10月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/10/25(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.485~狂騒曲は終わった、しかし宴は】

 「ブレーブ・ブロッサム」とも呼ばれるラグビー・ジャパンチームの快進撃は10月20日の夜、調布市の「東京スタジアム(味スタ)」でその幕を閉じた。ノートライの3-26。完敗だったが褒め称えられるべき敗戦だったと思う。試合後のミックスゾーン(共同インタビュースペース)で疲れ切った選手達は、口々にこれまでにない強烈なプレッシャーを感じたと語っていた。強豪南アフリカ=スプリングボックスをそこまで本気にさせたジャパンの力量、成長振りを感じることが出来たのは感慨深いものがあった。その中で一人明るく元気だったのは、この試合でジャパンを引退することになる、最年長にして人気者のロック、ルーク・トンプソン選手。「ぼく今度は本当に引退だよ、もう戻ることなし。それにしてもジャパン素晴らしかった。ティア1を相手にあれだけ戦ったんだから...。若い人もきっと出て来る筈、ジャパンの未来明るいよ...。ぼくはまた近鉄で頑張るよ」。

 この試合先述したように、ジャパンは完敗だった。勝機は前半にあったし、(ぼくの見る所では)レフリーもかなり日本寄りだったと思うが、それを生かすことが出来ない...、と言うよりもスプリングボックスの面々がそうさせてくれなかった。南アの選手はジャパンの健闘や審判の捌きなどで、明らかにかなりいら立っており、その象徴がシンビン(10分間の一時的退場)を取られたFWのプレー。一人少ない状況でも彼らのディシプリンは崩れなかったし、却ってそれが結束を固めた感もあった。その実力差は明らかだったのだが、それでも3-5で終わった前半には何かが起こる...とも思わせてくれた。ジャパンの実力が増し、南アと対等に見てしまう錯覚を起こさせるほどだったのだ。これは数年前迄には考えられない程の凄いこと。本当に良くやったジャパンである。

 それにしてもあのシンビンプレー、あれがジャパンとは言わないが、フィジーやサモアなどのアイランダーズのチーム、あるいはアルゼンチン、ナムビアなどのティア1(英連邦諸国)以外のチームならば一発退場だったに違いない。そうなれば...という質問が記者団から出されたが、ヘッドコーチのジェーミーはそうなったら大いに局面は変わり、試合自体もどうなったか分からないね...と答えていたが、まさにその通り...。今回大好評裏に進んでいるRWC、そこでの一つの大きな問題は、そこにあるとぼくは思っており、その点についてはまた書かせてもらいたいと思っているが、いずれにせよご苦労さんでした、ジャパンの皆様。


 更に驚かされるのは今回のにわかファンの多さ、これには心底びっくりだし、私はにわかファンだ...等と堂々と述べる所も面白い。サッカーなどではそんなことはない筈なのだが...。更にTV視聴率の凄さ、南ア戦の瞬間最高視聴率はなんと50パーセント越えと言うことで、まさに前代未聞。この異常なラグビー人気をどう持続させていくか...。主に協会副会長に迄上り詰めた感もある清宮克幸氏の手腕に掛かる所も大きい。我がラジオNIKKEIラグビー班でも、特番などを通しその行く末を藤島大氏とともに注視していくつもりでもある。益々のご期待を...。


 ラグビージャパンをめぐる狂騒曲はこれでひとまず幕を迎えたが、11月初め迄ラグビーをめぐる世界的な宴は続いていく。スタッフの片割れとして、ぼくもその動向を真面目に見つめていくつもりです、よろしく。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
今週は久々のジャズトーク。青木先生に「楽器の話」と題してお話し頂きました。

10月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/10/18(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.484~ついにベスト8】

 「4年に一度、一生に一度だ」。この刺激的なキャッチに胸躍らされるラグビーワールドカップ(RWC)、我らがブレイムブロッサム=ジャパンチームは、遂に決勝トーナメント=ベスト8まで勝ち進むことになった。宿敵とも言えるスコットランドとの因縁の試合、この歴史的一戦に見事に勝利、ラグビー関係者及びラグビーファン達の長年の念願だったベスト8への進出を決めた。それも「ティア1」と言う旧英国連邦の、アイルランドそしてスコットランドと言う格上チームを連破しての見事な進出。長年ラグビーを見続けて来たものにとって、こんな日が本当に訪れるとは...、言葉にならない程の感激で「ブラボー!」の心境。

