8月31日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/08/30(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.477~ラグビーワールドカップのことなど】

 「4
年に一度ではない一生に一度だ...」等という刺激的なキャッチが目に付く「ラグビーワールドカップ」も開幕迄もう1か月を切る。これを目標に番組を立ち上げた感もある、ラジオNIKKEIのラグビー番組「藤島大の楕円球に見る夢」、制作部長にして番組担当でもあるH女史との打ち合わせなどもあり、追分山荘生活も中断して一時帰京することにした。20数日間一切TVなしの生活だったが、帰宅してみるとやはりTVは欠かせない。なかでも久しぶりにスタート時から愉しんでいた朝ドラ「なつぞら」。広瀬すずの御尊顔拝見は欠かせない。しかし20日以上のブランクだけにストーリーが良く分からず、確か最後に見た時にはなつと東大卒のディレクター、通称一休さんとが恋仲になりそうだと言う辺りだったが、そこからなつの出産シーンに進んでいたのには本当に驚かされ、更に女性産科医が田中裕子というのにもびっくり。まあ「今浦島」とはこういう状況を指すのかと一人納得したものだった。

 さてラグビーだが、今年は何をおいてもワールドカップ。我がラグビー班もH部長以下の2名で、東京、横浜、熊谷、そして釜石などを駆け回ることになりそうだが、きつくはあってもそれはそれでまた大層な愉しみでもある。しかし宴の後のラグビー界がどうなるのか...それもまた心配だし、なにより我がラグビー番組、その今後も気が気ではない。まあそんなことを心配しても詮無いので、追分生活の最大の愉しみの一つ、菅平での早稲田ラグビー合宿陣中見舞いと、練習試合見物に高原へと出かけることにした。
 試合相手は昨年菅平でようやく勝利した(本番ではあっけなく敗退してしまったが)帝京大。早稲田の試合はこの帝京戦と、昨年大学選手権準優勝の天理大との2試合だけ。天理大には幸先よく快勝、その余勢をかって...と淡い期待を抱いて高原に向かう。当日は曇天で時折雨も落ちる危うい天候。これは駄目か...と思いながらも、メイン会場のサニアパークに向かう。このサニアパーク、メイングランドや陸上グランド、その他にも3つほどのラグビーグランドを持つ、ラグビーのメッカに相応しいスポーツ施設。この日は明治と慶応の試合もありそちらがメインで、早稲田・帝京戦は
端っこのⅮグランド。平日の昼間なので流石に観客は少なかったが、熱心な人はいるもの。試合は最初から早稲田優勢でスタート、その余勢をかって前半はほぼ完勝、後半になるとほころびも出て結構詰められもしたが、それなりに優勢を保ち試合は終了。久し振りに気持ち良い思いを味わえた。このままいくと大学選手権優勝で、久しぶりに「荒ぶる」を歌えるのかと喜び一杯。ただ今年はワールドカップ一色、どのスポーツ紙にも早稲田が帝京を撃破とは出ておらず、その点だけはいささか寂しい思いだったが、まあそんなことは関係なし。我が早稲田ラグビーが強くさえあればいいのである。

 
 肝心のラグビー日本代表は、4年前に劇的勝利を得た南アフリカとの試合を熊谷競技場で行い、その試合が本番の目安になる筈だが、当然我がラグビー取材班も熊谷に駆け付けます。ジャパン悲願のベスト8進出も、決して難しくは無いと思いますが...。

 最後に山荘で見つけた拾いものアルバム。鬼才サックス(&クラリネット)奏者ミッシャル・ポルタルと現代アコーディオン奏者の最高峰、リシャール・ガリアーノのライブデュオアルバム(デルフィヨ)。フランス風のエスプリも味わえる深い内容を保ったの意欲作です。

【今週の番組ゲスト:音楽ジャーナリスト、ギタリスト「Selim slive Elementz」のリーダー 小川隆夫さん】
2ndアルバム「VOICE」から
M1Remembering Isle Of Wight
M2111
M3Moon Strut
M4One Punch

