3月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報] [テイスト・オブ・ジャズ]
2017/03/24(金) 19:00
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.350~西成ジャズ】

 関西の中心地、大阪の街で最もディープにして今注目の地域と言えば、通天閣や釜ヶ崎を含む西成地区と言うことになるだろう。ぼく自身はこの一帯に行ったことは数度ほど、決して知っているとは言えないのだが、先日NHKのBS放送を見ていたら、いつもは東京ディープと言う東京の深面白い(ディープ)地域を探る番組が、その回だけ大阪ディープに変更され、大阪出身の若手俳優が案内役で、この地域を探訪する番組に変わっていた。何気なく見ていると通天閣周辺の商店街の特色ある店(ぼくのような東京人にとっては興味深いものばかりだが)がいくつか紹介され、続いてこの地域を強烈に印象付ける釜ヶ崎(あいりん地区)の歴史が紹介された。かつての釜ヶ崎暴動などの騒乱事件の映像も流れ、久々に少しばかり血沸き肉躍る感じもあったのだが、この荒れた地区も今ではかなり落ち着きのある地域へと変わりつつあるとのこと。日雇いの労働者の人達が泊まる木賃宿などとも言われた、簡易宿泊施設もかなり小奇麗に改善され,その宿泊料金の安さや大阪独特のディープな雰囲気も相まって、外人旅行客にも大人気だとのことで、インタビューに答える外人たちも実に愉しそうだった。
 そしてこの地域のすぐ近く、長い間放置されていた大きな空き地が少し前から売りに出ていて買い手が付いたとのこと。その買い手とはあの各地でホテル展開をしている星野リゾートで、どうやらこの地にシティーホテルを建てる計画だと言う。そうなればこの辺りも大きく様変わりするで、小洒落た街に変身と言うことになってしまうかもしれないが、大阪人へのインタビューでもそこら辺を歓迎する人、拒否する人など意見も様々。実際この一帯がどう変わっていくかは、ぼくのような東京人にとっても大いに興味ある所でもある。

 とここで余計な話を一つ...。今受けにいっている星野リゾートの社長の本宅は、なんとぼくの追分の山荘の一軒置いた隣、つまり社長は隣人だということ。まあそれがどうしたと言う訳だし、今は東京がメインで東京にも自宅を持っているとも聞くが、あのカルロス・ゴーンの秘書をしていたという社長夫人の姿は、ときどき散歩の際に見かけることもある。またこの社長がこの追分の自宅を手に入れた面白裏話のあるのだが、それはまた別の機会に...。

 まあずらずらと書き連ねてきたが、これからが今回の本題。その西成地区の新たな動きとして紹介されていたのが「西成ジャズ」。これはこの地域の一杯飲み屋(立ち飲み屋が多い)数軒で行われているジャズライブのことを指す。「難波屋」など多くの飲み屋は、ジャズライブを始めるまでは普通の狭い立ち飲み屋だったということだが、ライブが始まってからは大阪をはじめ関西各地からこのライブを聴きに来る客も増え、今や西成の名物になっているのだと言う。松田順司と言う結構なベテランのドラマーの人がメインで、彼の呼びかけで関西拠点のジャズメンたちが集まり、セッションが開かれているようだ。演奏とボーカルも少し聞いたが(臼井さんと言う女性シンガー)なかなかの熱気ものだった。日雇い労務者の人たちもグラス片手に体を揺すっており、高級クラブやレストランなどで聴かれる、乙に澄ましたジャズ演奏ではない、生身の血が滾るソウルフルなジャズに感心させられた。果たして西成ジャズと言う言葉、関西圏で実際の市民権を獲得しているのかはしかとはしないし、未だ西成ジャズとしてのアルバムも登場はしていないので、番組で取り上げるのはいささか難しいかもしれないが、実際の音としてCDが上がった時にはぜひ皆様にも紹介したいと思っている。日常生活の高級BGMになってしまった今のジャズに対しての強烈なアンチテーゼとしてのジャズが、ここにはある感じもする。どうか頑張ってこのジャズ、盛り上げ続けていって欲しいものである。。

【今週の番組ゲスト:ジャズのお勉強、先生は音楽評論家の青木和富さん】
M1「チンライ節 / キングノベルティーオーケストラ」
M2How High The Moon / 江利チエミ」
M3Donna Lee / 秋吉敏子」
M4Sunny / 笠井紀美子 ウイズ 大野雄二トリオ」


FUKUMIさんと一緒に。

20世紀日本ジャズ大系(キングレコード)」