12月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/11/30(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.438~ドキュメント映画「ピアソラ」】

 皆さんは「MPB」と言う言葉ご存じだろうか...。「ムジカ・ポピュレイラ・ブラジレイラ」と言うポルトガル語の略語で、このコラムで取り上げるのだからどうやら音楽に関する用語だとはお分かりだろうが、その通りでブラジルのポピュラー音楽全般を意味する言葉。唄の国ブラジルを象徴するアントニオ・カルロス・ジョビンからイバン・リンス、カエターノ・ベローゾなど、多くのブラジリアンシンガー&ミュージシャンがこの言葉には含まれている。そんなMPBはジャズを含む世界中のポピュラー音楽に大きな影響を与えている訳だが、ぼく自身にとってMPBとは、自身の音楽観の根幹をなす重要な3人の音楽家達を指しており、本来のこの言葉の意味合いとは大きく異なっている。
 
 
そのぼくのMPBとは、まずMはマイルス・デイビス。モダンジャズの歴史を体現化した余りにも有名な巨星。そしてPはモダンタンゴの創始者にして革命児とも言われた鬼才アストル・ピアソラ。そして最後のB、これは言うまでも無く楽聖J・S・バッハのこと。この3人こそぼくの音楽原点を形作った存在とも言えるし、実際に彼らに関したアルバム(CD&アナログ盤)だけで優に150枚を越した数を所持していると思うのだが、それだけ重要な音楽家達なのである。その中のPことタンゴ界の偉才、作曲家にして世界最高のバンドネオン奏者でもあるピアソラに関するドキュメンタリーフィルムが公開されると音楽関係者から教えられ、早速配給会社などを調べ、その試写会に出かけることにした。
 ドキュメントフィルムの邦タイトルは「ピアソラ~永遠のリベルタンゴ」、12月初頭から渋谷の「ル・シネマ」等で公開予定とのことで、彼の銘曲「リベル・タンゴ」をサブタイトルに織り込む辺りは、日本人受けするように...と言った配給会社の配慮が見え隠れするが、原題は「ザ・イヤー・オブ・シャーク=鮫の日々」と言ういささか物騒なもの。これは彼が鮫釣り(!)が大好きだったこと(映画にも鮫釣り場面が出て来る)、また時に世の偏見に対し鮫のように獰猛になる彼の性格を象徴しているものとも思われる。

 
昨年2017年は彼の没後25周年。それを記念して大々的な回顧展なども故郷のアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたようだが、同時にその25周年を記念して息子のダニエルが、監督に彼のドキュメンタリーフィルムの制作を依頼、そこでダニエルの父親アストル・ピアソラへの回想を中心に描かれたのがこのフィルムと言う訳。監督はピアソラの後継者とも目されるバンドネオン奏者ディノ・サルシのドキュメントフィルムも作っており、それを見た息子が彼に委嘱したようだ。「情熱と哀愁の音の魔術師、ピアソラの素顔とは...」と映画の惹句にあるが、これは息子のダニエルの目を通したピアソラ像。彼はダニエルの母親とは離婚しその後出会う女性歌手や2番目の奥方との関係も大変に重要なのだが、そこら辺がスルーされている辺りいささか残念ではあるが、昔の8ミリフィルムなども挿入されかなり多角的にこの鬼才の全貌が伺え興味深いものだった。なにより実際の彼の演奏フィルムがかなり沢山挿入されている辺りも嬉しい限り。フィギュアスケートのバックミュージックなどでも数多く使われ、かなりポピュラーになった「リベルタンゴ」を始め、父親の死を悼んだ「アディオスノニーノ」、彼の名前を一躍有名にした「ロコへのバラード」など、代表曲の数々が画面に登場、それだけでもファンとしては堪えられない。彼は伝統的タンゴの破壊者として見られ、アルゼンチン本国では不当に低い評価に甘んじなければならなかったが、世界的チェリストのロストロポーヴィッチやヨー・ヨー・マ、またジャズバリトン奏者のジェリー・マリガンなど、多くの有名音楽家達が積極的に彼を擁護、彼とアルバムを作る(マリガンとの共演作でぼくは彼の存在を知った)などして、その功績を高く評価したため、本国でも評価は一変したと言う曰く付きの革新的音楽家。映画の中でも息子のダニエルが、強烈に印象に残っている父親の言葉として「過去を振り返るな、昨日成したことはゴミだ..」を上げているが、言葉は少し違うがまさにマイルス・デイビスも同じ内容の言葉を語っている。天才の天才たる所以でもあるし、音楽上の革命者はまさにそうでそうなければならないのである。

