1月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/01/28(木) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.550~バイデン新大統領

 とうとうトランプがアメリカ大統領と言う大舞台から消え去り、バイデンが新大統領に就任した。この4年間の大国アメリカは、トランプの為に極端な分断に悩まされ続け、ぼくの知るアメリカの友人達(現地に長くいる日本人も含め)は、ミュージシャンや会計士、大学教授等々、所謂インテレクチュアルな人達は、その殆んどは異口同音にただただトランプが消え去ることだけを望んでいたようだった。彼らは選挙で当然バイデンに一票を投じた訳だが、総じてバイデンでなくても誰でもいい、ただトランプでさえなければ...と語っていたのが印象的だった。一方トランプ支持派は、彼が悪と戦う正義のヒーローで、彼の語ることは絶対に正しいのだと信じ、そうした行動を起こす人達もかなりな数だった。そのほとんどが白人でその中の過激な面々が前代未聞の議事堂突入などを行ったのだった。
 ぼく自身は常日頃からチャンジー・ボーイ(好奇心旺盛な若ぶった爺さん)だと思っているが、ぼくよりも4、5歳上のバイデンが、この極端に分断化された難局アメリカの舵取りを任されたとは、自身で決めたこととは言え、その大変さはどれほどのものだろうか...。まあその舵取りが上手くいくことを願っているし、そうでなければアメリカのみならずこの世界全体がどうなってしまうのか...。

 日本のTV局なども、こぞって今回のこの大統領就任式の模様を伝えていたが、某番組に登場したゲストコメンテーターの小西克哉氏が、皮肉交じりに語っていたのは、新大統領のバイデンの宣誓演説よりも、勝手に退任式を行い得々と自慢話を語り散らしたトランプの演説の方に力点を置いて紹介する...と言った倒錯した制作方針だった。これは至極正論で流石に最も信頼のおける小西克哉氏ならではの指摘だった。まあこれにはトランプの日本での不思議な人気も影響しているかも知れないが、ぼくの周りにもバイデンの当選は不正な陰謀の結果で、いつかは正義が...などと宣うトランプ信者が少なくない。ジャズ関係者の中にすらそういう輩がいるのには、人は好き好きだと言っても本当に驚かされてしまう。

 大統領就任式について言えば、圧巻はレディー・ガガの国歌独唱だった。彼女の存在は当然良く知っているし、あの大物トニー・ベネットのデュオ歌唱盤で、その素晴らしい力量も知っているつもりだったが、この国歌独唱には素直に感動した。ずっと真摯なトランプ批判を展開していた彼女だけに、その万感の思いが込められた独唱だっただけに、多くの人達を感動させたに違いない。続いて登場した女優&シンガーのジェニファーロペスの歌も良かった。

 4年前のトランプ就任の時には、良識ある歌手がそっぽを向け、名前の知らないカントリーシンガーが祝福の歌唱を披露していたが、あの式典とは大違い。ハリウッドが総すかんのトランプに変わっての期待の老星バイデン。アメリカのポップカルチャーは、彼の登場でまたまた新たな飛躍のステージに突入する...こと間違いなしを予感させるに充分な良い式典だったと思う。まさに「アメリカ・ザ・ビューティー」である。

【今週の番組ゲスト:JazzEMP事務局長の荒井尚文さん トランぺッターの原朋直さん】
M1Cosmic Microcosm / 原 朋直グループ」
M2Little Bird Bluse / 小曽根真 feauturing No Name Horses
M3Goldfishdropping / 浅利史花」
M4Deep Sea / 原朋直グループ」


1月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/01/21(木) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.549~ラグビー大学選手権

 巷ではほとんどの市町村で式典中止が決められる中にも、晴れ袖姿の新成人が行きかい愉し気な談笑を交わしていた1月11日の成人の日。その成人式に出席もせずに半世紀以上が経ち、今や単なる街のチャンジー(爺さん)に成り下がっているぼくも、この日は年甲斐も無く結構燃えていた。

