12月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/12/30(木) 19:00

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.607~2021のベストアルバム~】

 2021年もそろそろジ・エンド。当然我が「テイスト・オブ・ジャズ」も、今年は幕閉めとなる。毎年最後の放送は1年間を振り返り印象に残ったアルバムをいくつか紹介することにしているが、今年もその紹介の役割をジャズライターの青木和富氏にお願いすることにした。彼は山梨県の富士山の真下~鳴沢村に住んでおり、東京までは長距離バスで来る。そのうえ足の具合も良くないのだが、収録の日は他の会合などもあり、それを熟してからスタジオに来るとのこと。もう感謝・感謝である

 彼が用意してくれたアルバムは5枚ほど。そのタイトルなどは別項に載せられているので、それを参考にして欲しい。まずは今年最大のジャズニュースである、チック・コリアの急死。全く残念なことだがその彼の死を悼んで、代表曲とも言える「スペイン」をオリジナルアルバムから紹介、続いてチックと日本を代表するピアニスト、小曽根真のデュオアルバムから1曲など、今年1年間を振り返り色々と話は弾んだ。中々に充実したプログラムである。

 と言うことでその実際は、番組の方でお聞き頂きたいのだが、ではプロデューサーのお前のベストは...と言う声も当然出てくる。毎年音楽雑誌などでも、そうした要望はあるが、そんな時にぼくが挙げるのは、海外のアルバムでは今年は珍しくボーカルもの。番組でも以前取り上げた、今最も重要なボーカリストの一人、グレッチェン・パーラトのほぼ10年振りのアルバム『フローラル』。これがベストかは何とも言えないが、この1年間ぼくが最もよく聴いた、愛聴アルバムであることは間違いない。デビッド・ボーイのヒット曲や、ブラジルの作曲家、ピシンギーニャ等の銘曲を、メローネスと吐息で実にセンス良く歌い上げる、洗練味の極致とも言えるボーカルを披露している。何よりバッハの無伴奏チェロ組曲を取り上げている所が最高。痺れます。

 国内アルバムの方は、ぼくもその制作に一部関わった、世界的にも珍しいアルバム『メディテーション・フォー・オルガン&サックス』にした。オルガンとサックスのデュオアルバム、これがどうして世界でも初なの...と疑問に思う向きも多い筈。しかしそのオルガンが普通のジャズオルガンでは無く、教会などにあるあの荘厳なパイプオルガン、と知ったらばきっと驚かれるに違いない。パイプオルガンでジャズを...、と言うのがまずめったに無いケース。その上にそれがジャズサックスとデュオを交す...と言うのだから、これは間違いなく世界初のチャレンジングな企画。この試みに果敢に挑戦したのが、パイプオルガン奏者でジャズピアニストの岩崎良子。その相手役は日本のコルトレーン派の代表格、竹内直で、聖路加国際病院のチャペルにあるパイプオルガンを用いて、7カ月間かけて作られた画期的なアルバムなのである。

 岩崎さんは早稲田大学のジャズ研の後輩。その彼女から「この企画どうでしょうか...」と最初に相談された時、大変だが画期的なものとして大推奨、相手役は直ちゃんこと竹内直しかいないと彼を推した。半年間以上の収録後もアルバム発売先を紹介したり等、結構このアルバムに関わって来ただけに、完成は嬉しかったし様々な場所で話題になっていることも嬉しい限り。バッハとコルトレーンの世界が交差する、世界でも稀なこのアルバム。年末年始にもピッタリなものとして推薦します。ディスク・ユニオンのDIWレコードから発売中ですから、よろしく応援の程お願いします。間違いなく世界初企画のジャズ&宗教歌アルバムなんですから...。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
2021年のジャズを振り返りました

M1Spain / Chick CoreaLight as a Feather』より
M2Someone to Watch Over Me /  Chick Corea 小曽根真」Resonance』より
M3Someday / 上原ひろみ」Silver Lining Suite』より
M4I Said Cool, You Said...What? / 狭間美帆」Imaginary Visions』より
M5Bright Size Life / Pat MethenyBright Size Life』より


