6月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2022/06/30(木) 19:00

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.633~チンさんこと鈴木良雄~】

 我が「テイスト・オブ・ジャズ」の今回の登場ゲストは、ベーシストの鈴木良雄。チンさんの愛称で知られるJ-ジャズ屈指のベーシストにして、日本を代表する重鎮プレーヤーでもあり、恐らく番組でも最多登場を誇るプレーヤーでもある。サダオさん(渡辺貞夫)のバンドでプロデビューを果たし、プーさん(菊池雅章)のユニットなど一流バンドを歴任した後、単身武者修行でNYに渡り、アートブレーキー&JM等のトップバンドに加わり名前を挙げ、10数年の滞在の後に帰国。以降は自身のバンドを結成、日本を代表するミュージシャンとしての地歩を固め現在に至っており、現在は無くなってしまった日本のジャズメンを顕彰する「南里文雄賞」、最後の受賞者でもある。

 そんな彼とぼくとの付き合いは、早稲田大学のクラブ(ジャズ研)の新入生時代からだから、もう半世紀以上の長い付き合い。言うなれば同期の桜だが実際の境遇は大違いで、一方は日本を代表するジャズプレーヤーで、こちとらは一介のチャンジー(爺さん)ラジオプロデューサー。本来は敬語でも使い遇しないとならないのだが、そこは昔馴染み。小西、チンと呼び捨ての仲で、彼が新しいアルバムを出したり、周年のコンサートやライブをやればスタジオにゲストとして招き、それを紹介してもらう...と言った形、なので実に数多くの登場回数を誇っている訳である。

 そう言えば彼がアメリカから帰国した数十年前には、六本木にあった「ロッピ(六本木ピット・イン、今は閉鎖)」で、大学のジャズ研主催の大々的な帰国コンサートを敢行、大盛況だったその模様を、当時「テイスト・オブ・ジャズ特別番組」として放送したこともあった。まあ実際に会えばお互いにけなし合っている...感じで、番組パーソナリティーの山本郁嬢などに「小西さん、チンさんと実際に仲悪いの...」等といぶかしがられるのだが、それも腐れ縁の成せる業...と言った感じ。

 ぼくの感じるチンの良さは、まずは何と言ってもベースプレーの確かさ。派手さこそないが音楽の根底をしっかりと支える堅実さだろう。更に幼少時のクラシックトレーニングに裏打ちされた音楽素養(元々はピアニストであったが、サダオさんの忠告でベースに転向)等々良点は数えきれないが、何と言っても素晴らしいのは、多くの人から愛されるその性格の素晴らしさだろう。八方美人などと嫌みの一つも言いたくなるほど、彼は多くの人(ミュージシャンやファン、関係者など)から好かれており、それはジャズと言う音楽を続ける中でも、必要な要件でもあるとぼくは思う。
 そんな彼が久方ぶりに自身のユニットを更新、「ザ・ブレンド」と言うニューユニットを結成した。チンや峰厚介等のベテランに本田珠也などの中堅の実力派を加えた、世代を超えブレンドした「オールスタージャズユニット」である。ある日彼からTELがあり、「今度新しいユニットを立ち上げたんだ。コーちゃん(峰厚介)とか珠也が入った、ザ・ブレンドと言う素晴らしいユニットで、今回レコーディングもすることにしたんだ。ついてはお前にアルバムのライナーノートとかジャズ雑誌のインタビュー、更にはアルバムのPRパンフレットなど、全面的に協力して欲しいんだ...」との頼み。日頃は悪口ばかりなのだが、こうした頼みとあらば断わる訳には行かない。と言うことで2月のコロナ禍、体調も万全でなかったがライブレコーディングに付き合い、雑誌インタビューを行い、ライナーやPR原稿を書いたり、様々な関係者に協力要請も行い、結果としてその演奏の素晴らしさも相俟って、かなりな盛り上がりとなった。ある雑誌では「日本のジャズが到達した最高の高みにある演奏...」等と言った誉め言葉も書かれ、チン自身も大満足で大いに感謝されたりもした。

