お知らせ:

競馬が好きだ!

番組へのお便りはこちら
こんばんは、大関隼です。

先週は新潟へ、アイビスサマーダッシュの実況担当でした。直線1000mは何度も実況した事があるとは言っても、なかなか良い思い出がありませんでした。そんな中で重賞の実況。


(放送席から見た直線1000mコース。これは遠い...)

直線1000mは文字通り1キロ先から馬が走ってくるので、序盤は双眼鏡でも馬の判別がつきにくいですし、馬の正面が見える形なので前後関係もはっきり見えません。よって、序盤は映像(よくターフビジョンに映っている、馬を横から捉えた映像)に頼ることになります。そして、引きの映像に変わるのが残り500mほど、東京の直線と同じくらいになったところで双眼鏡で捕捉、に切り替えるのです。

と言っても、前半に追えなかった後ろの馬に上位に来られると、「何であの馬まで追わなかったんだろう」と思うことも多々(なので良い思い出がなかなかない訳です)。そこで今回の重賞実況の作戦はとにかく「序盤の内に、行ける限り後ろまでスピーディーに馬名を呼んで追っていく」ということでした。勿論、聴いていて音としてはっきりしていなければ無意味ですから、そこは注意しつつですが。

結果的に、後方で最後に捉えた馬がラインミーティアでした。やっぱり後ろからだな、という位置確認ができたことは、結果的に自分を最後の最後で助けてくれる事になりました。レース後西田騎手が「切れ味は分かっていたし、存分に生かしたいと思っていた」と語っていたように、じっくりためて末脚に賭ける得意のパターンを重賞でも崩さなかったことが、勝ちを呼び込んだと言えるかも知れません。直線1000mにも起承転結がちゃんと存在する、という事の証明でしょうか。

今回の「JRAで一番勝ちタイムが速くなる重賞」の実況は、いつも以上に勉強になることが多かった気がします。短距離戦は余計なことが言えない、いかに無駄を省いた中でレースの状況を分かりやすく伝えるか? 当たり前に考えないといけない事ですが、1000mという究極のスピード勝負はその大切さを強く教えてくれたと思うのです。少ない字数や音節の限られた中で表現をする、俳句やフランス四行詞の組み立てに近いと言ったらいいのか...。

今年のアイビスサマーダッシュを、自分の中で直線1000mに対する意識を変える、短距離戦の実況を変える大きな分岐点にせねば。今はそう思っています。

さて本題。今日の「競馬が好きだ!」は、今夜の門別で行われる2歳重賞=ブリーダーズゴールドジュニアカップ展望を中心にお送りします。発走は20時40分、放送を聴いたあとでも買えますよ!!進行は小林アナと木和田アナで。お楽しみに!

(↓アイビスサマーダッシュの塗り絵。馬を覚えるときも輪乗りは1キロ先のゲート裏で行われているのでなかなか難しいのです)

お知らせ

お知らせ一覧