2月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019.02/15 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.449~注目のサックス奏者ダニー・マッキャスリン】

 デビッド・ボウイが亡くなったのは3年程前の2016年1月のことで、遺作になった『★(ブラックスター)』は、ロックの殿堂入りを果たしロック界のアイコンとして話題を集め続けた存在のラストアルバムだけに、何かと評判を呼びセールスも良かったと聞く。その『★』で主役のボウイを助ける重要な役割を担ったのが、テナーサックスのダニー・マッキャスリンとドラムのマーク・ジュリアナ、21世紀のジャズシーンを牽引する2人のプレーヤーだった。元々ボウイはジャズとは結構関りも深く(ジャズ好きだと思われる)、かつての大ヒットアルバム『ジギー・スタンダード』(72年)にはジャズプレーヤーも参加、主演映画ではあの巨星ギル・エバンスとも共演したりしていた。それだけにラストアルバムの構想が出来上がりバックメンバーを探すために、現代きっての才媛の作・編曲者&バンドリーダー、マリア・シュナイダーに相談に行ったときに紹介されたのがこの2人。直ぐに彼らを『★』に起用することを決め、ボウイの遺作サウンドはかなりジャズテイストが感じられるものに仕上がった。


 このラストアルバムで一躍世界的にも有名になった2人だが、彼らは17年初めにマッキャスリンをリーダーとするユニットで訪日、東京「ブルーノート」での公演は大反響を呼び、一躍ジャズ界のニュースターとして日本でも注目を集めるようになる。そんな彼らの一人、ダニー・マッキャスリンが2月初めに再度の来日を果たし、またブルーノートのステージに立つと言う。このニュースを聞きつけたのがラジオNIKKEIのボウイ大好き社員で、是非聴きに行きたい...と言うのでブルーノートに付き合うことにした。マッキャスリンの新しいアルバムは『ブロウ』と言うタイトルで、かなりロック色の強いアルバムだが、素晴らしい内容だと彼は言う。まあ余りそちらの色が強いのも...と思ったがいずれにせよ今注目の存在だけに、聴いておくのも決して無駄では無いと考えたのである。

 
今回のステージには、前回共に登場したマーク・ジュリアナ(ds)の姿はなく、彼への期待も大きかっただけにいささか残念な思いもしたが、彼に代わってドラムの椅子に座ったザック・ダンジガーも中々の強者。ロックビートをメインに今風のエキサイティングでエッジの効いたドラミングを展開してくれた。ユニットはロックファンには名前の知られているらしい、ボーカル&ギターのジェフ・テイラーを全面フューチャーしており、オープニングナンバーは完璧にロック色。その上マッキャスリンもボーカルを披露、これはどうなることか...と思っていると、2曲目からは大分趣きが変わって来て、基本ロックテイストではあるが、ハードコアなジャズ的要素も加わり興味深いものになって行く。中でもキーボード奏者が全体のサウンドを作り上げており、誰だろうとチラシを見るとこれがぼくのご贔屓の一人ジェイソン・リンドナー。うかつにも彼がボウイの『★』に参加していたことを忘れていたが、このマッキャスリンのステージでも変則ながら実に印象的なスペーシーサウンドを構築、ステージを盛り上げる。リンドナーと言うピアニスト&キーボード奏者は実に懐の深いプレーヤーで、数年前にはブラジルに移住し現地のミュージシャンと共演した楽園系の素敵なブラジリアンジャズアルバムを発表しており、純生のピアノトリオでも素晴らしい作品を制作する変幻自在な才人。ここでもマッキャスリンを自在・闊達な蠱惑的サウンドで刺激、それに触発されたマッキャスリンも長尺なテナーソロの「ブロウ」を展開、大いに気を吐く。ロック&ジャズの入り混じった刺激的な音空間がステージでは現出され、全体にかなりな興奮度だった。