 そのライブ・アルバム~2枚組の大作であるを引っ提げ、今回チンがまたまたスタジオに遊びに来ることになった。演奏はジャズの聖地・新宿「ピット・イン」でのライブだけに、1曲がどれも長く30分の枠では全面的に紹介出来なかった感はあるが、チンがこのアルバムにかける意欲は良く伝わる内容となっている。顧みればチンもぼくももう70代の半ばを過ぎ、人生の終末時に入っているのだが、そんな感じはみじんも感じさせ無い力強さで、まさに日本のジャズここにありと言う存在感に溢れている。皆様にも是非お勧めしたい傑作だとぼくは断言できる。チンよこれからも元気でやり続けてくれ、出来る範囲で協力させてもらうからな...

【今週の番組ゲスト:ベーシスト鈴木良雄さん】
The Blendの新譜『Five Dance」から
M1「Morning Glow」
M2「Let.s Walk Towards the Sun」
M3「Moanin」


6月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2022/06/23(木) 19:00

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.632~久々のジャズコンサート~】

 現在も止むことの無いコロナ禍だが、屋外でのマスク不要とか...規制の緩和に向け様々な意見も出始めており、一時の過度な同調圧力などが大分緩くなってきているのは間違いない。こうしたこのコロナ禍にあって、その最大の被害を被った人達がミュージシャンやアクターなど、パーフォーミングアーティストであることもまた間違いない事実。ライブなども出来なくなり、コンサートやフェスなども軒並み中止...と言った深刻な事態が続き、話をすると愚痴ばかりが出る悪しき状態だったが、今年になってようやくコンサートやフェスなども動き出し、まずは一安心と言った所である。それに伴いコンサートなどのお誘いも出始め、ぼくの所にも招待状も送られて来ているが、このコラムでも何回か記したように、2月の半ばからぼく自身の健康状態が芳しく無く、およそ会場に足を運ぼうと言う気にもならなかった。
 そんな折に池袋の東京芸術劇場で開催されているシリーズ企画「ピアノVSデュオ」企画は、知り合いのY女史が企画協力しており(東京ジャズのプロデューサーでもあった)、そのVSの面々も中々に興味深いものだけに、是非に...とも思ったのだが...、やはり調子悪しで結局スルーしてしまった。このデュオ企画、これまでは山下洋輔と彼の弟子筋にあたるクラシック奏者の鈴木優人とのデュオ、そして2回目は塩谷哲と大林武史の注目のジャズ中堅同士のデュオと、中々に食指をそそられるもの。山下さんからはコンサートに顔を見せないじゃないか...と小言を食らってしまったが...、その2回をスルーしてしまったので、もう招待などは臨めないと...と思っていた。だが先日担当から3回目の招待状が届き、これはなんとしても行かねば...と言うことを決めた。

 今回のVSピアニストは山中千尋と妹尾武。山中は今を時めく人気ピアニストで、NYと東京を行ったり来たりの二重生活の人。彼女のコンサートを聴くのは本当に久しぶりだが、相手役の妹尾は全く知らない名前。少し調べるとポップス界で名曲を輩出して来た、作曲家にして俊才ピアニストとある。久々のジャズコンサートにして久々の池袋の街、更に久々の芸術劇場。久々続きだったが全体には池袋の街以外、今回のコンサート視聴はほぼ満足だった。その池袋の街だが、この街とはどうも相性が良くなく、今回もコンサート前に軽く食事を...と思っても、適当な場所無しで結局はスルーしてしまった。この街でははるか半世紀以上前の高校生時代に、友人数名と映画見物に来た帰り、当時の不良にカツアゲされた苦い思い出があり、それ以来敬遠気味な街であり、余りアートに相応しくない街と言ったイメージも、偏見かもしれないがぼくのなかには強くある。まあ池袋はさて置いても、久々の芸術劇場はやはり立派な美しいホールだったし、コンサートもまあそれなりに納得いくものではあった。