 我が早稲田大ラグビー部の大学選手権2連覇が掛かる決戦の日で、10時過ぎには家を出て国立競技場に向かう。待ち合わせの千駄ヶ谷駅に着くが、いつもの決勝の日と違って至って静かなもので、駅前もいつもような混雑もなく、騒がしい様子は皆無。大分拍子抜けだったがまあこれも無理からぬ所で、この非常事態宣言下に良く試合が出来たものだと感心もする。前売りの1万5千枚強の入場者だけ認めての試合決行だと言うが、実際には5千枚分の人間は入らなかったのだとも聞く(明治ファンだと想像するが)。色々とオリ・パラ開催強行のための忖度が各所で働き、どうにか開催にこぎつけた...と言うのが真相のようだが、まあ試合が可能になり観戦出来るだけで御の字と言った感じ。閑散と言った感じが濃厚な国立競技場に着くと、何と我が早稲田ラグビー部員達の部員席のすぐ脇の辺り。これはまた縁起が良いと...、正月のおみくじ大吉引き当てに続き早稲田ラグビーの優勝を確信する。

 しかし幸運はここまでで、1時過ぎに試合がキックオフされると後は悲惨の極み。直後からどんどんと天理大に攻め続けられ、ボール支配率・地域支配率とも3割弱と言うみっともなさ。前半10分頃までに早くも2トライを立て続けに決められ、前半だけで既に試合決まりと言った様相。久しぶりに早稲田が完膚なきまでに痛めつけられた感も強かった。まあ今年はコロナ禍で菅平の合宿も中止、秋まで対外試合も無しと言った厳しい状況の中で、良く決勝戦まで勝ち上がってきたものだと、選手たちを褒めてあげたいし、彼らに感謝もしている。

 しかし、しかしである。監督やスタッフにはやはり注文の一つも付けたくなる。昨年の早明戦で惨敗した明治を軽く一蹴し、決勝に臨んできた天理大。その力量は良く分かっていたはずなのに、ほとんど対策が練られていないように見えたのは残念な極み。昨年の対決で大勝した驕りや余裕がありすぎて、天理戦への対策を怠ってしまった...と言われても仕方ない完敗・惨敗だった。
 それともう一つ、この決勝戦はコロナ対策で拍手だけの声援となっており、選手たちの声もフィールドに近い席だっただけに返って良く響いた。そんな中こちらに聞こえるのは、天理の選手たちの声だけ。彼らは早稲田の選手一人一人の名前を呼んで、デフェンスの確認をし、気を引き締めていたし、コーチもグランドの脇に立ち大声で支持を出していた。一方早稲田からは選手の声も一切聞こえず(劣勢だったので仕方ない面もあるが)、コーチなどもグランド上に見当たらない。更にすぐ脇の早稲田部員席からも応援の声が上がらず、至っておとなしい。ラグビーと言う競技は体と体をぶつけ合う競技で、特に学生の試合などは気合の持ちようで、試合の流れが決まってしまう所も多々ある。そうした意味でもこの試合その実力以上に、試合の勝利要素は意外にそこら辺で決まってしまったのかも知れない...。現にある早稲田のFWの選手は試合後のインタビューで「天理の選手の声のでかいことに圧倒された...」とまで語っており、FW戦のモールやラック(FW同士のもみ合い)で完敗したのは、適当な対策が取られていなかったことと、この声のでかさに圧倒されたこと...なども、関係していたのかも知れない。それにしても劣勢の中にあって、部員達はもう少しグランドの選手たちに声を掛けられなかったのか...。そうすればもう少し流れも変わる可能性があったようにも思えてならない。クールで沈着...は早稲田ラグビー部の売りではあるし、現在のコロナ禍で、声を出すことも躊躇われたのかも知れないが、それを突き破るような熱く激しい鼓舞の瞬間も、必要な時はあるのだ...と強く思ったものだった。

 何ともやるせない気持ちで、競技場を後にしてすぐ前にあるラーメン店「ホープ軒」(日本有数のコテコテそば)に寄り、久々に焼け気味で食べつくした一日。残念で寂しい一日でした。

