4月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.04/03 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.507~ECM】
 
 いよいよ4月スタート、我が街国立の桜並木もいささか満開を過ぎ、これからの新シーズン到来を告げている。国立の街のシンボルだった三角屋根の旧駅舎も、駅前にあと数日ほどで復元される筈...と何かと華やぐ時期なのだが、世間一般はコロナパンデミックでそれどころではなく、国立の街も例外ではなく元気なし。こんな中で勢いづいているのは、あの女狸こと小池女史ぐらい。オリンピックの延期が決まるまでは、コロナ罹患者数もわずかで東京の安全性をアピールし続けていた女史とリーダーの安倍。延期が決まり足かせが無くなると同時にその患者数は飛躍的に増え続け、連日のように記者会見を開き注意喚起どころか、首都封鎖も近い等と宣い続ける。確かにNYやロンドンなど世界の各都市での状況は悲惨なものだし、個々人が注意し続けないとならないのはその通り。だが記者会見を見ていると、あの有頂天だった時期が思い出され、何ともほろ苦く許しがたい気分だ。まあ今は個々人が細心の注意を払い、やれることをやるしかない。


 さて4月最初のジャズ番組は、毎年ジャズ関係者(ジャズプレーヤーやライター等々)に登場してもらい、ジャズ入門の為のお勧めアルバムを紹介、ジャズの愉しさを伝えてもらっている。今年はジャズ評論家、青木和富氏に頼んでいるジャズトークの時間でも、彼のお勧めの初心者向けアルバムを幾つか紹介(取り上げたアルバムは先週分コラムに載せてあります)した。そして今週は今年創立51周年を迎え、今や欧州随一と言うよりもコンテンポラリーなジャズレーベルとして世界でも屈指の存在として認識されている「ECM」について。その入門編的なベーシックコレクションをこのレーベルの生き字引とも言える、ジャズプロデューサーで日本最初のジャズブログ「JazzTokyo」主催者でもある稲岡邦弥氏に、色々と紹介してもらうことにした。

 
「ECM」はEditions of Contemporary Musicの略語で、いかにも現代的なジャズサウンドの表出に相応しいもの。そしてそのレーベルモットーが「
ザ・モスト・ビューティフル・サウンド・ネクスト・トゥー・サイレンス(沈黙の次に美しい音)」と言うのだから、これまでのジャズサウンドとははっきり決別した、新たなジャズサウンドの確立に腐心していることが良く分かる。その創始者はドイツ人でミュンヘン在住のマンフレード・アイヒャー。交響楽団にも在籍しジャズベーシストでもあったアイヒャーは、欧州ならではのクラシカルで独自の静けさを伴った、知的なジャズサウンドを創出するために、ミュンヘンの地でジャズ・レーベルを立ち上げた。それが1969年のことで昨年はレーベル創立50周年。プロデューサーはアイヒャーただ一人で、自身の気に入ってミュージシャンを集め数々のアルバムを世に送り出し、その数はすでに1000枚を超えている。その上クラシックの素養も深い彼は、「ニューシリーズ」としてクラシックアルバムも制作するようになり、こちらにも世界的なミュージシャンが集まっており、まさに個人プロデュースのカタログながら、世界屈指の内容を伴ったレーベルにまで成長している。その第一弾は当時ミュンヘンに在住していたピアニスト、マル・ウオルドロンの『フリー・アット・ラスト』。


 これがECMのカタログ番号1001で、以降ずっとこの番号は継続され今や2000番台の半ば近くに突入していると言う訳。このレーベルの最初から付き合っているのが、当時「トリオ・レコード」のジャズ責任者だった稲岡氏、2人はそれ以来50余年の付き合いがある仲。稲岡氏は創立40周年の時に、「ECM全カタログ」を刊行することを思いつきそれを作り上げ、昨年の50周年ではその改訂版を又出版した。アイヒャーも彼には絶対の信頼を寄せており、こんな例はジャズ界でも実に珍しいもの。ぼくと稲岡氏の中も40数年にわたるもので、今回も出演依頼をすると二つ返事でOKしてくれたのだが、その膨大なカタログの中からわずか5枚を選び出すのは、大変な作業だとお叱りを受けてしまった。稲岡氏が選んだアルバムは別表に掲載してあるとおりだが、カタログ最初のマルのトリオ作を始め、我が国でのフュージョンミュージックブームの先駆けとなり大ヒットした、カモメアルバムことチックコリアの『リターン・トゥ・フォーエバー』など、どれも興味深いものばかり。番組では彼の労作「ECM完全カタログ」も紹介しているが、こんな素晴らしいカタログが日本で作られたことを、ジャズファンは誇りに思わないとならないだろう。東京キララ社から出されているこの完全カタログ、お値段は5000円といささか高めだが、ファンならば充分に愉しむことが出来るし、決してお高い買い物ではないことを保証する。正にジャズファンならば「一家に一冊」のカタログ本として番組も大推薦します。