 
かれはその晩年~80年台の末に数回程来日を果たしているが、幸いなことにぼくはその内の2回ほどを聴きに行っている。まさに感涙ものの素晴らしいコンサートで、間違いなくぼくのライブ体験のベスト5に入るものだったが、漢(男)としても実に魅力的な人だった。改めてピアソラの偉大さを確認するには、この映画は格好のドキュメンタリー映画だと思うし、この偉才の業績を再度多くの人が見つめ直して欲しいものでもある。

【今週の番組ゲスト:ラテンピアニストの仲田美穂さん】
4年ぶりのリーダーアルバム『Vontade』から4
M1Melancia
M2Amar a Maria
M3Take Five
M4Capllichosos De La Havana



















11月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/11/23(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.437~2人のミュージシャンの死】

 本来今回のコラムは、来月公開予定の音楽ドキュメンタリー映画「ピアソラ」について載せる筈だった。だがその記事を書き終わった時に知人から連絡があり、今日(11月14日)ピアニストの佐山雅弘が亡くなったと言う。いつか来るとは思っていたが、新作『ブリッジ』を今年の2月に吹き込み、そのアルバムも夏に発売になったばかり、また久しぶりにスタジオに遊びに来てもらいたい...、などと考えていた矢先だけに吃驚した。前日にはサックスの片山広明が亡くなったばかり。2日連続で知り合いのジャズメンが亡くなってしまった訳で、これは彼らの追悼を...と言うことで、急遽原稿を書き直すことにして、『ピアソラ』は次週に廻すことにした。

 
佐山は享年64才、片山の方は67才。2人と知り合ってからもう30年を優に超すが、片山とはほんの知り合いと言った付き合い。あの西荻窪の産んだ天才&鬼才ピアニスト、アケタこと明田川荘之を通しての付き合いで、西荻の飲み屋で3人で一度飲んだぐらいなもので、番組に来てもらうと言う約束になってはいたが、残念なことに結局実現せずに終わってしまった。一方佐山の方は、新譜が出れば顔を出してもらうと言った具合で、3~4年に1回はスタジオに遊びに来てくれたのだと思う。最後に顔を出してくれたのは、2年ほど前に発表した、ベースの藤原清登との好デュオによる前作を携えてのことだった。この時は癌の手術後で久しぶりに酒も飲めそうだ...と言うことで、収録後は山本嬢と同行していたキングレコードのMディレクターも交え、虎ノ門の升本に向かいかなり痛飲した覚えがある。その時には冗談で「山本嬢のヌード写真集でも出せばベストセラーになるな―」などと言う話になり、大阪尼崎出身の佐山氏も軽いノリで冗談めかし、「その時にはぼくも音楽で是非参加させてもらうよ...」等と悪酔いしていたが、今考えれば本当に楽しいひと時だった。 

