2月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/01/31(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.498~エースのジョー逝く】 

 エースのジョーこと俳優の宍戸錠さんが亡くなってしまった。自宅で倒れている所を発見され死亡が確認されたと言う、孤独死だったようだ。本当に個性的な俳優さんだったし、素晴らしくダンディーな漢だっただけにとても寂しい。と言ってもジョーさんの存在を知る若い人はそう多くない筈だし、中高年の人達でもその全盛期を知る人はそう多くないと思う。石原裕次郎、小林旭、渡哲也、藤竜也と言った、全盛期の日活の主役を張った錚々たる面々の一人で、善人ヒーローだけでなく、あくの強い悪役もこなし映画界のヒーローになった、得難い存在だった。

 ぼくがジョーさんと仕事をしたのは今から30数年前、たった一度きりのことだった。但しその仕事の間1か月位の付き合いは、今となっては本当に忘れ難いものでもある。当時ぼくはスポーツプロデューサーとして、シーズン中はプロ野球中継を担当、野球のオフシーズンは毎週3時間半のスペシャル番組の制作を担当していた。毎週このスペシャル企画を6か月間、25本近くの特別番組を2年間ほど作り続けたが、月4本強の番組の内、1~2本は外部のプロダクションとの協同制作、残りが自主制作。これがなかなかの難物、今考えれば良くこなしたと思うが、自身の勉強にもなった貴重な特番制作だった。その中の1本が「我が愛しのヒーロー達~日活映画のスター達」と言う企画で、ぼくが好きな日活映画のヒーロー達のインタビューと映画の音声などを組み合わせた中々の力作で、往年の日活を偲ぼうと言うもの(その時に日活はポルノロマン路線でかつての全盛時から10年余り経っていた)。
 日活の宣伝部も協力してくれ、これは自慢になるのだが、この内容とほぼ同じ企画が、そのまま「ヒーローズ」と言うタイトルで映画化された。ラジオ番組が映画化という例はまあ余り無く、この映画の監修役は特番で進行役候補の一人に挙げていた、作家の矢代俊作氏(日活映画フリーク)。ラジオの特番を聴いた日活の宣伝部の一人が、この企画を編成会議に提出、それが通って映画実現と言うことになった様だが、大変に嬉しく自慢できる想い出でもある。

 
 そしてこの特番では役者さんとのコネクションなども考え、当時の中堅監督の長谷部安春氏にお願いすることにした。大のジャズ好きで、フジタツちゃん(藤竜也)の野良猫ロックシリーズなど、実にシャープでいい映画を撮っていたので、出演を頼むことにして基本OKも貰っていた。しかしどこかからこの話を聞きつけたジョーさんが(宣伝部で打合せをしている時だと思うが)その場にやって来て、「あんしゅん(安春)はドモリなんだから、そんな大役は無理だ...。俺が手伝ってやるから...」と押しかけ協力。特番の中のハードボイルドドラマの主役をこなしたり、日活撮影所の取材などにも全面協力、ジョーさんの力もあって裕次郎さん、旭さん、渡さんなどの大スターのインタビューもスムーズに進み、我ながらかなりな自信作に仕上がった。ラジオ番組の賞でもある民放賞のラジオエンタメ部門にも出品しようと言う話にもなったが、登場スターが脇役まで含めかなり多数で、3時間半の特番を1時間に縮める(1時間番組が提出規則)のは不可能と判断し断念したのだが、その代わりが日活本体による映画化。
 何かと想い出多い特別番組だったのだが、1か月近くジョーさんも協力してくれ、全ての収録が終わった時には、進行役の安春さんや構成の高平哲郎氏などスタッフを引き連れて、銀座・青山のクラブをはしご、実に愉しい一時までも設けてくれた。真の映画スターの一人だったと思う。10年ほど前には家が全焼、住まいも無くなってしまったが意気軒高、俳優魂を見せている姿を頼もしく・心強く感じてもいた。

 
 ジョーさんとはその時1度きりのお付き合いで、まさに一期一会だつたが、意外なことに奥さんの遊さんとは、2度ほど番組でインタビューしている。宍戸遊さん=エッセイスト・俳人で、俳句の番組や高齢化を考える番組でご一緒しているのだが、インタビュー終了後にポツンと「私の夫は俳優で、子供も俳優をやっている(宍戸開)の。結構有名なのよ...」と語ってくれたので、ジョーさんの奥さんと言うことが分かった次第。彼女ももう10数年以上前に亡くなってしまい、ジョーさんは寂しき一人暮らし。しかしあのダンディーさは何時までも失われなかったはず。大変に残念だし、寂しく悲しい。享年86才。黙祷&献杯

