昔のことは覚えてない? 舩山陽司アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.12/13 記事URL

私の初○○実況レース【12】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 『私の初○○実況レース』、いよいよ今回が最終回です。最後の12人目は、今月25日(日)に行われる有馬記念の実況を担当する舩山陽司アナウンサーです。まず、以下の質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 平成元年に高校に入学し、世は競馬ブーム。バ◯私学の高校生がそれを見逃す訳も無く、クラスではオグリキャップが話題になっていました。1990年の宝塚記念が最初に"予想"したレースです。オサイチジョージの単勝を"予想"していました。
 本格的に予想し始めたのは1993年。ウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンの戦いぶりを今でもおぼろげに覚えています。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 あらゆる角度から予想出来る点。血統だったり、サインだったり、時計だったり、どんな予想の仕方をしても「勝てば官軍」なのが潔くて好きです。当たった人が偉いのです。今年の私は偉いのですが、去年の私は最低でした。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 3連複が中心ですが、最近は調子に乗って3連単も買います。断然人気馬が沈むのを狙って馬連、追い掛けているジョッキーの単複やワイド、コースのバイアスに期待した枠連フォーメーションなど、あらゆる種類の馬券を楽しんでいます。


【今までで一番好きな馬は?】
 ブエナビスタです。どんなレースでも全力で追い込んでくる末脚で、ずいぶん稼がせてもらいました。届きそうで届かなかったりした事もあり、実況ではずいぶん苦労させられました。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 ディープインパクトとオルフェーヴルでしょう。双璧です。


【国内外を問わず、実況が一番しやすい競馬場と一番難しい競馬場。その理由】
 放送席の位置が重要ですが、海外ではシンガポールのクランジ競馬場が一番喋りやすかったと記憶しています。ゴール近くのゴンドラ席を用意してくれました。
 大変だったのはドバイのナドアルシバ競馬場。日が暮れると馬が見えなくなりますし、馬場内にテントが乱立していて視界を遮ってしまい、本当に喋り辛い競馬場でした。ファンエリアを突っ切って取材に行くのも一苦労でした。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 猫も杓子も近所のおばさんも埼玉のチー◯ーも知っている有馬記念。その有馬記念を初めて喋った2007年は、緊張感と地鳴りの様に響く大歓声に頭が真っ白になりました。何を喋ったか全く覚えていません。


【舩山アナは今年も有馬記念の実況を担当します。有馬記念を実況するとき、注意することは? また、他のレースと比べてどんな面白さを感じている?】
 有馬記念はお祭りです。馬券の的中如何でクリスマスの過ごし方もしくは今後の人生が変わる人もいるでしょう。ただそんな他人の人生まで斟酌していたら頭がパンクしてしまいます。私に出来ることはただ喋ることだけ。最高のお祭りに胡椒少々くらいの味付けが出来る様に、気を引き締めて頑張ります。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 極論ですが、競馬を知らなくても実況は出来ます。でもアナウンスの基礎が出来ていなければ実況は出来ません。アナウンサーとして生きていくなら当然知っておくべき発声の基礎を疎かにしてはいけません。基礎が無いと上積みがありません。アナウンス教室で様々な課題をこなすと思いますが、大事なのは基礎。そして度胸です。


【私の初○○レース実況】
 初めて実況したのがいつだったか全く覚えていません。初めて重賞を喋ったのはたぶん2002年のクイーンカップですが、当時の記憶がありません。初めてGIを実況したのは2004年のマイルチャンピオンシップで、外国馬ラクティの馬券をしこたま買っていました。


2004年(平成16年)11月21日 京都競馬場 晴・良
第11競走 第21回マイルチャンピオンシップ(GI) 芝1600m 16頭
1番人気 デュランダル    牡5 57 池添謙一
2番人気 ファインモーション 牝5 55 武豊
3番人気 ラクティ      牡5 57 P.ロビンソン
4番人気 ダンスインザムード 牝3 54 C.ルメール
5番人気 テレグノシス    牡5 57 横山典弘


 なにしろ記憶力が全然無くて、あとから実況音声を聴いて「ああ、このレース喋ったっけ」と思う事が多々あります。


 レース実況はこちらから→聴く


 そう言えば、娘に「お父ちゃんは子供の頃は何をして遊んでいたの?」と訊かれましたが答えられませんでした。「子供の頃はお母さんに何して叱られたの?」と訊かれましたが、何も言えませんでした。残念ながら昔のことは覚えていないのです。


<レース結果>
1着 デュランダル    牡5 57 池添謙一  1分33秒3
2着 ダンスインザムード 牝3 54 C.ルメール 2馬身
3着 テレグノシス    牡5 57 横山典弘  1馬身1/4


 『中央競馬実況中継 60周年記念サイト』の更新は今回が最後となります。ご覧いただき、ありがとうございました。これからもラジオNIKKEIの「中央競馬実況中継」、そして中継を担当する各アナウンサーを、どうぞよろしくお願いいたします。

ワクワク、そしてヒヤヒヤ。木和田篤アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.11/29 記事URL