 とここまで書いて驚くべき...と言うかまあ規定通り...と言うか、早稲田ラグビーに関する重大ニュースが飛び込んできた。監督の相良南海夫氏が勇退と言うニュース。彼とは2度ほどしか話(立ち話)をしたことが無く、まだ50才すぎには思えない温和な好々爺然とした人物だったが、長年三菱重工相模原の監督などを務めて来た組織人にして苦労人。崩壊寸前だった早稲田ラグビーを良くここまで立て直してくれた...と感謝しかない。また会社に戻るのだろうが、これからの人生幸多いことを祈りたい。それにしても敗戦のあと、彼は結構恬淡としていたように見えたが、もう覚悟は決まっていたのだろう。最後にミッシェル・ルグランの名曲「ワット・アー・ユー・ドーイング・ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ」で、これからを称えたい。ご苦労さんでした。相良南海夫氏!

【今週の番組ゲスト:ジャズギタリストの井上さとしさん】
9枚目のリーダーアルバム「9SONGS」から
M1Together With You
M2Paz y Amor Siempre
M3Monk The Things
M4Nonoichi Swing

1月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/01/14(木) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.548~正月3が日

 災」から「福」に...と願っている方も多い2021年が明けた。正月3日間は世間の心配をよそに、快晴の好天気続き。特に元旦は雲一つない全くのピーカン。こうなると新年恒例の富士浅間神社参り...と言うことで、例年よりも1時間ほど遅い8時過ぎに自宅を出て、中央高速をひとっ走りして富士吉田市に向かう。例年に比べると車の数も少なく、実に走り易い。2時間弱で富士吉田のICを降り神社方面に向かうが、拍子抜けするほどスイスイと車は進み、神社に着くと駐車場もガラガラ。いつもだと朝の10時過ぎは、駐車場も超満員で場所探しに手こずるのだが、今年はそんな気配まるでなし。本宮の参道も人は例年の4分の1程で、参拝もあっけない程スムーズに終わる。まあ密が昨年の一字で、暮れからまたまたコロナ禍第3波到来などと騒がれているのだから、こうした閑散状況も無理からぬ所。翌日のラグビー大学選手権準決勝戦に臨む、我が早稲田チームの勝利を願っておみくじを引くと、これがなんと大吉。ここ10数年中吉・小吉などはあっても、大吉は無し。これは年初めから縁起良しで、明日の早稲田チーム勝利は間違いなしと確信、正月もやっている吉田の地場の温泉につかり、気持ちを新たにして帰京する。

  翌日はいよいよラグビー観戦。試合開始の1時間ほど前に秩父宮ラグビー場に到着、ここもソーシャルディスタンス実施で観客数も例年に比べて少ないが、熱気は例年通り。相手の帝京大は今年のシーズン戦で軽く一蹴した相手ではあるが、数年前までは10年位全く歯が立たなかった強敵。6・4で不利と思いながらも早稲田の勝利を願い、おみくじの結果も最高だっただけにその勝利を信じる。ウオーム・アップを見ていると早稲田の面々の充実度が伺え、その勝利を確信する。帝京大の全盛時代には、この試合前のアップを見るだけでこれは早稲田ダメと思ったものだが、今は全く違う。12時過ぎにキックオフの笛が吹かれると、実に早稲田の選手全員が元気で、開始わずかでFW全員で押し込むモールトライを決めるなど、素晴らしい出来栄え。後半は帝京大のパワーに押されたものの、6点差のままノーサイド(試合終わり)が近ずく。胃の痛くなるようなディフェンスが続き、ようやく我が早稲田ラグビーチームは逃げ切る。万歳・万歳なのだが、歓声を上げることは禁じられていおり、心の内で万歳を三唱。第2試合の明治―天理戦は友人に会うために観戦は取り止め。どうせ明治がコテンパンに天理を痛めつけるだろうと勝手に判断。夜帰宅してオンデマンドのラグビー中継を見ると、これがなんと全く正反対の結果。あの明治が天理に軽くあしらわれているではないか...。これには全く驚かされた。まあ外人選手が4人もいるとは言え、天理大は攻撃も防御も想像以上にスピーディーで素晴らしいものだった。この天理大に我が早稲田がどう戦うか...、それを想像しながらもう一つのスポーツハイライトである、箱根駅伝を見ると、これも創価大の予想外の往路優勝となっている。まあコロナ禍の中、2021年もまたまた世の中何が起こるか分からないものの様である。

