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競馬が好きだ!

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東京大賞典は◎ケイティブレイブで負け、KEIRINグランプリは新田―佐藤慎太郎の「競輪道」の美しさにしみじみしつつも車券は村上博幸2着、3着付で負け、東京2歳優駿牝馬も高知県知事賞も負け。財布に木枯らしが吹いたまま年を越そうとしている大関です。まあいつもの事ですが。

いよいよ今年も終わります。ベタながら今年を振り返ってみると、やっぱり今年もインパクトのある経験を沢山させて貰えたのだなぁ、と改めて感じています。藤田菜七子騎手のGI初騎乗で沸いたフェブラリーステークス、アーモンドアイ、ダノンプレミアムをはじめ豪華メンバーの集結した安田記念、タワーオブロンドンが夏からの勢いで一気に勢力図を変えたスプリンターズステークス、金子光希騎手、高市圭二調教師、シングンオペラ産駒、シングンマイケルについにGIタイトルがやってきた中山大障害とJRAのGIを4つ実況。何より、今年一番印象に残った仕事は、と聞かれたら迷わず挙げる、ウインブライトが待望のG1初制覇を決めたクイーンエリザベス2世カップ。香港(というか海外)3回目、経験を積んで段々と慣れてきたところであのシーンに巡り合えたことは、おそらく一生忘れない出来事でしょう。

それと同時に、自分の至らない面もそんな仕事をしていると多々気付く、気付かされる事も多々あるものです。上に書いたGIの実況でも、大なり小なり綻び、というのはあります。もちろんそれ以外のレースでも。そしてそれを今や「お客様は聞き逃さない」ものです。その度に頭を抱える事も多々ありました。

しかし、冷静に考えてみればそれは何とありがたいんでしょうか。振り返ってみれば、自分が物凄く鍛えられた大阪支社時代の3年間、毎週のように実況する私の後ろには、厳しく目を光らせていた藤田直樹さんがいました。そして私が伸びてくる馬に気付くよりはるかに早く「内!」「外!」と声が飛んできて、その馬は面白いように伸びてくるのです。当然実況が終われば、1レースごとに「おい大関!今の実況は何やぁ!」とお叱りも飛んできます。話を聞けばかつて、その藤田さんも先輩から厳しく叱られ、怒鳴られ、結果を出さなければそもそも実況から外される現場にいた。だからこそ俺は若い頃必死で努力して鍛えられた―と。

そんな3年間を経て東京へ戻り、大レースを何度も実況させて貰えるようになると、あの当時厳しく鍛えられた事が今どれだけ血肉となって今に生きているか―そう感じた事は一度や二度ではありません。「今の実況は(実況に限りませんが)何やぁ!」この一言を浴びせられるからこそ、プロとして自分に向き合い、伸びて行けるのではないか。36歳にもなってそんな当たり前な事実に今年は一段と気付かせて貰った気がしています。

来年、大阪支社には山本直アナが転勤していきます。大阪支社はいつの時代も若手を強く鍛え、自分自身と真摯に向き合わせ、成長させてくれる場所なのです。高校球児にとっての甲子園や、ラグビー部員にとっての花園がそうであるように。きっとすでに結果を多数出している彼も、大阪で劇的な成長を遂げていくのでしょう。

今年、大阪支社にいた期間よりも、東京に戻ってからの期間のほうが長くなって迎える来年。今一度来年は「大阪支社で藤田さんに厳しく鍛えられたからこそ、今の自分がある」という原点に返って、自分を鍛える事にします。「あの実況(喋り)は何やぁ!」とお叱りを頂けることを喜びに変えて。やっぱり、自分が「追い込まれている」という状況に変わりはない、いや、一段と土俵際だと思いますから...。

さて本題。今日の「競馬が好きだ!」は、今年1年の地方競馬の話題から、印象に残るシーンを振り返りながらお送りしていきます。今年1年、この番組をご愛顧いただいた皆様、本当にありがとうございました。

最後に、今年印象に残る写真を1枚。


去年に続いてセレクションセール中継のために行かせて頂いた北海道市場。競馬は競馬場やトレセンだけではない、その最後に行きつくレースという晴れ舞台にいさせて頂くのが我々...。恥ずかしい実況など出来ないと、ここに来るたびに思わせてくれるという意味で。ではみなさま、良いお年を!

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