【今週の番組ゲスト:音楽プロデューサーの稲岡邦彌さん】
稲岡さんの手掛けた『ECMカタログ 増補改訂版』〜50周年記念版〜をご紹介頂きました。

M1
RAT NOW / Mal Waldron TrioECM1001FREE AT LAST 』から
M2
IRR / JAN GARBAREKECM1015SART』より
M3
RETURN TO FOREVER / CHICKCOREAECM1022RETURN TO FOREVER』より
M4
Köln, January 24, 1975 Part / Keith JarrettECM1064/1065The Köln Concert』より
M5
JAMES / Pat Metheny GroupECM 1216OFFRAMP』より

3月29日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.03/27 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.506~ウエイ・アウト・ウエスト】

 「ウエイ・アウト・ウエスト」。ジャズファンならば誰もが知っているに違いないジャズ名盤。先日遂に引退を表明したとも言われる(?)、ジャズ界のリビングレジェンド=ソニー・ロリンズ(ts)不朽の名盤のタイトルだが、今このタイトルを受け継いだジャズフリーペーパーが、ジャズ関係者の間で秘かに話題になっている様なのである。本家の『ウエイ・アウト・ウエスト』の方は、陽光煌めく西海岸のロサンジェルスに楽遊に出たロリンズが、同地の名匠、レイ・ブラウン(b)とシェリー・マン(ds)を伴って吹き込んだジャズ史に残る名盤だが、今話題になっているフリーぺーパーの方は、日本のウエスト=関西圏をメインに出されている薄い小冊子。だがその内容の充実振りやジャズメンを描いたその表紙の斬新さなどで、大いに注目を集めているのである。と言うことで今回はこのフリーペーパーについて一寸触れてみようと思う。


 このフリーペーパー(小冊子)は、これまで東京を中心とした首都圏では「ディスク・ユニオン」のジャズフロアーなどに置かれていた位だったが、先日新宿の「タワー・レコード」に寄ってみると、この小冊子がジャズフロアーのそこここに置かれており、その存在感を主張しており、表紙のイラストも光り輝いていた。ぼくはこの小冊子その出初め頃から注目しており、なによりその表紙のイラストに惹かれていた。どうやら主催者の藤岡宇央氏は、大阪在住の40台半ばのイラストレイターの様で、この表紙が評判になりジャズアルバムのジャケットなども手掛けており、海外からも注文が来るようになっているらしい...などと言う情報を、彼を知るジャズ関係者から聞かされていたが、その実際を知ることも無かった。ところが昨年位には本場NYでも、自身のジャズイラストの個展を開催したらしいよ...等と聞かされると、これは新しもの好きなぼくとしては、是非スタジオに遊びに来てもらわないと...と言うことで、彼と親しくしている関係者を通じてスタジオに...と誘いを掛けてみたのだが、東京に行く機会が無いこと、余り表舞台には立ちたくないこと、などと言った理由であっさりと断られてしまった。まあこうなると縁が無かったものと諦めるしかないのだが、大変に残念なことではある。


 タワー・レコード新宿店で手に入れたその最新号は、ベーシストが描かれたイラストが表紙で、特集は〆ジャズ。何かと思えば一日の〆(締め)に最適なアルバム...と言うことで、関西圏のジャズ関係者20名近くがそれぞれの推薦アルバムを紹介しているのだが、定番とも言えるトミー・フラナガン(p)やアーマッド・ジャマル(p)の珠玉アルバムから、ライオネル・ハンプトン(vib)やダニー・ケイ主演のジャズ名画「五つの銅貨」のサウンドトラックなどのスイング系ジャズ作品、そして前衛ギター奏者デレク・ベイリーのアルバムまで、実に多種多様で仲々趣きに富んだ選盤で興味深い。
 
表紙を見ると今号でもう132号。既に10年以上続いている計算になる訳で、これは凄いことだし、是非これからも続いていくことを切望する。それにしても藤岡さん今度東京に来るときには、是非スタジオに遊びに来てくださいよ。世界一長寿のジャズ番組(?)に登場と言うのは、それなりになにかと名誉な筈ですから...(それホンマですかね)。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
「初心者のジャズ入門」としてお勧めアルバムをご紹介頂きました。

M1
Chicago /Oscar Peterson Trio」『THE TRIO』より
M2Brilliant Corners / Thelonious Monk」『Brilliant Corners』より
M3Surrey With the Fringe on Top / Miles Davis Quintet」『Steamin'』より
M4There's A Small Hotel / Stan Getz Quartets」『 QUARTETS』より
M5Kelly Blue / Wynton Kelly」『Kelly Blue』より


3月22日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.03/20 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.505~ナメちゃん逝く】
 
  時々ぼくのスマホに緊急メールが舞い込むことがあるが、それは寂しいことにほとんどが友人や知人などの死亡通知。ぼくの様なオールドボーイにとって、それはもう避けられないことだ。この前もある飲み屋で友人達と飲んでいた所、緊急メールが入る。「ユニバーサル・ミュージック元副社長で、音楽プロデューサーとしても活躍されていた行方均様が、病気療養中の所このほどご逝去されましたので、ここにお知らせします...。」と言った内容、ユニバーサルのジャズ担当であるS氏からの訃報メールだった。たまたまその酒席に同席していた一人も行方氏の知り合いで、しばしナメちゃん(=行方均)話で盛り上がった。「そうかナメちゃん、最後は副社長で辞めたのか...。それにしても後輩ながら、何時も態度デカかったが、非常に個性的な男だったなー」等々。その想い出は決して良い話だけではなかったが、日本のジャズシーンへの貢献度は抜群だった...と言う点では、彼とも話が一致した。享年68才。