     
8月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/08/23(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.476~19追分通信③堀文子と坂田明】

 信州・追分の山荘生活も10数日。この時期お盆が過ぎると軽井沢もかなり人は減るはずだが、何しろ今年は最大9連休の人もいるようで、さして減ったようにも思えない。ただ台風の到来などもありお盆前に帰京した人もいたらしく、それなりに空いているのかも知れない。
 ぼく自身はこちらに来て2日ほど草津から万座へと温泉三昧の旅に出た。草津は久しぶりで地区管理のダータ(無料)の公衆浴場に3つばかりは入り万座温泉へ...。万座はプリンスホテル泊りだったが、プリンスは相変わらずどこもこけおどしで頂けない。ただここはすぐ下の万座高原ホテルを翼下に収めているので、こちらの温泉も利用できるとのこと。それならばと20分ほど下った高原ホテルの方にも行ってみたが、これが大正解。万座温泉には日帰りも含めこれまで何回も通っているのだが、ここは初めてだったが、混浴の露天風呂は泉質の違うお湯が4か所ばかりで、それぞれに素晴らしくロケーションも最高。今まで気づかなかったことを猛反省、万座では是非ここをお勧めしたい。少しホテル自体は古めかしいものですが...。

 
まあそんなこんなあり結構外出もしているのだが、やはり山荘に来ればあまり顔出すことのなかった、ぼくが私設応援団を自称している手作りカーペンターこと元広告マン、平井さんオーナーの「オーベルジュ・グルマン」。この店にはご挨拶しないと...と言うことで、お盆の真っただ中にランチをごちそうになりにお邪魔することにした。この期間はランチにディナー、そして朝食も...と言う一日フル回転。当日はどうにか天気は持ってくれたが、台風通過に伴い今にも一雨来そうな怪しい雲行き。予約時間の11時半に間に合うよう、山荘を早めに出て御影用水沿いを歩き25分ほど、天気具合もあってかさほど混んでおらずホッとする。
 かつての全編手作りの「カフェ・グルマン」は、同じ平井氏の手作り改装で見事にガレットやクレープをメインにしたコース料理メインの「オーベルジュ・グルマン」に変身。そのカーペンター平井氏の素晴らしい改装手腕に相変わらず感嘆。娘さんの作るガレットコースも堪能し、奥さんとも少し話を交わす。どうやらお店は料理人の娘さん中心に変わりつつあり、平井さんとは店で会えず仕舞い...と思いきや、店を出ると彼から呼び止められ、この所の御無沙汰をお詫びするが、ご自身は至って元気な様子。流石熟達の人。「カフェ」から「オーベルジュ」へとグルマンも本格化し、私設応援団として嬉しくはあるが、以前の様な気軽さ・気さくさが薄れた様に思えるのは、少しばかり残念ではある。しかし軽井沢(正確には御代田と軽井沢の境目に位置する)では、料理・雰囲気・景観など随一のお店として、ぼくは皆様に強く推薦します。


 グルマンの平井さん一家に挨拶を済ませたこの夏の追分山荘生活。予約のTELで娘さんに「ジャズの小西さんで...」聞かれ、いささか当惑気味に「ハイ」と返答してしまったが、今年は恒例の「軽井沢ジャズフェス」にも顔を出せず些か看板に偽りあり、と言うこともあり中軽井沢の画廊で、坂ちゃん(アルトの坂田明)がトークと演奏披露とある案内に、久々に彼のソロ演奏を愉しもうとその画廊に向かうことにした。画廊の出し物は、今年の春に天寿を全うした画家、堀文子の版画展。彼女は70才を超えた頃から軽井沢にアトリエを構え、厳しい冬を数度単身で乗り越え画業に励んだと聞いていたのだが、その時制作された版画も展示されており、どれも彼女の優しさ・愛らしさの良く出た作品が並んでいた。