12月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/12/23(木) 19:00

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.606~村上RADIO~】
 
 先日このコラムで、全国のラジオ局でジャズ番組は80いくつもあるんだと記し、その中で人気なのは村上春樹のやっている「村上RADIO」位では...ともかいたのだった。すると直ぐにこのコラムの熱心な読者の一人だと言う(まあ実際にそんなもの好きな人いるんですね...)ある知り合いからTELありで、「村上ラヂオと言うエッセイ集が出ているよ...」と言う要らぬおせっかいが入る。まあそう聞くと一応目を通さないと...、と思って本屋に行くが置いていない。仕方なく近所の図書館巡りで1冊見つける。どうやら2000年から01年にかけての1年間、人気女性誌ananに連載したコラムを抜粋して纏めたもので薄い本だけにすぐに読めてしまう。タイトルはあくまでも「村上ラヂオ」で「ラジオ」でない所が、拘り屋の彼らしい所。春樹が女性それも当時の若い女性向けに書いたものだけに、結構面白いものも幾つかあった。

 ある意味で温厚な彼だけに「けんかをしない」と言うコラムでは、「ぼくはとても性格温厚とは言えないが、正面切って他人と喧嘩をすることは無い...」などと書かれていると、彼がまだジャズ喫茶「ピーター・キャット」の若き親父をしいていた頃、その初代の店(国分寺駅北口にあり、以降千駄ヶ谷に移り人気店になる)のカウンターの陰で、物静かに読書していた姿を思い出すが、静かではあるが結構小うるさそうな男ではあった。若い女性向けということで、テーマもファッションから食い物など、如何にも女性好みと言う様なテーマも数多いのだが、やはり面白いのは音楽に関するもの。タイトルを拾ってみても「滋養のある音楽」「オブラディ・オブラダ」「柳よ泣いておくれ」「きんぴらミュージック」等々。「自分には20歳前半の女の子が、何に興味を持っているか...などは分からない。だから自分に興味あることだけを書くようにした...」と後書きにあるが、それでも今読んでも面白い。流石現代の文豪。こうでなくちゃである。

 上の幾つかの音楽コラム、「オブラディ・オブラダ」は当然彼のビートルズ体験について。彼はぼくよりも3,4才下だから、ビートルズ来日時は高校生時代だと思う。当然彼のポップス体験は、ビートルズとビーチ・ボーイズと言うことになるのだろが、「高校時代はクラシックとジャズにのめり込んでいたので、ビートルズは敬して遠ざけていた...」と書かれており、ああそうなのか...と納得させられる。また「きんぴらミュージック」は、フォークロックの主役格、ニール・ヤングの音楽はきんぴらに合うという内容で「ニール、君も頑張れよな。ぼくもきんぴらごぼうを作りながら君の音楽を聴いているんだから...」と言う一節がある。「柳よ泣いておくれ」は当然名花ビリー・ホリディ―の名称で知られるスタンダードソングについてのもの。「ぼくは柳の木が好きです。気が向くとその木の下に椅子を持って行き、読書しています」と優雅さを誇っている。そして何より嬉しいのは「滋養のある音楽」と言う一章。この音楽とはあのヴィム・ベンダースが監督に一時大ヒットしたキューバの超ベテランミュージシャン達の音楽ドキュメンタリー作品「ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ」についてのもの。手持ちカメラを駆使しての映像だけに、「画像は荒っぽいけれど、その分音楽の息遣いも生々しく再現されており、音楽家たちも素晴らしいもの」と絶賛している。チャーミングな音楽家と音楽もワクワクするほど楽しくて、引き込まれてしまった...と。春樹は書いているが、キューバ音楽がそれほどに彼を魅了したとは、キューバやその音楽好きなぼくにとっては、嬉しい限りのものだった。

【今週の番組ゲスト:ギタリストの助川太郎さん】
Requie-mundo』から

M1
「春のない男」
M2「マウンテンチャイルド」
M3「ソワンダフル」
M
4「希望への眠り」


12月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/12/16(木) 19:00

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.605~川嶋哲郎~】

 中野区の幾つかの区民センタ―でジャズ講座~ジャズトークをはじめてもう7、8年になる。それが他の郊外の市民センターにも徐々に広がっており、実施は結構大変ながらもそれなりに愉しいものでもある。最初の頃は3・4回のシリーズ企画だったので、「ジャズの沿革」とか「日本でジャズが始まった頃~戦前のジャズ」などと、系統立てて企画を考えたりしたものだが、如何せん平日の昼間開催だけに、参加するのは暇に任せた高齢の方達。ジャズなんぞにほとんど興味ない方達も多く、余りこちらの話などには感心ない方も多い様だ。そこでシリーズものよりも1、2回のスペシャル企画として、旧知のミュージシャンをゲストに呼び演奏をして貰い、その人のアルバムなども紹介し、軽いジャズ談義をする...と言った、肩の凝らない形式に変えているが、こちらだと結構人が集まるのである。やはり生演奏は強しである。