 
いまジャズは、ピアニスト&プロデューサー、ロバート・グラスパーを筆頭とするアフリカン・アメリカンの中堅から若いプレーヤー達が活躍、ヒップホップなどをベースに彼らの日常~ストリート感覚を生かした新しいジャズを提供、これが大きな潮流として時代をリードしつつある。彼らの音楽は一時余り元気の無かった感もある、アフリカン・アメリカン(黒人)・ジャズの強烈な復権を物語るものだと思うのだが(どうもヒップホップ自体に馴染めないので、その意義は大いに認めるにしろぼく自身は敬遠気味だが...)、これに対してマッキャスリンやジュリアナの音楽(ジャズ)は、ホワイトアメリカン達からのグラスパー一派に対する挑戦状、ないしはアンチテーゼの様にも見て取れる。ここら辺皆様は如何にお考えだろうか...。まあこの双方共そんな意識は余り無いかも知れないが、お互いに切磋琢磨し時に融合・交流を図りながら、21世紀の新たなジャズを構築していくのでは...と、ぼくは今大いに期待している所なのですが...。いずれにせよダニー・マッキャスリンのステージはかなfり愉しませてもらいましたよ。

【今週の番組ゲスト:ジャズクラリネット奏者の谷口英治さん】
4年ぶり、記念すべき10枚目のリーダーアルバム「In A Mellow Tone」から

M1
Begin the Beguine
M2Crazy Rhythm
M3Lil' Darlin
M4Jumpin' at the Woodside
M5In A Mellow Tone


2月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019.02/08 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.448~橋本治死す】

 ぼくの様なオールドボーイ=ロートルともなると、周りにはこの所訃報も数多く、余り人の死亡ニュースにも関心が無くなってくる。だがこの人の死亡ニュースには少しばかり驚かされた。作家・エッセイストにして、批評家、思想家とも言えそうな橋本治である。死因は癌ではなく肺炎とのこのようで、かなりな大男だが病には勝てなかったのである。橋本治と言っても今の若い人達は、なにその男...と言った感じで、殆ど名前を聞いたことも見たこともないと言った所だろう。しかし凄い男なのである。日本古来の伝統から流行りのアイドルまで、縦横に語れ視野も広く文明観もしっかり持ち、しかもあのデビュー作の「桃尻娘」に象徴されるようにポップさも兼ね備え、更に言えばセーター編みの大家でもある。そんな彼がいなくなるのは、日本全体にとって大損失なのは間違いない。

 
まあ彼にそんなに入れ込んでいるぼくではあるが、彼と最後に会ったのは今からもう30年以上も前のことで、彼の家(独身の彼は当時確か練馬区住まいだったと思う)迄行って、出演交渉をした時のこと。都会(住宅地)の中でただ一人蟄居生活とでも言えそうな、良く言えばシンプルライフ、実際は何とも侘しい生活、現代の兼好法師と言った趣きさえあったように思う。番組は2時間を超す長尺のライバル対談番組(当時はこんな番組も作らされていた)で、当時話題を集めていた気鋭作家が、橋本相手ならば俺も出演する...と言い出し、それを受けての出演交渉だったが、橋本の方はその作家へ少しも関心が無く交渉結果は見事にバツ、出演拒否されてしまった。
 実は彼に断られたのはこれが2度目だったが、その出演拒否の理由が全く橋本の言うとおりだったのですごすご引き返すしかなかった。最初の出演交渉は彼が未だ東大の学生時代、あの余りにも有名になった東大5月祭のポスター「止めてくれるなおっかさん、背中のイチョウが...」を作った直後、ぼくも入局数年目、若さに任せて頼み込んだのだがこの時もキッパリと拒否、それから10数年たっての再交渉も駄目で、そういう意味では全く仕事をしたこともないし、会ったのも若い頃に数回だけ。伝説の四谷の文壇飲み屋「ホワイト」(ここでは沢山特番を造らせてもらいました)物腰は柔らかいが強烈な印象を残す男の人で、なんとも忘れ難い存在だった。

 
その彼は後年「源氏物語」や「平家物語」、「枕草子」など古典ものの独特な現代語訳で、他を寄せ付けない業績を残してくれたのだが、ぼくが惹かれたのはその小説群。「ツバメが来た日」「蝶のゆくえ」等の短編集。「巡礼」「リア家の人達」などの長編群。どれも一つとしてハズレ作の無い実に読みごたえのある、現代きっての作家だったと思うし、中でも短編の切れ味は抜群で最高の短編作家でもあった。また日本の現状についても厳しい眼差しを向け、鋭い指摘を行っており、その評論集・思想集は分かり易い体裁ながら独特な怒りを発していた。今彼の死によって小説、思想等その作品が読めなくなるのは実に寂しいが、まあそれも全て詮無きことなのである。