 そして3日は、暮れに行けなかった墓参りに...。我が家のお墓は鎌倉の鎌倉霊園にあり、この霊園が出来て直ぐにお袋がここを気に入ってその一角を購入。それだけにこの墓地を所有する、あの西武の堤家の壮大な墓所の直ぐ傍の仲々に恵まれた場所にある。はるか鎌倉の海も見渡せ、富士山も望めると言う理想的なロケーション。この日も湘南の海と富士山を望みつつ墓に線香をあげ、今年1年の自身の生存を祈願した。チャンジー(爺さん)になると、寂しいことにもうただ生き続けることのみ...。これではいかんとその帰り道、横浜の「ディスク・ユニオン」に立ち寄り、去年のジャズシーンで最も力感のある素晴らしいアルバムの一つ、話題の俊才トランぺッター、アンブロース・アキンムシーレの新譜『オン・ザ・テンダー・スポット...』(BN)を購入、家でじっくりと聞くことにする。その結果は一口縄では行かない仲々に難しいアルバムだったが、アフリカン・アメリカン(黒人)の原点とも言えるブルースの現代的解釈とも言える意味深いアルバムと気づく。一回では理解し得ない所も多い含蓄多い作品なので、新年の年初めはたっぷりとこのアルバムに浸ろうと思っています。また今年も我がジャズ番組、よろしくお付き合いの程...

【今週の番組ゲスト:ピアニスト、コンポーザー、ボーカリストの宮本貴奈さん
7年ぶりのリーダーアルバム『Wonderful World』から
M1It's All Up to You
M2Hello Like Before~Just the Two of Us」
M3Blue Motion
M4What a Wonderful World


1月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2021/01/07(木) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.547~2021年スタート

 明けましておめでとうございます。波乱の年の幕開けですが、今年どうなるのか全く先行きが見えません。まずは何といってもコロナ禍...、大規模クラスターはあるのか...。そして最大行事のオリンピック、これすら開催出来るのかはなはだ疑問ではありますが、まあそんなことを憂いていても仕方ありません。我々チャンジー(爺さん)世代は自身が健康で、どうにか一日でも生き延びることを考えるだけなのですから...。

 さてジャズ番組の新年第1弾は、売れっ子ピアニスト、作・編曲者のクリヤ・マコトの久々の登場です。アメリカ西部の大学の、確か物理学科何か理数系の学科を優秀な成績で卒業、研究者として残る道もあったようですが、音楽の道を選んだ変わり種。頭脳明敏な人だけに、帰国後のデビューアルバムはⅩ理論とか言う音楽理論をメインにした結構ハードな内容のトリオアルバムだったと思います。だがそこは商才にもたけた人、これが駄目だと見るや方向転換、ポップスの仕事なども引き受け、ジャズをメインに各方面で大活躍、その才気を全面に打ち出し大成功をおさめ、今日に至っています。今や日本のジャズ、そしてポップスシーンの売れっ子の一人と言っても過言でないクリヤ・マコト。その魅力をたっぷり楽しめる30分間です。

 今回は昨年に出した「ウエザー・レポート」のヒット曲をクリヤ流にアコースティックで再構築したピアノトリオアルバム=「アコースティック・ウエザー・レポート」を中心に紹介しますが、クリヤのユニークかつインテレクチュアルなお話はけだし聞きものです。また「ブラック・マーケット」などのウエザーナンバーの変貌具合、これもまた愉しみです。
 新しい年の初めにフュージョンミュージックの代表格、「ウエザー・レポート」のヒットナンバーのアコースティック新装版、曲が生まれ変わるとはどういうことか...、そこら辺をたっぷりとお聴きください。

【今週の番組ゲスト:ピアニスト コンポーザー プロデューサーのクリヤマコトさん】
Acoustic Weather Report 2』より
M1Black Market
M2Donna Lee
M3Deep Insight
NOTHIN' BUT JAZZ』より
M4Street Walking Woman