 今回山本嬢から彼の最後のメッセージと言うものを見せてもらったが、「この手紙をお届けする時には、もうぼくはこの世におりません...」と綴られた、涙無しには読めない感涙もののメッセージ。関西人らしく何時も飄々と軽やか、洒脱でもあった才人佐山氏らしさがよく出た秀逸なもの。佐山も片山も大の酒好きだったが、佐山氏の方は最後はもう一滴も飲めない状態、一方片山氏の方は酒が遠因で死を迎えた...とも言われる。才人と野人、人間としても対照的だったし、その志向した音楽もいい意味で対照的だった。佐山氏の方は川崎ミューザと言う大ホールの音楽監督や、川崎市にある2つの音楽大学ジャズ科でも主任として才を揮っていた。一方片山は生涯一プレーヤーとして、ライブ現場にこだわっていたように思う。それも酔っ払いの達人サックス奏者として...。佐山氏の死は新聞などでもかなり大きく報道されたが、一昔前のジャズ人を体現化した様な片山氏の方は、そんなことは無かった。だがヤフーなどではいろいろと記事も出て、その隠れた人気の高さにいささか吃驚だったが、それもそのはずで彼はあの忌野清志郎~RCサクセション、そして一部で熱狂的ファンを有する渋さ知らずのメンバーでもあったのだ。ヤフーの追悼欄では」「あの酔っ払いのサックスおじさん、本当に格好良かったし、凄かったね...」と言った若い人達の追悼・賛辞の声が多く見受けられた。ぼくが彼の一番好きなナンバーは、大分以前に解散してしまったツインサックスチーム「デガショー」のデビュー作に収められていた「サンライト・ツイスト」、イタリアのヒットポップスのジャズバージョンだが、J-ジャズ至高の1曲でもある。

 「マサちゃんズ」はじめ様々な人気ユニットで大活躍、川崎市の音楽監督やバッハのインベンション・アルバムまで吹き込んだ、多彩な才人にして趣味人、佐山雅弘の逝去ニュースには、多くの有名人・文化人、音楽関係者などが追悼の言葉を捧げており、ぼくも早速彼の家族宛てに追悼電報を送ったが、葬儀は家族葬で行い後日偲ぶ会を開くと言う。その偲ぶ会には是非出席しないと...。 再度佐山、片山、両氏の霊に黙祷!

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富先生】
今週はジャズトーク
M1「Pegasus / Wayne Shorter」
M2「New Year / Joshua Redman」
M3「星めぐりの歌 / 福盛進也」
M4「Where The River Goes  / Wolfgang Muthspiel」
M5「Hats Off To Rebay  / Joey Calderazzo」
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11月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/11/16(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.436~地獄の台湾取材旅行】

  今月23日放送の1時間の台湾特番「21世紀の台湾と日本」はなんと開始以来17年目を迎えており、局の若いディレクターに寅さんシリーズ並みですね...などと、慰労とも揶揄とも取れる微妙な言葉をかけられる有様。まあこれも何かのご縁と割り切って仕事を続けているのだが、制作者のチャンジー度(爺さん度)が増すにつれ、予算が無いせいで取材は過酷度を極めており、今回の台中花博メインの取材旅行はなんと格安航空(LCC)を使用した1泊3日の行程と言う、70才を過ぎた高齢プロデューサーには地獄とも言えそうな、なんとも体に堪える過酷そのものの取材旅行だった。友人などはどうしてそんな...などと忠告してくれるが、まあこれも成り行きで致し方なし。
 LCCでのフライトは早朝の5時過ぎ。息子の車で送ってもらい途中スタッフもピックアップし、羽田空港に3時過ぎに到着。前回もこの便だったのでまあこれは我慢できるが、帰りもぎりぎりまで取材して帰国便と言うことで、台北桃園空港を夜の12時過ぎ出発で羽田到着は早朝3時半過ぎ。無人の空港に寂しく到着と言う笑えない現実。行きは日本の観光客が大部分だったが、帰りは台湾系列のLCC便だけに台湾の若者ばかり。まあ行きも帰りもおそらく最年長がこのわたし目だった筈だが、さすがに帰りはぐったり。帰国後2日ほどは疲れで何も手に着かない状態で、我ながら体力の衰えを実感させられた。