私の初○○実況レース【11】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 11人目は、木和田篤アナウンサーです。まず、以下の質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 競馬を見るようになったきっかけは、学生時代にアナウンサー試験を受験する際、当時通っていたアナウンス学校の講師から「スポーツアナウンサーを目指すなら、野球の実況、野球の知識は必須。それ以外にもう一種目、得意分野があるといいね」と言われ、何となく競馬を見るようになったのが最初。ミスターシービーやシンボリルドルフといったスターホースが、2年連続で三冠馬として活躍していた頃で、競馬に興味を持ちやすい時期だった。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 「勝負事に絶対は無い」ということを自身の財布で、身をもって体感出来ること。競馬以外のスポーツでは、なかなか味わえないことだと思う。
 そして、主役であるサラブレッドが2歳でデビューし、現役で活躍出来るのが6年ほど。次々とスターホースが誕生しては、現役を退いていく中身の濃いサイクルが、長過ぎず、短か過ぎずファンにとっては丁度良い具合なのでは。惜しまれつつ引退した馬が、その数年後には種牡馬としてデビューする。この時間の流れが、競馬の大きな魅力のような気がする。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 3連単が発売になってからは、殆ど3連単馬券ばかりを購入しています。全く当たらないのは、以前と変わりませんが...。


【今までで一番好きな馬は?】
 タマモクロス。オグリキャップとの芦毛対決が5歳時の3戦だけ。出来ればもう一年、2頭の対決を見てみたかった。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 デイープインパクト


【実況が一番しやすいと思う競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 実況しやすいのは東京競馬場。スタートしてから、比較的レースの流れも落ち着きやすく、3コーナーから4コーナーにかけての各馬の仕掛けも他の競馬場に比べて、わかりやすいと思う。何より、東京競馬場の開放感とファンの歓声、雰囲気が気に入っていて、喋っていて一番心地良い競馬場です。
 難しいと思うのは新潟競馬場。コースと実況席が近いので、外周りコースの最後の直線では馬を正面から見ているような感覚。各馬の脚いろや、位置関係が掴みづらくて苦労する。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 勝ち馬の間違い、道中の馬名間違いなど上げたらキリが無い。あまりに多過ぎて、書き切れないと思います。


【これまでの中継で印象に残っているハプニング・苦労話】
 中山で雪が降ったり、函館で霧が出て視界不良になった時は困った。発走時間が迫り、双眼鏡を使ってスタート地点を確認しても、馬が全く見えない。四苦八苦しながら喋っていたのを覚えています。


【ラジオNIKKEIの中継・レース実況は他とはここが違う、と思う点】
 実況放送に関しては、ラジオ中継とJRAオフィシャル放送を兼ねている点が、他局との大きな違い。実況は正確性が求められ、勝ち馬のみならず2着、3着馬の争いもフォローが必要になってくる。おまけに、レース後も実況映像は繰り返し利用されることが多く、責任の重さを感じる。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 競馬の実況アナウンサーの前に、放送局のアナウンサーとして「正しい日本語」や発声、発音を身につけて下さい。


【私の初○○レース実況】
初めての重賞レースの実況は、1994年の第32回アルゼンチン共和国杯でした。


1994年(平成6年)11月19日 東京競馬場 晴・良
第11競走 第32回アルゼンチン共和国杯 芝2500m 14頭
1番人気 アイルトンシンボリ 牡5 58.5 岡部幸雄
2番人気 マチカネアレグロ  牡3 55  河内洋
3番人気 ムッシュシェクル  牡6 60  藤田伸二
4番人気 シャコーグレイド  牡6 55  江田照男
5番人気 ステージチャンプ  牡4 57.5 蛯名正義


 入社以来、東京競馬場の実況席で「場内放送」をするのが目標だったので、初めての重賞レース実況が東京だったのは、不安よりもわくわくした期待感の方が大きかったと記憶しています。ただ、14頭立てのハンデ戦で、最後の直線勝負は恐らく混戦になるだろうなあという予感はありました。案の定、最後は見応えのある4頭の接戦になり、ヒヤヒヤしながら喋っていたことを覚えています。


 レース実況はこちらから→聴く


 午後のレース、特に重賞レースになるとファンの歓声も一段と大きく、改めて場内実況アナウンサーの責任の大きさを感じました。


<レース結果>
1着 マチカネアレグロ  牡3 55  河内洋 2分31秒3(レコード)
2着 アイルトンシンボリ 牡5 58.5 岡部幸雄 クビ
3着 ステージチャンプ  牡4 57.5 蛯名正義 アタマ

初実況の前夜に...? 小塚歩アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.11/15 記事URL

私の初○○実況レース【10】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 10人目は、今月20日(日)に行われるマイルチャンピオンシップの実況を担当する小塚歩アナウンサーです。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 1994年、中学3年生の秋、ナリタブライアンの三冠が懸かった菊花賞。当時もやはり社会現象となり、一般ニュースで知って「どれだけ強い馬なのかみてみよう」とテレビ中継を観たのが最初。その後競馬にハマり、毎週競馬中継に触れたくなって(でも地元でフジテレビの競馬中継は流れず)ラジオたんぱを聴き始めたのが20年前。いまは聴く側から喋る側に。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 サラブレッドという、人間と違う生き物が相手。これに尽きます。人間の思い通りにならないからこそ頭を悩ませるし、驚きや喜び、悔しさ悲しさ、多くの感情を呼び起こしてくれるのでしょう。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 単勝、複勝、3連複1頭軸


【100万を超える大万馬券が的中したら、何をする?】
 飲んで食べて、パーーーっと気持ちよく使います。


【今までで一番好きな馬は?】
 ステイゴールド。条件馬時代から大好き。まさかここまでの競走実績を残すとは思いませんでした。種牡馬入りしてからの実績には更に驚かされました。
 ロンドンブリッジ。綺麗な栗毛の快速牝馬。初めて好きになった馬。牝系は今も応援してます。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 ディープインパクト。


