5月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2019/05/10(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.461~平成から令和へのGW】

 平成から新元号の令和へと変わった、この4月末から5月初めにかけての10連休にも及ぶ長いGW、ぼくはこの間のほとんどを追分の山荘で過ごした。中2日半ほどは東京に戻り病院通いをしたのだが、どうもこうチャンジー(ロートル)になると、年齢のせいか体のそこここが時々不調になってしまう。今回は4月の頭に、突然胃から腰の辺りに痛みが走り、数日後に立川の大病院へ。すると総合内科に回され、出てきた医師がジャズでいう所のトラ(臨時雇い)のような若い医師。人柄は良さそうなのだが何とも頼りなく、こちらが質問しても上の空の感じ。1週間後再診察でも痛みは引かないので訴えると、ようやく「ではCT検査を...」と言い、それも5月の半ばにならないと...などと宣まうのだ。まあ運が悪く困った医師に遭遇...などと諦めていたのだが、痛みは引かない。そこで思い切って地元国立の病院にセカンドオピニオンを求めに行くと、直ぐにその場でCT検査を実施、一応何事も無い(結石はあるが...)との回答。再度痛みがあれば...と言うことで、GWのど真ん中に上京、診察を受ける羽目に...。だが実態は良く判らず、院長が言うには消化器関連の病気ではない様だとのこと。はなはだ心もとないのだが、消化器関連でないと聞いて一応一安心。そうなるとどうやら長い痛みも徐々に解消した感じあり。そんなこんなでGWをやり過ごした次第で、いささかトホホな事態だった。それにしても依然として不安と心配は残っており、厄介な元号跨ぎだった。
 

 まあそんな状況なので、いつもならば早朝御影用水脇から越生学園グランドなどを通って帰宅と言う1時間を超す「速歩ウオーキング」を行うのだが、今回ばかりはそんな気持ちにもなれず、もっぱら読書と音楽(ジャズ&クラシック)鑑賞に温泉三昧。上田市郊外の「ささらの湯」に、糖尿病に効く飲用温泉水を汲みに走り、小諸の布引観音(牛に惹かれて善光寺参りの観音)温泉では早朝入浴等々、追分周辺の東信の温泉を回った。どこの温泉に入っても心身の痛みが取れるようで、やはり温泉最高と言った気分。流石に草津や万座迄は足を伸ばせなかったが、どうやら不安と心配も、この温泉巡りでいささか軽減された感じだった。

 ジャズCDの方は、鑑賞と言うよりももっぱら整理の方に時間がかかり、こんなに所持していても...と思うのだが、いざ整理を始めると貧乏性と言うか思い切って処分できない、ダメな性格なのである。しかしこの整理も仲々に愉しいもので、今まで見向きもしなかったアルバムをなんとなく聞き直してみると、これが意外な拾い物...などと言うのも時々出てきて、また何とも嬉しいもの。今回面白かったのは『伝説のブギウギ・ピアノ』と言うコンピアルバム。ジャズの原型の一つともされるブギウギ(ピアノ)を30曲近く集めたアルバムで、「ブギ第1号」ともされるパイン・トップ・スミスの「パイン・トップス・ブギ」やカウ・カウ・ダベンポート、モンタナ・テイラーなど未知のピアニストばかりだが、その威勢の良さには感嘆しきりだった。まあどうしてこんなアルバムを聴こうかと思ったかと言うと、整理の途中に何気なく目にしたこのアルバム、もしかしたらカンサスシティーの大物、ジェイ・マクシャンのピアノも入っているのか...とみると、1曲あるではないか。マクシャンは先日アルバムのライナーを頼まれ必死で資料を探していた人物。それが追分の山荘に埋もれていたとは...。まあこのマクシャン(モダンジャズの開祖、チャーリー・パーカーを見い出した偉人)の1曲に惹かれ、全30曲余り(殆どが30~40年代の録音音源)を聞き通してしまったのだが、ジャズだけでなくR&Bやロックにも大きな影響を、この音楽が与えていることが良く理解できるもので、実に威勢の良い興味深いコンピ作だった。こうした掘り出し物があるから、やはりCD整理作業はやめられないのだ。

 
 読書では軽井沢、御代田の図書館で10数冊ほど借りまくり読みふけった。中でも興味深かったのは軽井沢在住の直木賞作家、藤田宣水のセミハードボイルド小説「老猿」。舞台が軽井沢の中軽の別荘地だけに、小説としての出来栄えは今一つだが、地域柄その設定にも興味深いものがありそれなりに愉しめた。もう一つの拾い物はドリアン助川の「あん」。樹木希林の映画でも評判になった(見落としてしまった)小説だが、ハンセン病と言う重いテーマを扱いながら、心温まるストーリーに仕上げており、実に後味の良い泣ける小説だった。昔は児童ものの出版社と言うイメージのポプラ社だったが、ここ数年様子一変といった感じで、意欲的な作品を次々世に送り出しており、「あん」はその代表作の一つ。是非ヴィデオで映画の方も見ようと思った程の逸品だった。音楽書では菊池成孔&大谷能生コンビによる「アフロ・ディズニー」が予想通り面白かった。中々に難しい内容の大学でのジャズ講義録だが、流石理論家の2人だけに興味深いもの。菊池はサックス吹きとしては余りその力量は評価出来ないのだが(自身のバンドや山下洋輔などとも共演)、こうしたジャズ理論書や講義本では、他に追随を許さない素晴らしさ。理論と実際、そしてその乖離、そこら辺が世の中とは中々に面白いもの。あの文春から出された一冊で、難しいが一読に値するジャズ本です。

【今週の番組ゲスト:ジャズヴァイオリニストの里見紀子さん】
1stアルバム「Project-N
2ndアルバム「A Love Supreme」から

M1A Love Supreme, Part 1 承認」
M2A Love Supreme, Part 2決意」
M3Red Light, Green Light〜だるまさんがころんだ〜」
M4Danny Boy