 ぼくが彼と最後に会ったのは彼が入院中の病院から抜け出し、我がジャズ番組に出演してくれた昨年正月明けのこと。この時のことはこのコラムでも以前に紹介した筈だが、奥さんに付き添われかなり物静かな感じでスタジオに現れた。いつもの傲岸不遜と言う感じが影を潜め、その様子はいささか心配してしまう程。まあそれも無理からぬところで、自身の難病治療の為に全身の血液を入れ替え、確かAB型からB型へ変わってしまったのだと言う。「性格も変わってしまったよ...」と彼は笑っていたが、その大手術、素人のぼくなどには想像もつかないものだった。番組収録後カミさんも交え昼食に行かないかと誘われたが、その時ぼくは塩梅悪いことに風邪気味。もし風邪をうつす等となれば取り返しのつかないことになってしまいと思い、その申し出は丁重にお断りさせてもらった。結局彼と奥さんそして山本アナの3人で食事に出かけたのだったが、あの時一緒にとも思う。だがやっぱり良かったのだろう、あの後1年以上彼は生き延びたのだから...。その間山本アナは時々病室を見舞っていたらしいが、ぼくはそんな機会も持た無かった。そして今回の訃報、残念だが致し方ない。


 ところで彼との付き合いは、彼が「東芝レコード」に入社、アルバム編成担当になってすぐからのことで、もう40年以上。当時はロック担当で「マーシャル・タッカー・バンド」など、サザンロックを中心に編成・広報活動を行っていた。先輩の編成マンから彼のことを紹介され、一緒に食事に行ったのだが、同じ杉並区出身で大学も早稲田大(政経学部の筈)。色々と境遇も似通っており直ぐに親しくなったのだが、高校が学区(当時は学区制だった)1番の西高で、ぼくはその次の豊多摩高、高校や大学(学部の優劣など)の話ではどうも分が悪く、自慢されっぱなしだったし、先輩を先輩とも思わぬ馴れ馴れしさ。これには辟易とさせられたものだし、その感じは最後まで変わらなかった。

 ロックの担当を数年務めた後、念願のジャズ担当になり番組にも良く顔を出してくれたが、当時はまだ「Mrブルーノート」とも呼ばれるほどの知識量も無かった様に思う。しかし一念発起、名門ブルーノートの全てを知る男として売り出し、多くのジャズ本を残し、ジャズ講演会なども頻繁に開催していた。その講演会も病院を抜け出してのもので、そのエネルギーとバイタリティーには感嘆させられること多々。東芝EMIのままだったらば、間違いなく社長に...とも噂されたが、そのEMIがユニバーサルに吸収・合併され、副社長としては色々意に染まない所もあった様で辞めてしまい、一介のジャズプロデューサーとして、難物大西順子など様々なアルバムプロデュースをこなしたが、重い病には勝てなかった。寂しいし残念なことだが、これも一つの道。


 「小西さんまた『さくろ』の旨いしゃぶしゃぶご馳走してよ...」などと、当然のように要求してくるナメちゃんの声が蘇ってくる。ナメちゃんよ、もう溜池には「ざくろ」はありません。それが天国にいる彼への返答ですね。合掌!

【今週の番組ゲスト:ギタリストでサウンドプロデューサーの竹中俊二さん】
ご自身のリーダーバンド「PERIGUNS (ペリガンズ)」の1stアルバム『FLYING PERIGUNS』をご紹介頂きました。

M1FLYING PERIGUNS
M2SULTRY NIGHT SOIREE
M3NIGHTHAWK
M4DANCE OF DARKNESS



3月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.03/13 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.504~一枚のTシャツ】

 皆さんはTシャツ1枚、どれくらいの値段付けだったら買うんですかね...。ぼくは生来のケチな性分、なので1000円以上を出して迄Tシャツなんぞを買おうとは思わないのだが、先日その掟(?)を破ってしまい4000円近い高価で、1枚のTシャツを買い求めることになってしまった。
 11年振りに発売されることになった(予約販売)「荒ぶるTシャツ」である。「荒ぶる」言うまでもなく早稲田ラグビー部員が、大学選手権優勝の時だけに歌うことの出来る勝利歌であり、部の精神的連帯の根源をなす部歌でもある。正式には「北風」という歌が部歌なのであるが、今や「荒ぶる」の方が有名になってしまい、「荒ぶる」を歌いたい為に部員達は日ごろの厳しい練習に励む...と言ったベーシックモチベーションになっている記念すべき部歌なのである。
 それを1月の国立競技場での大学選手権決勝、明治大を下した早稲田ラグビー部の部員達は、フィールドに集まりキャプテンの斎藤直人  の音頭取りで高らかに歌い上げたのだった。国立競技場のほぼてっぺんにある記者席で見つめていたぼくは、感涙禁じえずといった感じだったが、同時にこれはまた「荒ぶるTシャツ」も売りに出されるはず...とも思い、密かにほくそ笑んでもいた。その荒ぶるTシャツは思惑どおりに、予約販売という形で11年振りに売りに出されることになり、早速申し込みをして嬉しいことにその権利を手にすることが出来たのだった。