【実況が一番しやすいと思う競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 どの競馬場も好きですが、苦手なのは新潟。逃げ馬が残るのに差し馬が届くのでゴール前が大混戦になりやすくて困ります。2014年のスプリンターズSはちょっぴりトラウマです。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 笑えない失敗はたくさんしていて書けません。
 笑える失敗...京都ハイジャンプで、向正面のバンケットを「高さ80メートル」と実況してしまったことがあります。どれだけ高い障害なんだ!実際は「80"センチメートル"」。


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 分かりやすく、聴きやすく、音声だけでも映像が想像できるように。
 その上で、ファンの皆さんと一緒に興奮できるように。


【海外のレースを含めて、一度は実況してみたいレースは?】
 中山大障害。


【競馬の実況アナウンサー志望者に向けて一言】
 競馬だけじゃなく、他ジャンルのスポーツやスポーツ以外のあらゆることに興味を持って、知識をどんどん吸収してください。


【私の初○○レース実況】
 場内実況のデビュー戦。2006年7月1日の福島1レース、ダート1700m戦です。
 1ヶ月ほど前、安田記念のあたりで佐藤アナから「実況してもらうのでよろしく」とデビュー戦を告げられ、そこからは緊張の日々。小回り福島で、1周回ってくるダート1700mで、今思えばさほど難しくないコース設定なのですが、なにせ初めてのことなので(もちろん練習はしていましたが)どうなってしまうのか想像もつかずとにかくビビってました。
 前日は早めにホテルに入って、準備万端で床に就きました。ところが眠れない。出走馬13頭が私のアタマの中でぐるぐる回って、寝かせてくれません。そんなこんなで初実況当日を迎えます。


 福島はとてもコンパクトな競馬場です。ですので、我々の場内実況や本馬場入場の音が放送席にも響いてきます。本馬場入場で第一声を発すると、それがほぼダイレクトに自分の耳に飛び込んできます。これで緊張感MAX。平静を取り戻そうと必死でした。


2006年(平成18年)7月1日 福島競馬場 曇・不良
第1競走 3歳未勝利 ダート1700m 13頭
1番人気 サムシンググッド  牡3 56 柴田善臣
2番人気 トウショウノーティ 牡3 56 中舘英二
3番人気 ベローチェ     牡3 56 勝浦正樹
4番人気 ダイワダイハード  牡3 56 北村宏司
5番人気 シルククローチェ  牡3 54 吉田隼人


 しかし私はラッキーでした。前日の雨でダートは不良馬場、スピードが生きる馬場になっていたのです。こうなれば小回り福島は前に行く馬が断然有利。しかも当時の福島は逃げの名手・中舘英二騎手(現調教師)の庭のようなもの。結局、中舘騎手が乗ったトウショウノーティがすーいすいと逃げ、結局そのまま危なげなく逃げ切り。私の初実況も、危なげなく乗り切ることができました。


 レース実況はこちらから→聴く


 今年(2016年)はあの初実況から丸10年。当時よりはいくらかマシな実況ができている...と思いたいです。


<レース結果>
1着 トウショウノーティ 牡3 56 中舘英二 1分44秒8
2着 シルククローチェ  牡3 54 吉田隼人 1馬身1/2
3着 ケイジーウィザード 牡3 56 東川公則 4馬身

初実況の日の朝に...。米田元気アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.10/18 記事URL

私の初○○実況レース【9】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 9人目は米田元気アナウンサーです。米田アナは、某テレビ局で競馬中継を担当していた経歴の持ち主です。しかし、ここでは当然ラジオNIKKEIでレース実況を初めて担当した時のことについて振り返ってもらいました。今年4月に大阪支社に転勤して、今は関西の競馬を肌で感じている米田アナ。「関西の競馬」についての質問もあります。


 まず、米田アナに以下の質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 小学校5年生の頃です。朝刊に載っていたレース結果を偶然見て、いろいろな馬名に興味を持ちました。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 競馬は人生の様々な場面に例えられるところが面白いと思います。例えば、緊張して力むと「引っ掛かる」、堂々としていると「折り合っている」、大成功をおさめれば「○馬身差の圧勝」、逆に失敗すれば「馬群に沈む」など。競馬は人生の縮図とまでは決して言いませんが、いろいろな例え方があるのは面白いですね。
 

【主に買う馬券の種類、狙い方】
 買いません。以前は馬連、馬単、三連複。


【今までで一番好きな馬は?】
 ビワハヤヒデ


【今までで一番強いと思う馬は?】
 ライスシャワー


【実況が一番しやすいと思う競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 どの競馬場も難しいのではないでしょうか。「しやすい」と思った時点で失敗の始まりです。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 失敗を語れるほど仕事をしていません。


【米田アナはテレビ局でも競馬中継を担当していた経歴があります。テレビの競馬中継とラジオの中継、最も違うところは?】
 テレビはスタート直前まで解説者とやりとりをする。ラジオはファンファーレから一人喋りが始まる。ここが大きな違いだと思います。


【関西で仕事をしてみて、関西の競馬(競馬場、トレセン、関係者など)は関東とはここが違う、と思う点は?】
 関西の有力調教師は口が堅い印象があります。インタビュー慣れしているからでしょうか。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 アドバイスをするほど仕事をしていません。何年か後にお聞き下さい。


