3月31日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/03/30(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.403~花めぐる季節】

 確か昨年もこの時期にこのコラムで書いたと思うが、我が町国立が1年で最も光り輝く時、それが花見客で大混雑の大学通りの桜並木の開花から満開のときである。梶井基次郎の名作「桜の木の下にて...」ではないが、この時期国立及びその周辺に住む住民にとっては、何か国立駅から一橋大学近辺に出かけて桜見物をしないと...と言う気にさせられてしまうのだ。心が沸き立つと言うよりも何か散歩を誘導される...落ち着かない気持ちにさせられてしまう。所用や野暮用などで桜並木に足を運ばないと、何か大変な忘れ物をした感じに陥ってしまい、落ち着かないことこの上ない。ただ国立駅のホームに上がれば大学通りは一望でどうやら桜の木々も見れるのと言うのが唯一の救いと言った感じだ。
 
このソメイヨシノが中心の桜並木、桜の木が人工受精で誕生したクローン桜と言うことで其の寿命はあまり長くないとも聞く。確かに季節外れの桜を見るとどれも大分年輪を重ね、ぼくと同じ様にロートル風情が多く中には枯れてしまっているものも散見出来る。こうした国立桜を守り、その寿命を伸ばす桜守と言う仕事もあるらしく、ぼくの大学時代のクラブ仲間もその仕事をボランティアでやっている。彼は国立稲門会(早稲田大卒業生の地域OB会)の会長と言う要職にあり結構忙しくしているのだが、こうした縁の下の力持ち的な仕事もやっていて関心させられる。時々国立の街に買い物などに出ると、彼とその仲間達が桜並木の雑草取りを行っており、呼び止められて手伝いもするのだが、こんなことではよくない、積極的に関わるべきと反省しきり。

 さてこんな桜だがジャズの世界では当然あまりお耳に掛らない。あったとしてもあの「さくら、さくら...」で始まる有名な古歌位で、これは女性の歌うベーシスト=ニッキ・パロットなど数名が取り上げているが、どうも趣味の良くないオリエントカラーが付加されたりしており、気持ち良いものでない。日本のプレーヤーもあまり取り上げていないのも気になる所。ことクリスマス関連ではわんさかコンピレーションアルバムが登場すると言うのに、これはどうしたことだろうか...。桜関連では森山直太朗など多くのジャパニーズポップスも生まれており、いずれも大ヒットを記録している。となれば、だれか有力な邦人ピアニストでも起用して、「さくら名曲ジャズコンピレーション」でも作れば、それなりに話題にもなるし売れるのではとも思うが...。このアイデア、レコード会社のジャズ担当の方どなたかやってみません。と言ってもこの冴えないレコード不況の時代、手を挙げる奇特な人は当然考えられない...。


 この桜唄のジャズバージョンが少ないと言え、こと「春」に関しては数多くのスタンダードがあり、どれも名曲と呼ぶに相応しいもの。一つ例を挙げれば「スプリング・イズ・ヒア」がある。直訳すれば「春はここに」あるいは「春が来た」などと言った感じで、如何にも春らしい温かみあるナンバーとなり、演奏ではやはり巨匠ビル・エバンスのトリオバージョンだし、歌ものでは大御所、ロージーことローズマリー・クルーニー、クリス・コナーなどの名唱がすぐに思い出される。だが実際はこの歌失恋歌で邦タイトルは「春なのに...」。歌詞も「春なのに気持ちは冴えない。夢も希望も無い...」等と続く結構陰気なもの。まあ桜見物などと浮かれているだけでは済まない人も多いことだろう。

 さて明日からの4月は新人に注目が集まる時期。新入生・社員等々、番組ではこの4月最初は様々なジャズ関係者に登場頂き、「ジャズお愉しみ入門」を毎年ご教示頂くのが恒例になっている。今回はぼくもライター陣の一人に加わっているジャズ雑誌「ジャズ・ジャパン」の編集部員、佐藤俊太郎氏に御登場頂く。どうやら彼は欧州好きとあってパリに関したジャズと言った切り口で、ジャズの愉しみ方を教示してくれるはず。皆様もご期待を!