【今週の番組ゲスト:ピアニストでコンポーザーのなら春子さん】
M1「ドラムツリー」
M2
Maria Cervantez
M3
「夢」

1月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/01/24(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.497~片岡義男とドーナツ盤】 

 正月休みと言うよりも、年中が休日の様なオールドボーイのぼくにとって、わざわざ正月休みなどと言うことも無いのだが、その正月に読んだ本や漫画本の中で、音楽関係は1冊のみ。それも純粋な音楽本では無く音楽を絡めた...と言う内容。本の題名は「コーヒーにドーナツ盤 黒いニットのタイ」と言ったちょっと長めの洒脱なタイトル。そこから判る方は判るはずなのだが、バブル時代に一世を風靡した作家、片岡義男のエッセイ風短編集。サブに1960~73とあり、60年から73年までの自伝風短編を年ごとに書き連ねたたもの。


 1960年早稲田大の学生時代にコラムやエッセイを雑誌に書き始め、74年に順風満帆に小説へと手を染め始めた頃までの話が、全部で40数編収録されている中々に面白いもの。始まりの1960年は一編のみで、タイトルは「ディーン・マーチンもリッキー・ネルソンンも、今のうちから...」。そして最後の73年は2編で、そのオーラス小編のタイトルは、「その歌を最も淡白に唄った彼女が傘を僕に差し出した」。いかにも片岡流ディレッタンチズム溢れたタイトルで内容もそれを映し出したもの。各篇の最後にはその中身の主軸になるドーナツ盤やアルバムジャケットがカラーで紹介されている、ある種の音楽小説とも言えそうな短編集。最初の60年の一編には、ディーン・マーチンの「ライフルと愛馬」(映画"リオ・ブラボー"の主題歌)、そしてベルト・ケンプヘルド楽団の"真夜中のブルース"(映画"朝な夕な"の主題曲)と言った当時大ヒットしたドーナツ盤、最後の73年には八代亜紀のヒット曲「なみだ恋」(同年の大ヒット曲)のドーナツ盤と言った具合で、それぞれドーナツ盤が紹介されている。片岡はこの本の後書きでこう記している。「60年から73年まで、ぼくがフリーランスのもの書きだった時代の日々は、いちいち思い出すまでもなく、その時代の音楽が必ず聞こえていた」と...。


 片岡の耳に聞こえていた音楽はポップスや流行歌が多かった様だが、この時代は当然ジャズ全盛時代でもある。63年の「あのペンネーム(コラム書きの時代はテディ―片岡というペンネーム)はどこから」のスリーブ(掲載ジャケット)は、オリバー・ネルソンの名盤『ブルースの真実』、67年のタイトルもずばりの「赤提灯の先にはビル・エバンス」では、彼の代表作でぼくがベストアルバムと信じている『エクスプロレーションズ』と言った具合で、ジャズアルバムも5枚ほど取り上げられている。あの時代を映せばもう少しジャズも...ともジャズ関係者のぼくなどは思ってしまうが、そこが片岡流、どこまでも片岡ダンディズム全開なのである。

 バブル全盛期には時代を映し最も人気の高い流行作家だった彼だが、アメリカ中西部の男達、時代に取り残された20世紀のカウボーイ像を見事に描き上げた「ローンサム・カウボーイ」などは本当に絶品。アメリカの小説家でもここまで見事に西部を描き切れないといった傑作で、感嘆しながら読んだ覚えがある。 


 ところで40年ほど前に、彼は当時のFM東海(現FM東京)で「気まぐれ飛行船」と言う深夜の人気トーク番組を、曲者ジャズシンガーの安田南を相手に担当しており、FM東海のスタジオは当時ラジオタンパのすぐ近く。同じ頃ぼくも高平哲郎氏の文芸番組を担当、収録時間も似ていたので収録終わりに良く高平氏に会いに南がスタジオに遊びに来て、片岡氏は嘘ばかりでもう番組アシスタントを止めたい々...などと、ツッパリらしからぬ愚痴を言い募っていたこと、今となっては懐かしい。」でも南ちゃん、片岡氏は嘘も交えながら作品に仕上げる小説家なんだから、一寸ぐらい嘘が入ったってしょうがないんじゃない」と軽く諭す高平氏の言い分も、何やら懐かしく想い出される。皆まだ若く、覇気のある時代だったのですね。ジャズも元気そのものだったですし...。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
今週はジャズトーク。昨年注目した日本人ミュージシャンについてお話しいただきました。