 そして先日その実物を手に入れるため、早稲田大学の構内にあるショップに向かった。早稲田の周辺には大学とも関係の深い「リーガロイヤルホテル」で会合やパーティーなどがあるため、時々訪れることはあるのだが構内に入ることは殆ど無かった。それだけになかなか新鮮な感じはあったがコロナウイルスの関係もあるのか学生が殆ど見当たらない。
休講では無いのだろうがなんとも活気がなく残念でもあった。

【今週の番組ゲスト:ヴィブラフォン奏者の赤松敏弘さん】
M1Pioggia / 中島 仁」
M2North Plants / 中島 仁」
M3Synonym / 赤松敏弘」
M4Avenue Ⅱ / 赤松敏弘」


3月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.03/06 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.503~川嶋哲郎】

 中野区から頼まれ弥生町区民センターで実施しているジャズ講座(ジャズトーク)も今年で4年目。「今年はジャズする喜び、ジャズ聴く愉しみ」と言うテーマを設けて、ミュージシャンやシンガーを招くことにした。初回はこのコラムでも紹介したように、おばちゃん人気も高い医師にしてジャズシンガーの海原純子さんの登場で、こちらの思惑通りの人気振りだった。そして2回目はなんとあの川嶋哲郎氏の登場となった。現在のジャズシーンで最高の実力と人気を誇る川嶋氏だが、まさかこの講座にゲスト出演してくれるとは思わなかった。昨年秋に彼の新作『ウオーター・ソング』が出された時、番組ゲストとしてスタジオに遊びに来てくれたのだが、終了後世間話の中で何気なく講座の話を振ってみると、出演を快諾してくれたのだった。

 それから今年に入って2回ほど打合せをしたのだが、こちらのお願いは出来ればソロで2曲ほどプレーしてくれないか...と言うかなり厚かましいもの。そんなこちらの要望も快諾してくれ、いよいよ講座当日を迎えたが、心配は何と言っても集客。中野や杉並在住の知り合いのジャズ好きにも声を掛け、40名を超す出席者となり、なんともホッとした面持ちだった。おばちゃん連中がほとんどの会場で、しばしのジャズ講釈をした後に川嶋氏を呼び込む。テナー・サックスとフルートを携え会場に姿を現した彼、相変わらずの格好良さでぼく自身もドキドキしてしまう程。おばちゃん連中は彼の存在を知らないのだが、前講釈でサダオさん(渡辺貞夫)と並ぶ存在だと言うことを強く印象付けておいたので、皆一様に期待大の顔で迎え入れ万雷の拍手。まずはアルト、バリトン、テナーなどのサックス講義から始まり、動指を実演したりとサービスに務めてくれる。こちらも新作「ウオーター・ソング」の素晴らしさを解説、2曲ほどアルバムから紹介した後、いよいよ彼のソロ演奏となる。曲はデューク・エリントンの銘曲「イン・ア・センチメンタル・ムード」。短い演奏ながら彼のテナーは朗々と良く歌い、おばちゃん連中は感嘆し切りで、つかみもばっちり。洗足学園で学生相手に週2コマほどのジャズ講義を行っているだけに話も面白く内容も含蓄深いもの。論語の一節なども飛び出しプレーヤーとしての心境も披露、進行役のぼくも聞き入ってしまう程。自身のアイドルだったソニー・ロリンズやジャズ初心者に是非聴いて欲しいアルバムとして、マイルスの『ラウンド・ミッドナイト』を挙げ、両方に丁寧な解説を加える。


 2時間ほどの講座はあっという間に終了の時間を迎え、大トリは再び彼のソロ演奏...と言うことになり、今度はフルートソロで「故郷」を奏してくれた。しみじみとした実に好い演奏で全員聞き入ってしまい、目出度く講座は大団円。拍手鳴りやまない中、主役は颯爽と退場と相なった。終了後はおばちゃん連中が彼のアルバムを買いたいと言い出し、区の施設だけに即売はNG。一計を講じ施設を出たところで彼持参の新譜販売をサイン付きで実施、10人近い希望者は全員満足顔で帰っていった。その後は近くの老舗ジャズ喫茶「ジーニアス」(60年近い歴史を持つ)でお茶したのだが、マスターもかなり興奮し彼にサインを求め、店で掛かる演奏も川嶋一色の歓迎振り。彼もかなり悦んで家路についてくれ、こちらもホッと胸を撫で下ろした。それにしても交通費ぐらいの謝礼で本当に良かったんですかね...。全て謝・謝ですね。
 

【今週の番組ゲスト:ベーシストの吉木稔さん】
吉木さんがリーダーを勤める「SOULSTATION」の1stアルバム『PATH OF HOPE』から

M1「蘇芳〜SUOU
M2A TailTaleOf A Dream
M3A Ballad Of Gratitude 豊作のバラード」
M4Path Of Hope


3月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.02/28 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.502~祝500回越え】

