6月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/06/29(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.416~ジャズ2018前半】

 早いもので2018年ももう前半が終わってしまった。番組では毎月最終週の放送はジャズ評論家の青木和富氏に登場頂き、彼が自身好きなテーマでジャズ話をする「カズトミズ・トーク」にしており、年末には今年の話題盤と言うことで彼の考えるベストアルバムを紹介してもらっているが、もう少し小まめに話題盤の紹介があってもいいのでは...とあるリスナーからの指摘があった。確かにその通りと言うことで、今月が丁度年度半ばと言うこともあり、18年上半期のお気に入りアルバムを幾つか...と言うことで、彼にお願いすることにした。 

 彼が持参したのは全部で5枚。山中千尋やジュシア・レッドマンなど別項にあるラインアップで、ぼくが頷ける所もあったしそれは一寸と...些か異なった見解の所も当然あった。ただ2人で意見が一致したのは、今こう言うベストアルバム選考的な企画、ラジオで結構難しくなっているのでは...と言う点だった。と言うのもかつてのようにテスト盤と言うものをレコード会社(この場合はジャズアルバムの独占状態にある、最大手のU社と言うことになるのだが...)余り作らないようになっており、話題の作品も音声データで送られてきてそのデータも10日余りで消去されてしまうのだから、ラジオでオンエアーされるのも難しい。CDと言う形になっていないと聞き逃してしまうものも結構出てきてしまう。それだけに青木氏にこの企画を提案した時、彼も受けるのをいささか躊躇したのだが、それも良く分かると言うもの。まあ難しい時代になったものである。

 さて今回彼が取り上げてくれたアルバムで、ぼくが初めて耳にしたのはドラマー本田珠也のドラムトリオアルバムだったが、これがなかなかの優れもの。ハードロックジャズなどかなり尖がった活動をメインにしている彼だが、ピアノの佐藤浩一の叙情性を生かしたトリオ作に彼の新たな一面を探れたのは、中々に嬉しいことだった。今は亡き名ピアニスト本田竹広の息子である彼を、ぼくは3才のころから知っており、その話題を彼に振ると照れ臭そうにするのだが、もう40台に入りJ-ジャズを牽引する力強いドラマーに成長したこと喜びでもあるし、亡き本田も喜んでいる筈に違いない。
 
今年上半期のお気に入りに関して、ラテンジャズ系作品が好きなぼくとしては、18年前半で最も関心があったのは、青木氏も取り上げていたジャズプロデューサーのキップ・ハンラハンの復活作品である。ニューヨークラテンをメインに据え、ジャンルを横断するような自在な活躍を見せる彼もアルバム作りの資金に事欠き、ここ10年余りは活動を控えていたが、「クラウドファンディング」と言う新手の資金募集方を最大限活用し久しぶりの新作発表にこぎつけたが、その内容も期待通りの弾む出来栄えで、キップ健在なりを満天下に示した格好で、拍手を送りたくなる。
 
ぼく自身の上半期ベスト作はラテンジャズ畑での活躍が多いドラマー、ダフニス・プリエトのフルバンド作品。今はやはりフルバンドと言うよりも、このアルバムの様なラージアンサンブルが幅を利かす時代。その上このアルバムには、ヘンリー・スレッギル、スティーブ・コールマンと言う尖がった面白さを身上とする2人のサックス奏者がゲスト参加。彼らとフルバンドの鬩ぎ合いもこのアルバムの聴きどころになっている。ジャズはやはり興味尽きない音楽ですね!

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】

今週はジャズトーク。青木先生に 2018年上半期、印象に残った作品を紹介していただきました。
M1New Year  / Joshua Redman
M2And Now The Queen / 本田珠也・イクタス・トリオ」
M3「マンボ  / 山中千尋」
M4Not Alone  /   Kip Hanrahan
M5Contra La Indecision  / Bobo Stenson

6月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/06/22(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.415~話題のコルトレーン発掘盤】

 今年のジャズ界の話題と言えば何と言ってもジャズの神聖レジェンド、トレーンことジョン・コルトレーンの公式スタジオ録音の奇跡とも言える音源発掘と言うことになるだろう。6月末に世界同時発売(!)されるそのアルバム。タイトルはずばり『ザ・ロスト・アルバム』。トレーンの絶頂期、1963年に正式録音されたもので、あの黄金カルテット(トレーン、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)エルビン・ジョーンズ(ds))による失われた公式演奏記録が、なんと55年振りに発見されたと言うのだから、ジャズ界で話題沸騰になることは至極請け合い。現に朝・毎・読の3大新聞をはじめ音楽関係各誌、更に何とNHKの定時ニュースでもかなりな時間を割いてこのニュースが取り上げられた(残念ながらぼくは見ていないのだが...)のだから、話題枯渇状態にあったジャズ界にとって、なんとも嬉しいビッグニュースになったのである。