 さて肝心の台中國際花博取材だが、これがまた今までにないほど厳しいもの。習近平になってからの中国の台湾包囲網の進展によって、国際的には友好国が極端に減少しつつある台湾においてこうした国際的イベントは大きな意味を持つもの。それだけに取材も重要な意味を持ち心して臨んでいるが、花博全体が単一の会場では無く3会場に分散(正確には4会場)、それを全部廻り切るだけで一苦労。本来は2日間ぐらいかけてゆっくり取材すべきなのだが、予算の関係でそんな悠長なことは言っておられず、朝から晩まで駆けずり回って取材を敢行、終わればスタッフ全員がっくり状態。取材で歩いた歩数はなんと2万歩超えで、歩数計を見て我ながら驚いてしまった。それも無理からぬことで一つの会場がかなり広く、さらに3会場は東京でいえば、新宿がメイン会場とすると、もう一つは吉祥寺そしてもう一つが自由が丘と言った感じで、全場を回るだけでも一苦労。それもほとんどが台中郊外で、それぞれは無人のシャトルバス(これが売り物の一つ)が結ぶと言うことになっているのだが、どのバスも満員でとても乗っている暇などは無く、結局はタクシーをチャーターしての会場巡り、当初予算も軽くオーバーしてまたまた私目の持ち出し。こんな苦労をして何を...などとブツブツ文句をたれながらも取材を敢行、どうにか番組としての体裁は整えたつもりだが...。

 
それにしてもこうした国際的なイベントに対する台湾の人達の関心は、中国の嫌がらせを乗り越えなければならないだけにことさら高いものがあり、11月初めに台中市で開かれたオープニングセレモニーには5万人を超す人が参加。林台中市長や蔡総統なども出席、熱気ほとばしる大々的な盛り上がりだったと言われる。その模様は特番の中でも一部紹介しているが、ただこの花博、一般にイメージされている様な花で溢れたと言うよりも、自然との調和や環境保護、台湾農業の未来像などと言った幾つかのテーマが確定しており、それに沿ったテーマ館やゾーン設定で、花一杯の会場を参加者が軽やかに散策すると言った従来の花博イメージとはいささか異なったもの、それだけに全貌を紹介するには中々に大変なのだが...。
 
花に関して言えばそれはもっぱらあの華麗な蘭。台中市は世界有数の蘭の生産地&出荷地で、日本にも多くの蘭がこの都市から届けられているのだが、日本人は余りその実態を知らない。メイン会場の蘭パビリオンは正に世界の蘭オンパレードの様相で、スタッフ全員が余り蘭に関心も無いだけに、残念ながらその価値も余り分からなかったが、日本の著名園芸家などは感激し切りで、その栽培技術の高さを褒めちぎっていた。

 11月23日、休日の昼間にオンエアーの台湾特番。この台中花博紹介がメインになりますが、その他にあの福原愛ちゃん(旦那は台湾の卓球選手で、2人は台湾在住)や今話題の直木賞作家、東山彰良氏(台湾生まれ)なども登場、台湾の素晴らしさや魅力、台中花博の見所などを紹介してくれています。他局には無いこの歴史ある台日友好特番、ご期待に添える内容と...密かに自負しています。是非ご期待下さい。

【今週の番組ゲスト:ピアニストの八木隆幸さん】
10枚目のリーダーアルバム「New Departure」から4曲
M1Kyoto Tower
M2Music On The Second Floor
M3View From Newark
M4Beyond The New Horizons

11月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/11/09(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.435~ラグビーウィーク】

 まず初めに今月のジャズニュースは、11月2日(金)、山下洋輔NYトリオの結成30周年コンサートが上野の東京文化会館小ホールであり、それを聴きに行ったこと。このNYトリオ結成30年とは全く凄いことで、コンサートタイトルも「30光年の浮遊」。最年長のベーシスト、セシル・マクビーは今年なんと83才のはずで、次が山下氏で70後半(チラシにも彼の生年月日が出ていない)、一番若いフェローン・アクラフでも、既に60代半ば、全員合わせて200才は優に超えると言うウルトラチャンジー(爺さん)トリオだが、その意気込みは仲々のもの。セシルだけは自身のフューチャーナンバー以外は御年だけにいささかよれ気味だったが、山下&フェローンの迫力は満点。特にフェローンのドラムは凄みを増した感じで、彼が一人でこのトリオを引っ張っている感もあった。曲は30周年記念アルバムからのナンバーが殆ど
で「ドバラダ2018」とか「ブルー・キャッツ」と言った山下オリジナルは、ある意味どれも同じに聞こえる所もあるのだが、それはそれでまた楽しい所。
 客席も最も若い所で50才台と言う感じで、これもまた現代の縮図の様相だが、そのファンが山下の肘打ちプレーなどに狂喜乱舞するのだから、いささか見苦しい所はあるが、確かにハイライトとして仲々にスリリングではある。興味深かったのは唱歌の「早春賦」(中田章)を取り上げたことで、山下さんらしくなくかなりストレートにメロディーを歌い上げ、いささか拍子抜けの反面、そのシンプルで美しいピアノ技に魅せられたのも事実だった。大いなるマンネリの面はあるが、それなりに愉しめた30周年記念でした。周りはジャズ関係者ばかりでいささか型苦しくはあったが、旧交を温めるのにはいい機会でもありました。


