テイスト・オブ・ジャズ」は、9月30日放送分から11月4日まで、メイン放送が土曜日18時半から(この時間はお休み)、夜22時に移ります。悪しからず...。

【今週の番組ゲスト:今週はジャズトーク、音楽評論家の青木和富先生】「DISNEY音楽」についてお話いただきました。 
M1
TURKEY IN THE STRAW / 蒸気船ウイリー サントラより」
M2
FIREHOUSE STOMP / The Firehouse Five Plus Two
M3
A DREAM IS A WISH YOUR HEART MAKES(夢はひそかに) / シンデレラ サントラより」
M4
SOME DAY MY PRINCE WILL COME (いつか王子様が)/白雪姫 サントラより」
M5
SOME DAY MY PRINCE WILL COME (いつか王子様が)/ Miles Davis

9月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.09/15 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.375~ブルーノートJAZZフェス中止】

 先週の当番組では横浜の赤レンガ倉庫前特設ステージで、今月23日(土)と24日(日)の両日開催される予定の第3
回の「ブルーノートJAZZフェス」を特集、「ブルーノート東京」と姉妹店「コットン・クラブ」の広報担当、岡田、上神の両氏に遊びに来てもらい、色々とこのフェスについてお話を伺った。今回の目玉企画はあの2人組バンド「スティール・ダン」、その人気ロック&ジャズバンドの片割れ、知性派ミュージシャンで知られるドナルド・フェイゲン(名盤『ナイト・フライ』など自身のアルバムも好盤多い)が、自身のバンドを率いての初来日であった。このフェイゲン以外にも、注目の新世代テナーマン、カマシ・ワシントンや同じく新世代ボーカリスト、グレゴリー・ポッターなど多彩な顔触れ10数組が、メインステージとサブステージ、そして無料ステージと言う3つのステージに登場する予定で、今回初めて2日間にわたっての興行。広報陣も大張り切りで番組でフェスのPRに務めてくれていた。

 ところで恥ずかしながら、ぼくはまだこの横浜倉庫街で開催される「ブルーノート・フェス」を聴きに行ったことがない。これまでの2回は招待を受けながらも、仕事の関係等スケジュールの都合がつかず、心ならずも辞退していただけに、横浜行きを大いに楽しみにしていた。特にフェイゲン・バンド、更にそれ以上の期待は、上原ひろみと驚異のラテンハープ奏者、エクアドル出身のエドマール・カスタネ―ダと言う、話題騒然のニューユニット初のデュオライブ、この2つのステージに期待する所大だった。

 ブルーノート広報は、すぐにフェス招待状送りますから...ということだったが、フェスの開催が近くなってもそれらしい招待状は届かない。やきもきして待っていると突然メールが来る。「ドナルド・フェイゲン氏急病のため公演中止、スタッフは熟慮した結果、今回の目玉企画である彼とそのバンドのステージが実現できないために、ブルーノートフェス全体を止む無く中止することを決めました」と短いお知らせ。これにはびっくりした。フェイゲンバンドは確かにこのフェスの目玉だが、それ以外にも多くのミュージシャンが参加、3つの会場に分かれその演奏を競う...と言う、従来のジャズフェスには無いいわばロックフェススタイルのものだけに、中止までは決めなくても...と思ったが、スタッフ達の苦渋の決断。これは尊重せざるを得ない。それだけ「スティール・ダン」=ドナルド・フェイゲンの存在が大きく、ファンの期待もそこに集中していたと言うことだろう。

 ジャズファンは余り関心が無いかもしれないが、洗練された都会的なロック&ジャズスタイルの2人組バンド「スティール・ダン」は、あの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」にも登場するほどの存在。フェイゲンの相棒ギタリスト&プロデューサーのウオルター・ベッカーは、残念ながらこの93日に死亡(享年67才)。フェイゲンも大事な相棒を失い、かなり気を落としているだろうことは想像に難くなかったが、その死も影響してかフェイゲンの急病で来日叶わず、フェスは雲散霧消してしまうこととなってしまった。ひろみをはじめブラジリアンジャズグループのダニ&デボラ等々、出演者たちも落胆しているに違いなく、何よりぼくらファンの失望も大きい。しかし決定は決定、来年のこのブルーノートフェスに期待するしかない。

 こうなればもう一つの横浜ジャズ、10月初めに開催され数多くのミュージシャンが登場する、国内最大規模の「横浜ジャズ・プロムナード」に目を向けるしかない。こちらのフェスも中心人物のメインディレクター、柴田浩一氏を招き番組で紹介する予定。氏は毎回フェスに登場するミュージシャンかシンガーを連れてスタジオに来てくれている。今回も誰がゲスト登場するのか、それもまた大いなる愉しみ。是非聞いてみてください。
 なおこの「テイスト・オブ・ジャズ」は、9月30日放送分から11月4日まで、メイン放送の土曜日18時半からの放送はお休みとなり、夜22時からがメイン放送となります。悪しからず...。
【今週の番組ゲスト:jジャズヴォーカリストの平賀マリカさん
7月リリースのアルバム『VINT AGE』から
M1
April in Paris
M2
So in love
M3
Angel eyes
M4
As time goes by

9月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.09/08 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.374~東京JAZZフェス2017】