 
準々決勝の相手は、優勝候補の南アフリカ(=スプリング・ボックス)だけに、先行きは何とも言えないが、無欲のチームだけに今の勢いで突き進めば、かなりな良い試合(RWC直前試合は惨敗だったが...)になる筈で、またまた4年前のジャイアントキリングの再現も夢ではないとも思われる。それにしてもジャパン、本当に強くなったものだ。ワンチームの掛け声のもと多国軍と言った一面はあるが、実に良くまとまっているいいチームである。これ迄はフォワード戦では、まずティア1の強豪国に太刀打ち出来なかったのだが、スクラムでもモール、ラックなどの揉み合いでも、殆ど引けを取らなくなっている。その上ウイングに位置する松島・福岡、外国紙などではフェラーリにも例えられるこの2人、小柄ながら素晴らしい強靭さとスピードを兼ね備えたスピードスター達は、間違いなくワールドクラスの実力。そしてもう一つ驚かされるのは、俄かファンの多さとTV視聴率の異常とも言える高さ。それまでラグビーのラの字も言わなかった廻りの連中が、今は結果が気になって仕事も手につかないなどと宣う...。街ではPV(パブリックビューイング)に凄い数の人が集まり、先日も府中の駅前でその場面に出くわし驚嘆してしまった。これがブームと言うものだろうが、このブームが末長く続いて欲しいと思うし、ラグビー協会の奮起を促したい。

 
ただ気になるのはFWのある主力選手、グランドでは実に目覚ましい働きをする彼が、あるインタビューでメンタルコーチから勧められた、百田尚樹の「日本国紀」が愛読書だと答えていたこと。これにはいささか驚かされたし、笑わされたものだった。何せ世界に冠たるダイバーシティー(多民族混合)を実現したチーム「ジャパン」のメンタルコーチが、まさかこれを勧めるとは...、どう見ても考えられないのだが...。
 まあこんな話はさておき、今夜は南アフリカ戦。いつも以上にダイバーシティーを最大限発揮した「ワンチーム」の利点を生かし、大奮闘して欲しいものである。我がラグビー班もこの日を見据え、敏腕女史プロデューサーをメインに数年前からラグビー番組を企画、今はジャパンの奮起に応え番組も益々の充実を図っているのだから...。
 
そしてこの快進撃のバック(ジャズ)ナンバーとしては、ラテンジャズの大看板、ミッシェル・カミロが18人編成のフルバンドと共演した最新作『エッセンス』から、「ブレーム・ブロッサム=ジャパン」同様の灼熱プレーが展開される、力演ナンバー「オンファイアー」を推薦したい。熱く・激しく強敵に向かいトライを挙げろ、ジャパンの面々よ!

【今週の番組ゲスト:ピアニストの八木隆幸さん】
11枚目のリーダー作『MATRIX』から
M1Sweet And ovely
M2Serenity
M3View From Newark
M4Matrix

10月12日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/10/11(金) 20:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.483~4年に一度ではない...】

 「4年に一度では無い、一生に一度だ」。このラグビーワールドカップ(RWC)の刺激的なキャッチコピー。そのキャッチを書いた当人を、ぼくがおぼろげながら知っていたことに今回気付き、いささか驚いていると共に嬉しくも思っている次第。周りの知り合いにも、お前のコラムはジャズの話殆ど出て来ないじゃないか...等とお叱りを受け、今回こそはジャズ関連を...と思っていたのだが、その事実に気づき是非それを記さないと...と思った次第。なので皆様お許しあれ。何せ「4年に一度ではない、一生に一度」なのだから...。


