12月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.12/15 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.388~NYの売れっ子 中村恭士】

 本当は今回のコラム先週載せるべきだったものなのだが、種々の事情もあり今週掲載となった。今回の主役はベーシストの中村恭士。NY在住で今や当地でも有数の売れっ子、いわゆるファーストコールベーシストである。
その彼の本放送は先週(今も再放送分は流れている)、それが今回掲載になったのは彼の放送日が先週か今週か、放送前日まで決まらなかった為なのである。
 ちょうど今、彼は何回目かの全国凱旋ツアーを実施、短くも慌ただしいツアーが終わるとまたすぐにNYに戻ってギグが待っていると言う。その彼の録音を実施したのは帰国当日の金曜日(本放送の前日)の昼間。彼は大きなスーツケースを引っ張ってスタジオに恐縮そうに登場したのだが、もし何かのトラブルがあればオンエアーに穴が開いて、またまた始末書という訳。その上彼としてはツアーの予定も是非入れこんで欲しいとのことで、こちらもそれに最大限協力を...と言うことで、ぎりぎりまでスケジュールを決められなかったと言う次第なのだが、スタジオに来た彼によると全国ツアーのほとんどのチケットは、もうソールドアウトになってしまったとのことで、その人気の程も分かろうと言うもの。

 
まあそんな彼だが最初にも書いたように、ギグ(仕事)は引く手あまたで、ジャズだけでなくロックやブルースのプレーヤー等との仕事も多いようである。彼は名門バークリー音楽院とジュリアード音楽大学の双方を卒業したと言う音楽界のエリートでもあるのだが、寺久保エリナや北川潔などと言ったアメリカ留学組で、現在も現地に残って活躍している面々とはいささか事情が違う。と言うのも彼は小学校の低学年頃から父親の仕事の関係で渡米(最初はアラスカにいたと言う)、小学校から高校までシアトル地域でほぼアメリカ人同様な生活。しかし日本語も普通にできるのはある意味凄いこと。ある渡米ミュージシャンなどは7&8年のNY生活だけなのに、もう日本語がおぼつかない状態だったが(Hと言う有名プレーヤーで、NYで話した時はびっくりさせられた)、実際子供時代に日本を離れるとそうした状況になってしまう場合もしばしば。それだけに中村君は素晴らしいと思ったものなのだ。

 力強いサポートで演奏の底部を支え、若さに似ず堅実さも誇る実力派の彼は、レジェンドとも呼ばれるジャズ大物からコンテンポラリープレーヤー、そしてロックやポップス迄様々なレコーディングやライブに呼ばれるため、相当に忙しいとこぼしていた。リーダーアルバムはこれまでに2枚発表しており、それは彼がNYでも一緒にやることの多い、ローレンス・フィッシュバーン(p)、クラレンス・ペン(ds)といった俊才とのトリオによるもの。2枚目の『ホームタウン』はこの夏に出されており、今の拠点であるNY生活をスケッチした彼のオリジナル中心で、ジャッケットもNYの街の様子をコンパクトに写した、小洒落なセンスの素敵なイラストもの。5曲目の「FRB」は「フォー・レイ・ブラウン」と言うことで、彼が最も好きで何回もそのプレーに接していた亡き巨匠レイ・ブラウンに捧げられている。ソロでもサポートでもブラウンの様な力強いベースプレーをやり続けたいと彼は語っていたが、これからの研鑽によっては、ブラウンにも並ぶような大きな存在になれる可能性も充分あるに違いない。実に素直で少しの驕りも無い素敵な人物だけに、その未来は期待大だと言えそうである。

【今週の番組ゲスト:ツインミュージック代表の生明恒一郎さん】
NOGUCHI AKANE PianoTrio meets ERIC MARIENTHAL LIVE at AKASAKA Bb,TOKYO』から3曲お届けします。
M1「雨のち晴れ」
M2「La Fiesta
M3「Mercy, Mercy, Mercy


12月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.12/08 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.387~信濃追分初冬模様】

 11月の末に4日ほど追分の山荘にいた。恒例の冬支度~水抜き仕事の他、今回は御代田町の総合病院での眼科検査もあり、止むを得ずと言った感じの山荘行だった。眼科検査と言うのは今年の夏の山荘滞在中、目に出来物が...と言うことで御代田の総合病院に見てもらいに行った折、その出来ものだけでなく様々な検査を実施、その結果医師から眼圧が高いことを告げられ緑内障の恐れもあるから...と、検査を続けるようにとのお達し。そこで9月と11月の2回検査に通った次第。山荘から車で10分ほどのこの総合病院は、最後寝たきりになってしまった母親を看取った病院であり何かと関係も深く、こと眼科に関しては東信地区随一との評判で、患者数も他科に比べ異様なほど多い。まあ様々な検査をしてくれるのは嬉しいのだが、山荘が水止めで使えなくなってしまうと、病院まで通うのも近所の病院とは違い、時間・費用共に大変で、どうしようかと思案していたが、医者からはまた来年1月の来院を告げられ、不承不承OKしてしまった。全く気の弱い男だと今回もつくづく反省した次第。