 ユニヴァーサルから期間限定で送られてきた音源を聴いたが、アルバム収録曲は7曲。50分余りの収録でその内に未発表曲が2曲、いずれもマトリックス番号が付けられており、タイトルは無し。トレーンならではの「シーツ・オブ・サウンズ」を生かした目まぐるしい展開のナンバーになっている。この録音が行われた63年前後には、彼の代表アルバムともされる『バラード』(62年冬)『コルトレーン&デューク・エリントン』(62年9月)『コルトレーン&ジョニー・ハートマン』(63年3月)と言った人気&傑作盤が収録されており、この吹込みはなんとシンガー、ジョニー・ハートマンとの共演前日に行われたものだと言う。この3作に共通しているのは『バラード』にも象徴されるように、バラードタイプの心和むソフトタッチの演奏がメインなのだが、今回出されるこの『ロスト・アルバム』はかなりフリーブローイングにも接近した、後期トレーンにも近いハードエッジでゴリゴリと迫ってくる重めの演奏が多いこと。当時のライブアルバム『ライブ・アット・バードランド』(63年10月)ではこれに近いエッジの利いた演奏が展開されているが、ここでも1曲目の未発表曲や彼の代表曲の一つ「ワン・アップ、ワン・ダウン」などがその代表的な先鋭プレーでもある。
 実を言えば、最近は余りトレーンのそうした真摯にしてトーゥーマッチ(ヘビー)なプレーに接していなかっただけに、かなりずっしりと迫って来て、素晴らしいと思いつつもいささか...と言った感じも抱いてしまう。

 今から半世紀ほど前、荒れた世の中にあった大学生時代、新宿のジャズ喫茶に入り浸って「石を投げたり」「ジャズを浴びていた」頃には、トレーンは間違いなく世界の一つの中心だった。彼の過激・激烈を絵に描いたようなあの来日コンサート(この1年後に彼は他界、あの過酷な日本ツアーが彼の寿命を縮めたのは間違いない事実だが...)では、ぼくら3大学のジャズ研(早稲田、立教、慶応)が、公式記者会見で大学生だけの質問時間を取って、彼に直接質問をぶつける等も敢行、ある種のジャズ神でもあった彼の本質に迫ろうなどと言う大胆な試みも行ったものだった。だがあれから55年、月日は過酷に流れ去り、今やオールドボーイに成り果ててしまったぼくには、あの突き詰めた迄の過度の真摯さに、多分に惹かれつつも...と言う感じがあるのもまた事実。でもでもここでの彼の演奏、そしてエルビン以下の黄金カルテットの面々のプレーもさすがの迫力だし凄いの一言。ジャズ黄金時代の底力ここにありの言った感がひしひしと迫って来る。但しぼくがここで最も気に入ったのは、なんとも言えない明るさを漂わせたミュージカル「メリー・ウイドー」の挿入曲でもある「ヴィリア」。この軽快感は同時期に吹き込まれた3枚の傑作アルバムにも共通したもので、ホッとすると同時に愛おしさも強く感じられる。

 このアルバムが世に出るようになったのも不可思議な縁によるもの。元の収録テープはレコード会社が消去(合理化のための様だ)、トレーン自身が自宅に記録・保存用として持ち帰っていたテープ、それが数十年後にある音楽オークションで遺族から提出され、競売にかけられ「ヴァーブ」の担当者の目に止まる。そこからまた様々な紆余曲折を経ること10年余り、今回ようやくインパルスレーベル作品として日の目を見たと言う次第。ある意味本当に奇跡の発掘であり、本当にこんなジャズ大看板にもこんなことが起こるのだと言う好例とも言える。
 発売は6月末。番組でも是非このアルバムを特集し、その意義や魅力を誰かプレーヤーに解説してもらうつもりです。期待して待っていて下さい。よろしく!
【今週の番組ゲスト:「Ladyやまねこ」のトランペッター、コンポーザー、アレンジャーの中西暁子さん】
1stアルバムの「Let Them Talk」から
M1
Bluesette
M2
Blue Dancing Manatee
M3
「星めぐりの歌」
M4
Hana Aoi

6月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/06/15(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.414~期待のオルガン奏者】