 実は彼はぼくの高校の後輩で、ぼくの卒業時に入学と言う感じで学校ではダブってはいないのだが、その豊多摩と言う高校、杉並区の公立進学校で西高に次ぐ存在、東大合格者もそれなりにいた。今は残念ながら大分落ちぶれてしまった様でもあるが、そのつてで出演依頼もした訳だが、あっけなく敗退。以降は無関係だったがぼくは彼の小説・エッセイのかなり熱心なファンの一人。それだけに一度はちゃんと仕事をしてみたかったが...。
 
 
とここ迄橋本治の死亡について書き終えたら、またも二人の死亡ニュースを知らされた。一人は今は亡きジャズ雑誌「スイング・ジャーナル」の名物編集長で未発表音源の発掘などで「ボックス・マン」として世界中のジャズジャーナリストにも知られた児山紀芳氏、スキャンダルゴシップ雑誌と言われながらも、強烈な反骨・反体制精神を貫いた奇跡の雑誌「噂の真相」の名物編集長、岡留安則、奇しくも同じ雑誌編集者の死である。
児山さんについてはジャズトークで青木和富氏も語る筈だし、このコラムでもまた改めて書かせてもらおうと思っている。一方岡留氏の方は享年71才、橋本と同じ年の筈である。雑誌を終刊にしてからは余り噂を耳にしたことも無かったが、昔からお気に入りの沖縄に居を移したようで、その地で亡くなったとのこと。局の後輩でジャズ研の後輩でもあるエルカミナンテ岡本育夫が、彼を使った番組をやっておりそれで知り合ったが、その他にも新宿ゴールデン街の飲み屋でも時々一緒になることもあった。彼もまたすごい漢だった。どんどんそうした好漢がいなくなってしまう。寂しい限りです。

【今週の番組ゲスト:ジャズシンガーの黒木美紀さん、ギタリストでプロデューサーの三好'三吉'功郎さん】
黒木さんのデビューアルバム「Leaf of Glass」から
M1
How high the moon
M2
「リン。」
M3
One note samba
M4
Leaf of Glass
M5
「"Hiya-jill" for two

2月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019.02/01 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.447~ドラマー&サウンドクリエーター】

 みなさまは「信州ジャズ」と言う単語ご存じだろうか...。ぼくは信州を第2の故郷と思っている男なので、この信州ジャズが登場した時に直ぐに飛びついた一人なのだが、未だジャズ界では余り知られていない。その信州ジャズのプロデューサーが、今回番組に登場するドラマーにしてサウンドプロデューサーでもある平井景くん。彼はジャズからポップスまで何でもこなす力量の持ち主で売れっ子の一人なのだが、肝心の信州出身ではなく関西圏の奈良県の出身。その彼と信州との接点は、安曇野在住のジャズピアニスト伊佐津さゆりさんの存在。彼女の旦那は安曇野で開業している歯科医で、何と現役のジャズヴァイブ奏者。そして歯科系大学出身ながら我が早稲田ジャズ研に参加、部のOBでもありかつて「テイスト・オブ・ジャズ」にも登場したこともある男。奥さんである彼女もジャズ研に関わっていたようである。
 そんな彼女のアルバムをプロデュースしドラマーも務めた平井くんが、アルバム売り出しに考えたキャッチがこの信州ジャズ。もう3枚ほどこの名称でアルバムも発表しており、松本や長野、上田など信州の主要都市ではライブ活動も行い、信州人にはそれなりの認知をされているようでもある。ぼくも信州を代表するジャズフェス、夏の「軽井沢ジャズフェス」にこのユニットを登場させようとしているのだが、スケジュールの関係など諸々あって未だ実現はしていない。


 さて話は変わって今回登場の平井景くん。もう2回ほど番組に遊びに来てくれているが、昨年遊び心に溢れた新作を発表したので、紹介させてほしいと連絡があり、聴いてみるとこれがなかなかに面白く、二つ返事でOKした。その新作タイトルは『ごろごろ』。ジャケットも大阪在住の有名な絵本作家、木虎徹雄氏が担当、幼心に溢れた愉しいジャケット画で充分に愉しませてくれる。

