2月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/02/02(金) 19:00
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.395~別府温泉のビル・エバンス】

  1月の中旬に憧れの街、別府市に数日逗留した。もちろん温泉三昧の毎日である。憧れと言うよりも種々の条件さえ満たせれば今直ぐにでも移り住み、これからの人生を愉しみたいと思わせるほど意味深く蠱惑的街なのである。これには難しい問題も多々あるので、なるべく交通費・宿代などが高くても年1回は滞在し、ストレス全面発散をしたいと思っている。実のところ昨年も数日この街に滞在、公衆浴場(勿論全て温泉で50数箇所ある筈)の梯子をしたが、入浴料はほとんどが100円と安く少し高くても300円以内。温泉好きならばまさに天国はたまた極楽の街なのです(売り物は海地獄など地獄めぐりですが...)。

 
もう今から数十年ほど前のこと、雨の中初めてこの街にたどり着き(熊本出張のあと山並みハイウエーを延々数時間もバスに乗り着いた)、別府を象徴する名山、鶴見岳の麓にある堀田地区(別府で最高台にある)からこの街を初めて一望した時、至るところから立ち上る温泉の蒸気、これには本当にたまげてしまったし魅了され尽くしてしまった。それ以来九州出張の折には、この街に立ち寄れるように綿密にスケジュールを組んだりしたものだった。あれからもう十数回この街を訪れているが、少しも飽きることが無い...と言うよりも、来るごとに好きになってしまうし発見も多い。

 
今回の訪問はある目的があった。と言うのも別府には有名な鉄輪をはじめ明礬(みょうばん)、堀田、亀川など泉質も湯量も異なる温泉が市内に散在しておりその数全部で8つ、これを称して別府八湯と言うのだが、その一つ別府の山中、渓流沿いにある柴石温泉だけはこれまで訪ねたことが無かったので、今回ここに浸かり別府八湯を完全征服すること。更に街中の温泉公衆浴場を10入湯を果たすこと。この2つが今回の大目標だった。結果は柴石温泉の方は入れたが公衆浴場10か所は体がもたず(温泉に入るのは体力もいることを痛感させられた)断念せざるを得なかった。柴石温泉の方は混んでいると脅かされて行ったのだが、山間の静かな温泉で朝早く開始直ぐに行ったので人も少なく施設も湯質も良く、十二分に歴史ある古湯を愉しむことが出来た。一方の公衆浴場制覇の方はまだじっくりと挑戦したいと思っている(それでももう30湯近くは制覇)。

 さて別府と言えば食の方もなかなかのもので、最も有名なのはとり天(鶏のから揚げである)なのだが、ぼくは鳥が駄目でこれはいつもスルー、その良さは良く分からない。これ以外でこの街の食のお勧めは冷麺、だご汁、そして関アジ・サバ等の海の幸。特に冷麺、だご汁は麺好きにはたまらない美味。どちらも数軒お勧めの店があるが別府に行きたいという方には直接お教えしたい。だご汁についてはある喫茶店がお勧め。これが別府随一とも言える風情のある喫茶店にして名店で、店名は「信濃屋」。別府駅の繁華街とは反対の旧御屋敷町(政次官や文豪の別荘が並んでいる街)の方にある、旧家を使った実に優雅なお店で別府でもお気に入りの店。ここの絶品だご汁を味わう為今回もここに行ったのだが、道路拡張でお屋敷街も風景が一変、信濃屋もその拡張範囲に入ってしまい昨年冬で店仕舞い、実に寂しい思いをしたものだった。

 
色々と収穫や寂しい思いもした今回の別府探訪。中でも大きな収穫の一つが立命館アジア太平洋大学(APU)の訪問見学だった。別府が一望に見渡せるかなり高い山の上に位置するこの國際大学、そのロケーションの良さ、外国学生の多さなど是非一度訪ねてみたいと思っていたのだが、ひょんなことで関係者と知り合いになり大学を案内してもらい、学食で昼飯まで御馳走になってしまった。それだから言うのではないが実に素晴らしい環境、国際交流等々すっかりご贔屓の大学になってしまった。ぼくが訪れた昼食休憩時には台湾からの留学生数十名が、台湾ウイークと言うことでダンスや歌による台湾紹介を行っており、中々に活発な学生達だったので、次の台湾特番では彼らに登場してもらうこともその場で決めてしまった。

 
なんだかんだの別府温泉旅だったが、ここはジャズコラム、一つはジャズの話題も無くては...またまた担当のO部長に嫌味をかまされてしまう。そこで別府とジャズで一つ...。先ほども記したように別府のお薦め食の一つが冷麺、となると焼き肉レストランとなるのだが、別府でも1、2を争う焼き肉屋に夜食べに行った。ここのBGMはプチ高級店だけあって当然ジャズ、それもなかなか趣味の良いピアノトリオが流れている。聴くとなんとあのビル・エバンスの不朽の名演「枯葉」ではないか。これはいい...と思っているとリピートのように同じフレーズが流れる。これはもしかしたらと思ったらばその通りで「枯葉」ばかりを何回も流し続けている。勘定時に店員に「誰がエバンス好きなの...」と聞くと「ぼく等ジャズなんか全然分からないんですが、マスターの趣味でこの曲だけはもう完全に覚えてしまいました。毎晩こればかりですから...」と苦笑していた。ジャズに関心なくても毎晩聴かされればと納得...。ジャズを代表する名演だが、こうリピートばかりだと飽きてしまうのではと心配になるが、そんなことはなく結構評判はいいとのこと。そうかそれは良かったとひそかに納得した別府の夜でした。
【今週の番組ゲスト:テナー&ソプラノサックス奏者の山口真文さん】
昨年12月にリリースされた全曲オリジナル書き下ろしのアルバム『Let Your Mind Alone』から
M1Sequel To A Dre
M2Little Sorrow
M3The Plot II
M4Let Your Mind Alone