 そんなこんなで一日は病院通いの為、終日つぶれてしまいもう一日は水止め作業と、追分に来ても余り暇もなく余暇の愉しみも少なかった。残りは温泉場巡りと体に良い温泉水汲みに上田市の郊外まで出張った位。天候は訪れた日が雨から雪、そして晴れと目まぐるしく変わり、雪の状態は全くの吹雪だったが、それが止み雲が流れ去ってしまうとまたたく間に晴れと、目まぐるしくもダイナミックな変わりよう。流石信濃の山間地である。

 
 ところでこの時期の追分は、もうすっかり葉っぱも落ちてしまい、実に閑散として寒々とした景色が広がるが、観光客はほとんどおらず道や店もスカスカ。それだけにぼくなどはその寂寥感が仲々に好きなのだが、山荘のテラスには落ち葉が厚く積もり、それをどけるだけでも一苦労。ただ葉が落ちてしまった林の先に、何時もは全く見えないお山(浅間山)のてっぺんまで望め、その噴煙までも...と言うところが、この寒い時期の最良点。

 さてこんな時こそCD整理を...と思ったのだが、肝心のCDデッキが故障で残すべきアルバムと捨てるもの(一応聴いてから捨てるかを決めるので...)を決められない為、その作業も中止、時間も余ったので凍てつく感じもある御影用水脇を歩き、今年最後の挨拶を兼ね、平井さんの「カフェグルマン」に向かう。流石にこの時期、歩いている人も犬もいない。少し前に何気無くカフェグルマンのホームページを覗くと、「今年は12月半ばまでの営業で、後は4月半ばまで休業、少し形態を変えた形で再開するので、楽しみに待っていてください...」とある。まあどんなことを考えているのか...、そこら辺も確かめたくてお店に伺いたかったのだ。
 店に着くと広くてお山が一望出来る、自慢のテラスは材料や用具で溢れており、その中で大工さんのような人が作業に励んでいる。一時作業を中断してこちらを向くと、なんと平井さんご自身だった。まさに熟達のカーペンターである。カフェグルマンのテラスドームを一人で、3年以上かけて作り上げた素人職人の平井さんは、いままた新たなリフォーム作業に取り組んでいる。それも来年4月半ばの再開までに仕上げないとならない作業に没頭している最中。プラモデルのキット一つ組み立てられないぼくとしては、このリフォームを一人でやってしまう能力・腕力、眩しい限りである。どうやらお店が4月までお休みと言うのは、料理を作る娘さんが12月半ばからスキー場で知られる奥志賀高原の新設ペンションで、スキーシーズンだけ料理を手伝うための措置だと言う。その間平井さんは単身お店のリフォームに励み、新たなお店に仕上げる計画なのである。
 そのお店とはまだ一般には秘密なようだが、カフェだけでなく、もう一つ違う業種のお店を付け加えた形になるとのこと。そのもう一軒も彼一人で短期間のうちにリフォームし、再開&新装にこぎつけようと言うのだから立派すぎる。そのお店の新たな業態についてはここでは言えないが、素晴らしいものになる筈で、完成の暁にはぼくも勝手連としてPRなどで協力させてもらうつもりにしている。そしてその時に山荘の、数多のジャズCDが役に立つならばこれまた嬉しいことである。また来年春の再会を約束して店を後にした。仏語通訳者でもある奥さん、極上のキッシュなどを作る名コック&パティシエの娘さん。そして熟達カーペンターでもある平井さん。10周年を目指してこれからも頑張って欲しいものである。
【今週の番組ゲスト:NY在住のベーシスト中村恭士さん】
2ndアルバム 「HOME TOWN」から

M1Awsome Beef

M2FRB

M3Home Town

M4PP featuring BIG YUKI
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12月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.12/01 番組スタッフ 記事URL
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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.386~松山晋也】

 最近のラジオ日経は、モアミュージックレストークを謳い文句にした、「RN2(第2放送の平日)」の登場で終日音楽放送と言う、これまでのたんぱ放送では考えられないプログラミングにより、徐々に音楽局でもあるのだと言う認識が高まりつつあるのだが、その昔の短波での音楽番組は色々と本当に大変だった。まず音が悪い、聞こえない、受信機は...などなど疑問だらけ、その上ノーギャラと来れば、新しいゲストミュージシャンやシンガーが来るたびに色々と質問攻め...。それをどうにかやり過ごしながら50数年ジャズ番組を続けている。今でも局の若手に時々、趣味でやられても...などと嫌味を言われることもあるが、若い頃の上司や先輩からの番組に対する露骨な干渉や嫌味などに比べれば、なんと言うことも無い戯言。かつては本当に番組つぶしに余念のない、嫌味な男までいたのだから...、今は隔世の感である。