 
坂ちゃんと堀さん...、この2人にどんな繋がりが...とトークを聞いていると、付き合いはそう長くはないが坂ちゃんお得意のミジンコ繋がりとのこと。晩年体調などの関係でスケッチ散策が難しくなった彼女が、ミジンコなど微生物の世界に興味を持ち出し(もともとは科学者志望だった...)、となれば日本有数のミジンコ博士=坂田明との接点は自ずと開けると言うもので、良くミジンコなどについて語り合ったのだと言う。想い出トークの後、彼はおもむろに愛用のアルトサックスを手に「見上げてごらん夜の星を...」など日本のポップス歌謡を数曲ソロで朗々と吹きまくる、堀さんへの追悼演奏を披露した。普段のような余り過激なアドリブは加えず、淡々とシンプルにメロディーを美しく力強く歌わせる。余り坂田らしくないプレー振りだったが、40名ほどの聴衆(ほとんどがぼくよりも年寄りのチャンジー、チャンバー揃い)を、静かに感動させてくれた。流石、坂田明で、天晴れなりである。

 ソロ演奏が終わって6~7年振りだが久しぶりに少し話を交し、また番組にも登場してくれる約束も取り付けた。彼とはもう30年以上前に「坂田明と4人の女」と言う壇ふみなど豪華な女優&歌手陣をゲストに招き、彼女たちと坂ちゃんが妖しく語り合うと言う、3時間を超えるいささか怪しげな特番を作ったのが忘れがたいが、このタイトルやその内容が奥方のお気に召さず、結構家庭内でもめたと後から構成作家から聞き、申し訳なく思ったのも今となっては懐かしくも良き思い出だ。当時まだ小さな子供だった息子さん=学くんが、今や売れっ子のロック(=セッション)ドラマーに成長しているのも嬉しい所。


 ところで山荘生活の愉しみの読書三昧では、先週紹介した中島梓=栗本薫本(彼女はジャズピアニストの顔もあった)と並んで、純粋ジャズ本でも面白いものがあった。これらについては又機会を改めて紹介してみたいが、ジャズ絵本の「リズムが見える」、ジャズ界きっての伝説のパトロン、ニカ男爵夫人の伝記「パノニカ」の2冊。いずれお愉しみに...。


【今週の番組ゲスト:ディスクユニオンのレーベル
SOMETHIN'COOL」の坂本涼子さん】
最近のオススメをご紹介頂きました。

M1 Vibrant Line / 山本玲子(THE SQUARE PYRAMID)」

M2Eu Sei Que Vou Te Amar(あなたを愛してしまう) / 二重奏(金澤英明 栗林すみれ)」

M3GL/JM  /  JUNKO ONISHI presents JATROIT Live at BLUE NOTE TOKYO

M4Autumn Leaves / Bill Evans




8月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/08/16(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.475~追分通信19-②~世界最長の物語を書いた人】

 前回の追分通信で追分の御影用水のはぐれ鴨について記した。ここ数年3羽いた筈のはぐれ鴨(たぶん親子)の群れだが、その内の2羽はどこかにいなくなってしまったと地元の方の話だったが、先日鴨の根城である御影用水の入口(細い水路が用水として拡張される場所)付近に行ってみると、なんと10数羽の鴨が群れているではないか...。そしてその下流にも8羽ほど...。いやー久しぶりにこんな数の鴨達を見た。その中ではぐれ親鴨は、ただ一羽悠然と泳いでいた。これを見てホッと一安心。


 さて追分山荘での愉しみの一つが、軽井沢など近隣図書館から借りまくった10数冊の本を読み漁ること。山荘にはTVが無い為、これが実にスムースに読み進められる。その中で特に印象に残った一冊が、早川書房からつい最近出された「栗本薫と中島梓」と言うノンフィクション。里中高志と言う40代前半のフリージャーナリストが書いたもので、彼は栗本=中島の早稲田大文学部の後輩にあたる。「世界最長の物語を書いた人」と言うサブタイトルの付いたこの本は、栗本薫=中島梓没後10周年、不朽のヒーローファンタジー「グイン・サーガ」誕生40周年の記念出版本で、版元は当然「グイーン・サーガ」全130巻と外伝22巻と言う、気の遠くなるような長編サーガ(伝奇物語)を出し続けている早川書房と言うことになるが、この「グイン・サーガ」は彼女のお弟子さん達によって現在もまだ続行中なのである。