【私の初○○レース実況】
 私がラジオNIKKEIに入社して初めて実況を担当したのは、2013年9月8日中山1R、2歳未勝利でした。


2013年(平成25年)9月8日 中山競馬場 曇・良
第1競走 2歳未勝利 芝1200m 12頭
1番人気 マンハッタンヘンジ 牡2 54 石橋脩
2番人気 クラウンデュナミス 牝2 54 松岡正海
3番人気 クラシックマーク  牝2 54 吉田豊
4番人気 コスモラヴコール  牡2 54 柴田大知
5番人気 ドラゴンヘッド   牡2 54 柴田善臣


 日本時間のこの日の早朝に、2020年に開催される五輪の東京招致が決まりました。東京に決まるのかどうかは以前から世間の注目を集めていましたので、結果がどうであれ、生中継を見ようと思っていました。しかし、時間が早かったため起きられず見逃す始末...。起きてテレビをつけるとすでに大騒ぎになっていました。見逃したからといって何かを失うわけではないのですが、どことなく残念な気分でした。そんな気持ちを引き摺りながら競馬場へ向かったのを覚えています。


 レース実況はこちらから→聴く


<レース結果>
1着 メイショウカイモン 牡2 54 田中勝春 1分9秒5
2着 クラシックマーク  牝2 54 吉田豊 1馬身1/2
3着 クラウンデュナミス 牝2 54 松岡正海 1馬身3/4

初物尽くしの?重賞実況。中野雷太アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.10/04 記事URL

私の初○○実況レース【8】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 8人目は中野雷太アナウンサーです。中野アナは、3歳馬の『三冠』レースを担当し、今月23日には菊花賞を実況します。中野アナは、初めての時はどうだったのでしょう?


 まず、中野アナに以下の質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 大学2年だった1994年秋、ナリタブライアン3冠達成直前の頃、バイト先の先輩に勧められ、テレビで見たのがきっかけです。ギャンブル自体に全く興味の無かった自分ですが、この時点で、何となく面白そうだなと思いはじめ、毎週テレビ中継を見るようになりました。
 翌年9月、初めて中山競馬場に行き「何て素晴らしいところなんだ!」と感動、以後は競馬場通いの日々、すぐにのめり込みました。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 スポーツでありながら、レースを予想しお金を賭けられ、当ればリターンを得られるところ。馬柱を眺めているだけで、様々な事が想像でき、いくつもの仮説を立てられ、それが正しかったかどうか(当ったかどうか)、すぐに回答の出るこのシステムは素晴らしいの一言。予習(予想)だけでなく、復習(反省)も本当に楽しい。
 もちろん、そんなギャンブル的側面だけでなく、馬、そして携わる人々のストーリーにも、アスリートとしての騎手の姿にも純粋に惹かれますし、楽しみ満載です。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 かつては馬連・ワイド1~2点にドカン、または馬連・3連複の3~4頭BOX。今は3連単、馬単中心に馬券は2点以内。全く当りませんが、少額で楽しんでいます。


【今までで一番好きな馬は?】
 ヒシアマゾン。初めて競馬場に行ったのは、ヒシアマゾンが出走したオールカマー。あの馬を見たいがために中山競馬場に足を運んだ事から、私の人生は変わりました。ですから、何か1頭に絞らなければならないなら、やはりこの馬が一番、という事になります。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 文句なしにディープインパクト。特に皐月賞、春の天皇賞のパフォーマンスは衝撃でした。


【実況が一番しやすいと思える競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 実況しやすいのは東京競馬場。コースが広く、競馬も落ち着きやすく、全体的にゆったり構えて実況できますし、全10場の中で、最もゴールが見やすい位置に実況席があります。
 逆に実況しづらいのは京都競馬場。道中は非常に実況しやすいのですが、ゴールがかなり遠いところにあり、大接戦で内外離れられると、状況を伝えるのが非常に難しくなります。


【中野アナウンサーは毎年3歳馬の『三冠』レースの実況を担当しています。その3つのレースについて、実況するうえでポイントだと考えている点は?】
 皐月賞は、世代の実力馬が一堂に会する最初の一戦。日本ダービーは祭典であり、究極の勝負。菊花賞は、ひと夏越して最後の世代限定戦。ポイントでは無いかもしれませんが、皐月賞が最も忙しく、ダービーは無我夢中であっという間、菊花賞はその年のメンバーによりまるで質が異なり、最も考えさせられるレース、という事を感じます。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 2002年2月、初めて行った小倉競馬場で、スタートからゴールまで、2着だったある馬に対し、一貫して、違う同じ名前を言い続けた事があります(一つ前のレースに出ていた馬名)。全く気づかないまま実況していて、後で指摘を受け、わかった時は、心底落ち込みました。
 馬の名前の後ろには、オーナー、関係者、そしてファンと、多くの人が存在します。その人たちの、様々な思いのこもった馬名を間違えるのは、実況の失敗の中で、最も失礼な事だと思っています。ですから、以後どうしたらこういうミスを防げるか、自分なりに徹底して考え、実践し続け、今に至っています。その後も、様々なミスをして、その度に落ち込みましたが、同様に、二度と同じ過ちを繰り返さぬよう、気をつけています。


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 「聴きやすく、わかりやすい」そんな実況ができればと、若い頃から一貫して考えています。まずはラジオ(音声)で伝えるのが第一。展開から結末まで、実況からレースがしっかり想像でき、実際のレース(映像)とほぼ同じ印象を持って頂けたなら、それでひとまずは成功なのだと思います。
 次に「レースを壊さない」。我々の仕事は、あくまでレースあっての物。そしてそれ以上の物は、絶対にできません。ですが素晴らしいレースを、実況で台無しにしてしまう事は簡単。そうならないよう、少しでもレースに近づけるよう、日々努めるのみです。