【今週の番組ゲスト:外山善雄とディキシー・セインツの日本ルイ・アームストロング協会会長でトランペッターの外山善雄さん、ピアノ・バンジョー奏者の外山恵子さんご夫妻】
M1Hello, Dolly!
M2
Nobody Knows the Trouble I've Seen(誰も知らない私の悩み)」
M3
The World Is Waiting for the Sunrise(世界は日の出を待っている)」
M4
What A Wonderful World(この素晴らしき世界)」

3月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/03/23(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.402~辛島文雄遺作】

 日本代表するピアニストの一人だった辛島文雄が亡くなったのは、今から1年ほど前の17年2月24日のこと。享年68才。彼が膵臓ガンで1年半ほどの闘病の末逝ってしまった時、このジャズコラムでも彼についての追悼を記したはずだが、その彼の遺作が今回発売された。『マイ・ライフ・イン・ジャズ』彼のピアノトリオ作である。
 
これまでそのラスト作品は『マイ・フェイバリット・シングス』とされており、これには今回のトリオの面々、井上陽介(b)高橋信之介(ds)の他に、tpとtsの岡崎兄弟など彼と親しかった面々も加わり、ゲストには日野皓正(tp)と渡辺香津美(g)と言う大物も集う豪華な面子で、寺島もこれが最後のレコーディング(16年2月、3月)と言うことをかなり強く意識した演奏を展開していた。しかし重い病にも拘らずその時は自身でもかなり好調のようで、こうした良い感じならば...と言うことで、最も得意なトリオフォーマットでもう1作作ろうではないか...と言うことになり出来上がったのが、このラストトリオ作『マイ・ライフ・イン・ジャズ』だった。アルバムタイトルも彼のジャズ人生をそのまま写し取った感じで「私生活では好き勝手やって来たが、ジャズだけは流行に目をくれず誠心誠意やって来た。自分がいいと納得できるものを信じてやってきた。その自信はあるね」と彼は語っていたが、このラスト作には特にその感じが強く出ている。
 打合せなし、曲も決めていない、その瞬間の思い付きでぱっと始まり、全てが一発録り。まさに究極のジャズレコーディングである。
 「
こんないい加減なレコーディングは無かった」と彼は語ったとも聞くが、この白鳥の歌(ラストソング)は今までいささか力演タイプで力任せだった感もあった寺島のピアノは消え、「弾けることしか弾けない」ピアニスト=虚心坦懐な熟達ピアニストの姿がそこにはあり、そのありのままの姿が聴くものの心を打つ。いささかテクニックにはよれる所があってもだ。

 アルバムは全部で9曲、抗がん剤治療中の彼としてはこれが体力的にも限界だったかも知れないが、レパートリーは彼のジャズピアニストとしての原点、ビル・エバンスの持ち歌が自然に多くなっており、それ等を愛おし気に唄うように奏で上げる。彼と同世代でライバルの一人でもあった名ピアニスト、本田竹広のスワンソングは、日本の童謡や故郷(岩手県宮古市)の民謡をジャズ化したものだったが、辛島の方はビル・エバンス。どちらもファンの記憶に何時までも残る名演集である。本田は本当に良くスタジオにも遊びに来て、ソロ演奏も何曲か残してくれたが、辛島は30年程前に1曲のみ。その録音も今はない。あの当時は彼が最も威勢の良い時で、ピアノ弦が切れるのでは(彼と山下洋輔さん位のもの)とこちらは冷や冷やしたものだが、迫力充分なソロ演奏だった。その辛島もそして本田ももういない。寂しいがこの現実を受け止めファンとしては生きていくしかない。時代は動いているのだ。それにしてもアルバムの解説書の中に、辛島の新宿ピットインでのラストステージ(死の1週間ほど前)のライブ写真が載せられている。やせ細って鬼気迫るポートレートだが、何か唇は笑っており至極満足そうでもある。安らかなれ、 辛島文雄。好いアルバムを残してくれた。
【今週の番組ゲスト:m.s.t(Make the Scenery Tune~景色に音を~)のピアニスト持田翔子さんとベーシスト小山尚希さん】
ミニアルバム『Pianium』『緑と風』から
M1Pianium
M2
「羅針儀」
M3
「夢」
M4
Passepied