 
それにしても50数年、ある意味こんなに長く続けている、続けられているのも、趣味などと言う甘いものではなく、かつてのそうした連中に対する、ぼく自身の執念、怨念のなせる業なのかも知れない。ただ一つ興味深いのは、そんな音楽に全く理解の無い、音楽番外地局だったラジオたんぱから、世間にも名の通った3人の音楽ライターが登場していること。これは音楽を売り物にしている他の中波やFMラジオ局に比べても、誇りにしていいことだと思う。

 ジャズの世界では、はばかりながら小生、そしてサルサを中心とした中南米音楽では、「エルカミナンテ」などと言う愛称を持つ岡本郁夫(大学クラブの後輩でもある)、そしてケルト音楽など渋いワールドミュージックの権威で、かつて「スタジオ・ボイス」の編集長でもあった松山晋也、この3人である。音楽がメインのラジオ局でもディレクターなどから専門のライターが登場することは余り無い。それが3人もと言うのだから...。しかし岡本、松山の2人は音楽軽視の実情に嫌気がさし早々と退社、定年まで勤め上げたのは恥ずかしながら小生一人のみ。まあこれは才能の多寡の問題かもしれ無いが...。

 
さてこの2人のうち、岡本は後輩と言うこともあり今迄も時々番組に顔を出していたが、松山の方は余り機会も無かった。だが今回彼が『ピエール・バルーとサラヴァの時代』(青土社)と言う素敵な音楽本を送り出した。まあ丁度いい機会と言うことで、今回その本持参でスタジオに遊びに来てもらった。バルーと言う人はあの名作「男と女」にも登場する俳優&シンガー(ボサノバ)、フランスを代表するシンガーソングライターにしてプロデューサー、レーベルオーナーなど多彩な顔を持つ才人にして知識人で、「サラヴァ」は彼自身が興したレーベルの名称。自身も、無鉄砲な人生と語るほどの自由人にして、ぼくの大好きなシンガーの一人で、大の親日家で知られ奥さんは日本人。
 
松山くんが古くからの知り合いである彼バルーの本をまとめていると言う話は、大分前から聞いていたのだが一向に出版とならない。どうしたのかと思っていたら、肝心のバルーが2016年に82才で死去。それに慌てたのか彼も永年の懸案だったバルー原稿をまとめ、ようやくこの夏出版の運びになったと言う次第。バルーと親交の深い彼は、個性的な音源の多い「サラヴァ」レーベルのコンピレーションアルバムをこれまでに何枚もてがけており、スタジオではその中からバルーの歌うものなど数曲をかけ、同時に彼の労作本を紹介してもらった。

 ラジオたんぱを退職してからは、今は無き「スタジオ・ボイス」編集長などを歴任、その後ライター稼業に入る。「音楽ライター一本でやっていくのは本当に大変ですよ」と収録後の飲み会で彼はぼやいていたが、まさにその苦労は想像に難くない。でも頑張って欲しいもの。虎ノ門での飲み会の席で「今たんぱ(ラジオ日経)がこんなに音楽をやっている音楽局になっているなんて...。そうならば辞めないで頑張っていれば、もう少しいい夢見られたかも...」などと宣うから、「いやここに至るまでは大変だったんだよ...」と小生も愚痴で返す。まあ2人とも大分オールドボーイ、もう悔やんでも相方無い所ですね。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の松山晋也さん】
松山さん著作の『ピエール・バルーとサラヴァの時代』についてお話し頂きました。
M1Samba Saravah(男と女のサンバ) / Pierre Barouh
M2Cet enfant que je t'avais fait(おまえに産ませた子供) / Brigitte Fontaine & Jacques Higelin
M3Mystifying Mama / Marva Broome & The Art Ensemble Of Chicago
M4 Boule qui roule (出逢いの星) / Pierre Barouh
M5La Nuit Masques(仮面の夜) / Dominique Barouh &  Pierre Barouh
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11月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.11/24 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.385~ジャズ講座ひばり】