M1You're My Heaven, You're My Hell / 小曽根真 featuring No Name Horses
M2
Kaleidoscope / 上原ひろみ」
M3
BADIATHREE VIEWS OF A SECRET / クリヤマコト  アコースティック ウェザーリポート」
M4
SKYLARK / 上杉亜希子 佐藤允彦」
M5
THE KITE / 鈴木良雄」

1月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/01/17(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.496~荒ぶるをうたう】 

荒ぶる吹雪の逆巻く中に 
球蹴る我らは銀塊砕く  早稲田のラグビーは斯界になびき いざゆけ我らが ラグビー早稲田 ララワセダ ララワセダ ララララ ワセダ」 

 早稲田ラグビー部が、大学選手権で優勝した時だけに唄われる部歌「荒ぶる」。まさかこの勝利歌を、新装なった新国立競技場でのラグビー初戦で聞けるとは...、本当に感激もの。不覚にも落涙してしまい、「あら感激の涙ですか...」等と周囲から揶揄されてしまったが、まあそれも致し方ない所。なんと10数年振りにこの歌を部員達の唄声で聴いたのだから、感動・感涙は当然のことなのだ。試合終了後の記者会見では、相良監督・斎藤キャプテン共に、実に誇らしい顔付きで勝利を語り、質問に答えていた。


 この令和2年の1月11日、この日はぼくの中でもこれからも忘れられない1日になる筈だが、このワセダラグビー優勝と共に、この日はぼくにとって、いや世界中にとっても大きな重要イベント、台湾の将来を決める総統選挙が実施された日でもある。この総統選挙は昨年の台湾特番でも予想した通りに、民進党の蔡英文総統が圧倒的な大差をつけ再選を果たすこととなった。この2つの喜びが実現した日だけに、正にぼくにとっての記念日でもあった。かなりな部分「利」に流されがちな台湾の人達が、大国中国の露骨な利益誘導を断ってでも、自由と民主を選んだと言う事実、これは忘れてならないことと言える。今年また台湾特番を放送出来れば、そこら辺の台湾の人達の真情も探ってみたいと思うし、懸案の蔡英文総統のインタビューも実現させたいとも思っている。


 さてラグビーの方だが、決勝戦は大方が明大優勢の予想だったし、ぼく自身も力量的には明大に分があると思っていたが、最後の勝利は早稲田ラグビーだと確信していた。キーマンの中野将吾の復活やFW陣もかなり整備されてきている等と言う戦力面のアップなどもその根拠でもあるが、それ以上にぼく自身に好いことが続いている感もあったからなのでもある。と言うのも新年の大吉と言うおみくじ結果だけでなく、年明けに行った別府湯浴み旅行の鉄輪温泉で、一日に3回も綺麗な虹を目撃したこと、更に当日会場に向かう途中喫茶店で時間つぶしをしている時、何気なく時間が気になって見てみると、なんと11時11分を指しており、それも1月11日。正に1並びの好日・好時間の実現で、これではっきりと勝利を確信した次第。試合内容は前半は斎藤主将のPGを皮切りに、完全に早稲田ペース、4トライを畳みかけゼロ封と言う思わぬ大差で前半終了。このままで終わらないと思った後半も、明大に3連続トライを重ねられるなど苦境を迎えたが、どうにか2トライを返し逃げ切りに成功、10数年振りの「荒ぶる」に到達したのだった。


 思えば今年も2回の菅平詣で、この10数年の菅平詣ででは早稲田ラグビーフリークの中でも、かなり上位に位置される実績を誇るのだから、荒ぶるの合唱に涙するのも至極当然とも言えるのだ。まあ本当に全て目出度し々の1月11日(土)でした。


【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの若井優也さん】
昨年リリースされたご自身名義での7枚目のアルバムWill』から
M1Etude Op.10 No.6

M2Spring Has Sprung With A Little Melancholy 
M3Children's Play Song
M4Will: Part 1



1月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/01/10(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.495~2020年の正月】 