3月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/03/16(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.401~「シェイプ・オブ・ウォーター」がアカデミー賞】

 映画界最高の賞の一つ、アカデミー賞発表された。メイクアップ賞を日本人が獲得したことで盛り上がりを見せた今回、賞のトップである作品賞は、前から本命の一つとされていた「シェイプ・オブ・ウォーター」が選ばれ、同時に監督賞も獲得。メキシコ移民のギレルモ・デル・トロ監督は一流の仲間入りを果たすこととなった。彼は「パンズ・ラビリンス」(06年)で注目を集め、この作品はアカデミー賞の何部門かを受賞、その才を高く評価され今回ようやく受賞に至ったと言うことだが、ぼくも久しぶりに試写室でこの作品を見て、アカデミー賞の可能性大と確信したものだった。
 出不精なので普段余り試写会にも顔を出さないのだが、この作品は何か惹かれるものがあり、珍しく試写会に足を運んだのだが、いつもは開始30分ほど前に行けば問題なく入れる試写会場が閉まっておりまったく気配なし。近くにたむろしていた人に聞くと、もう満杯で締め切ってしまったのこと。そうかやはりかなりな人気なんだ...と思いこの日は諦め、後日再度足を運ぶとまたも駄目。今度は宣伝部の人が顔を出し「1時間位前じゃないとまず入れませんよ」とのこと。そうなるとこちらも意地、またまた試写会挑戦。今度は1時間前に入り口に並ぶと既に10数名が並んでいる。その人気の程に驚いたが今度はようやく入場が叶った。映画関係では、試写会で大人気の作品は意外に当たらないと言われることもあるが、この作品は果たして...。

 
映画の内容は、今回アカデミー賞を獲得したことでTV番組などでも紹介されているが、冷戦時代のアメリカが舞台で、孤独で口のきけない初老の女性とアメリカ政府に捕獲された怪物(アマゾンの半魚人風)との恋愛ものと言う、ファンタジー+ミュージカル&ホラームービーと言った、風変わりな趣きの作品。監督がメキシコ移民と言うことでマイノリティーへの温かな視線がこの作品を印象付けており、ヒロイン役のサリー・ホーキンスを助ける仲間も、黒人女性、ゲイの芸術家など皆社会から遠ざけられている人達。
 
デル・トロ監督もこの映画はメキシコ移民の自分だから出来たもの...、と言った趣旨の発言をしているが、今のあの暗愚の帝王トランプをあてこすった感じも読み取れ、現代的な意味合いを持った仲々に深い作品とも言える。画面は全体にある種セピア色に覆われ、独特なノスタルジー感も出ており、ラストの半魚人が海に帰っていくシーンなどは泣ける所大。確かにオスカーに値するいい作品である。

 
ぼくがこの映画に注目したのはそのミュージカル映画の要素。映画のハイライトとも言えるヒロインと半魚人のラブシーン、急にミュージカル映画仕立てに場面転換される部分、これには参いりました。ここにはあのミュージカル映画の傑作「雨に唄えば」など一連のミュージカルを撮った名匠スタンリー・ドーネンの姿が明白に映し出されている。彼自身も「ドネーンの活気に満ちた優雅な作品群は大好きで参考にした」と語っているが、あの良き時代のアメリカが見事に蘇っているのだ。
 
このシーン以外にも時代は60年代初めだけに、バックで流れる音楽もポップ・チューン=スタンダードと言ったあの良き時代の趣きなものも多く、風変わりな恋愛映画であると同時に、ジャズも含んだ意味深い音楽映画と見ることも出来る。試写会があんなに込み合った映画だけに、実際にヒットするかはいささか心配だが是非見て欲しい秀作としてここに推薦します。
【今週の番組ゲスト:「民謡クルセイダーズ」ギタリストの田中克海さんと唄い手のフレディ塚本さん】
M1「串本節」
M2「真室川音頭」
M3「といちん節」
M4「会津磐梯山」

3月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/03/09(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.400~奄美大島】