 ジャズシティーと言えば、やはり大都市NY=アップルコアと言うことになるだろう。ぼくなどより上の世代では、いやそれは発祥の地ニューオーリーンズだよ...などと言われる方もおられかも知れないし、中部の大都市、セントルイスを忘れては困るよ...などと通ぶった注釈を語られる方も...いるかもしれない。ただ誰もがジャズにとって、NYと言う大都市の存在を第一義に考えるのは至極当然とも言えるだろう。しかしこのNYにも匹敵するジャズシティーとして、ウインディーシティー(
風の街)の別名を持つ大都市シカゴの存在を忘れることは出来ない。ジャズとブルースの街、シカゴ。

 
この街はモダンブルースの聖地でもあり、ジャズでもNYとはまた一味異なった「シカゴジャズ」とも言えるある流派()を構築しているジャズ都市でもある。それだけにNYよりもこの街を目指し、日本から修行に向かう若者もいる。そんな一人が今回番組に登場してくれるジャズオルガンの若手第一人者、土田「ハル」晴信くん。彼はこの5月に日本で初めて本格的なリーダー作を発表(シカゴや欧州既にリーダー作を発表している)、そのライブアルバムのライナーノート(解説)は、ぼくが担当させてもらっている。
 
横浜っ子の彼は高校時代からブルースにはまり、学業の傍らライブハウスにもオルガン奏者として登場する、かなりなやり手だったようだが、入学した大学を中退し本格的にブルースを学ぶため、聖地のシカゴへ単身渡り現地の音楽大学に入る。同時に黒人街のライブハウスでも活動を開始、音楽大学では本格的にジャズを学び、徐々にブルースからジャズに軸足を移行、シカゴのジャズシーンでも名前を上げていくようになる。シカゴ時代には2枚のアルバムも自主制作、現地では「ハル」の愛称で11年の長い期間活躍を継続、有望な若手として知られるようになる。その後日本に活動の場を移すも数年でドイツ・ベルリンに居を移し、同地をはじめ欧州各地で数年間活動を展開、数年前に再び横浜の地に戻ってきた...と言う、かなり興味深い経歴の持ち主。

 
ぼくがその存在を初めて知ったのも欧州から帰国直後のことで、毎年番組で取り上げる秋の横浜ジャズ祭「ジャズ・プロムナード」の紹介番組で、ゼネラルプロデューサーの柴田氏が有望新人として連れて来たのが彼だったのだ。彼が持参したアルバム(欧州の名門レーベルで、現地の有力な面々とレコーディングしたもの)を聴かせてもらい、その優れた内容に直ぐにファンになってしまった。まあそんな縁もあり日本での初の本格的デビューアルバム『サニー/ライブ・アット・アデュロン・ダック』では、アルバム解説を頼まれることになったのだが、この作品はぼくのご贔屓の神田・神保町にあるジャズカフェ「アデュロン・ダック・カフェ」でのライブ収録盤。彼が日頃行動を共にしている若い面々によるオルガントリオ(ギター、ドラム)でのライブ演奏で、シカゴ時代にしっかりと培った生のブルース感覚に、日本人的な感性もプラス、言わば「横浜発シカゴ経由」とも言える若々しいオルガンジャズを届けてくれており、番組でもその彼のシカゴ時代の面白いエピソード等もふんだんに紹介してくれている。それに彼はシカゴ歴11年で英語もペラペラ、奥さんはドイツ人で日本の漫画翻訳兼紹介業、その関係でドイツ語も堪能。素晴らしい才人でもあり、慶応大がその才に目を付けて講師として要請、毎週「ジャズ史」を英語で教えているとも言う。期待の若手と言うよりも、もう中堅と言った方が正確か...。「ハル」くんは、素敵なオルガン男である。

【今週の番組ゲスト:ジャズオルガンプレイヤーの土田晴信さん】
日本デビューアルバム「SUNNY」から
M1Next Time You See Me
M2Yours is My Heart Alone
M3Something You Got
M4I'm Confessin'
6月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/06/08(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.413~台湾取材2018】