 肝心の山中と妹尾。この2人なんとあの桐朋学園の同級生で、全国からクラシックの秀才が集うこの学園での異端児どうし。1人はジャズ、そしてもう1人はポップスと、学友達とは違う道を目指していたある意味でのはぐれ同志。それだけに互いの活躍が気になっていた2人にとって、名前を成した後のこの共演は必然だったとも言える。山中は公演パンフレットに「どれほどこの共演を望み、待ちわびていたことでしょう」と記しているが、2人は全く同じ誕生日でもある因縁の仲とのこと。それだけに実に和気あいあいとして心温まる共演が繰り広げられ、この企画にあるVS...、ピアニスト同士の対決...と言ったイメージとは大分趣が異なるものではあったが、それなりに愉しむことも出来た。久々に山中のピアノプレーに生で接したが、今や世界的なピアニストとして認知されている彼女だけに、以前に比べそのピアノのタッチは強烈なものになっており、これには少しばかり驚かされもした。我がジャズ番組にはレコードデビュー直前に登場してくれた彼女だが、あの頃は居並ぶピアニスト達に比べ実にか細い音だったのに対し、今回のようなどちらかと言うと内輪で心安い共演でも、そのタッチの強靭さは目立っていた。色々と久々続きのコンサート鑑賞だったが,やはりジャズは生の鑑賞に勝るものなし...と言った印象を、改めて強く感じたものだった。

【今週の番組ゲスト:ジャズトランペッター 類家心平さん】
新譜『DUO』から
M1「Plus fort que nous(愛は私たちより強く)」
M2「Dear」
M3「Suiren」
M4「Blue Midnight」



6月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2022/06/16(木) 19:00

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.631~スーパーマーケット戦国時代~】

  今うちでは食べものなど日常の買い物はもっぱらスーパーマーケットで行い、若い連中には必須とも便利だとも言われるコンビニなどに立ち寄ることは余り無い。一つにはコンビニが品揃えも少なく、見ていて面白みに欠けること、更には値段もいささか高めなどと言うこともあるが、何よりコンビニそのものが余り好きでは無い...と言うのが大きい。

 スーパーマーケットと言えば、成城石井や紀伊国屋、そしてクイーンズ伊勢丹など、高級スーパーの名前がまず思い浮かぶが、これらの店舗は我が街国立やお隣の立川の街にも群がっている。しかし値段が高めで敬遠することも多い。ぼく自身の身の丈に合っており利用頻度が高いのは、かつての勢いこそないものの、なんといっても安価な商品が多く揃い、朝早くから夜遅くまで開いており、国立駅からもほど近い、ある意味良いことずくめの西友国立店になる。全国の西友の中では抜群の集客力を誇り、一時は西友の中でも売り上げトップになったこともあるようだ。
 まあ高級スーパーは別として、この西友のほかにも今は庶民派スーパーも乱立、正にスーパー戦国時代だが、ある日TVのニュース番組を見ていたら、かつて三越デパートが入っていたあの高級を絵に描いたような、恵比寿ガーデンプレイスの三越の空き店舗に、スーパーのライフが入りその開店時が大賑わいだと言う光景が映し出されていた。ライフは今や全国のスーパーマーケットの売り上げ第1位だと言うことで、どうやらその勢いのままこの高級地所に出店したようである。結構スーパーマーケット好きで色々な店を覗いているつもりだったが、このライフは多摩地区には3店舗ほどだけなので、ぼくの中では全くの無印的存在だった。そのライフが三越にとって代わる、やはり時代の流れである。
 