 まあどうしてぼくがこのノンフィクションを...となるのだが、このコラムでも大分以前に記したが、中島梓(栗本薫)とは数年間ほどラジオ特番を通し、結構親しい関係にあったからに他ならない。良く知られる(?)様に、彼女は「文学の輪郭」と言う評論で群像新人文学賞を獲得、評論での新人賞は珍しいと言うこともあって、中島梓は当時一寸した時の人でもあった。この数年後「ぼくらの時代」と言う推理小説を、栗本薫と言うペンネームで発表し江戸川乱歩賞を受賞、以降世界でも最長・最多の小説を書く稀有な小説家へと変貌を遂げる訳なのである。

 
ところでこの群像新人文学賞は、前年が村上龍、2年後に村上春樹と言う日本の戦後文学の概念をひっくり返すような、若手の双璧=両村上が颯爽と登場した文学賞なのだが、特に評論と言う分野で新人がクローズアップされることは珍しかった。その当時ぼくは紀伊國屋書店が提供する、ラジオたんぱにしては珍しい高等カルチャー番組を、高平哲郎氏を起用して制作していたのだ。そのゲストにまさにぴったりの存在と言うことで、早速「群像」編集部を通して彼女にアプローチ、その話題の評論を読むことも無く、彼女に出演依頼し、快諾してもらった。局の打ち合わせ室で初めて会った彼女は、結構インタビュー慣れした小生意気な女性だったが、ぼくが早稲田の先輩で「ジャズ研」上がりだと知り話が弾み、自身が「ハモソ(ハーモニカ・ソサイエティーの略)」でピアノを担当していだと言うことを、恥ずかしそうに打ち明けた。ハーモニカ中心のこのアンサンブルサークルは結構歴史のある音楽サークルで、確かハイソ(ハイソサエティー・オーケストラ)と音楽長屋で同室の筈だが、音楽素人も多く他の音楽サークルからは、一段格下に見られる所もあったので、彼女もやや卑下した感もあったのかもしれない。だが肝心の文学論になると激しく、鋭く、噂通りの才媛と言った感じで凄い女性だと認識させてくれた。 

 
新聞のインタビューなどは多かったが、大好きなラジオから依頼があったのは初めて、その上音楽長屋の先輩にもあたり、これからは「どんな依頼でも、小西さんに頼まれれば...」等とうれしい事も言ってくれる。そんなこともあり、くだんの文芸番組をはじめ、4~5年位の間ちょくちょく特別番組に登場してもらった。特に若者の政治意識を探る...(「明るい選挙推進協会」と言う選挙啓発団体が主催で、当時は当然政治にも先鋭的な関心を持つ若者が多かった)などと言う、1時間特番(大きなスタジオに30名ほど学生や若い社会人が入り議論する)では、進行役のアナウンサーでは議論に収集かつかなくなり、ほとほと困り果てていた時に、彼女が一言絶妙な助け舟を出してくれ、どうにか一件落着などと言うこともあった。
 その彼女との最後の仕事は、確か彼女と糸井重里の2人にスポットを当てた3時間を超える特番で、伝説の四谷の酒場「ホワイト」で中島~糸井のメイン収録をしたことは今や懐かしい想い出。京成線の青砥にある彼女の自宅にも打ち合わせで何回か訪れたこともあった。しかしその後ぼくが制作現場から、一時離れてしまったこと、また彼女も売れっ子になり連絡を取ることも無く長い時間が過ぎてしまった。その間にも世界に冠たる壮大なファンタジー「グイン・サーガ」を愛読したり、また彼女の略奪愛(結局その相手と結婚する)などが週刊誌のゴシップ欄を賑わせたりしたのを横目で眺め、彼女も大変だなーなどと嘆息していたりもした。