 タイトルの「ごろごろ」とは、故郷奈良の山奥にある天河神社(芸能の神社としてつとに有名)でライブを行った帰り道、深い渓谷沿いの道を走りながら見た渓谷の大きな石が「ごろごろ」している様子を描いたものだと言う。一見コミカルな演奏と思えそうだが、中々に芯のある今風な爽快フュージョンサウンドで、彼のセンスが良く現れている素晴らしい演奏だ。元々彼のユニットはヴァイオリンをフィーチャーしていたのだが、今作から女性のソプラノサックス奏者、寺地美穂さんをフィーチャー、彼女が加わったことでそのユニットサウンドに深みと拡がりがプラスされ、ぐっと良いユニットへと進化・発展している。

 
アルバムには幕末の志士たちの活動をモチーフにした「風雲」、最近のポップスをジャズ風に還元した「平成音絵巻」などの、毛色の変わった和ジャズナンバーも収められており興味深い。アルバムは最近死別した彼の父親や、親しく仕事をしたエンジニア―(かれも死亡)への惜別の念を込めた秀逸なバラードメッセージで締められているが、この哀切感はなんとも切なく美しい。平井くんは亡き父親、亡きエンジニア―についても想い出を語ってくれている。 信州ジャズの発展と共に、平井くんのこれからの活動にも要注目。

【今週の番組ゲスト:ドラマー、作曲家、プロデューサー、ブライトサンズレコード代表の平井景さん】
3rdアルバムの「ごろごろ」をご紹介頂きました。
M1To The Country
M2「風雲」
M3Message
M4「平成音絵巻」

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1月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019.01/25 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.446~ジャズトーク】

 毎月最後のこの時間は、永年の啓友とも言えるジャズ評論家の青木和富氏に自身の好きなテーマで語ってもらう「ジャズトーク」をお送りしている。今月は先日「ブルーノート東京」で来日コンサートを行ったギタリスト、パット・メセニーにスポットを当てることにした。パットと彼は最初の来日の頃からインタビューなどで知り合い、以降長い付き合いだと言い色々と面白いエピソードなども語ってくれている。

 まあ現代きっての人気・実力を有したギタリストだけに色々と話題は尽きないのだが、その話以上に驚いたのは、青木氏が収録の合間にポツンと呟いた一言。「ようやく来週退院することになって良かったよ...」その時は何気なく聞き過ごしてしまったが、収録後軽く飲もうとなって近くの洋風居酒屋へ向かい、そこで詳しく話を聞くと、4か月近くの入院生活からようやく解放されるのだと言う。元々下町の門前仲町の商家の息子の彼は、以前このコラムでも紹介したように現在は富士山の麓、鳴沢村暮らし(元々の別荘を住居にした)、ミュージシャンのインタビューや番組収録などの時に長距離バスで上京し仕事をこなすと言った生活サイクルを送っている。それが難病(脊椎関連で国指定の難病だと言う)が見つかり、地元の富士吉田市の市立病院に入院、それ以降も2カ月に1回は番組収録に顔を出してくれていたので、てっきりもう退院したものだと思っていたのだが、手術した病院は余り長くいられずリハビリの為に甲府の病院に転院、そこで入院生活を送りながらその合間にジャズライブや番組収録で上京していたのだと言う。

 彼の収録の折には奥さんや娘さんが車で送り迎えすると言う状態で、どうやらこれも甲府市内の病院から車で局迄来ていたよいなのだ。こちらはそんな状況とはつゆ知らず軽く収録時間の決定などを頼みこんでいたのだが、病院との調整など(入院中を抜けることになるのだから、中々に大変だったろうと想像に難くない)色々と無理したのかも知れないと思うと頭が下がる思い。しかしどうやら杖を突いて一人で歩ける(階段の登り降りは難しそうだが)ようにまで回復したのだから、これもまた良しと言うことなのだろう。やはり青木氏も含め、ぼくたちの様なオールドボーイにとっては健康が何より大事なのである

 といった所で肝心のパットだが、最近は一世を風靡したレギュラーバンドを組むことをせず、自身の興味の赴くまま様々な楽器を駆使したソロアルバムを作り上げたり、目を付けたお気に入りのミュージシャンとセッションを行ったりと、ジャズ界を担う巨星らしく悠々自適とも言える奔放な活動を展開しており、そうした活動についても和富氏は番組でフォローしてくれている。一昔前と違って、よっぽどの規模のジャズフェスなどでもない限り、一人のジャズミュージシャンが大会場を埋める等と言うことは考えられなくなっているが、それを実現できる数少ないジャズ界のスーパースターがパット・メセニーであることは間違いない。ジャズの一つの指針を彼は握っているとも言えるし、今後の彼の動向はますます目が離せないものになっていくに違いない。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん
今週はジャズトーク。先日2年4か月ぶりに来日したパット・メセニーを特集、解説していただきました。
M1Bright Size Life / Pat Metheny
M2(Cross the) Heartland / Pat Metheny Group
M3Last Train Home / Pat Metheny Group
M4Minuano / Pat Metheny Group
M5First Circle / Pat Metheny Group


