4月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/04/24(金) 17:50
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.510~コロナ禍でのジャズ番組】

  このところは至る所でコロナ・コロナで全てがコロナ恐慌状態。そのうえ都民などは老いも若きもほとんどが「ステイホーム」と言うことで蟄居生活。居酒屋からカラオケ屋、クラブ、そしてライブハウスの類まで、いわゆる夜のお仕事場はどれもが営業休止、かつてない悲惨な状況だが我が放送業界も例外でなく緊急事態。TV局ではひな壇も無くなり、司会者一人で進行などと言う番組もざらだし、移動自粛などに伴い、外の取材もままならなくなり、結果再放送などと言ったものもあるようだ。一方小回りの利くラジオ界でも、どの局もスタジオにはアクリル板を設置、また進行役とゲスト一人迄などと細かい規則も設けられ、ゲストの多くは電話参加等々、数十年間ラジオの現場で仕事をしてきたぼくでも、未知の対処というか未知の事態も多く、ラジオ・TVの業界ではこれまでにない環境への緊張感も漂う。それだけに今第一線に立つ放送関係の皆さん、その奮闘振りには頭が下がる思いで一杯だ。 


 さて我が「テイスト・オブ・ジャズ」も、4月のど頭にギタリスト三好「三吉」いさお氏の収録を無事に終えて以降、一か月間は収録もお休みの閉店状態。「三吉」氏も「今日は決死の想いでスタジオに来ましたよ...」等と、冗談とも本音ともつかない独り言をかましながらスタジオに笑顔で登場、ほぼノンストップで収録を済ませると挨拶もそこそこに去っていった。彼のオンエアー日はGW真っ盛りの5月第1週(3日)だが、なんとも気分の暗いGWになりそうでもある。三吉氏はぼくの第3の故郷とも言える、大分の温泉都市=別府市の出身、上京して数年後初のリーダーアルバムをキングレコードから発表、その時にスタジオに初めて来てくれたのだが、その頃はまだ初々しいギタリストだった。その彼も今年で還暦、その記念も兼ね久々の全曲オリジナルのアルバムを制作、それを携え「決死の想い」でスタジオに遊びに来てくれたという訳なのだが、その彼も今やギタリストとしてだけでなく、大物シンガーたちのアルバムプロデュースや作・編曲を手掛けるなど、幅広い活動を展開する業界の立役者の一人になっている。凄いものである。


 「三吉」氏はこんな状況の中、まあ良くスタジオに来てくれたものだが、ほかのミュージシャン達は一様に収録の延期を希望、GW空けにスタジオにと...現在再調整中。局の方では「番組なるべく再放送で...」などとも言うのだが、そこはラジオ屋(?)の根性と言うか習い性と言うか...、再放送だけは避けたいといった思いもあり、このところあまり実施しなかった、山本アナの一人語り「ジャズジョッキー」を、放送予備として数本分用意してある。そのうちの一回は、聖子ちゃん・亜紀ちゃんと言った日本のポップス・演歌の女王達によるジャズシンギング。聖子の方はそのものずばりの『セイコジャズ』から。彼女のジャズアルバムは、日本で制作された1作目ともう一枚、本場NYに渡ってのNY録音盤の2枚があるのだが、その中から1曲を紹介。八代亜紀の方は、『夜の続き』と言うスタンダード集から1曲を紹介している。八代亜紀は東京に出てきた当時は、ナイトクラブなどでジャズシンガーとしても活躍していただけに、久々のカンバックと言った趣もある。彼女も2枚のジャズソング集を出しているが、これは『セイコジャズ』へのライバル心の発露...と言った意味合いもありそうだ。八代自身はもう10年以上前から御大の前田憲男(p)などを伴い、ジャズコンサートも挙行しており、そのライブ作も残されているが結構サマになっており、この2枚のジャズ作品もそれなりの聞き応えと言える。


 この企画回での聞きものは森山良子のマイルスオリジナル「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」。その歌の上手さに驚かされるはず。
そしてもう1回は、コロナで元気喪失のジャズ界に活力を...と言うことで、元気一杯のラテンジャズを特集して山本アナが紹介する。ラテンジャズ&サルサ。この能天気とも言えそうな明るく元気なジャズ。これを聴いて一時憂さを晴らしてほしいものです。ゴンサロ・ルバルカバ、そしてラテンジャズ界の帝王ティト・プエンテの演奏、どれもかっ飛んでいてスカッと気分爽快になること請け合いです。この山本アナ一人トークは5月ないし6月のどこかで登場するはずです。
 今後は4月30日に、J-ジャズの若手代表とも言える、ギターの井上銘、そしてフルートの佐々木結花、この2人を収録予定にしており、GW空けには鈴木良雄&山本剛、国分弘子、栗原すみれ等々、豪華な面々が登場予定になっています。こうご期待です。