 スーパーの代表格の一つライフは、ぼくにとって余り馴染みの無かったが、今はOKとかサミットやヤオコーと言った新興スーパー(?)に加え、業務スーパー、ドン・キホーテ(前身名が「泥棒市場」だったのは驚きだが...)などと言った、専門スーパーなどもぐいぐい伸してきている情勢である。
 面白いことには我が家から歩いて10数分、五日市街道沿いの立川市と国分寺市、小金井市の3市の境界地の辺りに、なんと数百メートルほどの距離を置いて、OKとヤオコー、2つの勢いのあるスーパーが並存しているのである。2年ほど前に誕生したOK(こちらは安売りをキャッチにしている)が殴り込みをかけた形だが、それ以前にはヤオコーが新規開店して既存のスーパーを追い払ってしまい、この地でスーパー戦争が勃発、後発店が既存店を追い払う形になっている。現在両立の各店舗が、これからどんな決着を迎えるのかはしかとはしないが...、こちらは安くて良い商品を求め、両方を比べて行き来すればいいので、中々にその争い興味深いもの。その上なにかとお得な点も少なくない。だが両店舗の関係者はかなり大変なことだろうし、その戦争に弱音を見せる訳にもいかないだろう。担当者の苦労は察して余りある。
 
 ではお前のお勧めスーパーはと聞かれれば、直ぐに挙げるのが高級感と庶民感覚が見事にマッチした、長野県の東信地域随一のスーパーであるツルヤと言うことになる。日本随一の避暑地である軽井沢に大店舗を構えているだけに、高級品の品揃え(ワインの数などは凄い)も抜群。しかし決して高級さだけでは無く、品物の豊富さと安さも兼ね備ており、日本を代表する出色なスーパーだとぼくは信じている。皆様にも一度ツルヤを覗いてみることをお勧めしたいが、残念ながら東信地域にしか店舗が無い。しかしこうした特色あるスーパーは、全国各地にまだまだ色々とある筈で、それらを訪ね歩くのもかなり面白いかも知れない。しかしチャンジー(爺さん)のぼくには、そうした元気さなど今は望むべくも無いのですが...。


【今週の番組ゲスト:Eight Islands Recordsのレーベルプロデューサー 八島敦子さん レーベルディレクターのディスクユニオン 坂本涼子さん】
M1「BAYATI SHIRAZ / SHAHIN NOVRASLI」『BAYATI』より
M2「See Ya (Broken Break) / BOB JAMES & SAM FRANZ」『2080』
M3「Atsuko's Arcade / BOB JAMES & SAM FRANZ」『2080』
M4「Spain / MIKA STOLTZMAN』『Spirit of Chick Corea』

6月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2022/06/09(木) 19:00

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.630~TV「ぼくらの時代」~】

  日頃TV番組はドキュメンタリーや旅番組などで、これ以外は余り見ない。ドラマやバラエティーも興味あるものも少ないので、チャンジーのTV離れ...と言えるかも...。ただ例外として彼または彼女が出れば...、新聞のTVラジオ欄などで見つけると、見てみたいと思うタレントはいる。それが明石家さんまと大竹しのぶのかつてのゴールデン夫婦コンビ.
 さんまに関しては「さんまとマツコ」など様々な番組を何故か見てしまうのだ。まあ番組の回しもうまいしピンでもそつなく笑いを取る等々、TV史上最高のエンターテナーでは無いだろうかと信じる。一方の大竹しのぶ、屈指の女優にしてコメディエンヌ。役者だけでなくトーク番組に出ても、絶対にツボを外さない凄い人である。この2人がTV共演などとなれば、何をおいてもTVに齧り付かないと...なるのだが、そんな機会はまず無い。その上残念なことに、ラジオの現役局員だった時この2人とは、全くと言っていい程接点が無かった。全く残念である。
 