 この刺激的なコピーを書いたのは吉谷吾郎氏、年令は31才。かなり若いコピーライターである。元々誰がこの蠱惑的とも言えそうな刺激的なコピーを書いたのか...、結構気になり関心があったのだが、それが吉谷吾郎と言う人物と新聞で知った時に、どこかで見たことがあるなーとは思った。ただその記事を実際読んだのでは無かったので、詳しくは分からなかったのだが、吾郎と言う字になんとなく覚えがあったのだ。それがその数日後、なんと毎日講読している朝日新聞のひと欄に、ラグビーW杯のキャッチコピーを考えた...として紹介されているではないか...。そこには東京都出身、早稲田ラグビー部出身とある。そうかあの吉谷吾郎かと腑に落ちた。と言っても直接彼を知っている訳ではない。6年前の13年、旧国立競技場の最後を飾る試合。それがラグビー早明戦で、当然ぼくも観戦したが、往年の様に万余の人が集まった印象的ラスト試合だった。それの人集めやパブリシティーを行うメインの一人として彼が協力、現役の部員などからも大いに感謝されている記事を早稲田ラグビー部報で見たこと。更に彼が付属の早稲田学院出身ということで、以前に早稲田の上井草グランドでの試合を学院出身の友人と観戦した時、その出場試合を(確かCチーム)見たこと、学院出身はその日唯一だったと思うなども思い出された。彼の代の早稲田ラグビー部はまだ覇権を争う最強豪チームで、確か今回ジャパンに選ばれている山中亮平選手とも同期の筈と思ったらその通り。この期には坂井(7人制ジャパンのキャプテンでもあった)宮沢(ヤマハで大活躍)等大学屈指の優秀な選手が揃い、付属上がりの彼はCないしDチームだったと思うが、それなりには頑張っていたのだ」と思う。


 その彼のブログを見てみると、やまちゃんと呼ぶ同期の山中との交友や、彼へのインタビューなども載っており、ぼくなどには大変に興味深いもの。更に今回最終選考で、惜しくもジャパンのメンバーから外れてしまった早稲田ラグビーの華=天才児、布巻俊介と山中との早稲田ラグビー3人衆での会話などもあり、彼が2人に「ぼくはピッチでは無理だが、側面からRWCに関わる...」と約束し、その通りを実現させてしまったこと。更に落選した後輩ヌノ(布巻)に「君はいつも努力をした。つらい時も何時も仲間のことを第一に思って行動した。ぼくは君を本当に尊敬する。将来もっと大きくなって、きっとジャパンのジャージーを着る日が来る筈だ」と結んでいるが、いかにも布巻、吉谷と言った人物の良さが出た好文で感心させられる。

 今回のRWC、早稲田ラグビー部出身は山ちゃん一人だが、最高のコピーを提供した吉谷吾郎もその立役者の一人として忘れることは出来ない。ジャパンがベスト8に残れる可能性はかなり高いものにはなっているが、まだ万全ではない。「4年に一度ではない、一生に一度」なのだから、やまちゃんこと山中選手にも全力で頑張って欲しいと思う。頑張れ 山中選手!

【今週の番組ゲスト:サックスプレイヤーの鈴木央紹さん T5 JAZZ Recordsの清水正さん】
鈴木さんの3枚目のリーダー作『FAVOURITES』から
M1Witchcraft
M2Boplicity
M3The Favourite
M4Moon River


10月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/10/04(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.482~最近のおススメアルバムなど】

  今回はまずこのコラムの読者の方からのお尋ねにお答えしたい。富山県高岡市在住のTさんで50代後半の方。彼はこの前ぼくがラグビーワールドカップについて書いた時、試合を見ながら我が後輩のジャズシンガーにしてジャズ博士でもある丸山繁雄くん。彼の恐らく世界で唯一のジャズ組曲「ラグビー組曲」の第1章キック・オフのことを思い出していた...と記したのだが、Tさんはその組曲についてもう少し知りたいとのことで、その組曲の存在だけでなく作詞・作曲者にして歌い手でもある丸山くんの存在も知らなかったとのこと。これは直接お答えするより、このコラムでちゃんと取り上げた方が良いのでは...と思い、今回記してみることにした。