 しかしこうしたジャズイベント以上に10月最終週から11月初週は、紛れもなくラグビーウイーク。ここでラグビー関連を書かなくて何になる...と言うことで、ジャパンがニュージーランドのオールブラックスと対戦したり、オールブラックスとワラビーズ(オーストラリア代表)が国同士の覇権を掛けて横浜で戦ったり、それ以上に我が早稲田ラグビー部が創部100年の記念年に、憎き帝京大と戦う...など好試合話題の試合が目白押し。山下トリオの翌日からは2連戦で、我がジャパンと早稲田大の試合を観戦、どちらも良く似た経過でひいきチームは惨殺されてしまい、言葉も無しの状態。ジャパンの方は相手が1軍半と言う若いメンバー、それだけにかなりいい試合が出来ると...踏んでたが、これが全く甘い観測。キャップ(公式戦に出場)数は殆どない若いメンバーでも、流石にオールブラックス。がたいも凄ければスピードも抜群、更に基本に忠実と...、伊達に黒衣軍に選出されたのではない実力を万余のラグビーファンに見せつけてくれました。流石本場のニュージーランド軍です。参りました。

 そして翌日の我が早稲田軍。前日のジャパンの試合を見ていて何か悪い予感がしたのですが、まさにその通りの結果でこちらも惨殺されてしまいました。夏の菅平の練習試合では完勝、目の前の好結果に思わず涙してしまいまっただけに、今回こそは本試合でと期待大で秩父宮に向かったのですが、そこは帝京大。ここ一番と言う時には圧倒的な力を発揮します。肝心のFW(フォワード)が菅平の時とは別人の働きをする帝京大に対し、殆ど為す術もない感じで、試合前半で24対0と一方的な展開。もうここで完全に試合は決定、興味も尽きてしまいました。後半俊足バックス陣の活躍で4トライは取りましたが、それはあくまでも付けたりで、やはり惨敗の印象は免れません。こうなるともう何も手が付けられない喪失状態。いつもだと試合後の記者会見にも出席、質問の一つもぶちかます所ですがそんな気は少しも起こらない呆然状態。あとはひたすらラグビー大学選手権で準決勝迄勝ち残る(正月越えを果たす)ことだけを願うばかり。全く寂しい秋の夕暮れです。こうなるとジャズどころではありません!

【今週の番組ゲスト:ジャズベーシストの吉木稔さん】
デビューアルバムの『ONE+(プラス)』と
The Beatlesの曲を演奏するユニット「RHIZOME」でリリースした『PLAYS THE BEATLES』から4曲ご紹介しました。

M1「Norwegian Wood / RHIZOME」
M2「Bésame mucho / 吉木稔」
M3「I Am the Walrus / RHIZOME」
M4「Across the Universe /  RHIZOME」





11月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/11/02(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.434~ブラジルからのギタリスト】

 先日東京駅そばのジャズクラブ「コットンクラブ」に行ってきた。ブラジル出身の知る人ぞ知る名ギタリスト、ホメロ・ルバンボの来日公演があると聞き、これは聞き逃せないと思って駆け付けた次第。ホメロは現在はNY在住のはずで、ブラジルからのギタリストとはならないのだが、ダイアナ・クラールを始め多くの一流シンガーが、ボサノバなどのブラジル関連ナンバーを歌おうと思った時に、まず最初に思いつくのが彼の名前で、実際多くのシンガーとステージやアルバムなどでも共演、引く手数多のギタリストである。来日公演も数多い筈なのだが、残念ながらこれまで一度もそのステージに接したことが無い。時々ディスクユニオン等で中古アルバムを探る時に、ホメロの名前がクレジットされていると自ずと手が伸びてしまうと言う、外れアルバムの無い人でもある。 
 
