6月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2019/06/14(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.466~ボーノ・イタリアン】

 新宿や吉祥寺などの大きな街で、打ち合わせなどが早めに終わってしまい時間が空いてしまうと、どうも昔からの悪しき(?)習慣なのか、本屋&CDショップに足が向いてしまう。この前も吉祥寺で私用がありそれが早めに終わってしまった...、となるとイマジネーション欠如だけに足は自然CDショップのディスク・ユニオンに向いてしまう。その餌箱を何気なく見ていると、『ボーノ・イタリアン』と言う1枚のコンピレーションアルバムがあるではないか。価格は実に安い300円。全23曲入りで、60年代のイタリアンヒットナンバーが満載。と言うことで直ぐに買うことにしたのだが、これが仲々に興味深いアルバム。ぼくらにとってイタリアンポップスと言えば、まずはドメニコ・モドゥーニョの歌う「ボラーレ」。「オーソレ・ミヨ」等のイタリア民謡と並ぶイタリア代表曲(今はそんなこともないか...)として誰もが知るこのナンバーは,有名な「サンレモ音楽祭」の第8回受賞曲(1958年)で、全米のヒットチャートのトップに長い間君臨していた。今でこそこうしたヒット曲は、アメリカのグラミー賞が独占状態だが、ぼく等の少年時代はまずはサンレモ受賞曲が話題になったものだし、イタリアポップスの人気はかなりなものだった。そして音楽と同時にイタリア映画、と言うよりもヒットナンバーの多くはイタリア映画の主題歌だったり、その挿入曲・歌だったりした。


 『ボーノ・イタリアン』と言うコンピレーション作は、ボラーレは当然だがその他のイタリアヒットチューン満載の懐かしのイタリアンアルバムなのである。タイトルの「ボーノ」とは、美味しい、素晴らしいと言った意味合いで、イタリア料理の全国チェーン店に、「ボーノ・イタリア」と言う店がある様だが、そちらは文字通り美味しいと言う意味を指し、アルバムの方は素晴らしいと言う感じなのだろう。


  この21世紀、今やイタリアビット曲などと言うものにはまずお耳に掛らないのだが、60年代の頃は色々な情報は殆ど無かったが、結構インターナショナルな気風もあった様で、イタリアも音楽のある中心であった。
アルバムは、ベビーノ・ガリアルディの歌う、映画「ガラスの部屋」のテーマ曲(1970年)からスタートするが、こんなの全然知らないなー等と思っていると、これが今や最も日本人に知られたイタリアポップナンバー。アルバムの冒頭に置かれるのも至極当然と言った感じなのだが、こう書くと勘の良い方はもうお分かりかも知れない。あのコメディアン、ヒロシの「ヒロシです...」と言う有名なギャグのバックに流れているのが、この「ガラスの部屋」のテーマなのである。その他にも大ヒットの「アル・ディ・ラ(トニー・ダララ)」「2万4千回のキッス(アドリアーノ・チェレンターノ)」等、懐かしのヒットチューンのオンパレードなのだが、ぼくの大好きなのは何回も来日し人気も高かった、女性シンガー、ミーナの大ヒット曲「幸せがいっぱい」と「死ぬほど愛して」。イタリア語の歌詞は当時ちっとも分からなかったが、彼女が絶叫する情感たっぷりな唄い上げには本当に泣かされたもので、金の無い高校生だったが、ドーナツ盤と呼ばれたシングル盤を大事なお小遣いを投げ出して買い求めたものだった。アルバムに挿入されている彼女の「幸せがいっぱい」、今でもかなり涙腺ウルルンとさせられる素敵な曲でもある。

 ただこの懐かしのヒットアルバムも、一つ残念なのはミーナと並んで大好きな、「サンライト・ツイスト(ジャンニ・モランディ/映画主題歌)」が入っていないこと。レコード会社の契約の関係で入れられなかったのだが、これは本当に惜しい。この曲はもう25年程前に「デガショウ」と言う日本のジャズバンド~昨年惜しくも亡くなったサックス奏者の片山広明と同じサックスの林栄一による双頭バンドが、そのデビューアルバムの中で取り上げており、フリーにしてポップ、アグレッシブでいて弾け飛んだジャズサウンドは、J-ジャズの到達したある極致の演奏だと、ぼくは信じているほどの素晴らしいもので、お勧めのJ-ジャズ演奏だ。彼ら2人も小・中学生の頃この曲を聞き漁ったに違いないが、そんな強烈なノスタルジーとエネルギーに溢れたこの演奏の元歌だけに、悪ろうはずなどありませんよね...。皆様も「デガショウ」の「サンライト・ツイスト」是非聴いてみて下さい。打ちのめされること必定です。ただ廃盤の筈ですので、見つけるのも中々に難しいかも知れませんが...探し買いはあります。

【今週の番組ゲスト:コアポート代表の高木洋司さん】
最近話題の女性シンガーのアルバムをご紹介頂きました。
M1Never Will I Marry / Sara Gazarek
M2The Way You Feel Inside / Lauren Desberg
M3Kallfu / Camila Meza
M4Unravelled / Aubrey Johnson
M5Push Me Away / Tillery