【海外のレースを含めて、今後実況してみたいレースは?】
 国内外問わず、ここまで本当に多くの素晴らしい経験をさせて頂きました。これ以上、贅沢言ってはバチが当る気がします。ですが海外の、例えば英ダービーや愛チャンピオンSなど、経験したことの無いビッグレースに関しては、機会があれば、現地から実況してみたいですね。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 どんな仕事でもそうだと思いますが、その仕事に就いてから、何をするかが全てです。最初は大変ですが、目標を持って、努力し続ける事ができるかどうかで、成功するかどうか、全ては決まる気がします。それができる人に、この仕事に就いてもらえたら嬉しいですね。やりがい、魅力に溢れる仕事である事は間違いありません。断言します。



【私の初○○レース実況】

 私は初重賞実況レース、2001年の東京スポーツ杯2歳ステークスを取り上げます。


2001年(平成13年)11月17日 東京競馬場 晴・良
第11競走 第6回東京スポーツ賞2歳ステークス(GIII) 芝1800m 18頭
1番人気 ローエングリン   牡2 55 武豊
2番人気 アドマイヤマックス 牡2 55 福永祐一
3番人気 セイコーアカデミー 牡2 55 柴田善臣
4番人気 マチカネアカツキ  牡2 55 村田一誠
5番人気 イチロースワン   牡2 55 江田照男


 今と違いこの当時は、特別戦以外、西日本エリアの競馬に触れることができませんでした。そんな中、半数が全く馴染みの無い関西馬であり、フルゲート18頭。「しっかり実況できるだろうか?」そんな事を考えたり、不安になったりもしました。そしてその週、トレセンで翌日の取材スケジュールを考えていた時など、不思議な、味わった事の無い緊張感に包まれてしまった事を覚えています。


 そしてもう一つ、この日は私にとって"初"がありました。主場の後半戦の実況を担当するのも、実は初めてだったのです。東京競馬場で、初めて担当する後半戦。若干の緊張はあったものの、そこにはいつもと違う面白さがあり、楽しみながら実況していました。メインレースもこの調子で、と思ったのですが...やはりその時が来ると、改めて緊張したことを覚えています。


 レース実況はこちらから→聴く


 改めて、久々に聴いてみましたが、緊張云々とは関係無く、色々な意味で若いし下手だし、恥ずかしくなりますね。ですが、この時はこの時で、自分にできる事を必死にやっていました。あれから15年、これからも引き続き、自分の仕事を全うしたいと思います。
 

<レース結果>
1着 アドマイヤマックス 牡2 55 福永祐一 1分48秒2
2着 マチカネアカツキ  牡2 55 村田一誠 2馬身1/2
3着 アブレイズ     牡2 55 北村宏司 3/4馬身

この人も昔から変わらない...? 渡辺和昭アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.09/06 記事URL

私の初○○実況レース【7】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 7人目は渡辺和昭アナウンサーです。「うまきんIII」のパーソナリティーとしてもおなじみの渡辺アナ。はたして初めての時の心境はどうだったのでしょう?


 まず、渡辺アナに質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 学生時代、競馬の結果を電話のニュースに入れるアルバイトをしていて、そこの上司に教えられた。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 やはり、血統や血のつながり、生産者や育成、レースなどさまざまな出来事があること。他の公営競技にはないドラマがあること。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 馬連、3連複が多い。ローリスク、ハイリターンを狙う。


【渡辺アナは「うまきんIII」で披露しているように、いわゆる「ケントク買い」を得意としていることで知られています。最近のヒット作とその狙い方を教えてください】
 今年は春の天皇賞で、1枠1番のキタサンブラックからで、ブラックの2枠のカレンミロティックを相手にできたこと。思わぬ高配当でした! 色のついた馬名は注意したほうがいいですよ!
 あとは、時事ネタですかね。ボンで開かれた第1回先進国首脳会議の際のトウショウサミットとか。何年前の話だよ!


【今までで一番好きな馬は?】
 初めてトレセンに行ったとき、ゴジラみたいに大暴れしていて、その後万馬券を連発し、後に大障害を勝つまでになったブルーフラール。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 シンボリルドルフかな???


【実況が一番しやすい競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 昔の中京は、見やすくて先行馬が有利で馬券も当たって好きでした。(某先輩アナは双眼鏡を使わなかったとか...)


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 いっぱいありすぎて、書ききれません。


【これまでの中継で起きたハプニング、苦労話】
 ファンファーレが鳴り、実況をはじめたF田アナの塗り絵の帽色がずれていて、すぐに帽子のところだけ塗った紙を上から貼りました。あとで、感謝されました。


【ラジオNIKKEIの中継、レース実況は他とはここが違う、と思う点】
 やはり場内放送もやっていて、公平、公正に。でもゴールの表現が甘いというか、ハナ差も言い切れとかいうご指摘もいただきますが...。


【競馬の実況アナウンサー志望者にアドバイスするとしたら?】
 この業界、胴元が一番。実況アナは、安い給料で、土日も休みがないんですよ! ホントに大丈夫ですか???