 今年もまた台湾特番「台湾の元気を訪ねて」を今月末に放送することとなり(年2回放送で次回は11月を予定)、その取材で5月末から1週間ほど台湾に行ってきた。この台湾特番、番組開始からもう既に18年余り、各国の観光局・観光協会が制作費を出す観光紹介番組は他局でも時々見られるが、ある国の政府が制作費を負担する本格的紹介番組は極めて稀でそれもラジオ局ならば皆無のはず、それが18年も続いているのは作り手が言うのもなんだが、正に奇跡とも言えるもの。その上台湾は国民党と民進党と言う立場・考え方が異なる2大政党が覇を競っており、それがほぼ交互に政権を担当(4回ほど政権交代あり)、その都度180度政策や人事なども変わると言うお国柄なのに、延々とこの台湾特番は続いていることも考えれば凄いことなのである(こう続くともう政府関係筋も番組を打ち切れないのかも...)。

 その特番取材旅行だが、これまでに何回も記している通り、信じ難い低経費で超過酷な貧乏取材なのである。今回は飛行機会社とのタイアップがNGになり(今や台湾人気を映し台湾便はどれも超満員)、なんと格安のLCC利用で行きはなんと羽田発が早朝の5時。息子に車を出してもらいスタッフを拾い空港着は深夜2時半。70才を超えたロートルボーイがこんな過酷な...とも思うが、そんな泣き言も言えない。LCCは初体験だったが、早朝で体力・気力を使い果たしたと言う点を除けば、これが意外に快適。座席は狭いし何もサービス無しだが、これが反って良い感じでもある。ただしこんな時間の格安エアーに乗るのは若い人ばかりで、間違いなくぼくが最高齢の搭乗者。どうにか台北・桃園飛行場に着いたが、朝早くて肝心の取材までどう時間を過ごすかも一苦労だった。

 今回の特番テーマは大きく二つ。一つは大地震に見舞われた東海岸の観光都市、花蓮の現状紹介、そしてもう一つは台湾女性達のパワフルさを...と言うことで、3世代の政界や文化人、スポーツ選手など、各方面の代表的女性にインタビューを試みると言う趣向。スタッフはぼくと番組のメイン進行役のYくん(フリーの競馬アナだが、この特番には最初から関わっている)、そしてコーディネイターで取材ツアー実質上のボスとも言えるM女史。更に通訳兼お友達スタッフとして、日本通の漫画家兼エッセイストの哈日(ハーリー/日本大好きという造語の創始者)杏子さん。この4人で東海岸の花蓮に取材を敢行、愉しくもトホホな2日間の取材旅行を終え、自強号と言う人気特急で台北の街に戻り、インタビュー取材などと言った強行日程。メインのYアナは週末には本職の競馬中継があり、数日の台湾滞在で一足早く帰京、残りは3人で様々なインタビューなどをこなし、どうにか今回の台湾取材は終了となった。


 花蓮と言う港町は今回が2回目の訪問.10年以上前の訪問時はタロコ渓谷と言う大理石で出来た国立公園紹介で、花蓮の街自体は殆ど見ていない。この街は大理石でできた建造物も多い様だが、残念ながらぼくたちはほとんど見ていない。花蓮文化園区と言う旧日本酒醸造工場跡を、色々なセンスあるショップに仕立て直したり、旧日本家屋を宿泊施設にしたりと、中々に趣向豊かで興味深い。その後は日本人民宿のご主人(台湾駐在員から民宿経営)に、地震とそれ以降の町の様子などを聞き、夜は町はずれにある大きな夜市を紹介、色々と興味深い内容になった。そして翌朝の4時、東海岸の太平洋上に登る朝日を拝みに、海岸公園まで徒歩で行き番組のイントロ部分を収録。太平洋上から昇る朝日は見事の一言で全員しばし感激、Yアナもうまくその模様を活写、いいオープニングを録ることが出来た。花蓮の街はゴミがほとんど落ちていない(捨てると罰金を科せられる)実に清潔で、環境も海・山に囲まれ実に伸びやかでいい街、食物も美味しく言うことも無しだった。

 活躍する女性の方は台湾オペラ(京劇の台湾版)の主役、南国・台湾唯一のスピードスケート選手(アイドルの様な愛らしい姿に一同感激)、そして台湾政府のお偉いさんの3人。政府高官は忙しくて取材時間が散れず、東京のスタジオから電話を繋いで取材することで話が付く。まあ一事が万事でこのような綱渡り取材も多いが、コーディネイターのM女史は文句ひとつ言わずに動いてくれる。実にいいチームである。改めて感謝・感謝、謝謝(シェイ・シェイ)な心境である。
 何回行ってもやはり台湾は人々、食、そして文化、景観など全てが素晴らしい。ぼくらスタッフは完全な台湾フリークで、愛すると言った心意気が無ければ、毎回取材費に足を出し自身で補填と言う...、こんなスリリングで金食い番組などやっていられない。しかし東京に戻るともう次回の台湾訪問を考え、わくわくしてしまう。全く魅力的でいてはた迷惑でもある蠱惑の島国です、台湾は...。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の原田和典さん】
M1 CLOSE ENOUGH FOR JAZZ /  VAN MORRISON & JOEYDEFRANCESCO
M2APRIL IN PARIS / WILD BILL DAVIS
M3THE CAT / JIMMY SMITH
M4THE SETTLEMENT / LOGAN RICHARDSON