 毎回50人ほどの参加者だが、ゲストの方もボランティア感覚で来てもらっている。ただしこのゲスト選びもなかなか大変で、こうした会場ではピアノなど楽器設備が無い所も多い。こうした場合やはりピアニストだと話を進めるうえなど何かと便利なのだが、そうなるとソロでやれる楽器の方を呼ぶしかない。サックス奏者やハーモニカ奏者等々で、ジャズシンガーなどはソロではまず実演が出来ないのでNG。その上若手では無く、それなりに名前のある人を...という主催者側のリクエストもあり、難しい選択を迫られる。

 先日も中野区のある区民センターで、ジャズトーク(ジャズ講座)を実施、3年ほど前にゲストに招き好評だった、日本のテナーサックスの第一人者、川嶋哲郎氏をまた招くことにした。川嶋氏はもう要領を心得ているので快諾を頂いたのだが、やはり気になるのは参加人数。毎回無料で参加随時なので人数は全く読めない。なによりもゲストの人気度よりも、天気具合に左右されるのだ。暇だから昼間の2時間ほどジャズ演奏でも聞こうか...、と言った感じで参加される方が多く、日本の第一人者の川嶋氏がソロでプレーして、トークもするから...と言った本来の趣旨に賛同していらっしゃる方はほんの2割程度。毎回イベント当日の参加者の人数には本当にやきもきさせられ、その日が雨模様などと言ったら目も当てられない。幸いなことに雨だったことは2回ほど、まあついているのである。

 今回の川嶋氏のジャズトークセッション当日も小春日和。まあこれならば...と思ったら、まあまあの50人強の参加。テナーソロで、自身のオリジナル「ラメンテーション」や童謡「故郷」のジャズバージョンなど3曲を披露、流石と言う出来栄えで参加者を魅了してくれた。J-ジャズのテナー部門で人気・実力のトップに君臨する彼だが、こうした場でも決して手を抜かない、真剣な演奏を聴かせてくれる辺り本当に頭が下がる。その上彼のトークが秀逸。専門誌「ジャズ・ライフ」で連載している「気ままにジャズ・トーク」は、ジャズを通した人生訓と言うか、ジャズを通した気軽な哲学覚書と言った趣きの素晴らしい内容。これをジャズ本で無く軽やかな哲学書として売り出したら...と、彼には勧めているのだがまだ実現はしていない。だが本になったら間違いなく話題を呼ぶ哲学書になるはずである。論語や孟子、聖書等々、哲学・宗教全般に通じた彼の存在、そのサックスの実力だけでなく、そちらも広く知れたらば...と、毎回彼をゲストに呼ぶ度に感じる所。出版関連の方、誰か手を挙げてくれませんかね...。

【今週の番組ゲスト:通訳・翻訳家の丸山京子さん フリーランス・プロデューサーの津下佳子さん】
シンコーミユージックから発売された「『最高の音』を探して ロンカーターのジャズと人生」をご紹介頂きました。

M1「ゴーン」『ディア・マイルス』より 
M2「プレリュード・イン・Eマイナー」『フレンズ~永遠の愛』より 
M3「ゴールデン・ストライカー」『ゴールデン・ストライカー』より 
M4「日没」『オルフェ』より 

12月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/12/09(木) 19:00

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.604~海野雅威君再登場~】

 このところ日頃怠惰なチャンジー(爺さん)プロデューサーにしては、珍しく勤勉な日々で体にこたえた。特番収録や芥川賞作家&神保町界隈のボス等のインタビュー、それに加えちょっぴり仕事絡みの深夜ラグビー観戦等々と、9日間休み無しで珍しく奮闘した。