 ある日新聞のTV蘭を見ていると、古くからのクロストーク番組「ぼくらの時代」(フジテレビ)で、大竹しのぶが出演とあり、相方が歌手の野口五郎と岩崎宏美とある。この組み合わせもかなり意外で面白いし、大竹が回し役だろうならばと...言うことで、久方ぶりに日曜日の朝のトーク番組を見ることにした。このトーク番組、スタートはかなり以前のことで長い間続いているが、いったん中止し10年位前から復活したもの。スタート時は気鋭のトーク番組として、その登場者など...色々とぼくにも参考になったし、制作者の意気込みも強く出た、いい番組だった。だが再開してからは、プロモーション絡みのつまらない番組になってしまった感もあり関心も無かった。今回も野口、岩崎が2人で全国ツアーコンサートを行っており、そのプロモーションを兼ねたものだと言うことは歴然だったが、そこに大竹しのぶの存在が加われば...と想像したが、やはり彼女が一枚加わることで、なかなかに面白いトーク番組に仕上がっていた。
 残念なことに大竹しのぶとは接点は無かったが、野口五郎と岩崎宏美、この2人とは一時仕事を共にした間柄だけに、かなり懐かしくもあったし、この3人がそれぞれに関わりを持つ友人どうしだと言うのも、今回初めて知りそこも興味深いものだった。
 ゴローに関しては、西城秀樹と郷ひろみ、そしてゴローと、アイドル御3家...と言われた彼らの人気絶頂の頃、何をとち狂ったか一般化路線と言う大衆化を図った当時のラジオたんぱの特番で、3人をそれぞれ登場させる2時間ほどのものを作らされたことがあり、この3人それぞれのパーソナリティーに接し、中々に面白かった。一番幼く映ったのがひろみで、ゴローはバラエティー番組などにも登場していただけに全般に器用にこなした。一番まともだったのは秀樹でセンスも抜群だった。それぞれの特番では、自身の好みのナンバーを選んでもらうコーナーを設けたが、そこでも秀樹はマイケル・フランクス(vo)などを選び、その確かな選曲眼にも驚かされたものだった。一方ゴローはギター青年で、結構ジャズっぽいギターナンバーを選び、これも意外に好感持てるものだった。この後彼は、スティーブ・ガッド(ds)等、NYのジャズフュージョンの一流ミュージシャンと共演したアルバムを作り上げ、それを抱えて我がジャズ番組にも登場してくれたが、それも今となっては懐かしい想い出でもある。

 岩崎宏美もそうした一般化路線特番の一つで最初に局に顔を見せ、その時に番組に関係していた今は亡きディレクターのⅠ君、彼が彼女をいたく気に入り、かなり無理してレギュラー番組を設定、短い間ながら番組は続いていた筈で、Ⅰと岩崎のコンビも中々相性も良かった。彼女は歌手としては、この当時数多く出現したアイドルの中でも抜群の力量を誇っており、一度スタジオに来た時に歌姫ペギー・リーのアルバム(銘盤『貝殻』だと思う)を彼女に聴かせ、是非こんな感じのもの作ったら...と、勧めたりもしたものだった。彼女はそれなりに関心を示したが、如何せん売れっ子のアイドル路線、所属の日本ビクターが相手にするはずも無かったが、もし彼女がジャズのスタンダードを歌ったならば、美空ひばり、ちあきなおみに匹敵するだけの出来栄えを聴かせてくれたと思えるし、抜群の日本版ジャズスタンダードアルバムが誕生した筈と...、今でも残念な想いはある。
 
 いずれにせよ。この3人によるクロストーク、ぼくよりも一世代下の面々だが全員かなりな年齢となり、それぞれに成熟の時を迎え、話も面白く興味深いものだった。歳を経るのもまた良きことなのかも知れない...。

【今週の番組ゲスト:トロンボニストの中路英明さん】
中路さんのラテンジャズバンド「OBATALA SEGUNDO」の新譜『ORACION』から
M1「Algun Dia en Algun Lugar~いつかどこかで~」
M2「Atagallando」
M3「The Long And Winding Road」
M4「A Little Old Man」