 11月の初めに又々中野区公民館の依頼を受け初心者向けのジャズ講座を実施した。今年の春に数回行った(おばちゃん層が大部分)ジャズ講座、あまり知られていない戦前のジャズを俯瞰する、知らなかった日本のジャズが仲々の好評で、また是非お願いしたいという依頼。まあほとんどジャズに接したことのない妙齢のご婦人達を相手にジャズについて語るのも中々の重荷だが、「好評につき...」などと言われてしまうと、根っからのお調子者だけに無碍には断れない。どんなテーマに...と少し頭を悩ませたが、今回は「日本の人気流行歌手(演歌からポップス迄)が歌うジャズ」と言うことで、「流行歌手とジャズ~ひばりジャズから八代亜紀そして聖子ジャズ迄...」と言うテーマで、2時間の座学を引き受けることにした。ただぼく一人ではいささかキツイかな...とも考え、
かなり評判を集め売れ行きも良かったと聞く『聖子ジャズ』のプロデュースを担当した昔からの友人のジャズプロデューサー、川島重行氏にゲスト出演を頼み、話題の『聖子ジャズ』誕生の経緯、レコーディングなどを語ってもらうことにした。前回実施した、数回の講座は30人ほどの定員だったが、今回はスペシャル企画で部屋も大きく、70名を超す入場者を予定している...などと、主催者側からプレッシャーをかけられ、こちらもいささか緊張気味。

 
ところで、日本の流行歌手とジャズと言えば直ぐに思いつくのが、日本歌謡界の女帝、美空ひばり。「モダニズム・シティ」横浜で生まれ育ったひばりは、ギブ・ミー・チョコレート世代ながらも、英語は出来ないしジャズも勉強した訳では当然無いのだが、そこは歌謡の天才、その耳の良さを生かしジャズも実に上手い。デビュー(河童ブギと言う和洋折衷ブギナンバー)して数年、16才の時には既にドリス・デイが唄った「上海」や、あのデューク・エリントン楽団不朽の名作「A列車で行こう」を、素晴らしいスイング感と英語発音などで軽々と歌いこなしている。そして26才の時には、ジャズの銘品『ひばり、ナット・キング・コールを歌う』を発表、その素晴らしい力量をジャズファンにも印象付けているのだ。あの森田一義君=タモリも「ジャズシンガー以外でジャズが上手いなーと思った人は...」と言う質問に、「それはひばりさんですよ」と即答。16才のジャズデビューナンバーの圧巻の出来栄えを称賛している程で、彼の代表作日本TVの「今夜は最高」にも出演、そのジャズ才能を彼に強く印象付けたのだとのこと。

 今回の講座では、まずこのひばりと江利チエミ、雪村いずみと言う、戦後直ぐに大人気だったこの同い年の仲良し3人娘、彼女達が唯一取り上げた同じスタンダードソング「トゥー・ヤング」をクイズで出題。このナンバー実はチエミが14才、ひばり26才、いずみ76才の時のもので、それぞれの音源を合わせた架空セッションで、数年前にレコード大賞企画賞を取った雪村いずみの企画ものアルバムに収録されている仲々の珍品。またひばりとぼくのエピソード、と言っても小学生のころ彼女の日米合作映画の宣伝に駆り出されたことや、ラジオたんぱで正月特番として彼女の特番を組み、相手役に彼女がショウケン=萩原健一を選び、番組収録の際、局の廊下で彼の帰りをあの桃井かおりが待っていた(当時2人は付き合っていた)ことなどをエピソードとして紹介したりした。
 
女王ひばりの曲を数曲かけ、その後はひばりに並ぶ歌唱力の持ち主、ちあきなおみ、更に最近ジャズシンガーとしても結構売り出しを図ってる艶歌の女王、八代亜紀(銀座クラブ歌手時代はジャズを歌う)などの歌うジャズナンバーを紹介。最後は川島氏の話を交え、『聖子ジャズ』から数曲を紹介した。

 講座全体は女性歌手がメインだったが、これは男性歌手でジャズを印象的に歌った人はあまりいない為。しかし歌う銀幕スター、石原裕次郎&勝新太郎、この2大スターのスタンダードソングもご愛嬌に入れてみたがこれが好評。裕ちゃんの方はナレーション入りの裕次郎ムードジャズ歌謡「時が過ぎ行くままに」。これも情緒がありなかなかのものだが、歌の巧さでは遊びを知り尽くしたカツシンの方(サニー)に軍配を上げる。なおこの2人のジャズアルバムは、今は1万円近い高値が付いているとのこと。


 まあこんないささかゲテモノ(?)風ジャズ企画だったが、会場はかなりな受け具合。「亜紀ちゃんいいはねー」とか「
流石ひばりさん!」などと、"青春時代を思い出して愉しかったと言うお褒めの言葉も数多く、またやって欲しいとの要望も多々。
やる方としてはかなり気を良くしたものだが、もう少しジャズの王道で...と反省点もしきり...。来年はもう少しまともな方向性も考えないと...と、今反省も兼ね思案中なのです。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
「クリスマス」をテーマに「ジャストーク」のお話をしていただきました。
M1White Christmas / Bing Crosby
M2White Christmas / Charlie Parker」
M3The Man I Love / Miles Davis
M4Santa Claus Is Coming to Town / Paul Bley
M5The Christmas SongAutumn Leaves / Mel Torme