【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
 
「最近気になるアルバム」をご紹介頂きました。
M1America Undefined / Pat Metheny」『From This Place』より
M2There Is No Greater Love / Sonny Rollins」『Way Out West』より
M3Orange Lady / Gil Evans」『Tokyo Concert 1976 Live』より
M4Low On Love / Becca Stevens」『WONDERBLOOM』より
M5Civet / RS5pb」『RS5pb』より


4月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/04/17(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.509~コロナウイルスの影響】
 
  コロナ渦が止まらない。ついに非常事態宣言も出され、街では人の出も少なくなってしまった。そんなひっ迫した状況の中、ジャズの世界でもライブハウスは、新宿「J」閉店に象徴される様に軒並み休止状態。ミュージシャンやシンガーのライブなども、どれも休止を余儀なくされ、もう立ちいかなくなっている。アメリカでは患者数、死亡者数も急激増加、世界一の感染国になってしまった。NY近郊都市在住の公認会計士のHくん(早大ジャズ研後輩)からのメールだと、その小さな町でも10日ほど前までは他人事の様だったのが、数日後には様相が一変外出も出来なくなり、スーパーマーケットは取り付け騒ぎ寸前だという。


 それにしてもライブハウスも含め、夜の飲食街の被害は救いないものの様だが、不思議なのはあの日中から夜中にかけての繁華街に於けるパチンコ屋の賑わい。したり顔で首都封鎖の可能性を叫ぶ小池女史もリーダーの安倍も、この件に関しては何も言及しなかったのだが、非常事態宣言では休止業界に指定されてしまった。それにしても業界との癒着を噂される警察の意向はかなりなものの様だ。それにしてもこれら全てで、日本の政治家どれもまったく酷いものばかりだ。


 ところで日本ではコロナ渦で死亡した有名人と言えば、あの東村山市の英雄にして、喜劇王の志村けんちゃん位なものだが、海の向こうではコロナ渦で死亡した、ジャズメンの訃報もいくつか伝えられている。まずはジャズ発祥タウン=ニューオーリーンズのボス、ピアニストのエリス・マルサリス。ウイントン、ブランフォード、デルフィーヨと言ったジャズ界きってのマルサリス兄弟の父親として、ジャズ界に隠然たる影響力を発揮していたエリス。モダン・ニューオリーンズ・スタイルとも言える独特な味わいを有したピアニストだったが、寂しいし残念だ。


 そしてその死のニュースが、最もインパクトを持って迎えられたのが、トランペットのウオーレス・ルーニー。59才とまだ現役バリバリ、来日経験も多く日本のミュージシャンとの共演も多数で、アルバムも数多いだけに、その死亡ニュースは大きなショックを、内外のミュージシャン達に与えている。マイルスの再来とも言われ、その帝王から自身のペットをプレゼントされたとも言われるウオーレス。その存在感は大変に大きかった。

 
そしてもう一人、これも大ベテランのギタリスト、バッキー・ピザレリ。今や息子のギタリスト、ジョン・ピザレリの方が有名になってしまった感もあるが、スタジオミュージシャンとしての経歴も長く、スイングからモダン何でもこなす、白人ミュージシャンらしい実にセンスの良いギタリストで、歌伴にも長けていた。惜しい人を亡くした感もあるが彼ももう80代半ば、ある意味天寿かもしれない。

 
しかしこうしたコロナ渦の中でも救いのある出来事も見いだせる。NYはひどい状況下ではあるが結構市民は意気軒高だともいう一面もあるし、何よりミュージシャン自身がフェイスブックなどを通じて自身の活動(自宅からの中継)を世界中に発信したりしている。その代表格がピアノのフレッド・ハーシュとニールス・ラン・ドーキ。どちらも自室のピアノでソロ演奏を行い、同時にファンへのメッセージも添えている。また日本でも御大サダオさん(渡辺貞夫)が名曲「スマイル」をソロで静かに奏で上げたり、他のミュージシャンもユーチューブにソロ演奏を載せている。こうした音楽家たちの地道な努力が結実する時がきっと来るに違いない。今は強くそう信じたい。
 ジャズミュージシャン達の訃報、それはこれからも続くかもしれないが、ただ嘆くだけでなく我々自身でも、積極的にコロナ渦に立ち向かう必要がある。まずは手洗い、うがい等々、こまめに気をつけねば...。その細かい気配りが何時か実を結ぶ筈だ。


【今週の番組ゲスト:ベーシストの須川崇志さん】
Banksia Trio」の1stアルバム『Time Remembered』と前作『Outgrowing』から
M1Yoshi
M2Ancient Blue
M3Banksia
M4Nigella

4月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/04/10(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.508~「J」閉店等々】

