6月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2020/06/19(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は6月まで日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00と金曜18:30~19:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.518~栗林すみれ】

 
  ジャズファンの中では、もう長い間楽器としてピアノが最も高い人気を誇っており、実際のところジャズアルバムで売れるのも、ピアニストのもの、それもピアノトリオのアルバムと相場が決まっている。そのジャズピアニストの世界、わが国では男性陣よりもむしろ女性陣の方が勢いがある...と言うか、上原ひろみ、山中千尋、大西順子等々、注目すべき人材を数多く輩出しているようにも思える...。そうしたこともあり番組では、女流ピアニストを...と言うことで、先週と今週2週にわたって新旧を代表する女性ピアニストに、TEL登場(コロナ禍での措置)してもらうことにした。先週は日本を代表する人気ピアニストの一人、国府弘子。実に6年振りの番組登場で、自身も数々の大病を乗り越え今に至っている訳だが、そんなことを少しも感じさせずに、このコロナ渦の中でも溌溂とした所を示してくれた。安心しました。


 そして今週の登場は、ぼくの一押しの若手ピアニスト、栗林すみれ。もう何回か遊びに来ているが、久しぶりにスタジオで会いたかった。だがコロナ禍でそれも叶わずTEL収録。彼女が初リーダー作『トイズ』を発表したのは2014年で、6年程前のこと。そのアルバムを引っ提げて来てくれたが、以降コンスタントにアルバムを発表し、今回の新作『ネームレス・ピアノ』で5作目。


 デビュー作からロマンチシズム溢れたピアノプレーを聴かせてくれ、すぐに彼女のピアノに魅了されたのだが、その才能に最も感心したのは3作目の『ピーセズ・オブ・カラー~光彩』。これは大編成のユニットもので、その作・編曲、特にユニット全体を生き々と動かすアレンジ力には目を見張らされるものも多く、伸びしろ具合でピアニスト&作・編曲家として、遂に第一線に躍り出た感も強かった。
 そして今回の最新作だが、これは初のソロアルバム。それも自宅で自身のピアノでほぼ1年間かけて、じっくりと収録した(宅録)ものがメインで、残りの数曲は北海道のスタジオでの収録となっている。自身の愛着多いピアノでじっくりと自身で作り上げた作品。それだけに想いも深いアルバムになっているようで、彼女も嬉しそうに音取りの苦労話などを語ってくれている。


 タイトル曲の「ネイムレス・ピアノ」とは自身のピアノのことを指していて、番組でもまずこのオリジナル曲を取り上げている。その他自身の敬愛するピアニストのオリジナルや、ぼくも大好きなノスタルジックなスタンダードソング「アイル・ビー・シーイング・ユー」などの銘曲と、アルバムは彼女の趣向が満開された多彩さ。番組ではタイトル曲のほか2曲の即興ナンバーを紹介しているが、「カラード・ウッズ」と題された1曲は、日本画家の大家、東山魁夷の作品にインスパイアされて綴った心に染みわたる抒情的小品。ジャケットも知り合いの針金作家の作品という凝り様。明るく可愛らしく性格も抜群。今最も注目のピアニストの優しくも深い心根が、良く分かる好番組になっています。是非聴いてみて下さいね。


【今週の番組ゲスト:ピアニストの栗林すみれさん】
初のソロアルバムNameless Piano』をご紹介しました。
M1
nameless piano

M2 improvisation colored woods カラードウッズ」

M3 improvisation piangere ピアンジェレ」

M4 A lovely way to spend an evening