11月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.11/17 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.384~台湾特番 台中訪問】

  先週が日光、そして今週が台湾・台中と来れば、このコラムの数少ない読者からおしかりを受けるかもしれないが、そこは一つご容赦を...。さて今月の23日(祝日)の午後、恒例の台湾特番(1時間番組)を放送する。
  台湾~日本の友好親善を図るためのこの特番も、台湾政府(台北駐日経済文化代表処)や関係各位の後援・協力を受けて、なんと今回で23回目、17年に喃々とする御長寿特番となっている。ぼくがまだラジオ日経の局員時代に、新橋の飲み屋で市村潔子女史と出会い、そこから番組企画がスタート(初回は香港だったが...)、ほぼ年2回のペースでオンエアーを重ね今に至っている。その間台湾自体も国民党から民進党、再度国民党そして民進党と政権も180度目まぐるしく変わっているが、どうにか特番は命脈を保ち続けている。これも一重に幸運のおかげか、はたまたスタッフの実力・熱意の賜物か...、いずれにしろこの2つが上手く融合され今まで続いていることは間違いない。

 出演者ギャラや海外取材費、打合せ費など諸々の諸経費を総計すると毎回かなりな赤字、それを自己負担と言う悪循環で、知り合いの税理士からは、早く番組から手を引けなどともアドバイスを受けるのだが、乗り掛かった船と言うかささやかな国際貢献と言うか...、スタッフ一同も国際的ボランティア感覚で、これまでどうにか続けているのが実態。その上全員がかなり強烈な台湾フリークになっているのもまた紛れもない事実でもある。

 さて今回の特番は来年かなり大掛かりな花の博覧会「花博」が開催される予定で、台中市を全面的にクローズアップした内容になっており、台湾中からその活動が注目を集めている若手市長の代表格、林佳龍台中市長も当然番組に出演する。肝心の花博の開催は来年秋のことで、私たちが訪れた初夏の台中では南国気質の人達のイベントだけに、まだ会場整備(市内の3か所で開かれる予定)もほとんど進んでおらず、ここが開催予定地だと言うところを車で見て回っただけだった。その状況は、11月現在でもまだ余り変わっていないようでもある。ただ台中と言う台湾中部の大都市、台北、高雄に続く台湾第3のこの都市は、急激な発展を遂げている市で台北からは新幹線で1時間弱、台北への通勤者も増え新築マンションも並び、台湾で最も住みやすい街と言う評価も得ている注目都市。ここには台湾国立美術館や日本人建築家設計になるオペラハウスなど、台湾現代文化のメルクマールになる博物館や音楽ホールなどもあり、色々な意味でこれから発展していくに違いないと思わせる魅力的な街でもある。

 この街の魅力については、あの一青窈の姉さんでエッセイスト・女優、そして現役の歯医者でもある、我らの良き仲間・一青妙さんが熱く語ってくれているが、我々スタッフが正式にこの街を訪れたのは10数年振り。街の様変わりにはかなり驚かされた(市庁舎も日本時代のものから変わっている)。一方日本統治時代の古い建物もリノベ―トとされ残されており、それが喫茶店、レストランなどいろいろな店舗として生かされている。その代表格の宮原眼科は、その名称通り戦前は大きな眼科だったが、現在は同名の洋菓子屋兼スイーツ店になっている。3階まである吹き抜けの立派な建物で、壁面一帯は古書(模造品のようだが)で埋め付くされ、さながらハリー・ポッターの魔法の館と言った趣きで、台中観光随一の目玉となっている。その他にも茶芸館などかつての日本家屋を生かした店舗をパーソナリティーの山本直也アナがレポート、花博関連では日本側代表の福井プロデューサーも登場、博覧会の見どころ、台湾中部・南部の花の魅力などを紹介してくれる。

 番組のエンドメッセージは日本ではまだ余りお馴染みではないのだが、本国台湾では桑田佳祐張りの歌唱と人気を誇る伍百(ウーパイ)にお願いしている。こちらは余りピンとこなかったのだが、彼が出演するなんて...と台湾の人達から言われ、却ってびっくりした次第。また東京で楽しめる台中と言うことで、都内のスイーツ店や饅頭店など人気スポットも登場します。乞うご期待!
【今週の番組ゲスト:デンマーク在住のピアニスト 平林牧子さん】
『WHERE THE SEA BREAKS』から
M1「もういいかい?」
M2「ワンス・アポン・ザ・シー」
M3「スケルツォ・フォー・ブルー」
M4「ウインターワルツ1」