 まずラグビーから言えば、勿論ジャパンの遠征試合である。ラグビー中継と言えばJスポーツと言うことで、ぼくももちろん契約しているのだが、ジャパン遠征試合に関しては1試合だけしか中継がない。そのため惨敗したアイルランド戦も見ること叶わずだったが、いささか格下のポルトガル戦は見れるので、番組など何かの参考の為にと...、深夜起き出してじっくりと見させてもらった。格下なので楽勝...等と言った下馬評だったが、そんなことにはならない筈と思ったらその通り、大苦戦でようやくの辛勝だった。ただこの試合を見る動機にもなった中野選手、初キャップでセンターに起用され、試合を決定づけるプレー振り。我が早稲田ラグビーの価値を大いに高めてくれたのは、深夜にも関わらず嬉しいものだった。喝采ものである。

 芥川賞作家と言うのはつい先日受賞した台湾出身の李琴峰さん。台湾番組の今年度最終回に登場してもらうため彼女にインタビューしたのだった。早稲田にある行きつけの店でのインタビュー、高田馬場では超人気店だけに大賑わい、漸く席を確保してインタビューに間に合わせたがかなり大変だった。昨年の台湾番組がラジオ初出演と言う彼女。その後芥川賞受賞で一躍時の人になってしまったが、初出演の時と違って明らかに機嫌も良くスムーズに取材は進んだ。初めての時は尖がった印象で、余り物も言わぬ...と言う印象だったがまるで一変。やはり受賞の効果か、変われば変わるものである

 まあなんやかんやで老体(?)に鞭打ち、仕事で走り続けた9日間だったが、その打ち止めがNYから一時帰国中で全国ツアーを終えたばかりの海野雅威君。海野君と言えばこの1年間のジャズ界の話題の中でも最大のトピック...、と言うか新聞やTVなどで大々的に取り上げられた話題の人。もうご存じの向きも多いと思うが、NYの地下鉄で若い黒人に襲われ(アジア系ヘイト...)瀕死の重傷を負い、ピアニストとしては再起不能...とまで言われた悲劇の主人公。本場のNYで活躍してその才を各方面で高く評価され、ドラマーのジミー・コブ・グループ等で大注目だったときの悲劇だった。
 新聞なども再起不能を伝えており、その記事を読んだ時にはびっくりしたものだった。彼はアルバムデビュー直前から、スタジオに遊びに来てくれており、その後もNYで名声を積むと共に帰国の時はスタジオに...、と言うことも多かっただけに、このジャズ番組ファミリーの一員とも言える存在だった。それだけにアメリカ在住のギタリスト、増尾好秋(大学ジャズ研の1年後輩)も帰国の折、彼を励ます番組を...とわざわざ企画して番組登場してくれたりもしたのだったが、海野君もそれをNYで聞いて大感激したとも言う。

 その彼が奇跡のカムバックを果たし、その「奇跡の全国ツアー」を終えたばかりの日曜日の午後、帰国直前に是非番組に出たい...と言うことでスタジオに遊びに来てくれたのだった。「今回は本当に全国のファンの助けで、およそ10数か所でライブをやれて大変幸せでした。どこの会場も満員、特に最後のBN東京のステージは、仲間のミュージシャンも多く来てくれて大盛況、少し涙も出てしまいました...」と語る。彼の闘病生活はNHKがドキュメンタリーとしてオンエアーし、来年には別番組もBSで放送されるとのこと。もう時の人である。
 未だリハビリを続けているとのことだが、何より手術してくれた女医さんが、全米でも屈指とも言える名医だったのは、本当に幸運だったとのこと。ぼくらにとっては彼が元気でいてくれることが何より...。NYでの生活は何かときつい所もある筈だが、彼ならばと思わせる自信にも溢れていた。

 彼の話す内容全てが中々に感動的だったが、この海野君の番組登場は来年1月末、期待して下さい。番組は前回書いた通り正月第1弾として、世界のギタリスト渡辺香津美の軽井沢のスタジオ&住居を訪ね、そこでの彼の話をお届します。恐らく彼のスタジオで収録は初めての事。こちらも乞うご期待です!

