4月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2020/04/17(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.509~コロナウイルスの影響】
 
  コロナ渦が止まらない。ついに非常事態宣言も出され、街では人の出も少なくなってしまった。そんなひっ迫した状況の中、ジャズの世界でもライブハウスは、新宿「J」閉店に象徴される様に軒並み休止状態。ミュージシャンやシンガーのライブなども、どれも休止を余儀なくされ、もう立ちいかなくなっている。アメリカでは患者数、死亡者数も急激増加、世界一の感染国になってしまった。NY近郊都市在住の公認会計士のHくん(早大ジャズ研後輩)からのメールだと、その小さな町でも10日ほど前までは他人事の様だったのが、数日後には様相が一変外出も出来なくなり、スーパーマーケットは取り付け騒ぎ寸前だという。


 それにしてもライブハウスも含め、夜の飲食街の被害は救いないものの様だが、不思議なのはあの日中から夜中にかけての繁華街に於けるパチンコ屋の賑わい。したり顔で首都封鎖の可能性を叫ぶ小池女史もリーダーの安倍も、この件に関しては何も言及しなかったのだが、非常事態宣言では休止業界に指定されてしまった。それにしても業界との癒着を噂される警察の意向はかなりなものの様だ。それにしてもこれら全てで、日本の政治家どれもまったく酷いものばかりだ。


 ところで日本ではコロナ渦で死亡した有名人と言えば、あの東村山市の英雄にして、喜劇王の志村けんちゃん位なものだが、海の向こうではコロナ渦で死亡した、ジャズメンの訃報もいくつか伝えられている。まずはジャズ発祥タウン=ニューオーリーンズのボス、ピアニストのエリス・マルサリス。ウイントン、ブランフォード、デルフィーヨと言ったジャズ界きってのマルサリス兄弟の父親として、ジャズ界に隠然たる影響力を発揮していたエリス。モダン・ニューオリーンズ・スタイルとも言える独特な味わいを有したピアニストだったが、寂しいし残念だ。


 そしてその死のニュースが、最もインパクトを持って迎えられたのが、トランペットのウオーレス・ルーニー。59才とまだ現役バリバリ、来日経験も多く日本のミュージシャンとの共演も多数で、アルバムも数多いだけに、その死亡ニュースは大きなショックを、内外のミュージシャン達に与えている。マイルスの再来とも言われ、その帝王から自身のペットをプレゼントされたとも言われるウオーレス。その存在感は大変に大きかった。

 
そしてもう一人、これも大ベテランのギタリスト、バッキー・ピザレリ。今や息子のギタリスト、ジョン・ピザレリの方が有名になってしまった感もあるが、スタジオミュージシャンとしての経歴も長く、スイングからモダン何でもこなす、白人ミュージシャンらしい実にセンスの良いギタリストで、歌伴にも長けていた。惜しい人を亡くした感もあるが彼ももう80代半ば、ある意味天寿かもしれない。

 
しかしこうしたコロナ渦の中でも救いのある出来事も見いだせる。NYはひどい状況下ではあるが結構市民は意気軒高だともいう一面もあるし、何よりミュージシャン自身がフェイスブックなどを通じて自身の活動(自宅からの中継)を世界中に発信したりしている。その代表格がピアノのフレッド・ハーシュとニールス・ラン・ドーキ。どちらも自室のピアノでソロ演奏を行い、同時にファンへのメッセージも添えている。また日本でも御大サダオさん(渡辺貞夫)が名曲「スマイル」をソロで静かに奏で上げたり、他のミュージシャンもユーチューブにソロ演奏を載せている。こうした音楽家たちの地道な努力が結実する時がきっと来るに違いない。今は強くそう信じたい。
 ジャズミュージシャン達の訃報、それはこれからも続くかもしれないが、ただ嘆くだけでなく我々自身でも、積極的にコロナ渦に立ち向かう必要がある。まずは手洗い、うがい等々、こまめに気をつけねば...。その細かい気配りが何時か実を結ぶ筈だ。


【今週の番組ゲスト:ベーシストの須川崇志さん】
Banksia Trio」の1stアルバム『Time Remembered』と前作『Outgrowing』から
M1Yoshi
M2Ancient Blue
M3Banksia
M4Nigella