1月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019.01/18 番組スタッフ 記事URL
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.445~女流ジャズピアニスト&オルガン奏者登場】 

 ジャズピアニストでオルガン奏者が今回のゲストなどと書くと「なんだ特に目新しくもないじゃないの...」等とお叱りを受けてしまいそうで、確かにジャズオルガン奏者の中にはピアノも巧みに弾きこなす、と言うよりもオルガン奏者は殆どがピアノも巧いと言うことでもある。その代表格は女性のシャーリー・スコットあたりだろうが、その他の有名オルガン奏者もピアノアルバムを出しているケースも多く、殆どは両刀使いでもある。ただしこのオルガンがジャズなどで使われるハモンドオルガンではなく、教会やコンサートホールなどに置かれている本格的なパイプオルガンとなると、話は全く異なって来る。巨大な楽器とも言えるパイプオルガンは、教会の中に置かれることも多く、数多くのパイプをペダルで鳴らし荘厳な教会音楽を奏で上げ、ジャズとはおよそ正反対な性格のもの。この全く異なる性質の楽器(鍵盤楽器とでは一致しているが...)を、その両方を巧みにこなす奏者がいるとは思えなかったのだが、意外にぼくの近くにいたのである。

 
ジャズピアニスト岩崎良子=パイプオルガン奏者小野田良子さんである。ジャズとクラシックで名前を使い分ける彼女、実は我が早稲田ジャズ研の一世代下の後輩で、その存在についてはつい最近知ったところ。昨年秋にジャズ研の総会が新橋のジャズクラブであり、偶然席がすぐそばで初めてちゃんとした形で話をしたのだが、おばさんながら(失礼)仲々にチャーミングな女性。ピアニストとしてユニークな個性の持ち主とは知っていたが、パイプオルガン奏者だとはつゆ知らなかった。元々この大型楽器を備えているのは殆どが教会だけなのだが、コンサートホールなどにも置かれている所もある。それだけに実際に演奏する場所が余り無いのでは...と思ったが、彼女は聖路加国際病院のパイプオルガン奏者としてボランティアでもう10年以上働いているのだと言う。

 彼女のジャズアルバムそしてパイプオルガンのアルバムを送ってもらって家で聞いてみると、これが中々に面白い。と言うことでゲストとしてスタジオに遊びに来てもらうことにした。ピアニストとしてはギター(スパニッシュ&フラメンコ)とパーカッションによるちょっと変則的なトリオで活動することも多く、『ラ・カメリア』『ジプシーの風に吹かれて』等と言ったアルバムタイトルからも分かるとおり、スペインなど意イベリア半島系の情熱的音楽を愛するひとのようである。またパイプオルガン奏者としてはカザルスホールでオルガンとピアノを掛け持ち(両方の間を駆けずりまわって演奏した、大変な作業だった様だが...)するアルバムも出しており、
どうしてピアノとパイプオルガンを両立させようと思ったか...、パイプオルガン演奏の難しさ、愉しさ等など、様々な興味深い話を番組ではしてもらっている。
 今やクラシックの伝説的大家になった感のあるフジコ・ヘミングは、一時聖路加国際病院でパイプオルガン奏者の同僚として彼女と共に演奏しており、「可憐な花がささやいている様な演奏に聞き入ったものです。それはとても気品があり趣味の良いものだったと思います」と岩崎さんのことを評しているが、その通りの実に心地良いジャズ演奏だし、一方パイプオルガンの方は実に荘厳な響きを持って伝わって来る。ユニークで可憐な人でもある。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストであり、オルガニストの岩崎(小野田)良子さん】
La Camelia「カザルスホールに響きあう、聖なる音・俗なる音」
「ジプシーの風に吹かれて」から
M1 La Camelia
M2J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
M3SUNFLOWER
M4Melan-Coin