 仕事を共にしたころから彼女の才は図抜けたもので、ぼくなんぞはただ従うと言った感じだったが、小説も扱う題材がSFから恋愛もの、ハードボイルド、歴史物などまさに何でもこなす多彩さ。中でも男性どうしの同性愛を描いた一連の小説(ぼくは一つも読んでいないが)は彼女独自のもの。その上芝居の脚本・演出やオペラ&ミュージカルの演出、更に和もの音曲(三味線、長唄、日本舞踊など、どれも名取のはず)にも通じるなど、まさに天才の名にふさわしい活躍振りだったが、文壇からは異端の存在ともみられがちで、マスコミもまた同じような扱いだったのは、この不世出の女傑に対して本当に残念なこと。


 そんな彼女も晩年は癌でかなりな闘病生活をしいられたが、闘病中でも執筆活動と同時に、ジャズピアノにも目覚め、東大の原子力工学出身と言う異色のインテリピアニスト、嶋津健一に師事し(彼はスタジオにも数回登場している)、銀座のジャズクラブなどで定期的にライブもこなし、ジャズアルバムも発表したりもしていた。そんな話をある知り合いから聞き、是非我が「テイスト・オブ・ジャズ」にも...と、連絡を取ってみたが返答なし。余り病が芳しくなかった時だったかも知れないが、彼女とはそれっきりになってしまい、もう再び会うことも適わなかった。2009年5月26日に彼女は亡くなってしまい、ぼくは新聞のニュースでその訃報を知ったのだった。享年56才。


 里中のノンフィクションからは、この天才の色々な姿が浮かび上がり、デビュー直後の彼女を知るだけに感慨深いものも多く、特にその本名が山田純代だったとははじめて知った。そんな彼女の追悼会では、嶋津を始め水上まり(ボーカル)加藤真一(ベース)など、ぼくのジャズ知り合いも多数追悼演奏を行ったとある。
私はと言えば天性のストーリー・テラーであった。私の頭の中に浮かんでくる、ありとあらゆる壮大なドラマの万華鏡に、私の頭と手が追い付かなかった」(中島梓) 
 本を読み終え久しぶりに嶋津氏のトリオ佳品『ザ・コンポーザーズ』を聴いてみたくなった。知的なコントロールの効いたグッドアルバムなのだが、残念ながら追分の山荘には見付からない。まあこれも運命か...。

【今週の番組ゲスト:東京ジャズ事務局の前川樹里さん】 
 
今年も東京ジャズ近づいてきました!第18回東京ジャズフェスティバル。NHKホールを中心に、渋谷〜代々木公園周辺で830日(金)〜91日(日)開催されます。
今年の特徴は、NHKホールでの4ステージは、レジェンドと話題のアーティストを組み合わせたこと...だそうです!91日の昼公演は、なんと、あのカマシ・ワシントンと、チャールス・ロイド

M1Fists of Fury / Kamasi Washington
M2Passin' Through / Charles Lloyd
M3Love Hurts / Julian Lage
M4Sunday /  Wojtek Mazolewski


8月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/08/09(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.474~追分通信19-①】