【今週の番組ゲスト:トランペッターでボーカリストの外山喜雄さん バンジョー奏者でピアニストの外山恵子さん】
M1Bibbidi-Bobbidi-Boo 
M2Under The Sea 
M3Friend Like Me
M4「世界は日の出を待っている(The World Is Waiting for the Sunrise)」

M1外山喜雄&デキシーセインツ
M4 外山恵子



12月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/12/02(木) 19:00

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.603~渡辺香津美 来年こそは...~】

 我がジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」は有名無名を問わずニュートラルな立場で、様々なミュージシャンやシンガーの方達に登場して頂いている。このノンシャランな構えが結構好評な一因なのだが、逆に言えばいい加減などとも捉えられかねない。しかしぼく流にはこのやり方、かなり「良いかげん」なのだと勝手に自負しているのだが...。まあしかしそんなノンシャランさも、さすが毎年新年一発目の放送だけは、かなりな大物に御登場いただく...と言うことで、いささか方針変更を図っている。

 この新年一発目に登場して頂く方、まずは昔からの付き合いもあり、1年置きぐらいで巨匠山下洋輔師となっているが、その他では大西順子、阿川泰子、ケイコ・リー等々、やはりかなりな名前が並ぶ。そして来年の顔は...となった時、直ぐに思い浮かんだのが世界に誇る日本のジャズギタリスト、渡辺香津美の名前だった。良く世界に誇る...等というキャッチコピーが宣伝で使われるが、真にこの名称に価するミュージシャンと言えば...、やはり香津美氏以外には無いとぼくは思う。世界に通じる...と言う点では、サダオさん(渡辺貞夫)、洋輔さん(山下洋輔)日野ちゃん(日野皓正)等、日本のジャズシーンを牽引し続たベテラン陣の名前が良く挙がるのだが、ジャズだけでなくロックやR&B、そしてクラシックの世界まで、広大な裾野を誇るギターワールドで世界にその名を轟かせ、多くのギタリストから尊敬の念を向けられている人...となると、やはり香津美氏を置いてはいない。

 その香津美氏、このコロナ禍で心に期するところもあったようで、軽井沢の山中に自宅とスタジオを移してもう2年ほど。カミさんでピアニストの谷川公子さんが、「軽井沢通信」を始めそれでその山荘生活なども知ることが出来るのだが、彼女からは追分の山荘も近くなので、一度遊びにでも...とお誘いも受けていた。しかしそこは世界の香津美氏、おいそれと一人でお邪魔するのも...等と思っていただけに、正月番組の取材はまさに絶好の機会。その旨を伝えると彼女と香津美氏から快く了解の返事。今までも都内やその近郊までは、ジャズ番組でも出向いたりもしたが、流石に軽井沢の別荘地までは初めてのこと。山本嬢にお伺いを立てると「行きましょうよ...」と二つ返事でOK。丁度良いことには昔局にも居たT嬢が、一家で今年の春から中軽井沢に移住しており、彼女が車などのアテンドもしてくれるとのこと。その上彼女は大の香津美ファンでもある。
 ということで軽井沢の千ガ滝分譲地にある香津美家の自宅とスタジオに向かうことになった。お山(浅間山)の麓にある広大な別荘地のかなり上の端の方に位置する香津美家。実に静かで落ち着いたロケーション。この晩秋にはもう周辺もほとんど人はいない。定刻に真新しい別荘風建物に着くと、直ぐに中に迎え入れられそのシンプルだが、居心地良い空間に癒されてしまい、女性陣二人はうっとり。「こんな所に一度は住んでみたい...」と感嘆しきり...。興奮冷めやらぬ中、香津美氏のインタビュー開始。新しい年を迎えての抱負、軽井沢の自然の中での生活、自然と音楽等々、話は尽きなかった...。その素敵なお話は来年の正月、1月6日のジャズ番組でたっぷりとお愉しみ頂きたい。
 
 番組収録が終わってからは、それぞれのお部屋やスタジオなども案内していただき、感謝・感激しばし...と言った感じ。女性陣は見るもの全てに感激で写真取りまくり。香津美氏のギターコレクションは何と70本以上、そのどれもがビンテージ物で高価なものばかり。こちらにあまりその素養が無いので分からなかったが、見る人が見れば腰を抜かす銘品揃いの筈...。収録後何と2時間ほどもお邪魔してしまい、世界の香津美を味わい尽くした、充実の一日でした。乞うご期期待です。

【今週の番組ゲスト:トランペッターの原 朋直さん】
125日(日)開催の『JAZZ EMP 2021』についてご紹介頂きました。

https://mobile.twitter.com/jazzemp
M1Let's Gomi Jam / 原朋直」
M2「百舌鳥と秋空 / 駒野逸見」
M3HAPPY TREE FRIENDS / Don kururi
M4Harlem Collective / 片山 士駿」
M5Clover 2 / 永武幹子」
M6Cosmic Microcosm / 原朋直」