6月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2022/06/02(木) 19:00

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.629~イギリスから社長来日~】

 数年前のことになるが、ロンドン在住のジャズレーベル社長のダレル・シャインマンからメールが届いた。「私が立ち上げたレコード会社"ギアボックス"は、もう10年以上の歴史があり、今イギリスの音楽ジャーナリズムでもかなり注目を集めている。そして最近日本の代理人とも契約し、日本支社も立ち上げたので、年の終わり辺りに日本を訪れたいが、その折には貴局を訪ね是非挨拶したい...」と言った趣旨のもの。どうもどこかのパーティー辺りで知り合った、イギリスのミュージシャンからぼくのジャズ番組のことを聞いたらしい。メールを読み終わって資料を見ると、確かにこのレーベルは今イギリスでもかなり注目のものだった。それからしばらくして代理人と言うⅠ嬢から連絡があり、「社長が来日した折にはぜひ会いたいのでよろしく...」とのこと。しかしその後はコロナ禍に...、どうやら社長のダレル来日などは考えられず、来局の話も立ち消えかと思っていた。ただ「ギアボックス=GEABOX RECORDS」のアルバムは、興味深いものばかりだったが、それも律義に送られて来ていた。

 そんな折今年の4月初めに、再びⅠ嬢からTELあり。今年の5月末に1週間ほど社長の来日が決定したので、是非貴局を訪問させて欲しいと言うこと。それと知り合いのジャズ関連出版社やライターなども紹介してもらえれば...ともある。まあ喜んで...と言うことで、知り合いのジャズ雑誌関係者やライター等も紹介した。そして肝心の社への訪問だが、こちらはダレルが離日する1日前の5月30日の昼間と言うことにした。

 そして訪問当日、今はぼく自身がラジオNIKKEIの局員でないので、局の概要説明などは営業のトップでイギリスのロック等にも関心の深い営業局長のⅠ氏に頼み、2人で迎えに出る。すると社長のダレルと代理人兼通訳のⅠ嬢が到着、ダレルはアフリカンかカリビアンの血が混ざったミックスと思われる好男子で、実に知的な感じの男。Ⅰ嬢はもっと年配の女性かと思ったがかなり若い人で、英語堪能にしてジャズ知識も豊富だった。局の説明をして音楽番組も多いことを告げると、2人の関心度も高く、特に50年以上もジャズ番組が続いていることに感嘆していた。ダレルの話では、肝心の「ギアボックス・レコード」は既に10数年の歴史を有しており、タイトル数は80枚に及ぶと言う。このレーベルの路線は大きく2つあり、現在の活況を呈しているロンドン・ジャズシーン、それの主力になっている若手達を取り上げるものと、ロンドンのジャズクラブなどを訪れたアメリカのビッグネームの未発表ライブに、イアン・カー、ロニー・スコットと言ったイギリスの主要ジャズメンのアルバムなど、オーソドックスなジャズ路線と言うことになっている。

 局の説明ののち、スタジオでダレル社長にレーベルの沿革や最近のロンドンのジャズ状況、また日本のファンへのメッセージなど10分程のインタビューをした。その内容はまた夏ごろに番組で放送する予定にしている。スタジオの時間が少々足りなくなり、短いインタビューになってしまったが、レーベル概要やロンドン(イギリス)のジャズ状況などを掴めるそれなりの内容になったと思う。また何かあれば一緒に協力してやろうと言う話にもなり、2人はかなり満足の様子で帰途に就いた。
 ダレルお勧めのアルバム、イギリスの若い有望ユニット「ピンカー&モーゼズ」や、南アを代表するピアニスト、アブドゥーラ・イブラヒムのソロなどをかけながら、愉しいジャズ談義、その模様は7月末辺りのオンエアーになる筈で、乞うご期待と言った所。

【今週の番組ゲスト:ジャズ ヴォーカリストのギラ・ジルカさん】
Geila Zilkha & Super Soul Jazz の新譜ORIGINALS』と『COVERS』から

M1SPAIN
M2All Real
M3TOMATO
M4Long Train Runnin'」