8月5日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2017/08/04(金) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.369~追分通信17軽井沢ジャズフェス】

 7月も押し詰まってようやく追分の山荘にたどり着くことが出来た。毎年7月半ばには...などと考えているのだが、録音の貯め録りや打ち合わせなどで結局はこの時期。まあこれも仕方ないでしょう...。さて今回の追分通信は「カフェ・グルマン祝5周年」のタイトルで、それをものする為わざわざ朝の開店時(8、9月の土、日は8時から実施)のお店へと足を運び、マスターの平井さんともお話をし、お祝いの言葉も述べさせてもらったのだが...、このテーマは次回に。
 
と言うのもそれほどには期待していなかった第6回軽井沢ジャズフェス(カフェ・グルマンを訪れた日の午後開催)、これが初回にも比べられる素晴らしい内容。充分に楽しませてもらったので、そのフェスレポートを今回はさせて頂くこととした。平井さんスンマセン!

 
今回の「軽井沢ジャズフェス」、この立役者だった伊藤八十八プロデューサーが亡くなって3回目。奥さんの妙子さんが奮闘して今回も開催にこぎつけた訳だが、パンフレットにも構成・演出、高平哲郎氏とその名前が列記されている程に、高平氏の関与が大きかった。古くからの友人である高平氏の演出とあらば...と言うことで、いつもは気弱なぼくなどもフェス評を書かせて欲しい...と、レギュラーでレビューを担当しているジャズ・ジャパン編集部に頼んだ程...。ただこの希望は他のフェス評を色々載せるので今回は勘弁して下さいと体よく断られてしまった。そこでこのコラムと他のジャズ媒体に書かせてもらうことにしたという次第。
 
ところでこのフェス、軽井沢の大賀ホールと言う場所柄どうしてもライター、ディレクターなどジャズ関係者の顔は少ない。それでも新宿カルチャーのボス「ダグ」のマスター中平穂積氏や同じライター仲間の岡崎正道氏、故伊藤氏とも仲の良かったジャズプロデューサー伊藤潔氏(名古屋から駆け付けやようだ)などの顔が散見された。始まる前に楽屋を覗き妙子さんを始め高平氏や司会も務めるテナーの誠一ちゃん(中村誠一)などに挨拶。今回嬉しいことにはモンティー小林(ds)クリヤマコト(p)寺久保エレナ(as)など知り合いも多数登場。それらの人とも軽く挨拶を交わし客席に着く。客席もいつも通り年令層は高いが、ほぼ満杯で一安心。

 
オープニングは地元()での活躍も長い「オプ・サンズ」と言うセミプロ・フルバンド。マスターは軽井沢に別荘を持つゴルフ会社社長でメンバーにはプロも多い。彼らの演奏が終わると次の登場は、今回の目玉の一つ、若手最大の注目株である桑原あい(p)のストリング・カルテット。このユニット、ヴァイオリンとチェロ、それにベースと言うユニークな構成で、普通こうした編成の演奏は意欲が空回りしてしまうか、ストリングスが機能せずに終わってしまうケースも多いのだが、そこは才女桑原。まずそのピアノ技が素晴らしく、またストリングスアレンジも抜群、聴き応えあるものに仕上げてくれた。桑原はスティーブ・ガット、ウイル・リーと言った超大物とNYでレコーディングを行い、そのアルバムも今年春に発売され、いよいよ世界基準のピアニストに成長しつつあることを多くのファンに印象付けた。そのスケールアップした姿をそのまま写し出したステージで、ウエストサイド物語の「サムホエアー」など全部で4曲ほどの演奏だったが、強烈な印象を残した。前作からプロデュースを担当、彼女を飛躍的に成長させた功労者の伊藤潔くんも、「良かったねー」と言うと「今まさに伸び盛りで次も期待大ですよ」と返してくれた。桑原に続いてはこれも若手のホープにしてこのフェスの常連、毎年成長ぶりを窺わせる寺久保エレナ。アメリカで活躍中の彼女は、リーダーではなく師匠ヴィンセント・ハーリングとの2アルトユニット(ドラムはモンティー小林)での登場。相変わらず良く音が鳴っており、女性とは思えないスケール感ある演奏だったが、師匠との共演だけにいささか遠慮も感じられた所は残念だった。次回も彼女は登場してくれる筈で、この次に期待したい。

 
休憩をはさみ続いては仙波師匠(仙波清彦)のパーカッショントリオ。小太鼓の家元仙波流の師匠でもある氏は、あの「スクエアー」のドラマーも担当していた器用な才人。その彼とドラマーの鶴谷智生によるユニット「せんばづる」にもう一人ドラマーを加えたトリオのパーカッションユニットなのだが、これが迫力充分で聴き応えあった。ラテンジャズ系でこうしたパーカッションの饗宴はしばしあるのだが、ジャズ系ではあまり見かけない。その上に邦楽&ジャズに通じた粋人の師匠だけに、エンタメ精神にも溢れステージを盛り上げる。言うこと無しである。そして次が司会も担当した中村誠一ちゃん。ベテランの風格充分でいよいよテナー・タイタン(大物)になった感あり。彼には9月の番組で娘さん(今や売れっ子シンガー)と共に、親子共演で登場してもらう予定。
 
そしてイベントのトリを飾ったのが今やJ-ボーカルを代表するマリーン。「私をこうしたボーカリストに育ててくれた故伊藤プロデューサーに感謝の念を込め歌います」と語り、吉田次郎、クリヤ・マコトと言った達人を従え、「レフト・アローン」などを熱唱。まさに力感籠った熱い唄いっぷりで観客を酔わせる。感激、感激の心境である。その上彼女をフォローする吉田、クリヤ、この2人の達人プレーも圧巻。こうした見事な流れを演出する高平氏もやはりお笑い&ショウビジネス界の鬼才にして天才である。
 
全体で4時間強、たっぷり楽しませてもらった一日でした。また来年も大賀ホールで...
【今週の番組ゲスト:
キングインターナショナル RESONANCE RECORDS関口滋子さん】
M1Jingles /   Wes Montgomery-Wynton Kelly trio
M2Bluesette / Jaco Pastorius
M3All My Yesterdays / had Jones - Mel Lewis Orchestra
M4「Big Dipper / had Jones - Mel Lewis Orchestra」
M5「Nardis  / Bill Evans」
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