 先日あるジャズ関係者から「小西さんのあのジャズコラム、時々読ませてもらってますよ。それにしてももう500回とは、本当に良く続きますね...、まあこれからも頑張って続けてくださいよ...」といささかの揶揄も込めて激励された。そう言えば担当のO局長からも、「ジャズコラムもう500回になりますよ...」と、こちらはいささかうんざりと言った感じでの指摘。といった所でその回数を見てみると、確かに500と言う数字が刻印されているではないか...。知り合いの関係者とO局長、まあこの差は何なのか...等とも思うが、担当としては大分負担になるのは良く分かります。でもまあこれからも、恬淡としてこのコラム続けて行こうと思っているので、O君よろしくお付き合いの程を...。


 そう言えばこのジャズコラム、前身の「ジャズ徒然草」も確か500回近くだった筈で、20年近くの連載でこちらも合わせると、このコラムはもう1000と言う大台も近いとも思われる(「徒然草」から「日和」にどうして変更したのか、はっきりとは思い出せないのだが、なにか局の事情もあったのではないだろうか...)が、まあ良く書き散らかしたもので、自分としては結構愉しみながら書かせてもらっている。


 ジャズアルバムやジャズ動向、ジャズ友人など、ジャズ関連の話題をメインに、様々な映画、ハードボイルド小説、山行、温泉、台湾取材、我が街国立、信州追分通信、そしてラグビー&早稲田ラグビー等々、自身の関心のあることを適当に選んで書き連ねるのだから...、まあぼく自身としては愉しくない筈はない。と言っても毎回のテーマを選ぶのは結構苦心する所も大で、周りからはもう少しジャズに特化した方が...等とも言われるが、それでは結構苦しくなってしまう。まあいまのペースで悠々と行くのが良いのだろう。そう言えば仕事関係でも、ぼくが担当しているものはどれもかなりな長命で、大元のジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」は50数年、恐らく世界最長のジャズ番組の一つだと思うし、新橋の飲み屋での偶然の出会いから始まった、台湾関連特番も今年で20年目等々、どういう具合かどれもが長続きしているのである。このコラムもそれなりの長命、ぼくの寿命もこれに比例するかはしかとはしないが、まあのんびりと頑張るつもりですので、皆様もよろしくお付き合い下さい。特に担当のお偉いさん~O局長よろしくお願いしますね。

【今週の番組ゲスト:作曲家でピアニストの鬼武みゆきさん】
昨年リリースされたご自身7作目のアルバム『FUKUSHIMA』から
M1Nomaoi〜野馬追〜」
M2Beyond Time 〜大内宿・Ouchi-juku〜」
M3Fukuoshimautaふくのしま唄」
M4Long Long Ago〜三春滝桜・Takizakura〜」

【追記】

番組の中でご紹介した3月11日開催予定だったアルバム発売記念のスペシャルコンサートは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、64日(木)に延期となりました。



2月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.02/21 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.501~ジャズ切手】

 ぼく達の子供の頃は、今から思えば本当に貧しい時代だった。貧しくはあったが今のような貧富の差は激しく無く、皆がそれなりに不公平感を味わうことも無くある意味平等で、それなりに満足し活況でもあった。ぼく自身は杉並区の高円寺で育ったが、こうした感じは都市でも地方でも、そう変わりはないのではないだろうか...。しかし子供の頃は本当に娯楽は少なく、町の映画館に行くのが唯一の愉しみと言う感じでもあった。
 そんな小学生の頃突如沸き起こったのが、切手収集の大ブームだった。当時ようやく戦後の混乱期を脱し日本の経済成長期が始まった頃で、スポーツのアジア大会なども開催され話題を集めていた。それまでは切手のデザインも地味目なものが殆どだったのだが、この頃から記念切手も出されるようになり、写楽や歌麿などの豪華多色刷りの浮世絵切手などが評判を呼び、それに伴い小学生達も、こうした切手を集める趣味が流行した。こうした豪華な切手は枚数もそう多くは無く高値を呼び、切手交換なども子供たちの間で盛んだった。大人たちの中には、プレミアを付けて売りさばくと言った連中も出て来て、切手屋(今ではコイン業者が兼務している様だが)等に行って持っている切手がいくらになっているか...等を確かめ、自慢しあったりもしたものだった。しかしこのブームも郵政省が記念切手の発売枚数を増やし、プレミアがつきにくい手段を講じたため、ブームも一気に減衰してしまった。


 まあこんな切手収集の話が、どうこのコラムに関わるかと言うと...、先日ある出版パーティ―のお知らせ通知が手紙で届いた。親しい知り合いが発起人の一人で、彼が送ってくれたものらしいのだが、そこに貼られていた1枚の切手、これに偶然目が留まったのだった。発起人の彼はぼくがジャズ関係者だと言うことを知っており、それもあってかジャズサックスプレーヤーを描いた、所謂ジャズ切手を貼ってくれていたのだ。お前こんな切手が出ていること知っているか...と言った感じで...。そのジャズ切手を見ていて小学生時代の切手収集ブームを思い出したと言う次第なのだが、久々に惹き付けられる切手だった。