 新型コロナ渦と言うよりもコロナパンデミックと言う方が妥当なこの災い、いよいよ本格的に我が国を襲いこの分では患者数や死者の数まで飛躍的に増加しそうな感も強い。このコロナパンデミックでは今や外出自制から禁止へと進みつつあり、そうなると飲食業、旅行業などへの影響大だが、同じように決定的なダメージを受けているのが、イベントやスポーツ、音楽業界で、とくに音楽の分野は、大々的なコンサートから小規模なライブハウス迄軒並み休業状態に陥っている。それはポップスやロック、クラシックなどに比べ、規模はあまり大きくないジャズ業界でも同様で、時々会ったりメールのやり取りをしているミュージシャン達は、一様に愚痴にならない嘆きを語っている(次々にギグ=ライブ仕事が休止になっている)し、フェイスブック上でもライブ休止のお知らせが多い。まさに死活問題なのだがそれに対する補償なども殆ど考慮されておらず、まさに踏んだり蹴ったり状態。


 そんな中友人から一本の電話が入った。「聞いたか、新宿の「J」が店を閉めるんだってよ」
「エーその話、本当か...」と返す言葉もないぼく。そう言えば1か月ほど前にクラブ(早大ジャズ研)の先輩の通夜の席で、同期のマスター、バードマン幸田こと幸田稔君と立ち話をしたばかり、その時には元気そうでもあったのだ。しかしその友人の話では、彼も大分調子が悪そうで店にも顔を出していないらしいとのこと。そうでなくてもこのご時世色々と厳しいことこの上ないのだろうが、その上に彼自身が体調を崩しているとなれば...。まあそのTELを切ってから間もなく、何時もの様に「J」の4月スケジュール表が送られて来た(ぼくは同点の名誉会員と言うことになっている)が、そこには閉店などはおくびにもない感じでミュージシャンのスケジュールが掲載されていた。
 だが少しの変化もあり、いつもだと添え書きで彼の推薦するミュージシャンなどが書かれている筈なのだが、それも一切なし。閉店本当かな...等とも思っていたが、その後フェイスブック上でもはっきりと「閉店のお知らせ」が載っており、かれ自身も閉店を決めたのはつい最近のことだと知れる。

 店は今年でなんと41年目、新宿でも屈指の老舗ジャズライブハウスと言うことで、一昨年の40周年には「J」のジャズ本迄も出版され、早稲田大のお隣のホテルで大々的なパーティーも開催。そのパーティーの模様をメインに、タモリや鈴木良雄などのインタビューも織り込み、1時間のジャズ特番を作り、「J」40周年をお祝いしたものだったが...。


 ところで「J」及びマスターの幸田君には本当に番組でもお世話になった。店の開店時や各周年では彼に登場してもらい、色々なエピソードやサックス実演など迄してもらった(アルトサックスの名手)。35年ほど前には1年間ほど、2月に一回「ライブフロムJ」と言う時間を設け、店から録音中継をしたこともあった。このライブ収録は当時の局のミキサーたちにも好評で是非やりたいと言う人間も多かった。またお店は早稲田ジャズ研のOB会の重要な集合場所で情報交換場所もある、ある意味心の故郷でもあった。

 東京の商業高校から一念発起して早稲田大最難関の政経学部に合格、早大ジャズ研の花形として活躍、以降10年ほど実直なサラリーマン生活を送り、また突然脱サラで「J」の店主へ...。実に真面目で色々と気の付く良い男、苦労が絶えなかったことだろうがここらで一休みしてほしいもの。ぼくら仲間はまた全員で、お別れパーティーを「J」でやろうと思っている。新宿の銘店の灯がまた一つ消えてしまう。実に寂しいし悲しいことだが、幸田君これからの人生、またよろしくね。

【今週の番組ゲスト:トランぺッター類家心平さん】
類家さんがリーダーを務めるクインテット「RS5pbRuike Shinpei 5 piece band)」の3枚目のアルバム『RS5pb』から
M1Civet
M2Dada
M3Zero Zero
M4IO


4月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/04/03(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.507~ECM】
 
 いよいよ4月スタート、我が街国立の桜並木もいささか満開を過ぎ、これからの新シーズン到来を告げている。国立の街のシンボルだった三角屋根の旧駅舎も、駅前にあと数日ほどで復元される筈...と何かと華やぐ時期なのだが、世間一般はコロナパンデミックでそれどころではなく、国立の街も例外ではなく元気なし。こんな中で勢いづいているのは、あの女狸こと小池女史ぐらい。オリンピックの延期が決まるまでは、コロナ罹患者数もわずかで東京の安全性をアピールし続けていた女史とリーダーの安倍。延期が決まり足かせが無くなると同時にその患者数は飛躍的に増え続け、連日のように記者会見を開き注意喚起どころか、首都封鎖も近い等と宣い続ける。確かにNYやロンドンなど世界の各都市での状況は悲惨なものだし、個々人が注意し続けないとならないのはその通り。だが記者会見を見ていると、あの有頂天だった時期が思い出され、何ともほろ苦く許しがたい気分だ。まあ今は個々人が細心の注意を払い、やれることをやるしかない。