 今や日本最大のジャズフェスとも言える「東京ジャズフェス」。夏の終わりの9
月最初の土・日、2日間にわたって行われるこのフェスに、今年も実直に2日間足を運んだ。今回でこのジャズフェスもなんと16回目だが、今年は再出発と言った意味合いもあり、この10数年続いて来た有楽町の東京フォーラム(記念すべき初回は調布の味の素スタジアム)から、今年は主催NHKのおひざ元、渋谷のNHKホールに会場を移しての第1回で、渋谷の街イベントとしての意味合いも含め開催されることになった。まあ一口に渋谷の街と言っても広いので、余り街全体を巻き込んだジャズイベントと言った感じには成り得なかったが、ニューオリーンズから呼んで来たストリートバンドなどの演奏行進などには人も集まったようで、それなりには話題を集めていた。ただ肝心のNHKホールの本公演の方は、ホール周辺事情などかなり疑問符が付く内容。まずホールの脇道=ケヤキ並木での恒例イベントは、外なのに大きな音は禁止とのことで、例年登場していた我らが早稲田ジャズ研のオンステージも実現不可能になり、およそ盛り上がりに欠けた。ホールの中の方も、慇懃無礼でヒラメ主義&半官僚機構のこの放送局らしく、自由度はかなり制限され、ジャズイベントらしい闊達さに欠け、お題目の「渋谷から世界に...(フロム・シブヤ・トゥ・ザ・ワールド)」とはだいぶ雰囲気も実態も違う感じ。更に公共放送のホールと言うこともあり、協賛各社のヴィデオなども昨年までとは違い会場では一切流されず、協賛社メリットはどこに...などと、いらぬ心配迄してしまう程だった。

 
さて昼夜2公演の方だが、山下さんのスペシャルユニットによる「寿限無」セッションの再演で幕を開け、サダオさん(渡辺貞夫)のデイブ・グルーシン、リー・リトナーと言ったかつてのお仲間との「カリフォルニア・シャワー」再演が大ラスを飾ると言う、かつてないラインアップ。J-ジャズ2巨頭の幕開けと大閉め、これが吉だったかどうかは...、聞いた方達それぞれの判断に任せるしかないが、何か今回のジャズイベント全体を象徴しているようで(かなり内向きと言うか縮み傾向)、ぼくは否定的に捉えざるを得ない。観客席はかなり満杯で興行的には成功とも言えそうだし、サダオさんとグルーシン、リトナー再開セッションも、あの時代を良く知るものには胸を打つものもあった(一番観客のリアクションが多かった)としてもなのだが...、全体の運営や仕切り、ステージ起用等々には、疑問符を付けざるを得ない感じがする。

 
さて今回の出し物の目玉になったのは2日目のトップに行われた、話題の才媛、狭間美帆が全体ディレクションとデンマークのフルバンドの編曲(作曲も...)を担当、かなり大掛かりなジャズ史俯瞰ステージ「ジャズ100年プロジェクト」だと思われる。ニューオーリーンズジャズから現代のコンテンポラリージャズまでをスクリーン映像も交え、リー・コニッツ、リー・リトナー、日野皓正、山下洋輔(彼女の師匠)など豪華ゲスト陣をフューチャーした形で、音で綴り上げると言う大胆な企画。彼女はコンパクトに見事にその企画のコアを抉り出し、その才能の豊かさを実証して見せてくれた。
 
この他にぼくが興味を引かれたのは、今年結成されたばかりと言うチック・コリアとスティーブ・ガッドの双頭新バンド(ラテンジャズ色横溢したぼくのお好みの生きのいいバンド)、ユダヤ系に中近東の音要素も加味し、ピアノトリオの新たな展開を提示したイスラエル出身の注目のシャイ・マエストロ・トリオ、そして大トリを彩ったサダオさんのスペシャルユニットの3ステージだった。また狭間セッションのゲストで登場したリー・コニッツは80才を優に超す高齢。さすがにその音はよれてはあったが、意気込みはまことに立派で、胸打たれる所も多々あった。

 これまでは毎回の昼夜公演にはそれぞれなにがしかのお題目(「ブルースの夜」等)が付けられていたのだが、それも今回は無し。いかに編成に苦労したのかが良く分かる訳だが、まあそうは言いつつもそれなりにそれぞれのステージを愉しんだのもまた事実ではある...。
 
特にサダオさんがアンコールに、グルーシンと二人であの復興応援ソング「花は咲く」を吹き始めた時は、いささかグッと来てしまった。やはりあれだけ感動的な場面を演出できるのは、サダオさんならではであった。
  
 
最後に一つ大変に残念だったのは、このジャズイベントを当初から実質的に仕切り、そのPRも兼ね我がジャズ番組にも毎年登場してくれていた、敏腕ジャズプロデューサーの八島敦子女史。その彼女がこの初夏、様々なストレスの為(?)からか病に倒れてしまい、このイベントの新たな立ち上がりを陣頭指揮出来なかったこと。彼女の心境を察すると本当に残念な思いもあるが、今回のジャズフェスはどうにか成功、来年もまた彼女のあの雄姿を見れるはずである。今年以上に真に開かれた素晴らしいフェスを作り上げてくれるに違いない。彼女のカムバックとその健闘を心から望みたい。

【今週の番組ゲスト:ブルーノートジャパン広報の岡田安正さんと、コットンクラブ広報の上神彰子さん】
今年3回目の開催となる「Blue Note JAZZ FESTIVAL」、横浜赤レンガ倉庫特設会場で923日・24日に開催されます。 

M1
FIRE / 上原ひろみ×Edmar Castaneda
M2Change of the Guard /  Kamasi Washington」
M3Holding On / Gregory Porter
M4Rock With You / DANI & DEBORA GURGEL QUARTETO」