6月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/06/01(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.412~ジャズ二刀流の新星】

 ジャズの世界では一つの楽器だけでなく、二つないし三つ以上の楽器を自在に扱う人も結構いる。管楽器、特にサックスの人は専門がアルトサックスでも、テナーやバリトンあるいはフルートなどとの持ち替えを自在に行う人も少なくないが、これが他の楽器だとそうはいない。NYと並ぶジャズタウンでもあるシカゴをメインに活躍しているアイラ・サリバンと言う名手は、サックス以外にもトランペットやパーカッションなど多くの楽器を吹きこなし、それ等を自在に扱ったアルバムも出している。その他にもオルガンとトランペットのジョーイ・デフランセスコ、「唄うベーシスト」とも呼ばれる女性二刀流のニッキ・パロットなどの名前がすぐに思い浮かぶが、楽器ではピアニスト以外のプレーヤーは持ち楽器以外にはピアノに替えると言うケースも少なくない。これは子供の頃多くの人がまずピアノを習ったと言うことが大きいのだろうが、もう一つは作曲をする場合にやはりピアノを使うということも関係しているに違いない。

 
今回はそのような2つの楽器持ち替え(と言うよりも2つを同時演奏)の若き名手として、今各方面から大きな注目を集めているNY帰りの新人を紹介する。彼の名前は曽根麻央、弱冠26才。この春発表したデビューアルバムのタイトルが『インフィニット・クリーチャー』。アルバムのキャッチフレーズは「驚異の二刀流(トランペット&ピアノ)大型新人が放つ異例の2枚組セルフプロデュース・デビューアルバム」。ジャズアルバムが売れないと言われるこの時代、それも新人のデビュー作なのに2枚組、更にセルフプロデュースと言うのだから、レコード会社の彼に賭ける期待の大きさが如実に分かろうと言うもの。この2枚組、1枚目がアコースティックサイド、そしてもう一枚がエレクトリックサイドと今の若者らしい構成になっており、アルバムジャケットもあの「マトリックス風」なハードボイルド仕様。
 それだけにデビュー前から何かと話題になっていた彼、是非番組に出演して欲しいもの...と思っていたら、担当のディレクターからTELがありゲストに呼んでもらえないか...との依頼。直ぐにOKの返事を出したが、あのジャケットなどからもかなり尖がった感じの青年が想像され、山本アナもいささか緊張気味だったが、スタジオに来てみるとこれが意外な程の好青年。茨城の流山市出身、地元期待の星として流山の親善大使(?)を任命され地元貢献もしているとのこと。しかしそのジャズ経歴は華麗にして超一流で、あのバークリー音楽大学を首席で卒業、國際トランペット協会ジャズ部門優勝、権威あるセロニアス・モンク・コンペティションでも入賞など、ジャズ関係の賞も数多く獲得、NYで数年間活動ののち、17年に帰国したばかり。

 アルバムは新人で2枚組という破格の扱いだが、その両方に日頃から付き合いのある若いジャズ仲間を集めており、気心知れた面々も目一杯その実力をフル発揮、自身のアピールにも務めている。幼少期からピアノを習い、8才でトランペットを手にし、自然に両方の楽器を扱うようになったと言う彼。凄いのはこの両楽器を同時に演奏すると言う独特なスタイルを構築していること。番組でも「ぼくがこの2つの楽器をを同時演奏しているのは、一度に聞こえてくる音楽的な情報量が多いからなんです。ライブでこの同時演奏をやると聴いている人もみんな興奮しますね。将来的にはもっと大きなオーケストレーション、映像などとのコラボレーション、様々なことにチャレンジしてみたいです」と語ってくれたが、そのスケール大きな演奏はJ-ジャズのこれからの発展にも大いに寄与するものとして、期待大と言った感じです。
【今週の番組ゲスト:噂の二刀流トランペッター・ピアニスト曽根麻央さん】
デビューアルバム「インフィニット・クリーチャー」から
M1Within The Moment
M2Beyond Gravitation
M3Isfahan
M4Japanama