 さて4月最初のジャズ番組は、毎年ジャズ関係者(ジャズプレーヤーやライター等々)に登場してもらい、ジャズ入門の為のお勧めアルバムを紹介、ジャズの愉しさを伝えてもらっている。今年はジャズ評論家、青木和富氏に頼んでいるジャズトークの時間でも、彼のお勧めの初心者向けアルバムを幾つか紹介(取り上げたアルバムは先週分コラムに載せてあります)した。そして今週は今年創立51周年を迎え、今や欧州随一と言うよりもコンテンポラリーなジャズレーベルとして世界でも屈指の存在として認識されている「ECM」について。その入門編的なベーシックコレクションをこのレーベルの生き字引とも言える、ジャズプロデューサーで日本最初のジャズブログ「JazzTokyo」主催者でもある稲岡邦弥氏に、色々と紹介してもらうことにした。

 
「ECM」はEditions of Contemporary Musicの略語で、いかにも現代的なジャズサウンドの表出に相応しいもの。そしてそのレーベルモットーが「
ザ・モスト・ビューティフル・サウンド・ネクスト・トゥー・サイレンス(沈黙の次に美しい音)」と言うのだから、これまでのジャズサウンドとははっきり決別した、新たなジャズサウンドの確立に腐心していることが良く分かる。その創始者はドイツ人でミュンヘン在住のマンフレード・アイヒャー。交響楽団にも在籍しジャズベーシストでもあったアイヒャーは、欧州ならではのクラシカルで独自の静けさを伴った、知的なジャズサウンドを創出するために、ミュンヘンの地でジャズ・レーベルを立ち上げた。それが1969年のことで昨年はレーベル創立50周年。プロデューサーはアイヒャーただ一人で、自身の気に入ってミュージシャンを集め数々のアルバムを世に送り出し、その数はすでに1000枚を超えている。その上クラシックの素養も深い彼は、「ニューシリーズ」としてクラシックアルバムも制作するようになり、こちらにも世界的なミュージシャンが集まっており、まさに個人プロデュースのカタログながら、世界屈指の内容を伴ったレーベルにまで成長している。その第一弾は当時ミュンヘンに在住していたピアニスト、マル・ウオルドロンの『フリー・アット・ラスト』。


 これがECMのカタログ番号1001で、以降ずっとこの番号は継続され今や2000番台の半ば近くに突入していると言う訳。このレーベルの最初から付き合っているのが、当時「トリオ・レコード」のジャズ責任者だった稲岡氏、2人はそれ以来50余年の付き合いがある仲。稲岡氏は創立40周年の時に、「ECM全カタログ」を刊行することを思いつきそれを作り上げ、昨年の50周年ではその改訂版を又出版した。アイヒャーも彼には絶対の信頼を寄せており、こんな例はジャズ界でも実に珍しいもの。ぼくと稲岡氏の中も40数年にわたるもので、今回も出演依頼をすると二つ返事でOKしてくれたのだが、その膨大なカタログの中からわずか5枚を選び出すのは、大変な作業だとお叱りを受けてしまった。稲岡氏が選んだアルバムは別表に掲載してあるとおりだが、カタログ最初のマルのトリオ作を始め、我が国でのフュージョンミュージックブームの先駆けとなり大ヒットした、カモメアルバムことチックコリアの『リターン・トゥ・フォーエバー』など、どれも興味深いものばかり。番組では彼の労作「ECM完全カタログ」も紹介しているが、こんな素晴らしいカタログが日本で作られたことを、ジャズファンは誇りに思わないとならないだろう。東京キララ社から出されているこの完全カタログ、お値段は5000円といささか高めだが、ファンならば充分に愉しむことが出来るし、決してお高い買い物ではないことを保証する。正にジャズファンならば「一家に一冊」のカタログ本として番組も大推薦します。


【今週の番組ゲスト:音楽プロデューサーの稲岡邦彌さん】
稲岡さんの手掛けた『ECMカタログ 増補改訂版』〜50周年記念版〜をご紹介頂きました。

M1
RAT NOW / Mal Waldron TrioECM1001FREE AT LAST 』から
M2
IRR / JAN GARBAREKECM1015SART』より
M3
RETURN TO FOREVER / CHICKCOREAECM1022RETURN TO FOREVER』より
M4
Köln, January 24, 1975 Part / Keith JarrettECM1064/1065The Köln Concert』より
M5
JAMES / Pat Metheny GroupECM 1216OFFRAMP』より