【私の初○○レース実況】
 初めて実況した重賞レースのウインターSですかね?と思ったら、初めてはその前月の、京都のデイリー杯3歳Sのようでしたが、勝ったヤマニングローバルが競走中に骨折をしていたらしく、勝った記念写真が骨折のレントゲン写真だった。という話くらいしか覚えていないのですよ! やはり、必死だったのでしょうね。


 2戦目の、1989年12月3日の第6回ウインターSですかね。これはよく覚えています。今は東海Sに名前を変えていますが、当時は暮れのダートの2200m戦でした。そりゃ重賞実況ですから、いろいろ新聞は見ましたよ! 中京のダートの長いところは、コーナーもたくさんあるから、先行馬が有利。しかも外枠が来る印象が強かったので、8枠のマルトラックを軸にしていたのかな?


1989年(平成元年)12月3日 中京競馬場 晴・良
第11競走 第6回ウインターステークス(GIII) ダート2200メートル 出走馬14頭
1番人気 オサイチブレベスト 牡5 58 西浦勝一
2番人気 ソダカザン     牡5 57 横山典弘
3番人気 ダイナオリンピア  牡6 58 本田優
4番人気 マルブツスピーリア 牡3 54 加用正
5番人気 ダイタクジーニアス 牝5 55 西橋昇


 レースは、マルブツスピーリア(加用)が先行、マルトラック(須貝尚)は3番手、1番人気のオサイチブレベスト(西浦)や前年覇者のソダカザン(横山典)はあまり伸びてこない。というより、枠連1-8を買っているものだから、希望もこめて、ソダカザンは馬の影にかくれて見えていないから実況にも出てこない。ヒドイね。まあ、ゴールした瞬間は万馬券なんだろうな? マル、マル馬券で当たったなということくらいしか覚えていない、ひどい実況でした。


 レース実況はこちらから→聴く


 後に、プラザエクウスで実況を見たときは、顔から火がでましたよ!ちなみに枠連1-8は12,460円でした。枠連しかない時代ですからね。うれしかったことしか覚えていません。ジャンジャン!


<レース結果>
1着 マルブツスピーリア 牡3 54 加用正  2分21秒2
2着 マルトラック    牡3 54 須貝尚介 1/2
3着 ダイナオリンピア  牡6 58 本田優  1馬身3/4

最初はやはり、必死になって。檜川彰人アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.08/02 記事URL

私の初○○実況レース【6】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 今回は、桜花賞など関西の牝馬限定のGIレースを担当している檜川彰人アナウンサーです。
 檜川アナは、ラジオNIKKEIが不定期に放送している『アニソンポッド』のパーソナリティーとしても知られています。『アニソンポッド』が放送されると、毎回ネット上でこの番組についての情報が飛び交うことは有名です。競馬中継の時とは別の顔を持つアナウンサーと言えます。そんな檜川アナですが、はたして初めての時の心境はどうだったのでしょう?まず、檜川アナに質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 ラジオNIKKEI(ラジオたんぱ)に入社してから。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 自らがそのイベントに馬券という形で参加できるところ。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 単複がほとんど。好きな馬、応援している厩舎の馬。


【今までで一番好きな馬は?】
 ナリタハヤブサ


【今までで一番強いと思う馬は?】
 距離によって違うので比較は難しいです。


【実況が一番しやすい競馬場と一番難しいと思う競馬場、その理由】
 実況しやすいのは京都競馬場。全体的に見やすい気がします。単なる慣れかも...。やりにくかったのは右回り時代の新潟競馬場。ラストの直線の西日が厳しかったのを覚えています。


【檜川アナウンサーは毎年、桜花賞など関西の牝馬限定GIレースを担当しています。その4つのレースの中で一番難しいと思うレースは?】
 秋華賞です。京都芝内回り2000メートルは何が起こるかわからないですからね。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 間違えたのを除いたら、ゴール前、後を深追いしすぎて前が入れ替わったのを実況できなかったとき。馬がワープしたような実況でした。


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 間違えない、奇をてらわないこと。


【海外のレースを含めて、今後実況してみたいレースは?】
 まだ喋ったことの無い競馬場のレースならどこでも。数多くの競馬場で喋りたいです。


【今は小倉競馬の真っ最中です。関西のスタッフは皆「夏の小倉は楽しい!」と言いますが、どんなところが楽しいのでしょう?】
 競馬場に通うのが楽で朝がゆっくり。それに祭りの季節だから。


【競馬の実況アナウンサー志望者に向けて一言】
 人によって考え方はそれぞれですが、競馬から入るのでは無く、まずアナウンスの勉強から入ってもらいたいです。それと大学を卒業している方が門戸は広くなると思います。


【私の初○○レース実況】
 初めて実況したレースは、秋の福島の小頭数のレースで、確かアラブの未勝利かオープンだったと思います。自分の声が競馬場内に響いてガチガチになりました。また、その日の担当になっていたレースで、増沢末夫騎手がJRA初の通算2000勝を達成しそうだったレースでは先輩アナと実況を交代した覚えがあります。
 初めて実況した重賞レースは、1993年のクリスタルカップです。セントミサイルが勝った時ですね。あの当時は馬を追うのが必死で未勝利も重賞も関係ない感じでした。


1993年(平成5年)4月17日 中山競馬場 曇・良
第11競走 第7回クリスタルカップ(GIII) 芝1200メートル 13頭
1番人気 セントミサイル   牡3 55 田面木博公
2番人気 エーピーグランプリ 牡3 55 柴田政人
3番人気 ビコーアルファー  牡3 55 芹沢純一
4番人気 エーピーパーティ  牡3 55 安田康彦
5番人気 バリアントウイナー 牡3 55 小野次郎


