ワクワク、そしてヒヤヒヤ。木和田篤アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016/11/29(火) 13:00

私の初○○実況レース【11】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 11人目は、木和田篤アナウンサーです。まず、以下の質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 競馬を見るようになったきっかけは、学生時代にアナウンサー試験を受験する際、当時通っていたアナウンス学校の講師から「スポーツアナウンサーを目指すなら、野球の実況、野球の知識は必須。それ以外にもう一種目、得意分野があるといいね」と言われ、何となく競馬を見るようになったのが最初。ミスターシービーやシンボリルドルフといったスターホースが、2年連続で三冠馬として活躍していた頃で、競馬に興味を持ちやすい時期だった。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 「勝負事に絶対は無い」ということを自身の財布で、身をもって体感出来ること。競馬以外のスポーツでは、なかなか味わえないことだと思う。
 そして、主役であるサラブレッドが2歳でデビューし、現役で活躍出来るのが6年ほど。次々とスターホースが誕生しては、現役を退いていく中身の濃いサイクルが、長過ぎず、短か過ぎずファンにとっては丁度良い具合なのでは。惜しまれつつ引退した馬が、その数年後には種牡馬としてデビューする。この時間の流れが、競馬の大きな魅力のような気がする。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 3連単が発売になってからは、殆ど3連単馬券ばかりを購入しています。全く当たらないのは、以前と変わりませんが...。


【今までで一番好きな馬は?】
 タマモクロス。オグリキャップとの芦毛対決が5歳時の3戦だけ。出来ればもう一年、2頭の対決を見てみたかった。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 デイープインパクト


【実況が一番しやすいと思う競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 実況しやすいのは東京競馬場。スタートしてから、比較的レースの流れも落ち着きやすく、3コーナーから4コーナーにかけての各馬の仕掛けも他の競馬場に比べて、わかりやすいと思う。何より、東京競馬場の開放感とファンの歓声、雰囲気が気に入っていて、喋っていて一番心地良い競馬場です。
 難しいと思うのは新潟競馬場。コースと実況席が近いので、外周りコースの最後の直線では馬を正面から見ているような感覚。各馬の脚いろや、位置関係が掴みづらくて苦労する。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 勝ち馬の間違い、道中の馬名間違いなど上げたらキリが無い。あまりに多過ぎて、書き切れないと思います。


【これまでの中継で印象に残っているハプニング・苦労話】
 中山で雪が降ったり、函館で霧が出て視界不良になった時は困った。発走時間が迫り、双眼鏡を使ってスタート地点を確認しても、馬が全く見えない。四苦八苦しながら喋っていたのを覚えています。


【ラジオNIKKEIの中継・レース実況は他とはここが違う、と思う点】
 実況放送に関しては、ラジオ中継とJRAオフィシャル放送を兼ねている点が、他局との大きな違い。実況は正確性が求められ、勝ち馬のみならず2着、3着馬の争いもフォローが必要になってくる。おまけに、レース後も実況映像は繰り返し利用されることが多く、責任の重さを感じる。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 競馬の実況アナウンサーの前に、放送局のアナウンサーとして「正しい日本語」や発声、発音を身につけて下さい。


【私の初○○レース実況】
初めての重賞レースの実況は、1994年の第32回アルゼンチン共和国杯でした。


1994年(平成6年)11月19日 東京競馬場 晴・良
第11競走 第32回アルゼンチン共和国杯 芝2500m 14頭
1番人気 アイルトンシンボリ 牡5 58.5 岡部幸雄
2番人気 マチカネアレグロ  牡3 55  河内洋
3番人気 ムッシュシェクル  牡6 60  藤田伸二
4番人気 シャコーグレイド  牡6 55  江田照男
5番人気 ステージチャンプ  牡4 57.5 蛯名正義


 入社以来、東京競馬場の実況席で「場内放送」をするのが目標だったので、初めての重賞レース実況が東京だったのは、不安よりもわくわくした期待感の方が大きかったと記憶しています。ただ、14頭立てのハンデ戦で、最後の直線勝負は恐らく混戦になるだろうなあという予感はありました。案の定、最後は見応えのある4頭の接戦になり、ヒヤヒヤしながら喋っていたことを覚えています。


 レース実況はこちらから→聴く


 午後のレース、特に重賞レースになるとファンの歓声も一段と大きく、改めて場内実況アナウンサーの責任の大きさを感じました。


<レース結果>
1着 マチカネアレグロ  牡3 55  河内洋 2分31秒3(レコード)
2着 アイルトンシンボリ 牡5 58.5 岡部幸雄 クビ
3着 ステージチャンプ  牡4 57.5 蛯名正義 アタマ

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