 調べてみるとこの切手、楽器シリーズの第2弾と言うことで全部で10枚出されており、ジャズの楽器(トランペットやトロンボーン、ヴァイブなど)が7枚、残りの3枚がジャズプレーヤーを描いたもので、サックス奏者、ベーシスト、そして女性ピアニストが描かれている。このジャズ切手シリーにはもう1種類あるようで、そちらはディキシージャズシリーズ。バンジョーなどの楽器が描かれているとのことで、10枚のシリーズセットはモダンジャズシリーズの方が200円ほど高いのもご愛嬌。それにしてもお堅い郵政省がよくこんな粋な企画を通したものだと、いささかほっこりとした気分になった。ジャズプレーヤーのイラストも、決して上手くは無いのだが、実に味のある旨口のもので愉しめる。良いものを見させてもらった気になるのがなんとも良いのだ。

 こんなジャズ切手、本場のアメリカでは当然シリーズ物でいくつも出されているが、その一つのシリーズ~ジャズの巨匠シリーズに採用されているのが、今は亡きジャズ写真家のアベちゃんこと阿部克自さんのもの。確かデューク・エリントンの写真をイラスト化したものだと思うのだが、そのイラストはそのままエリントンのあるアルバムのジャケットになっている筈で、今となってはなんとも懐かしい想い出だ。アベちゃんが癌との長い戦いの末に亡くなってもう10年以上、色々付き合いも深かっただけにやはり寂しい。そう言えば追悼会を新宿の「J」で行い、店の壁に長い時間かけて彼の写真を展示したのも良い想い出だ。彼以降世界で認められるジャズ写真家が現れていないのは大変に残念な事。一時は多くの若者がジャズ写真家を目指していたと言うのに...。

【今週の番組ゲスト:シンガーソングライターのteaさん サウンドプロデューサーでベーシストの時枝弘さん】
M1Summertime
M2「Another Brick In The Wall,Oart Ⅱ 」
M3Shampoo
M4Russian Rouletta

2月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.02/14 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.500~ビルボードジャズチャートをめぐって】

 「ビルボード」と言えば世界最大の音楽業界誌で、ここのヒットチャートはポップス音楽好きならば、物心ついた頃から一番気になるものの一つの筈。その上ゴージャスなライブハウスまでも世界中で運営など、今や一大音楽コンチェルンに成長している。そんなビルボード誌では毎年年末、ロック、R&Bなど各分野での年間チャートが発表される。ぼく自身はもうかなり長い間、ビルボード本誌などを見ることも無くなってしまった(ジャズなどはほとんど無視されているのもある為だが...)が、ここのジャズチャートはいささか気になる所ではある。そのジャズチャートだが昨年度のチャート結果について、ジャズライターの杉田宏樹氏がジャズブログ「PJ(ポートレートインジャズ)」で取り上げていたので、ここで一寸紹介してみようと思う。


  まずその結果だが、第1位は歌手のマイク・ブーブレ、2位は御大トニー・ベネット&ダイアン・クラールの黄金デュオ、3位はヴァン・モリソンと言う順番で、3つともボーカルもの。ぼくの大好きなSSWにしてブルースロック系シンガー、モリソンが3位に入っているのは大変に嬉しいことだが、彼は一時ジャズに接近したアルバムを発表してはいたが、今回のアルバムは完全にモダンブルースで決してジャズでは無い。ことほど左様にビルボードのジャズチャートは歌もの中心だし、所謂ジャズの世界とは異なっており、ベスト10作品の中でも所謂インストジャズは、ジョン・コルトレーンの話題になった発掘盤2枚ぐらい。そしてこれは杉田氏も指摘されているが、ジャズとは対極に位置する(とぼくなどには思われる)所謂「カントリーミュージック」、そのシンガー、それも女性のカントリーシンガーのアルバムが2枚もランクインされているのである。悪漢トランプの大統領就任以降、白人メインを標榜する愛国ミュージック(?)のカントリーミュージックが、威勢を得て跋扈している一つの現れと見ることも出来るだろう。
 カントリーとジャズの接近では、このチャートにもランクインされている大物ウイリー・ネルソンが第一人者で、彼はもう30年近くスタンダードソングを歌い続け、『スターダスト』をはじめ数多のスタンダードソング・アルバムで人気を博している、いまやスタンダードシンガ―でもある。今回チャートにランクインされている女性シンガーは、トリー・シャイヤウッドとマルティナ・マクブライドの2人で、ウイリーに影響されたことは間違いないのだが、トリーの方はその存在ぐらいは知っていたが、もう一人のマルティナは全く未知の存在。ぼくの勉強不足をいたく恥じ入ったが、杉田氏によればこの2人のアルバムは、いずれもがフランク・シナトラの十八番をうたったものらしい。ジャズは元気なくてもジャズスタンダード(小唄)は、やはりアメリカ人の心の故郷なのだろう。もし今シナトラが生きていたら、マフィアとの繋がりも深い右翼チックな彼のこと、真っ先にトランプの元に駆け付け、トランプ賛歌でも歌ったに違いないだろうし、それは日本の安倍とその周辺に陣取る、数多の歌手達との桜パーティ―の構図にも良く似ているが、世界は広い様で狭いものでもある。まあ音楽の世界でそう目くじら立てても詮無いこと。今日は久々に御大シナトラの名唱「夜のストレンジャー」でも愉しむことにしましょうか...。まあシナトラの言動は別として、彼の歌は流石に良いものですね。