 雲一つない快晴で開けた令和2年元旦。とうとう21世紀も5分の1が過ぎてしまったのだと思うと、様々な感慨も起きてくる。まあ新しい年もよろしくといった所で、この好天ならば富士山も美しく雪化粧している筈だし...等と考え、久方ぶりに中央道を突っ走って富士山の絶景を眺めつつ、富士吉田市の富士浅間神社の本宮にお参りに行くことにしようと決めた。
 数年振りの参拝になるのだが、過去の元旦早朝の中央道はこれまで暴走族の暴走車と警察の取り締まりのいたちごっこで、騒がしいことこの上ない状態。それがここ数年は警備陣の取り締まりが徹底され、余り騒がしくなくなったとも聞いていたが、実際その通りであの「ピーヒャラ、ピーヒャラ...」と言った改造暴走車の警笛も聞こえず、路肩の違反車も一切ない...と至って平穏な状況。至ってスムーズに富士吉田の街に到着。だがここからが大変で、富士浅間神社の境内の駐車場に入るのにかなりな時間を要し、朝の7時過ぎに国立を出発し肝心の神社に御参り出来たのは11時近く。元旦から我慢の一日だったが、富士山も綺麗に晴れ渡り、実に気持ち良い年頭参賀だった。恒例のおみくじを引くとこれがなんと大吉。小心者だけに吉ないし中吉を望んでいたのでいささかびっくりだったが、まあ翌日のラグビー大学選手権の早稲田ラグビーのことを思えば、これもまた良しと納得。市内で甲州名物のほうとうを食べ一路帰路に就く。


 翌日2日はラグビー大学選手権の準決勝。我が早稲田ラグビー部は、外国人4名(本来は3人までなのだが1人は秋田で育っているので邦人扱い)を擁し、関西では無敵を誇る優勝候補の一角、天理大ラグビー部を秩父宮に迎えての重要な一戦。下馬評では6対4で天理大優勢の予測だし、ぼく自身の感じでもそれぐらいの力関係と見ていた。チケットはソールドアウトと言うことで、開始1時間半ほど前には秩父宮に到着したが、もうかなりなファンが集まっており予想通りの賑わい。協会関係者などに新年挨拶などを済ませ席に着くと、場内はもうかなりな数で埋まっており、昨年からのラグビーブームの高まりはまだ終わっていなのを実感させられる。
 試合は始まりこそ天理の強力FWに圧倒され危ない場面多々だったが、それを脱し一転反撃に転じると、早稲田はタレント豊富なバックス陣が至って快調に得点を重ね、終わってみれば大差で天理大を破ることに成功、11日の新国立競技場での決勝戦に久方振りに進出すると言う、誠にお目出度い結果。これで第2試合に明治大が勝利して再び早明戦ということになれば...等と、隣のラグビー関係者と話していると、第2試合は苦戦しながらもその明治大が東海大を撃破、早明戦の再戦と言う絵に描いたような結果に...。「これでラグビー協会もウハウハですね...」などとお隣さんと頷き合う。全て目出度し。後は早稲田が明治を「アルティメイト・クラッシュ」で打ち破り、優勝の時だけ唄えるあの「荒ぶる」を、久しぶりに新国立競技場のグランドで声高らかに唄って欲しいもの。「早稲田ラグビー ララ・ラララ...」と言う部員達の雄々しい唄い声、是非聴きたいものです。

 さて今月の「テイスト・オブ・ジャズ」ですが、御大山下洋輔を筆頭に注目の若手ピアニストが並ぶ、ピアニスト月間です。細川千尋、若井優也と言う、最注目の実力派の登場は豪華で是非もののプログラムです...。

【今週の番組ゲスト:ピアニスト 細川千尋さん】
アルバム『My variations』から
M1Waltz for Debby
M2「黎明 -Reimei-
M3Nardis
M4Love Theme from Spartacus



1月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2020/01/03(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.494~山下洋輔登場】

 あけましておめでとうございます。とうとう2020年、21世紀も既に5分の1が経過してしまいました。早いものでぼくの様なオールドボーイには、時の進み具合の速さ=世の中の変わり様にも馴染めない所多々ありますが、またこの1年間よろしくお付き合いの程を...。

