あの人がただ一度だけ行った、勝利騎手インタビュー [あの日、あの時、競馬場で]
2016/11/03(木) 11:00

競馬中継60年~あの日、あの時、競馬場で【9】


 天皇賞(秋)も終わって、いよいよ11月。来週のエリザベス女王杯から最後の有馬記念までGIレースが毎週行われます。
 レースが終わり、表彰式の後にはウイナーズサークルでそのレースを制した騎手がお立ち台の上に立ち、「勝利騎手インタビュー」が行われます。GIタイトルを手にした騎手の晴れやかな表情を伝えるインタビューはレース後のお馴染みの光景となりました。


 今では勝利騎手へのインタビューは当たり前のように行われていますが、初めて行われた勝利騎手インタビューは53年前、1963年(昭和38年)9月24日の東京競馬場でした。この日のメインレースのクイーンステークスの時に行われたのでした。


 その初めてのインタビューの担当者として騎手にマイクを向けたのは、現在競馬キャスターとして活躍されている長岡一也さんでした。表彰式の後にレースを制したミストヨペットに騎乗した伊藤竹男騎手に声をかけたものの、レース後の騎手へのインタビューはそれまで前例のなかったこともあり、二言三言やりとりしただけでとてもインタビューとまではいかなかったそうです。


 勝利騎手インタビューは、競馬中継を始めたスタッフの「競馬に関わる人たちの声をよりリアルに伝えられたら...」という考えから生まれたものですが、この勝利騎手インタビューをアナウンサーではなく解説者の人が担当したことが一度だけあります。1970年(昭和45年)のことです。
 この年の春のクラシックは東のアローエクスプレスと西のタニノムーティエが人気を二分していました。初対決となったスプリングステークス、続く皐月賞もタニノムーティエに負けたアローエクスプレスは、5月10日に行われたダービーのトライアルレース、NHK杯でタニノムーティエと三度目の対決を迎えました。


 当時中継の解説をしていた大川慶次郎さん(故人)は、このレースではアローエクスプレスが勝つという確信があり、レース前から「アローエクスプレスが勝ったら、どうしてもインタビューをしたい」とスタッフに言い続けていたのだそうです。そしてアローエクスプレスが勝ち、勝利騎手の加賀武見騎手のインタビューを大川さんが行ったのでした。解説者による勝利騎手インタビューは今もってこの時だけです。


 ここで懐かしの勝利騎手インタビューをお聴きください。今から43年前の1973年(昭和48年)5月27日、当時『怪物』と呼ばれた馬を負かし、ダービージョッキーとなった騎手へのインタビューです。


インタビューはこちらから→聴く


1973年(昭和48年)5月27日 東京競馬場 晴・良
第40回東京優駿(日本ダービー) 芝2400m 27頭
1着 タケホープ   牡3 57 嶋田功 2分27秒8
2着 イチフジイサミ 牡3 57 津田昭 1馬身3/4
3着 ハイセイコー  牡3 57 増沢末夫 3馬身1/2


 ちなみにラジオNIKKEIはGIレース以外の重賞レースでも勝利騎手インタビューを行っています。福島(ラジオNIKKEI賞、福島記念など)、新潟(関屋記念、新潟記念など)、そして小倉(小倉記念、小倉2歳ステークスなど)の重賞レースで勝利ジョッキーにインタビューし、さらに初勝利をあげた騎手(デビューした新人騎手、JRAでの初勝利となった外国人騎手と地方競馬の騎手)と100勝ごとに区切りの勝利をあげた騎手(通算300勝や年間100勝などを達成した騎手)へのインタビューも行っています。


 さぁ、これから秋競馬はクライマックスの有馬記念まで、注目のレースが続きます。来週のエリザベス女王杯の後、ウイナーズサークルのお立ち台でラジオNIKKEIのアナウンサーにマイクを向けられる騎手は果たして誰でしょうか。

コメント