3月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2020/03/06(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.503~川嶋哲郎】

 中野区から頼まれ弥生町区民センターで実施しているジャズ講座(ジャズトーク)も今年で4年目。「今年はジャズする喜び、ジャズ聴く愉しみ」と言うテーマを設けて、ミュージシャンやシンガーを招くことにした。初回はこのコラムでも紹介したように、おばちゃん人気も高い医師にしてジャズシンガーの海原純子さんの登場で、こちらの思惑通りの人気振りだった。そして2回目はなんとあの川嶋哲郎氏の登場となった。現在のジャズシーンで最高の実力と人気を誇る川嶋氏だが、まさかこの講座にゲスト出演してくれるとは思わなかった。昨年秋に彼の新作『ウオーター・ソング』が出された時、番組ゲストとしてスタジオに遊びに来てくれたのだが、終了後世間話の中で何気なく講座の話を振ってみると、出演を快諾してくれたのだった。

 それから今年に入って2回ほど打合せをしたのだが、こちらのお願いは出来ればソロで2曲ほどプレーしてくれないか...と言うかなり厚かましいもの。そんなこちらの要望も快諾してくれ、いよいよ講座当日を迎えたが、心配は何と言っても集客。中野や杉並在住の知り合いのジャズ好きにも声を掛け、40名を超す出席者となり、なんともホッとした面持ちだった。おばちゃん連中がほとんどの会場で、しばしのジャズ講釈をした後に川嶋氏を呼び込む。テナー・サックスとフルートを携え会場に姿を現した彼、相変わらずの格好良さでぼく自身もドキドキしてしまう程。おばちゃん連中は彼の存在を知らないのだが、前講釈でサダオさん(渡辺貞夫)と並ぶ存在だと言うことを強く印象付けておいたので、皆一様に期待大の顔で迎え入れ万雷の拍手。まずはアルト、バリトン、テナーなどのサックス講義から始まり、動指を実演したりとサービスに務めてくれる。こちらも新作「ウオーター・ソング」の素晴らしさを解説、2曲ほどアルバムから紹介した後、いよいよ彼のソロ演奏となる。曲はデューク・エリントンの銘曲「イン・ア・センチメンタル・ムード」。短い演奏ながら彼のテナーは朗々と良く歌い、おばちゃん連中は感嘆し切りで、つかみもばっちり。洗足学園で学生相手に週2コマほどのジャズ講義を行っているだけに話も面白く内容も含蓄深いもの。論語の一節なども飛び出しプレーヤーとしての心境も披露、進行役のぼくも聞き入ってしまう程。自身のアイドルだったソニー・ロリンズやジャズ初心者に是非聴いて欲しいアルバムとして、マイルスの『ラウンド・ミッドナイト』を挙げ、両方に丁寧な解説を加える。


 2時間ほどの講座はあっという間に終了の時間を迎え、大トリは再び彼のソロ演奏...と言うことになり、今度はフルートソロで「故郷」を奏してくれた。しみじみとした実に好い演奏で全員聞き入ってしまい、目出度く講座は大団円。拍手鳴りやまない中、主役は颯爽と退場と相なった。終了後はおばちゃん連中が彼のアルバムを買いたいと言い出し、区の施設だけに即売はNG。一計を講じ施設を出たところで彼持参の新譜販売をサイン付きで実施、10人近い希望者は全員満足顔で帰っていった。その後は近くの老舗ジャズ喫茶「ジーニアス」(60年近い歴史を持つ)でお茶したのだが、マスターもかなり興奮し彼にサインを求め、店で掛かる演奏も川嶋一色の歓迎振り。彼もかなり悦んで家路についてくれ、こちらもホッと胸を撫で下ろした。それにしても交通費ぐらいの謝礼で本当に良かったんですかね...。全て謝・謝ですね。
 

【今週の番組ゲスト:ベーシストの吉木稔さん】
吉木さんがリーダーを勤める「SOULSTATION」の1stアルバム『PATH OF HOPE』から

M1「蘇芳〜SUOU
M2A TailTaleOf A Dream
M3A Ballad Of Gratitude 豊作のバラード」
M4Path Of Hope