11月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.11/10 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.383~日光見ずして】

 11月頭に永年恒例になっている、大学時代のクラブ仲間(ジャズ研)10数人との年1回の親睦旅行に行ってきた。場所は紅葉真っ盛りの日光。陽明門の全面改修も終わった絶好のタイミング、天気も快晴で言うことなしである。この親睦旅行もう30年以上続いているもので、昔はそれぞれの子供達も参加する家族旅行会だったが、子供も中学に入るようになると親との旅行などは敬遠、自然に仲間だけの旅行会になってしまったが、実によく続いている。今はほとんどの面々がリタイア生活だが、サラリーマン時代は2泊3日の旅行で山登りや海外遠征なども実施したこともある。最近は先立つものも乏しくなってか...一泊旅行となってしまったが、皆の体調や金回りなどを考えればこの線が妥当な所。

 今回は日光の東照宮を見学、その後日光湯元の温泉に一泊、その後帰京と言う、「日光見ずして結構と言うなかれ...」と言う格言を実現した、典型的な親睦旅行スケジュール。朝早く常磐線の綾瀬に集合、ここでレンタカーを調達、一路日光へと向かう。綾瀬と言うのは今回初めて降りた駅だがかなりな賑わい。中央線育ちだけに常磐線沿線は殆ど分からないが、まあどこも駅周辺はそう大差ない。東北道をひた走りかなり早い時間に日光到着、直ぐに改修なった陽明門や三猿、眠り猫などの名所見学に向かったが、平日にも関わらず余りの見学者の多さに驚愕。その上世界各国の言葉が飛び交う汎グローバル状態。アジア系が多いのだろうがそこは区別がつかず、もっぱら非アジア系の人々の多さに驚かされる。陽明門境内などは歩くのもままならない程で拝観料もかなりなもの...、誰もがその日銭のたかを計算してここでもため息が漏れる。

 肝心の改修なった陽明門はその白さが際立ち、廻りの飾り彫り物も綺麗さが目立つ。少し前に見たあの姫路城にも似た感慨があった。それにしてもこの人の多さ。確か数年前に仕事で見学に来た訪れた時も平日、それほどの人では無かったのだが、世界遺産に登録されたことで観光客が一躍増加、まさに芋の子を洗う状態。そこに幼稚園の園児たちの集団のはしゃぎ声なども交じり、樹齢数百年の広大な境内林に様々な声がこだまする。厳かな中の喧騒、これもまた興味深いもの。"見ざる、言わざる、聞かざる"の三猿は、巷間言われているように顔が少し歪んでしまったようだが、どれがオリジナルかは判然としないだけに、まあこれも良しなのだろう。余りの人出に押され東照宮見物も早々退散、今夜の宿の奥日光湯元温泉に向かう。かつて良く山行をしていた頃には、何度となく訪れていた戦場原周辺も久しぶりの来訪。主峰の日光白根山頂上周辺には雪がびっしりと付いておりさながら冬山状態。日光湯元の温泉は典型的な硫黄泉で、全国で4番目の濃度を誇る硫黄泉と言うことだが、さすがに硫黄泉は温泉キングと言った趣きで気持ちが良い。この湯元温泉に最初に来たのは小学校低学年の頃で、お袋の大学時代の友人がおかみをやっていると言う老舗の"小西旅館"に泊まった筈。今でもあるのかと探してみると、奥日光きっての老舗旅館として今も健在だった。この湯元の源泉湯畑は温泉街の裏手にあり、そこは温泉寺と言うお寺の境内。このお寺は素泊まりすることも出来、全国の温泉好きにはかなり知られている事実。濁り湯を堪能し翌日は霧降の滝(華厳の滝よりも見事とも思える)などを見物、一路帰路に着く。

 それにしても40年近く、良く続いてるものである。まあ殆どが東京やその近郊育ちの中堅サラリーマンの子息ばかり。そんな所も長く続く所以だろうが気の置けない良き仲間達である。以前は車の中ではジャズを掛けて鑑賞...などと言う殊勝なこともやっていたが、今では殆どだれも関心を示さない。ただ一人熱心なのがいて最近自身が感心したアルバムを持参、車内で掛けるのだが殆どの連中は興味を示さない。と言うことでその熱心なTくんの為に、彼が持参したそのアルバムを再度紹介することにしよう。

 彼のお勧めはヴィジュー・アイヤーと言う今注目のピアニスト&コンポーザーのアルバム。インド系アメリカンの彼は数学者でもある異色のジャズメン。インドには様々な楽器やリズムが存在しているが、彼はそれらを研究、独自のスタイルを作り上げている才人である。名門"ECM"から何枚かのアルバムを発表しているが、今若手では最も期待される一人。純粋なアメリカンよりも彼の様なインド、またアルメニアとかトルコなどと言ったジャズ辺境系のミュージシャンの方にこれから期待するところも多い様だ。