 ようやく8月に入って山荘に来ることが出来た。例年7月半ばには...などと考えていても、結局は7月末の「軽井沢ジャズフェス」に間に合うころに追分山荘へ...と言うのがこの所続いていたのだが、今年はその「軽井沢ジャズフェス」も完全にアウト、構成・演出の高平哲郎氏などに文句の一つも言われそうだが、何せ「台湾特番」のオンエアーが例年より1か月以上遅い8月12日。それだけにその取材、収録、編集など作業が山積み、どうにか7月中にそれ等を終えて8月の頭からこちらに来ることが出来たと言うトホホな次第。
 まあいろいろあったので、今年は初めて長距離バスで追分入りを...と、立川から千曲バスの長距離バスで朝早く軽井沢に向かう。このバスが出来た頃は2、3回帰京時に利用したことがあったが最近は皆無。新幹線に比べると時間は倍近くかかるのだが、魅力は何と言ってもその安さ。追分の外れで下車できるのも利点なのだが,新幹線で軽井沢駅で降りてもその後しなの鉄道(御代田駅ないし追分駅)とタクシー利用で2千円以上かかってしまい、トータルでは鉄道と長距離バスでは5千円近くも差が付いてしまう。そうなるとしがないチャンジー(爺さん)年金生活者には、どちらを選択するかは歴然のこと。今は前と違ってバスもかなり乗り心地も良く、少し時間がかかる点を別にすれば(急ぐ旅でもないので...)、もう言うこと無し。ただ一つ落とし穴は、追分のバス降車場が予想に反し街から大分離れた所で、重い荷物を持ってかなり歩かねばならなかったこと。これにはいささか応えたが、それもまあいい運動ではある。

 
バス停から追分の街を超え、30分ぐらい歩きようやく御影用水に到着。あの3羽のはぐれ鴨達が気になって用水を覗いてみると、餌やりをしている若いご婦人がいる。ただし鴨は飛べない親鴨だけで他のは姿なし。彼女に他の鴨はどうしたんですかね...と尋ねると、数か月前から姿を見ないと言う。「どこかに行ってしまったか...、野犬にでも...」とかなり寂しい答え。用水改修前にいた3羽がいずれも野犬などに...と言う悲しい前例を思い出したが、いかんせんそれも詮無いこと。ただ飛べない親鴨の長命を祈るだけで、こちらにいる間はその無事を...毎日見守ろうとも思う。 
 
山荘に到着した翌日は図書館通い。軽井沢、御代田、小諸の3つの図書館を巡り、10数冊を借りまくり、長い休暇に備え準備万端。果たしてこの中で何冊読み切れるか...、当コラム「追分通信」の最後で何冊読めたかとその読後感想を記してみたいとも思う。乞うご期待!

 
ところで中軽井沢の図書館(しなの鉄道の中軽井沢駅に併設)に行った帰り、少し中軽の街を歩いてみると、中国語が飛び駈っているではないか...。軽井沢の人気アウトレット周辺に、中国系の人達が群がるのは少しばかり理解出来るのだが、今や結構到着に不便になってしまった、中軽井沢まで中国系の人で溢れる()とはいささか驚きでもあった。これらの人達は、殆どが大陸系の人達だと思われるが、台湾の人でも軽井沢に憧れ是非行きたい...と言う人が結構多く、かつて驚かされたものだったが、それが大陸にまで伝搬したのか...と感ずるところも多かった。しかし彼らは一家での旅行が多い様で、老人から幼児まで一家族6~7人。遠慮なく良くしゃべりいささかうるさいが、その活力たるや凄まじい。このままだとこのリゾート避暑地も大陸の人達に占領されてしまうのか...などと要らぬ心配までしてしまう程。

 
まあそれはさておき、この時期追分~軽井沢も涼しいとは言い切れないが、決して暑くは無い。木々を吹き渡る涼風も心地良く、やはり山荘生活は言うこと無し。そろそろ年令も考え、こちらを生活の拠点にしてもなどと勧められるが...、色々と悩ましい所でもある。

【今週の番組ゲスト:今年音楽生活50周年を迎えた
日本を代表するジャズベーシスト チンさんこと鈴木良雄さん】

50周年記念アルバム「BASS TALK」の『Beyond The Forest』から
M1「The Kite「鳶) 」
M2「Monet」
M3「筏衆(Ikadashu)」
M4「Cheers」











 

8月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2019/08/02(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.473~ライブ三昧】