 レース実況はこちらから→聴く


<レース結果>
1着 セントミサイル   牡3 55 田面木博公 1分08秒3
2着 バリアントウイナー 牡3 55 小野次郎  2馬身1/2
3着 ビコーアルファー  牡3 55 芹沢純一  1/2馬身


 それからステイゴールドが勝ったドバイシーマクラシック。日本調教馬が初めてドバイで勝った瞬間を実況できたこと。私の宝物の実況です。

大ベテランでも最初は...。佐藤泉アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.07/12 記事URL

私の初○○実況レース【5】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 第5回は、佐藤泉アナウンサーです。これまで30年以上レース実況をしてきたベテランアナウンサーです。ホーリックスにオグリキャップが詰め寄ったジャパンカップ、ダイユウサクが激走した有馬記念、柴田政人騎手が悲願を達成したダービー、またドバイなど海外での実況も数多く担当してきた佐藤アナ。果たして初めての時の心境はどうだったのでしょう?


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 中学時代から日曜日のスポーツ中継のひとつとしてテレビで見ていました。


【自分が思う競馬の魅力、面白さとは?】
 生産者から育成、オーナーをはじめ売買に関わる人々、レースへ送り出す調教師、厩舎スタッフ、騎乗する騎手など多くの人が1頭の馬の勝利を目指して関わっていること。馬券で言えば「これでベスト」と思った予想でもなかなか当たらないこと。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 単勝、複勝。勝ちそうな馬を財布とオッズを参考にしながら。


【3連単が的中して100万円をゲット!さぁ、どうする?】
 とりあえず払い戻す。現金化する。知り合いに触れ回る。その時の状況によって使い道は様々だろうと想像しますが。


【今までで一番好きな馬は?】
 そんなことを考えていたら答えを出すのに数年かかりそうな気がするのですが、競馬を見はじめた頃の馬なら秋の福島で3連勝して翌年のクラシック路線を歩んだイシノマサル。両前脚を広げるようにして走る愛嬌のある馬でした。牝馬では80年代後半に活躍したワンダーヒロイン。体重400キロ前後の小さな体でつぶらな瞳の可愛い顔が印象に残っています。この馬の血統には美人顔が多かったように思います。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 競走馬は年々進化しているので最近の馬が一番強いのではないかと思いますが、1頭と言われると「わかりません」としか言えません。


【実況が一番やりやすい競馬場とやりづらい競馬場、その理由】
 新潟の直線1000メートル:序盤は正面から見る形で位置関係が掴みづらい上に、ゴール地点も実況席から見下ろす形でこれまた位置関係がわかりにくい。
 中京の芝1200メートル:スタート直後だけでなく3コーナーの緩やかなカーブでレースに動きがあるので隊列を順序だてて描写しづらい。モタモタしているうちに4コーナーになってしまう。コース改装後は枠の有利不利がなくとてもスムーズにコーナリングできるようになったのですが、それが実況が難しくなった原因かもしれません。


【海外での競馬中継で苦労したことは?】
 凱旋門賞の実況をした帰りに1時間近くタクシーを待っていた列で、隣にいた英国人の酔っ払いの男性にさんざん絡まれたこと。ドバイからの帰りの飛行機の乗り継ぎ便がギリギリまで取れずいつ帰国できるかわからず途方にくれたこと。英国やフランスで文字で記された出走馬の服色を翻訳する作業に半日近くかかったこと。今になれば楽しい思い出ですが。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 馬名を間違う、馬を別の馬と見誤る、馬名があやふやになる、位置関係が聴いていてわからない、声がまともに出ない、ゴールを前に息切れする、大レースなのに気合が入らない、等々、多すぎて書ききれません。


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 映像のない所で音声だけ聴いている人にどう伝えるか、どう伝わっているのかは時折立ち止まって考えていたい。
 レースの状況、動きをわかり易く伝えること。気持ちをしっかり出し切ること。これらは忘れがちなので常に心がけたいと思っています。


【海外のレースを含めて、一度は実況してみたいレースは?】
 特にありません。敢えて挙げればオリンピック陸上競技のトラック種目。


【競馬の実況アナウンサー志望者に向けて一言】
 競馬への興味よりも、アナウンス技術や日本語、言葉への興味と関心を持っていただきたい。さらにスポーツ全般はもちろん、周囲の意見に左右されないための幅広い知識と実証する力を身に付けて欲しいとは思います。


【私の初GIレース実況】
 初めてGI競走の実況を担当したのは1988年の皐月賞。ラジオたんぱに入社して8年目、放送で実況を担当させてもらえるようになって6年に満たない時。日本の競馬にグレード制が導入されてからまだ5年目の年でした。
 この年の皐月賞は、中山競馬場の改修工事の影響で東京競馬場での開催。初めて大きなレースを実況するということでちょっと気合が入り過ぎた感じでレースを迎えました。枠入りの悪い馬がいてファンファーレが鳴ってからスタートまで時間が少しかかりましたが、現在のようにファンの過剰な盛り上がりがあったわけではないので気持ちが煽られることなく、いざゲートが開いていつものようにレース実況...のはずだったのですが。


1988年(昭和63年)4月17日 東京競馬場 晴・良
第10競走 第48回皐月賞(GI) 芝2000m 18頭
1番人気 モガミナイン   牡3 57 安田富男
2番人気 サクラチヨノオー 牡3 57 小島太
3番人気 トウショウマリオ 牡3 57 柴田政人
4番人気 モガミファニー  牡3 57 原昌久
5番人気 マイネルロジック 牡3 57 東信二