【今週の番組ゲスト:ジャズドラマー 神保彰さん】
M1Amber Sky
M2Joker
M3Red Dress
M4Outer Limit






2月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.02/07 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.499~ジャズ講座4年目】

 中野区の公民館から頼まれて、初心者向けのジャズ講座(と言ってもそんな大げさなものでもないが...)を始めて今年で4年目。毎年1月末から2月に週1回開催、大体3~4回の講座もので、参加するのはぼくと同世代の
高齢おばちゃん達がメイン。それにおじちゃんが加わり毎回40名前後、中年以下は日中の午後に開講と言うこともあり殆んど皆無で参加料は無料。僅かな参加料でも払えば出席率は良くなるのだろうが、無料だと申し込みだけはしても、当日になるとその日の気分で来ない人も結構いて、特に天気具合では申し込みの半分以下などと言うこともある。

 初年度は頼まれた責任上ぼくもかなり真剣、その前年の暮れ辺りから題材を吟味、アルバム集めなどかなり忙しくしたものだった。高齢者中心と言うこともあり関心が向けやすいのでは...とも思い、和ジャズ~日本のジャズと言うのにスポットを当て、エノケン、川畑文子など戦前のジャズブームから、中野と言う街を考え「中央線ジャズ」と言ったテーマ迄、4回ほどで和ジャズの俯瞰を行った。区の担当者からはジャズ初心者が中心の教養講座と聞いてはいたが、本当にジャズを知らない人が殆どで、あのマイルス・デイビスの名前を知っていたのは数名、流石にサダオさん(渡辺貞夫)さんは人気だったが...。この講座、ほとんどぼくの一人語りだったが、最終回の中央線ジャズは西荻窪にある有名ジャズスポット「アケタの店」のマスターにしてジャズピアニスト、自称天才アケタこと明田川
壮介氏にゲスト登場してもらい、店の宣伝も兼ね中央線ジャズ(この名称はアケタの店に由来する)の沿革などについて語ってもらった。
 参加者で「アケタの店」を知っている人は皆無。ただ会場には担当が悪知恵を働かせたのか古いエレキピアノが置いてあったので、天才アケタはこのエレピを弾きながら話を進めてくれ、これがかなりな好評。参加者はつまらない講座よりもこうした実演やゲストとのトークなどを喜ぶものだと痛感。2年目から努めてこの形式にしたが、なにせ公民館主催だけに先立つものが無く、殆どのゲストは手弁当。頭を下げ実情を話し、参加してもらっているのだがなんとも心苦しい。

 
さて今年もその講座がスタート。今年のテーマは「ジャズする喜び、ジャズ聴く楽しみ...」と言うことで、ミュージシャンやシンガーにジャズの愉しさを伝えてもらおうと言うもの。2回目(2月19日)にはなんとあの日本ジャズ界で実力・人気トップのテナーマン、川嶋哲郎さんが登場することになっている。良く彼がこんな講座を受けてくれたものだと感謝・感激なのだが、どうやらソロで数曲吹いてくれそうな感じ。もし興味ある方で中野周辺のジャズファンの方がいれば、直ぐに中野区弥生公民館に尋ねてみることをお勧めします。素晴らしいこと間違いなしです。

 そんな今年度のジャズ講座=ジャズトークの1回目は新進のジャズシンガーを招くことにした。新人ながらおばちゃん世代には圧倒的人気を誇る人、心療内科医にして日本医大の特任教授でもある海原純子女史である。彼女とはもう30数年の付き合いで、昨年秋に出されたジャズデビュー作では、彼女からのTEL一つで売り出しに全面協力することを約束させられ今に至っており、その結果はかなり上々で先生もご機嫌。今回のお願いも二つ返事でOKしてくれた。人気の女医先生&シンガーが来ると言うので申し込みは60名を超し一応打ち止め状態。彼女とも一度の打ち合わせで当日を迎えたのだが、この日
最悪なことになんと中央線事故で、武蔵小金井駅で電車は完全にストップ。会場に着くのがどうしても30分ぐらい遅れそうと担当にに伝えると、もう参加者が待っていると言うではないか...。こちらもあせりまくったのだが、そこはトーク慣れしている海原大先生、定刻に一人でスタートさせ進行してくれており、20分遅れで会場に着くと会は大盛り上がり。さすが場慣れた先生、ファンの気持ちを掴むコツを熟知、ほぼ先生の主導で1時間半無事終了。冷や汗ものながらも感謝・感謝の1時間半だった。講座終了後担当から「いやー流石海原先生立派ですね、小西さんもう少し遅れても充分に...」などと嫌みの一つもかまされたしまったが、それも至極当然のこと。最後は彼女のデビュー作『ロンド』とぼくの持参CDプレゼントのじゃんけん大会で閉め、参加者たちも大満足だった。

 新進ジャズシンガー海原純子のデビュー作『ロンド』はかなりな好評の様で、その知名度も上がりつつある。その上ANAの国際線ジャズチャンネル3月分は、このアルバムが全面紹介されることが決まり彼女も意気揚々。ぼくの遅刻などは一切気に掛けない鷹揚さで、これも万事目出度し目出度し。しかしまた一つ先生に借りが出来てしまいました。彼女のデビュー作『ロンド』充分お薦めに価する逸品です。是非皆様も...