6月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/06/01(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.412~ジャズ二刀流の新星】

 ジャズの世界では一つの楽器だけでなく、二つないし三つ以上の楽器を自在に扱う人も結構いる。管楽器、特にサックスの人は専門がアルトサックスでも、テナーやバリトンあるいはフルートなどとの持ち替えを自在に行う人も少なくないが、これが他の楽器だとそうはいない。NYと並ぶジャズタウンでもあるシカゴをメインに活躍しているアイラ・サリバンと言う名手は、サックス以外にもトランペットやパーカッションなど多くの楽器を吹きこなし、それ等を自在に扱ったアルバムも出している。その他にもオルガンとトランペットのジョーイ・デフランセスコ、「唄うベーシスト」とも呼ばれる女性二刀流のニッキ・パロットなどの名前がすぐに思い浮かぶが、楽器ではピアニスト以外のプレーヤーは持ち楽器以外にはピアノに替えると言うケースも少なくない。これは子供の頃多くの人がまずピアノを習ったと言うことが大きいのだろうが、もう一つは作曲をする場合にやはりピアノを使うということも関係しているに違いない。

 
今回はそのような2つの楽器持ち替え(と言うよりも2つを同時演奏)の若き名手として、今各方面から大きな注目を集めているNY帰りの新人を紹介する。彼の名前は曽根麻央、弱冠26才。この春発表したデビューアルバムのタイトルが『インフィニット・クリーチャー』。アルバムのキャッチフレーズは「驚異の二刀流(トランペット&ピアノ)大型新人が放つ異例の2枚組セルフプロデュース・デビューアルバム」。ジャズアルバムが売れないと言われるこの時代、それも新人のデビュー作なのに2枚組、更にセルフプロデュースと言うのだから、レコード会社の彼に賭ける期待の大きさが如実に分かろうと言うもの。この2枚組、1枚目がアコースティックサイド、そしてもう一枚がエレクトリックサイドと今の若者らしい構成になっており、アルバムジャケットもあの「マトリックス風」なハードボイルド仕様。
 それだけにデビュー前から何かと話題になっていた彼、是非番組に出演して欲しいもの...と思っていたら、担当のディレクターからTELがありゲストに呼んでもらえないか...との依頼。直ぐにOKの返事を出したが、あのジャケットなどからもかなり尖がった感じの青年が想像され、山本アナもいささか緊張気味だったが、スタジオに来てみるとこれが意外な程の好青年。茨城の流山市出身、地元期待の星として流山の親善大使(?)を任命され地元貢献もしているとのこと。しかしそのジャズ経歴は華麗にして超一流で、あのバークリー音楽大学を首席で卒業、國際トランペット協会ジャズ部門優勝、権威あるセロニアス・モンク・コンペティションでも入賞など、ジャズ関係の賞も数多く獲得、NYで数年間活動ののち、17年に帰国したばかり。

 アルバムは新人で2枚組という破格の扱いだが、その両方に日頃から付き合いのある若いジャズ仲間を集めており、気心知れた面々も目一杯その実力をフル発揮、自身のアピールにも務めている。幼少期からピアノを習い、8才でトランペットを手にし、自然に両方の楽器を扱うようになったと言う彼。凄いのはこの両楽器を同時に演奏すると言う独特なスタイルを構築していること。番組でも「ぼくがこの2つの楽器をを同時演奏しているのは、一度に聞こえてくる音楽的な情報量が多いからなんです。ライブでこの同時演奏をやると聴いている人もみんな興奮しますね。将来的にはもっと大きなオーケストレーション、映像などとのコラボレーション、様々なことにチャレンジしてみたいです」と語ってくれたが、そのスケール大きな演奏はJ-ジャズのこれからの発展にも大いに寄与するものとして、期待大と言った感じです。
【今週の番組ゲスト:噂の二刀流トランペッター・ピアニスト曽根麻央さん】
デビューアルバム「インフィニット・クリーチャー」から
M1Within The Moment
M2Beyond Gravitation
M3Isfahan
M4Japanama