【今週の番組ゲスト:ラテンジャズピアニストの深井克則さん
9月リリースの新譜『Rebirth』から
M1Blue Sky Blue
M2Rebirth
M3On Green Dolphin Street」
M4Caribe

11月4日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.11/03 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.382~ハリー・ボッシュ】

 翻訳小説の分野でハリーと言ったら、今ならばまずはハリー・ポッターなのだろうが、今回のハリーはぼくの好きなハードボイルド小説の主人公ハリー・ボッシュのこと。そのハリーの本名はヒエロニムスで、あの有名なオランダ幻想画家のヒエロニムス・ボッシュに因んで母親が付けたもの。その母親は娼婦、そして父親は不明と言う(大富豪の落とし種と明かされる)のだから、かなり凄まじい境遇で育ったと言う訳。その彼が今はLAの癖のある敏腕刑事だと言うから結構な驚きでもある。

 
アメリカを代表するハードボイルド作家、マイケル・コナリーが創作したこの刑事ものハードボイルド小説は、現在までに本国で17冊ほど出されており、日本でもかなりの数が翻訳されている人気シリーズ。コナリーには映画にもなったリンカーン弁護士シリーズなどもあるが、最大の売りはこのハリー・ボッシュシリーズ。ドン・ウイズロー、デニス・レヘイン、ローレンス・ブロック、そして探偵スペンサーシリーズの故ロバート・B・パーカーなど、これまでぼくが紹介して来たハードボイルド作家達と並び、全米で高い人気を誇る彼だが、ぼくは余り刑事ものが好みでは無いので、このハリー・ボッシュシリーズも何冊か買い求めてはいても(上下2巻ものが多い)、典型的な積読の対象でこれまで実際に手にしたことも無かった。それがある知り合いから、ボッシュは刑事ながらもかなりなジャズフリーク、ジャズを聴いている場面も頻繁に登場するから早く読むべきだと言われ、追分の山荘に捨て置かれていた、「暗く聖なる夜(03年講談社文庫)」を読み始めたらば、これが噂通り圧倒的に面白い。幸運なことにこの本でのボッシュはLA警察を辞め、私立探偵の免許を持ちながらかつての自身の未解決事件を追う役割で、単なる警察ものハードボイルド小説でない所もぼくの趣向にピッタリ。その上ジャズ好きが昂じたボッシュは、シュガー・レイ・マックと言う往年の名ジャズサックスプレーヤー(今は養老院入りしている)に、実際にサックスの教えを受けると言うおまけまで付いている。ぼくやジャズファンには応えられない内容。あのサッチモが唄う名曲「この素晴らしき世界」が、重要な場面で印象的に流れ、アート・ペッパーの諸作を自宅で酒を飲みながら聴いたり、LAの有名ジャズクラブ「ベイクドポテト」でデイトや食事をしたりと、スリルある物語展開の間を濃厚なジャズ色が埋める。幼い頃に孤児になったボッシュが、ジャズに目覚めたのはなんと15才の時で、カーラジオから流れるチャーリー・パーカーの演奏を耳にして以来とのこと。それだけにアルトサックス好きで、それが昂じて実際に演奏を習うところまで行ってしまうと言うのだから、もう素敵の一言。その上かつての自身担当の未解決事件を追うボッシュ。ハードボイルド小説の定石「卑しい街を歩き、真実を探求する」。この執念もまた並大抵のものでは無い。

 
ただ残念なことには、私立探偵としての彼の役割はこの次作『天使と罪の街』(04年)までの2作のみで、以降はまたLA警察に戻り殺人課の刑事として働くと言う、ぼくには余り好ましからざる展開となってしまう。作者コナリーは言う「もしハリーを探偵として使い続け、殺人事件を次々解決して行ったら、シリーズの信憑性を欠いてしまうだろうと分かったんだ。それだからハリーにバッチを返すことにしたんだ」と...。この後書きを読んだ時、ハリー・ボッシュ・シリーズにかなり興ざめしてしまったのも事実だが、私立探偵ボッシュが活躍する2作は大好きで素晴らしい。今日本だけでなく世界中が右傾化し住みにくくなっている時代、国や大組織に個人が押しつぶされ生きにくい、そんな悪しき時代を敏感に写し取る様な警察小説の大流行(日本もそうだが...)。この時代をどうリベラリスト=真の自由人として生き抜いていくのか...。ハリー・ボッシュも私立探偵として様々な軋轢や制約のなかもう少し頑張って欲しかったのだが、残念なことである。そこら辺にも象徴されているように(私立探偵ハードボイルド物の衰退)、ぼくらオールドボーイもこの悪しき時代に押しつぶされそうになっている様にも思えてならない。ハードボイルド小説を読み、ジャズを聴きながら、しばしばそんなことを考えている...。 
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の村井康司さん/シンコーミュージック・エンタテイメント書籍編集者の播磨秀史】
シンコーミュージックから出版された村井さんの著作『あなたの聴き方を変えるジャズ史』をご紹介頂きました。
M1Maple Leaf Rag / ガンサー・シュラーとニューイングランド コンサバトリー ラグタイム アンサンブル」
M2Black Beauty / デューク・エリントン」
M3Rocker / マイルス・デイビス9重奏団」
M4Corcovado / マイルス・デイビス ギル・エバンス」
M5Sky Blue / マリア・シュナイダー ジャズオーケストラ」