 
丸山繁雄、彼はぼくより一世代ほど下のシンガー兼ジャズ学者(もう60代半ば...)で、今もまだ現役の日大芸術学部の講師の筈である。彼は日本で唯一人のジャズ論文で博士号を取得した(日大芸術学部)男で、その論文を基にしたジャズ本(ジャズの成り立ちからその長い歴史を纏めた大部の本)も上程している。と同時に当然こちらが本職なのだが、現役のジャズシンガーでボーカルスクールの主催者でもある。実力的には本邦随一と言っても良いシンガーなのだが、如何せんいささか地味でその力量の割に人気が今イチなのは大変に残念な所。ジャズボーカルの大御所、故ジョン・ヘンドリックスを師匠と定め、生前には彼とデュオのアルバムも残しており、なにより凄いのは自費で彼を日本に招き、各地でライブを敢行したこと。こんなシンガージャズメンそうはいない。
 
そんな彼がこのジャズ組曲を作ったのは、友人でもある早稲田大ラグビー部のキャプテンを務め、後にジャパン入りも果たした小柄で闘志の塊とも言える、伝説のフランカー、故岸塚武生に触発される所が大きかった様だ。石塚は10年ほど前に惜しくも物故してしまったが、早稲田ラグビー精神を体現化した様な貴重な存在で、茨城県の常総学院監督を務めていたが、その夏合宿の最中に亡くなってしまったと聞く。
 世界でも珍しい(おそらく唯一無二)ジャズによるラグビー組曲は、彼のデビューアルバム『ヤング・ファーザーズ・ソング』(アケタズディスク/廃盤)にメインナンバーとして収録されており、その中の「ユウユウ」と言う曲は、自身の息子の誕生を祝い作り歌ったもの。その息子さんは踊り(日本舞踊)の若き注目株としてNHKなどでも取り上げられる存在になっている。このジャズラグビー組曲の内いくつかは、今でも彼のライブで取り上げられることもあり、アルバムとしては彼がリーダーとして組織したフルバンド「酔狂座」が、「ヤマハジャズフェス・イン・浜松」に出演した時のライブアルバム(キングレコード)の音源がベストだと思う(残念ながらこれも廃盤だが、中古レコード店やアマゾンなどでは見付けられるかも...)。自身も大のラグビー好きなだけに、今回の「ラグビー・ワールド・カップ」も、愉しみにTV観戦している筈だが、あのラグビー組曲がどこかのフィールドで紹介されたならば、丸山繁雄の名前はラグビー&ジャズの世界で不朽のものになると思われるのだが...。まあざっとこんな感じのお返事でよろしいでしょうか...Tさん。素晴らしい曲・歌唱ですので、こまめに探してもらえれば見つかるかも知れませんね...。


 さて余りに丸山関連の文章が長くなってしまったので、最近聞いて感心したジャズアルバムの紹介を最後に簡単に...。まずはやはり何と言っても日本が世界に誇る天才ピアニスト、上原ひろみのソロアルバム『スペクトラム』。ソロ作としてはなんと10年振りだが、やはり凄い刺激的な内容。オスカー・ピーターソンからフリーの領域まで、鍵盤の上を一気に自在に疾駆するその雄姿。いつもながら感歎の一言。そしてもう1枚は今は亡きジョー・ザビヌルの追悼作。あの「ウエザー・レポート」やワールドジャズとも呼べそうなその後の創造的ユニットなど、マイルスにも匹敵する才人だったザビヌルの愛弟子、スコット・キンゼイが、「ブラック・マーケット」等のWRのヒット曲や、ザビヌル自身のオリジナルなどを取り上げ、21世紀的な視点で再構築した新作(ジミー・ハスリップやロバート・ト-マスJRなどゲスト陣も豪華)、これも全編興奮ものの傑作アルバム。それ以外にも面白いもの幾つかあるが、それはまたの機会に紹介することにしよう。


【今週の番組ゲスト:横濱ジャズプロムナード2019
 プロデューサーの柴田浩一さんとジャズギタリストの浅葉裕文さん】

今年第27回の開催となる横濱ジャズプロムナードの見どころを教えて頂きました。
M1Death Ray Boogie / 高瀬啓伍」
M2Shall We Dance ? / 浅葉裕文」
M3Moonlight Serenade Flutes Company
M4ご機嫌目盛吾妻光良&The Swinging Boppers
M5「 おとこって おとこって / ジェントル久保田とGentle Forest Jazz Band
M6In The Wee Small Hours Of The Morning / 浅葉裕文」

 

横濱ジャズプロムナード2019

http://jazzpro.jp/