 さて新たな年を迎え、従来の土曜日から日曜日の夕方へオンエアー日が移動した我が「テイスト・オブ・ジャズ」、開始以来すでに55年強、他を寄せ付けず世界的にも圧倒的な番組寿命を誇るこの番組、肝心の制作プロデューサーが年令相応に些かお疲れ気味、何時まで頑張れるのかそれは神のみぞ知る...といった所もありますが...。
 毎年年頭のこのジャズ番組は、J-ジャズの大物ミュージシャンやシンガーの方達に御登場頂いている訳ですが、今年の年頭に登場するのはピアニストの山下洋輔大師匠。もう80才近い御年の筈ですが、至って元気はつらつでその創造力にもいささかの衰えも見せないシニア層の代表格。今年=オリンピックイヤーには、なんと立川市の聖火ランナーとして凱旋走を敢行するとのこと。誠に羨ましい程の元気っぷりです。そんな山下御大を迎えての新年初っぱなの放送、実はこの原稿をものしている時点ではまだ収録前。何せ御大は昨年12月23日に新宿の文化会館大ホールで、満員のファン共に山下トリオ結成50周年を祝う「爆裂半世紀」を実現させたばかりで、しばしの休憩を取っての登場、ぎりぎりの収録になる可能性も大。それだけに曲目なども当然未決定、ただし50周年コンサートで取り上げた曲目中心になるのは間違いなしだと思われます。

 この周年コンサート、なんと9月末頃にはチケットがもうほとんどがソールドアウトと言う盛況ぶり。このコンサートの盛り上げもねらって、11月末ごろに御大に登場してもらおうか...等と考え、山下事務所=ジャムライスの代表M氏にTelすると、もう既に満員御礼なのでそうした告知は一切必要なし...と言うこと。急遽1月最初の登場に変更したと言う経過になった。まあ凄い人気で良かったなー等とお気楽気分で招待状の到着を待っていましたが、12月に入っても一切連絡なし。これは...と思って再度事務所に連絡すると、M氏曰く「小西さんソールドアウトだって言ったでしょう...」とつれない返事。これは困ったと隅の立ち席でもいいからと頼むこむと「まあ考えときますから、当日は少し早めに会場へ...」などと言われる始末。当日は1時間前に文化会館へ到着、するともうかなりな人数(本当に年令層は超高齢なのだが...)が並んでいたが、入り口で新宿「ピット・イン」のお偉いさんに呼び止められ、別口から入場。
 まー見るだけでも...と思っていたら席はこれがなんと1階のど真ん中の席。隣は啓友で日本のお笑い界の隠れボス、高平哲郎氏、前には小説家の嵐山光三郎氏、その横は不二夫ちゃん(故赤塚不二夫氏)の娘えり子ちゃん(現赤塚プロ社長)や坂田明のかみさん等々、まさに関係者が集まる申し訳無いほどの特等席のひとつだったのです。現金なものでこうなると実に気分良好、山下トリオ50周年記念演奏会も実に心地良く楽しめました。

 ぼくが局に入った頃から通い詰めていた山下トリオ、色々な意味で想い出深いステージです。トリオで一番印象深いのは、このコラムでも以前記したはず、森田一義ことタモリの3時間に渡る正月特番での、20分を超えるトリオ演奏。当時のトリオは山下、坂田、小山彰太の第3期トリオ、わずか1曲で20分を超える熱演。コンサート当日司会もやった中原君が未だ「ジャムライス」の見習いで、半分・3分前などとボードで時間指示を出すものの、トリオの面々は演奏に熱中、確か5分ほどオーバーして終了と言う大熱演。特番ゲストの一人だったツービートのタケちゃんこと北野武先生も、大熱演の前に呆然として言葉もなし。凄い演奏でした。

 この日もそのトリオも登場、当時の持ち曲を熱演してくれましたが、なんと御大は3時間ほど出ずっぱり。そのバイタリティーや凄まじいもの。中村誠一、坂田明、森山威夫など、これ迄のトリオ参加の面々を始め、その他ゲストとしてタモリ、寛ちゃん(三上寛)、麿赤児など多彩な面々が参加。特に驚かされたのはシークレットゲストの教授(坂本龍一)の登場で、彼はプリペード・ピアノで山下御大とデュオ演奏を披露したのです。2回目の共演とのことだが、仲々に感激的な演奏でした。

 まあ山下御大のお話は番組でお愉しみ頂くとして、これからもどんどん刺激的なゲストが登場する筈なので、「テイスト・オブ・ジャズ」ご愛顧 宜しくお願い致します。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニスト 山下洋輔さん】
M1Clay
M2The 30th Theme
M3Swing
M4Goodbye