 日頃は出不精のぼくだが、このところ2週続けてライブに足を運んだ。一つは「ブルーノート東京」で行われたアフリカナイジェリア関連のコテコテ・アフロビート・ミュージック。もう一つは東京駅そばの「コットンクラブ」で行われた、カリビアンフュージョンジャズとも言えるスティール・パン・ミュージック。どちらもド(純生)ジャズとは大分趣きを異にするものだが、ジャージーなテイスト一杯の愉しめるグッドライブだった。

 
まずアフロミュージックの方は、ナイジェリアが産んだ伝説のカリスマミュージシャン、フェラ・クティの数多くの息子の一人、ショーン・クティの率いる「エジプト80」のライブで、ショーンはサックスとキーボード、そしてメインボーカルを担当、都市感覚と土俗的香りが入り混じった、迫力溢れるステージで魅せた。もう一つはカリブの小国、トリニダードトバコの素朴な民族楽器、スティールパン(ドラム缶を改造した楽器)をジャズ楽器にまで進化させた白人イノベーター、アンディー・ナレルのカリビアン多国籍ユニットの演奏。この両者は力感と優雅さ...と言った意味合いで、対照的なステージだったが、ともに面白さ満杯のものだった。

 ショーン・クティをリーダーとする「エジプト80」は、ギターが2人にパーカッション陣が4人とホーン陣も4人、更に2名の女性ダンサーも加わり、全部で14名編成と言う大所帯。それがジェームス・ブラウン並みにシャウトし、踊りまくるのだから、その迫力たるや凄まじいもの。特に2人の女性ダンサーのアフリカ中部ならではの、全身を揺らして踊りまくる様は、強烈にして官能的、見所充分なものだった。親父のフェラはかなりなメッセージ性の強い土俗的なアフリカンミュージックを聞かせ、それゆえ当時のナイジェリア政府から睨まれ、投獄されたり自宅軟禁などと、音楽&政治行動を強く制約されたものだったが、息子の代になるとそうした反体制的姿勢は皆無。ただひたすらに快楽・享楽を求め続けると言った感じで、そこら辺が親父を知るだけにいささか物足りなかったが、そのエネルギー全開のステージは、聴き所満載。

 一方アンディー・ナレルの方は、実に30年以上になる久々のご対面。30代の頃は彼のアルバムにぞっこんで、来日コンサートにも良く足を運んだものだったが、この所はさっぱりその存在すら忘れてしまっていた。それがある雑誌のライブ告知でその来日を知り、コットンクラブの広報部の知り合いに、無理を言って入れてもらっての対面だった。手元の資料を見ると、彼の初リーダー作は1979年。この頃から彼のアルバムは本当に良く聴いたものだが、最近までに15枚以上のアルバムをリリースしているとのこと。昔に比べ大分老けたのは仕方ないが、その音楽は昔と同様に若々しく光り輝いていた。メンバーも彼のスティール・パンにキューバ出身の女性ピアニスト、ジャニセット・マクファーリン、更にベースとドラムはカリブ海の小国出身と汎カリブ色の強いメンバー構成だが、実に気持ち良いカリビアンフュージョンミュージックが展開され、優雅な楽園気分に浸れた。ナレル健在なりと言った感じも強く、ピアノのジャニセットもラテンジャズの優雅さを巧みに醸し出し、聴くものを心地よく酔わせる。ショーンは熱く烈しく、アンディーは優雅に心地良く、聴くものを酔わせてくれ、両方とも実に愉しい一時を過ごさせてくれた。


 夏にはやはりラテン、カリブ、そしてアフリカ等々、こうした地域の音楽~楽園系ワールドミュージックが最もぴったりと来るようだ。皆様もお一つどうですか...


【今週の番組ゲスト:今注目のレーベル『Days of Delight
プロデューサーの平野暁臣さんとレーベルディレクターの行達也さん】
M1「Black Eyes / 土岐英史『Black Eyes』から」
M
2「Bamboo Grove / 峰厚介『Bamboo Grove』から」
M3「Friends / 鈴木良雄  『Days of Delight Compilation Album -疾走-』から」
M4「Attractive Vamp / Days of Delight Quintet『1969』から」