第10問:44年前の春、『怪物』がいた。 [聴く『競馬クイズ』]
2017/03/14(火) 11:00 競馬中継スタッフ

【第10問】


 19日日曜日に、選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)が開幕します。そして中山競馬場ではスプリングステークスが行われます。「春はセンバツから」という言葉もあり、いよいよ春です。


 さて、今から44年前の1973年(昭和48年)3月、『怪物』と呼ばれた馬と高校生がいました。その馬の名はハイセイコー。そして高校生は栃木・作新学院のエース、江川卓投手でした。


 ハイセイコーは、地方競馬で6戦6勝の成績を残して中央競馬へ移籍し、三冠第1戦の皐月賞を勝つとその人気は競馬の枠を超え、競馬に興味のない人々にまで人気が浸透していった元祖アイドルホースです。


 ハイセイコーの中央競馬デビューは弥生賞でした。その日、1973年3月4日の中山競馬場は12万人を超すファンが集まり、ファンの一部が観客席とコースとを仕切る金網を乗り越えてコース内に入りこむ騒ぎが起こったことは語り草になっています。その中でハイセイコーは単勝1.1倍という圧倒的1番人気となって勝ち、その後のスプリングステークス、そして皐月賞も制したのでした。


 江川卓投手は、1972年(昭和47年)の秋の栃木県大会と関東大会を無失点(なんと7試合で53回を投げて、失点0で自責点も0。だから防御率は0.00!)で優勝して、翌年の春、第45回選抜高等学校野球大会に出場したのでした。


 甲子園デビューとなった1回戦の相手は大阪の北陽高校でした。参加校の中でチーム打率がトップという優勝候補が相手でしたが、江川投手は球速が160キロ近くあったとも言われる剛速球と切れ味鋭いカーブ(作新学院の試合で主審を務めた人が「速球よりカープの曲がり具合がすごかったことが印象に残っている」と言っていた記事を読んだことがあります)で、北陽から19もの三振を奪って完封勝ちしました。
 続く2回戦では7回を投げて1安打無失点(10奪三振)に抑えて勝ち、その次の準々決勝ではさらに快投を見せます。1安打完封勝ちだったのですが、その時奪った三振の数はなんと20! 27のアウトのうち20が三振ですからスゴイことです。しかし、準決勝では広島商業に2対1で敗れ、ベスト4で選抜を終えました。


 選抜での超高校級のピッチングで『怪物・江川卓』の名は全国にとどろき、夏の栃木県大会は他校を寄せ付けずに優勝して夏の甲子園、第55回全国高等学校野球選手権大会に作新学院は出場しました。


 しかし、1回戦を延長15回の末に勝ったものの、続く2回戦では千葉の銚子商業と対戦し、雨の降る中、延長12回裏の満塁の場面で江川投手自らがサヨナラ押し出しをしてしまい、『怪物』は2回戦で甲子園から姿を消したのでした。


 江川卓投手は、春と夏の2度の甲子園で、投球回数が59回1/3、奪った三振が92。自責点は3で防御率が0.46という素晴らしい記録を残しました。驚くことに自身の高校時代を振り返るテレビ番組で、「ランナーが2塁に進まないと本気で投げなかった」とご本人が言ってました。つまり全力投球をしなくてもあれだけの三振を奪っていたのです。


 一方、ハイセイコーは皐月賞を制して1冠を手にするとNHK杯に出走して勝ち、ついに無敗で日本ダービーに向かいました。そして、単勝66.6%(これはディープインパクトが現れるまでダービーの単勝支持率の最高記録でした)という圧倒的1番人気となりながらも3着に敗れます。ダービー馬にはなれなかったのです。


 この年、1973年に最も話題を集めた馬と高校球児、『怪物』と呼ばれたハイセイコーと江川卓投手は、奇しくもともに同世代の頂点に立つことが出来ませんでした。しかし、その走りで、そのピッチングで、ファンを熱狂させたことは事実であり、人々の記憶から消えることはありません。


 今回は前置きが長くなりました。では、ここで問題です。まずハイセイコーの中央デビュー戦となった1973年の弥生賞のレース実況をお聴きください。


レース実況はこちらから→聴く


 このレースには後にダービーと菊花賞を制し、ハイセイコーのライバルと言われた馬が出走していました。その馬の名前と着順をお答えください。名前は分かると思いますが、さすがに着順は難しいので3択にしました。なお、出走馬は10頭でした。


A:5着
B:7着
C:9着


 それでは、ここで前回の第9問の正解を発表します。


<正解>9頭


 どうでしたか?馬名を見て、パッと勝負服が目に浮かんだ方なら正解されたと思います。『(有)サンデーレーシング』所有の馬は以下の9頭です。


オルフェーヴル、ブエナビスタ、ヴァーミリアン、ディープブリランテ、フェノーメノ、レーヴディソール、アンライバルド、ドゥラメンテ、ドリームジャーニー


 ブルーメンブラット、ハットトリック、シーザリオ、アロンダイト、リオンディーズは『(有)キャロットファーム』。また、ベルシャザール、タイムパラドックス、イスラボニータ、ハーツクライ、ダイナガリバー、ネオユニヴァースは、『(有)社台レースホース』ですね。


 最後に「おまけ」のクイズの正解です。


<正解> 
レース名:ジャパンカップ(2012年・第32回)
3着馬:ルーラーシップ(クレイグ・ウィリアムズ騎手)


 ジャパンカップで「ワン・ツー・スリー」を決めてしまうなんてスゴイことですよね。しかし、レースを実況するアナウンサーにとっては、同じ勝負服の馬がゴール前で並んでくるのはあまり歓迎できないことなのですがね。

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