  念願の奄美大島に2月末に行ってきた。わずか3日間の小トリップで当然の格安ツアー。但しこの島への飛行機便は、羽田からは1日往復僅か1便で、それも行きが12時発、帰りは現地発15時と言うことで、3日と言っても実質は1日半ほどの旅。時間の無駄な所もあるが何せ初めてのこと、まあ仕方ない。同じヤポネシア(奄美から沖縄に通じる南方の琉球島群の呼称)の沖縄には、これまで10数回足を運び(娘も沖縄で結婚式を挙げた)かなりな沖縄通を自負しているのだが、奄美大島は一度も訪れたことが無い。東洋のガラパゴスなどとも呼ばれ美しい自然・風土が残されているこの島、知り合いからも是非一度は訪れるべきと言われ続けて来て、この年令になってようやく訪れることが出来た。ぼくは見ていないのだが、NHKの大河ドラマの舞台にもなっていることもあり団体客の人気も高く、宿取りなど結構苦労したがどうにか確保、今回長年の念願の一部を叶えることが叶った次第。

 この奄美大島と言う島、これ迄何回も訪れている沖縄本島以上にぼくの興味・関心を引く風土・人物などが多い。まずは自然。その手つかずの森林植生や天然記念物の奄美黒ウサギ、瑠璃色の鳥ルリカケス、そして琉球アユ等、太古から続くこの地の固有種。それらが亜熱帯と温帯が絶妙に混じり合うこの島に息づき、かなり良く保全されていること(自然遺産登録を目指しているとのこと)。それ以上に作家の島尾敏雄・ミホ夫妻の出会いの地、日本画家田中一村がこの地で少なからぬ傑作をものした終焉の地、そして「ワダツミの木」などのヒットを持つ、独特な個性の輝きを放つ天才歌手、元ちとせの生まれ育った地(南端の瀬戸内町の出身、現在も拠点は島にあると聞く)、更にぼくの敬愛する人類学者でジャズ大好き人間の今福龍太が、10年ほど前から奄美自由大学を創立、現在まで継続し続けている魅力ある地など、文化的にもぼくの五感を痛く刺激する大変に興味深い島でもあるのだ。

 まずは作家の島尾敏雄だが、彼は今でこそ余り話題に上がることも無くなってしまったが、戦後文学を代表する偉大な一人。彼の戦記恋愛小説(「出発はついに訪れず」等)は学生特攻隊隊長としてこの奄美の南に接する加計呂麻島に派遣された彼と、島の族長の娘ミホとの切なくも美しい恋愛を描いた日本屈指の恋愛小説で、以前隔月でラジオ・ドラマを作っていた頃、ぼくの作った中でも最も出来栄えの良い自信作がこの「出発...」でもあった。同じ恋愛をミホの側から描いた、小説「海辺の生と死」は映画化され好評を博し、今DVDにもなっているので皆様も是非一度ご覧になってみては...。島尾はまた奄美に初めての公立図書館を作り、そこの初代館長としても活躍し地元にも貢献した人だが、残念ながら余り現地ではその名前を聞かないようだ。一方田中一村の方は、生涯孤高を通し50才を過ぎて移住した奄美大島でひっそりと亡くなった日本画家だが、その死後に作品がNHKの美術番組で紹介され大反響を集め、その極彩色で大胆な南洋風景は、全国的な人気を博し一躍奄美を代表する一人となった。数年前には彼の美術記念館も空港近くに作られており、今回は真っ先にそこに見に行ったが、30年ほど前に最初に横浜の高島屋で見た大々的な展覧会の印象が強烈すぎて、今回は作品の少ないことなどもありイマイチ感動には乏しかった。元ちとせはその生家の集落にも足を運んだが、ここが実に山深い海辺の集落で大苦労して到着、こんなのどやかだが山で隔絶された海浜集落から、良くあんな天才少女が...と思わせる場所で、かなり感動してしまった。
 島は沖縄よりも少し狭いぐらいだが、何せ道路事情が悪い。北の端にある空港から中心街の名瀬を通り、南端の瀬戸内町まで、南北に結ぶ国道R58一本しかなく、北から南端まで約2時間半余り、その殆どが山越えと言う過酷な環境で海際の集落同士を結ぶ道路はほとんど無い。一昔前までは隣の集落まで歩いていくよりも、船の方が便利だったなどと言う場所も多い。更にこの地には沖縄以上に魅力のある「島唄」があり、元ちとせは島のコンテストで優勝その力量を認められることになった。こうした奄美大島の島唄は、ある意味隔絶した集落を結ぶブルースソングだったようでもあるが、それぞれの集落は実に美しく印象的。