10月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2017.10/27 番組スタッフ 記事URL
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.381~選挙戦おわる】

「大義無き...」「無気力...」「脱力...」など様々な形容句で語られた今回のご都合主義選挙、小池・前原と言う希代のバカの目算違い(それが狙いだったと見る向きもあるが...)で政権批判の野党票は四分五裂、更に金正日と言う醜悪独裁者の野望なども後押しし、安倍宰相率いる自民・公明連合軍が大勝利。これまで3度も国民の信託を受けた首相はいないなどと宣い、「選挙実施は絶妙なタイミングだった」と自画自賛、臨時国会はモリ・かけ問題追及を逃れるため開催しないなど、以前と変わらない態度。これが許されるものか...とも思うが、ある面で民意の総意でもあるから民主主義国家としてこの結果、ある程度受け止めるしかない。

 
しかし野党も野党、まさか民進党の連中がいくら小池と言う女性版ヒットラー(山東昭子女史弁)へ順風が吹いているとはいえ、誕生したばかりの希望の党に丸呑みされるような案へ乗っかる。まあ前原と言う男は昔からそうだったがここまでひどいとは思わなかったし、それを民進議員も彼に一任などと言って唯々諾々従うなどとは...、開いた口が塞がらない。あの悪名高い「軽口」菅直人も、最初は小池さんのお手並み拝見...などと喜んでいたのだが、それが小池の排除発言からころっと態度を変える...。これでは市民派宰相の名が廃ると言うもの。

 
でも今回唯一良かったのは、枝野幸男と言う「漢」政治家がいたこと。良くあのタイミングでたった一人で新党を立ち上げた(立ち上げられた)こと。もう少し遅ければ今回の選挙、目も当てられないものになった筈で、これからの日本の進路に一つの明かりを照らした感もある。大体選挙スローガンなど実行できるものは無いが、今回の「まっとうな政治を...」は、実に心に響く効いた言葉だったと思う。その上漫画家の小林よしのり、一水会の鈴木邦男(早稲田大の同期で右翼派学生のリーダーで敵対していた)などの右派論客が、彼の応援演説に駆け付けた...と言うところは、これまでには無い政治の注目点だった様に思う。少し心ある論客ならば今の安倍政治許せるものでない筈なのだ。

 
それにしても今や日本の政治・論壇の座標軸は、文芸評論家斎藤美奈子も言うように大きく右旋回してしまい、「産経」「読売」と言った御用マスコミによって、リベラルと言う言葉は左翼の代名詞(もう一つガラパゴス左派もある)として扱われキャンペーンされるほどで、評論家などもこうしたマスコミの姿勢を忖度して語ることを止めつつある。こうなれば小林・鈴木両氏など心ある論客達は、こうした危険な現状を心から憂うしかない。それもこれもあのディアボロ安倍が生み出した悪しき弊害なのである。

 
それともう一つ気になったのは選挙の最終日、秋葉原での演説会。長い旗竿に日の丸をかざした多くの親衛隊が、ゾロっとディアボロ宰相の廻りを固める。何かあのナチス・ヒットラーユーゲント(親衛隊)の集会でも見ているような光景でもあった。ただこの集団にメットを被せたら、数十年前の早稲田大の大隈講堂前大決起集会にも似た構図でもあるのだが...。これからの日本の「希望」は、「漢」枝野代表が下からの目線を保ち続けつつ、まっとうな政治の実現をどう図っていくのか...。それを愉しみに見つめていくしかない。

 
といった所で今回の1曲。生涯ジャズリベラリストとして生き抜いた故チャーリー・ヘイデン(ベーシスト&作曲家)が主催する「リベレーション・ミュージック・オーケストラ」。その力感溢れる素敵なファーストアルバムの最後に収められている「勝利を我らに~ウイ・シャル・オーバー・カム」を...。上からではない下からの改革がなされるように...。我々もひたすら注視してゆきたい。
【今週の番組ゲスト:『ジャズよもやま話』音楽評論家の青木和富さん