【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの三木成能さん
10年ぶりのリーダーアルバム
Challenger』から
M1Challenger 
M2「英雄ポロネーズ 
M3Coffee Samba 
M4「背水の陣 


2月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020.01/31 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.498~エースのジョー逝く】 

 エースのジョーこと俳優の宍戸錠さんが亡くなってしまった。自宅で倒れている所を発見され死亡が確認されたと言う、孤独死だったようだ。本当に個性的な俳優さんだったし、素晴らしくダンディーな漢だっただけにとても寂しい。と言ってもジョーさんの存在を知る若い人はそう多くない筈だし、中高年の人達でもその全盛期を知る人はそう多くないと思う。石原裕次郎、小林旭、渡哲也、藤竜也と言った、全盛期の日活の主役を張った錚々たる面々の一人で、善人ヒーローだけでなく、あくの強い悪役もこなし映画界のヒーローになった、得難い存在だった。

 ぼくがジョーさんと仕事をしたのは今から30数年前、たった一度きりのことだった。但しその仕事の間1か月位の付き合いは、今となっては本当に忘れ難いものでもある。当時ぼくはスポーツプロデューサーとして、シーズン中はプロ野球中継を担当、野球のオフシーズンは毎週3時間半のスペシャル番組の制作を担当していた。毎週このスペシャル企画を6か月間、25本近くの特別番組を2年間ほど作り続けたが、月4本強の番組の内、1~2本は外部のプロダクションとの協同制作、残りが自主制作。これがなかなかの難物、今考えれば良くこなしたと思うが、自身の勉強にもなった貴重な特番制作だった。その中の1本が「我が愛しのヒーロー達~日活映画のスター達」と言う企画で、ぼくが好きな日活映画のヒーロー達のインタビューと映画の音声などを組み合わせた中々の力作で、往年の日活を偲ぼうと言うもの(その時に日活はポルノロマン路線でかつての全盛時から10年余り経っていた)。
 日活の宣伝部も協力してくれ、これは自慢になるのだが、この内容とほぼ同じ企画が、そのまま「ヒーローズ」と言うタイトルで映画化された。ラジオ番組が映画化という例はまあ余り無く、この映画の監修役は特番で進行役候補の一人に挙げていた、作家の矢代俊作氏(日活映画フリーク)。ラジオの特番を聴いた日活の宣伝部の一人が、この企画を編成会議に提出、それが通って映画実現と言うことになった様だが、大変に嬉しく自慢できる想い出でもある。

 
 そしてこの特番では役者さんとのコネクションなども考え、当時の中堅監督の長谷部安春氏にお願いすることにした。大のジャズ好きで、フジタツちゃん(藤竜也)の野良猫ロックシリーズなど、実にシャープでいい映画を撮っていたので、出演を頼むことにして基本OKも貰っていた。しかしどこかからこの話を聞きつけたジョーさんが(宣伝部で打合せをしている時だと思うが)その場にやって来て、「あんしゅん(安春)はドモリなんだから、そんな大役は無理だ...。俺が手伝ってやるから...」と押しかけ協力。特番の中のハードボイルドドラマの主役をこなしたり、日活撮影所の取材などにも全面協力、ジョーさんの力もあって裕次郎さん、旭さん、渡さんなどの大スターのインタビューもスムーズに進み、我ながらかなりな自信作に仕上がった。ラジオ番組の賞でもある民放賞のラジオエンタメ部門にも出品しようと言う話にもなったが、登場スターが脇役まで含めかなり多数で、3時間半の特番を1時間に縮める(1時間番組が提出規則)のは不可能と判断し断念したのだが、その代わりが日活本体による映画化。
 何かと想い出多い特別番組だったのだが、1か月近くジョーさんも協力してくれ、全ての収録が終わった時には、進行役の安春さんや構成の高平哲郎氏などスタッフを引き連れて、銀座・青山のクラブをはしご、実に愉しい一時までも設けてくれた。真の映画スターの一人だったと思う。10年ほど前には家が全焼、住まいも無くなってしまったが意気軒高、俳優魂を見せている姿を頼もしく・心強く感じてもいた。

 
 ジョーさんとはその時1度きりのお付き合いで、まさに一期一会だつたが、意外なことに奥さんの遊さんとは、2度ほど番組でインタビューしている。宍戸遊さん=エッセイスト・俳人で、俳句の番組や高齢化を考える番組でご一緒しているのだが、インタビュー終了後にポツンと「私の夫は俳優で、子供も俳優をやっている(宍戸開)の。結構有名なのよ...」と語ってくれたので、ジョーさんの奥さんと言うことが分かった次第。彼女ももう10数年以上前に亡くなってしまい、ジョーさんは寂しき一人暮らし。しかしあのダンディーさは何時までも失われなかったはず。大変に残念だし、寂しく悲しい。享年86才。黙祷&献杯

【今週の番組ゲスト:ピアニストでコンポーザーのなら春子さん】
M1「ドラムツリー」
M2
Maria Cervantez
M3
「夢」

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