 
ところでこのコラムをお読みになって頂いている方はお分かりと思うが、ぼくはまず第一義的にラテンジャズ愛好者なのだが、同じ楽園系中南米音楽として、ブラジルものもかなりな愛好家。その第一人者が来日とあるので、これは行かねばと思うのも必定。時々ラテン音楽とひとくくりにされてしまう関係からか、キューバやNYサルサ等のラテン系音楽とブラジリアンミュージックを、同じ一つのものに考えている向きも結構いるのだが、これは大間違い。中南米系にはこの他タンゴやレゲエも、それぞれアルゼンチンとジャマイカの音楽と言うことで混同されるのだが、これらとラテン&ブラジルものが違うのは分かっていても、ラテンとブラジルを同じジャンルと考えてしまう向きも決して少なくない様だ。しかしこの2つの音楽はまず言語そして根本のリズムなど全くの別物なのである。

 
そんな話はさて置いて、肝心のホメロなのだが、今回の来日ステージはピアノの俊才ピーター・マーチンとのデュオ共演。セントルイス出身のマーチンの方は、ジャズの登竜門「モンク・コンペティション」で準優勝した実力の持ち主で、ジョシア・レッドマンのバンドに加わったり、多くのシンガーの伴奏を務めるなど多方面で活躍しており、7年ほど前にはホワイトハウスに招かれ、あのオバマ大統領に自身の演奏を披露したと言う経歴の持ち主。この真の実力者同士のデュオだけに、内容はもう保証済みといった感じもあるのだが、如何せん2人とも地味過ぎる感も強い。それだけに観客の数がいささか心配と...「コットンクラブ」に出かけてみたら、案の定心配通りに客席はかなり空きが目立ったが、2人を愛するコアなファンも多い様だ。

 
ステージはブラジリアンミュージックの佳品を皮切りに、ピーターの生地、セントルイス出身の偉人、チャーリー・パーカーのバップ・チューン、ファンク・ナンバー、それに2人のオリジナルなど、実に守備範囲の広いレパートリーで、味わい豊かな滋味深い演奏が繰り広げられ愉しめた。特にホメロがエレキギターでファンクを演奏するのには少なからず驚かされたが、やはり何でもこなせる達人なのである。ピーターの方は確かニューオーリーンズでも活動していた筈で、日本デビュー作は「ニューオリーズーンズの新星登場」等と言う謳い文句だったと記憶しているが、「ニューオリーンズ―ハバナ」と言う彼のオリジナルは、この2都市即ちジャズとラテンジャズの融合に加え、更にホメロのブラジル要素も加わり、見事な中南米トライアングルミュージックが現出されていた。
 もう少し客席が埋まっていれば...などと余計な心配までしてしまったが、心に沁みる本当に良いコンサートでした。同行の女性はホメロのギターにいたく感激、彼の最新アルバム『サンパ』を買い求め、サインまでしてもらうことになり、更に感激の面持ち。いずれにせよ実に心地良い一晩でした。

【今週の番組ゲスト:四谷ジャズ喫茶イーグルの店主・後藤雅洋さんと、小学館「隔週刊CDつきマガジン」シリーズの編集長 小林慎一郎さん】

番組をお聴きの皆様の中から抽選で5名の方に、102日発売の「JAZZ絶対名曲コレクション」創刊号をプレゼントいたします。ご希望の方は、本ホームページ右側のお問い合わせフォームからご応募下さい! (お問い合わせ内容に「プレゼント希望」とお書きください)締め切りは1130日です。


シリーズ第4弾の「JAZZ 絶対名曲コレクション」の創刊号「JAZZ絶対名曲VERY BEST of BEST」第2号「ビートルズ ジャズ」から
M1Close to You / Ella Fitzgerald
M2My Favorite Things / Kenny Burrell
M3Come Together / akiko
M4Yesterday / Sarah Vaughan