 
今回は「金作原」と言う山深い奄美最大の原生林が、自家用車の乗り入れ禁止と言うことで行くこと叶わず大変に残念な思いをしたが、次回はこの原生林と神が降臨したとされる奄美の最高峰、湯湾岳(遠目にも実に美しい森の山で、沖縄や八丈等離島の最高峰に登って来たぼくとしては是非...)、この2つの探訪を誓って奄美大島を後にした。短いながらもそれなりに極楽の島奄美を走り切り堪能した意義深い旅行でした。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の杉田宏樹さん

昨年12月にオープンした新しいジャズサイト『PJ  PORTRAIT IN JAZZ

https://pjportraitinjazz.com/ Author

M1East Of The Sun / Steve Nelson
M2Sleepwalker / Maciej Obara
M3On Green Dolphin Street / Miles Davis
M4Let The Music Play / U-Nam
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3月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]
2018/03/02(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.399~お雛様ジャズ】

 年が明けたと思ったらもうすぐに3月。あまりの時の流れの速さにいささかびっくりだし、ロートルともなると知り合い死亡の報なども多く、もう後どれくらい...などと余計な心配もしてしまう。しかし3月、雪に悩まされていた今年は特にこの春の訪れが嬉しい。

 
ところで今週のジャズ放送だが、何時もは月末にオンエアーする青木和富氏の「ジャズ・トーク」、当方の都合により1週ずれて3月3日の放送となった。お雛様の日である。そこで彼が選んだテーマが「女性のジャズ」。わずか4枚で女性のジャズを語るのはいささか苦しい所だが、彼が選んだのは別項に載っている4人。納得の人選である。まずはベーシストだけでなく、シンガーやバンドリーダーしても目覚しい活躍を示しているエスペランザでこれは至極当然。続くヨーロッパのサックス奏者、ティネカ・ポスマの名前にはいささか驚かされたが、理由を聞けば納得する所。他の面々もその通りの選択だ。

 番組の中で彼が指摘していた通り、30年程前までは女性のジャズと言えばまずはボーカル、そしてピアノ、更にフルートと言った辺りで、サックス、トランペット、そしてドラム、ベースにもほとんど人がおらず、たまに女性トランぺッターやサックス奏者のアルバムが登場すると、その珍しさで話題になったものだったが、今は大違い。特に最近の日本のジャズシーンでは、女性上位と言った傾向が見られるようになっている。御大秋吉敏子を筆頭に、今や国際的なスターになった上原ひろみ、女傑の寺井尚子と大西順子、更に山中千尋、市原ひかり、寺久保エリナ等々、最近話題になっているプレーヤーは女性の方が圧倒的に多い感もある。そしてシンガーとなればこれはもう当然女性の独壇場。

 あの話題の映画「スイング・ガール」などのバンドがかなりな賑わい。そしてそのブラバンのメンバーの殆どは女性と言った具合で
そこを卒業したサックスやペットのプロ予備軍~大学のフルバンドも女性上位の傾向。となるとピアノやボーカルと言った従来の女性のジャズ分担も大きく変わっているのは当然のこととも言える。

 
「女性とジャズ」という今回の放送では、本当はジャズハープの先駆者であるドロシー・アシュビーも紹介するはずだった。だが青木氏が彼女のアルバムを見つけられず、急遽TELがあり「お前が持ってこい」とのお達し。ぼくも彼女の代表作『マイナー・グルーブ』は数枚持っている筈なのだが、こういう時に限って探してみると1枚も見つからない。と言うことでジャズハープは今回紹介できなかったが、彼女のジャズハープ作品はどれも素晴らしいもの。是非一度聴いてみて欲しいものです。そして何より女性たちの活躍、これからも更に発展していくはずで楽しみです。今後は楽器を手にした「ジャズお雛様」なども登場するかも知れませんね。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富氏】

M1 I know You know /  Esperanza Spalding
M2
Song For F / Tineke Postma
M3
Take The "A "Train / 矢野沙織 with 美空ひばり」
M4
「さくらさくら / Nicki Parrott