記憶のココロ。
2018/06/05(火) 18:30 大関 隼
こんばんは、大関です。新馬戦が始まった今週、ちょっと今日は実況にまつわるお話。

 一昨日、ある番組でこんなことを聞かれました。「新馬戦の実況で気を付けることってあるんですか?」ちなみに私の答えは「いつも以上に口に出す回数を増やすことです」。

 実況するときには当然馬の名前を記憶するのですが、記憶しやすさはやはりどれだけ馴染みがあるかによります。古馬の重賞、オープン級は一番覚えやすいと言えますし、未勝利戦でも「あ、この馬の名前は聴いたことがある」という意識があるだけでも覚えやすさが格段に上がります。

 しかし、新馬戦となるとそうは行かないわけです。まして、初めて口に出して実況するので馴染みが少ない上、展開も読めない。結構探り探り実況するというフシはあります。自分なりに考えて作ったそれを解消する手は「頭で覚えようとしない事」です。何のこっちゃという話ですが、口で覚えるんです。要は、双眼鏡で見た瞬間に目から頭を通さず、口にそのまま出すという回路を構築する、ということです。

 それをやるには、とにかく口で読む回数を増やす事。何十回でも、何百回でも。受験生の頃、音読がいかに記憶に効果的かとか英語や古文で習いませんでした?十代の頃の大関はその意味にピンと来なかったのですけど、それを社会に出てから嫌というほど思い知るとは。ワールドオールスタージョッキーズなんかで、これがどれだけ役立ったか。レースまでに1頭につき1000回くらい読んだ気がします。

 口で読まないと、どの馬が覚えやすくて、どの馬が覚えにくいのかって分からないんですよ。結果的に回数をこなしているうちに、何となく感覚がつかめてくる。そうすれば「ああ、この馬の名前はどうやっても出てきにくいから、この服が視界に入ったら直感的に塗り絵を見てしまうようにしよう」といった対策も出来ます。「この馬の名前は覚えられない、ということを覚える」のも逆説的ですが、必要な事なのかもしれないと最近はよく感じています。

 勝負の夏が来るぞ、とハッパをかけられている受験生の皆さん。この文章を読んでいるかは分かりませんが、暗記モノに限らず、参考書でも、用語集でも、音読は侮れません。頭に入ってくれない、というものは音読してみてはいかがでしょうか。自分だって最初の実況練習で「スタートしました!」と言ってみてから何も出てこなかったんです。それを、音読を繰り返すうちに、覚える回路が作られてきたのですから。

 さて、今日の「競馬が好きだ!」も園田競馬特集。先週インタビューをご紹介した大物ルーキー・石堂響騎手の特技「実況」(それも、あのレースを、本人の前で!)、そして今年は一気にブレイク、園田リーディングを飯田調教師と熾烈に争っている森澤友貴調教師、親子三代で調教師、父・橋本忠男調教師の下で調教師補佐だった頃にオオエライジンを手掛けた名門出身・橋本忠明調教師という若き40代の調教師2人のインタビューもお送りします。お楽しみに!

コメント