 レース実況はこちらから→聴く


 喋り出してみると、どうもいつもと違う。どこか気持ちが舞い上がっていたのでしょう。いつもは簡単に判別できるはずの騎手の服色が良く見えない。背景の木の中に騎手の服色が消えている感じでした。しかもレース中馬群が何回かギクシャクするシーンもあり、実況で何頭か飛ばして(見落として)しまって、3コーナー過ぎには自分で自分に腹が立つ状態。「いったい、何やってんだよ、俺」そう思った瞬間に開き直れたのか少し力が抜けて、そこからはある程度しっかりとレースを描写できたような気がします。
 最後の直線で伏兵ヤエノムテキが内側から抜け出しかけ、さあ何が追い込んで来るのか?と思った時に真っ先に目に飛び込んだのがディクターランド。


 話は半年ほど遡りますが、前年の函館出張の前に休みを取って函館競馬場に早入りして、大阪勤務時代に親しくしていた関西の記者と一緒に函館3歳ステークスの調教を見ていました。そこで目立った動きを見せていたのがディクターランドでした。その動きそのままにディクターランドは函館3歳ステークスを快勝。3歳(当時)のこの時期に調教でこれだけ動く馬はどこかで大きな仕事をするに違いないと思ったものです。その記憶がどこかに残っていたせいで、この時のディクターランドの描写は「やはり来たか」という気持ちが表れていたように思います。


 ゴール後、またレース前の気合の入り過ぎが表に出てしまい、やたらといらないことを喋ってしまいました。初のGI実況は反省することばかりで多くの課題を与えてくれました。
 皐月賞初騎乗だったデビュー3年目の横山典弘騎手、デビュー2年目の武豊騎手は共に失格。今やトップジョッキーの2人にとってもほろ苦いレースだったのではないかと思います。


 しかし、その後の最終レース。皐月賞とはうって変わって楽に馬が判別できて、とてもスムーズな実況ができたという記憶が残っています。


<レース結果>
1着 ヤエノムテキ   牡3 57 西浦勝一 2分01秒3
2着 ディクターランド 牡3 57 菅谷正巳 3/4
3着 サクラチヨノオー 牡3 57 小島太  1/2

高まる緊張。ラジオNIKKEI最若手・山本直アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.06/07 記事URL

私の初○○実況レース【4】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。


 第4回は、現在アナウンサーの中で一番の若手の登場です。今年で入社4年目、4月には福島でメインレースの実況も担当した山本直アナウンサーです。ラジオNIKKEI期待のホープにいろいろ聞いてみました。そして、初めての時のことを語ってもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 両親、特に父が競馬ファンだったので、生まれた頃から。(正確には生まれる前から?)


【競馬のレース実況をしてみたいと思ったのはいつ頃だった?】
 子どもの頃、中学生になるまで、くらいだったと記憶しています。


【実際にレース実況をするアナウンサーになってみて、今思うことは?】
 思いも寄らないところに落とし穴がある仕事だな、と。(笑)


【自分が思う競馬の魅力、面白さとは?】
 自分の立てた仮説が正しくてもそうでなくても、すぐに答えを見せてくれるところ。昼3時の1時間だけでも、朝9時に開門ダッシュしてうなだれながら夕方5時に競馬場を出ても「競馬をした」と言えるところ。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 「軸に夢はなく、相手に夢を持って」
 人気馬から穴馬への馬連、ワイド。複勝100円の馬から買って万馬券になった!が理想ですが、まだかなえていません。


【3連単が的中して100万円をゲット!さぁ、どうする?】
 パソコン、タブレット、携帯を新しくしたい!夢がない...。


【今までで一番好きな馬は?】
 オグリキャップ。あんなスター、もう出てこないんだろうな、と映像を見るたびに思います。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 サイレンススズカ。展開を自力で作って、相手に何もさせない、その強さを生で見たかったです。


【実況が一番やりやすい競馬場とやりづらい競馬場、その理由】
 やりやすいのは福島競馬場。馬が近いし、レース展開も分かりやすいです。
 やりづらいのは新潟競馬場。どう考えても双眼鏡が2つないと目が追いつかない。


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 直線で4頭が広がった後、1頭が失速。その1頭と、残った3頭のうちの1頭を言い間違えて、ゴールイン。確か実況をはじめた2週目で、背筋が凍りました。


【今年の夏、初めて函館と札幌に行きます。楽しみにしていることは?】
 久々に乗る飛行機!と、海が見える競馬場!と、グルメ!と、夜の街......全部です。(笑)


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 どのレースも誰かのラストランかもしれないし、どのレースも誰かの勝負レースかもしれない。だから、勝った馬も、負けたとはいえ見どころがあった馬も、言葉に残せるような実況がしたいな、と思っています。


【海外のレースを含めて、一度は実況してみたいレースは?】
 ブリーダーズカップクラシックです。ケンタッキーダービーもそうですが、1頭だけバテなかった馬が勝つレース。でも、実況する私が早々に脱落しそう。


【競馬の実況アナウンサー志望者に向けて一言】
 ずっと競馬を見てきた私から見て「えっ、こんな見方してるの?」というファンの方がたくさんいます。その人たちも含めて、競馬場、ウインズ、グリーンチャンネルなどのテレビ媒体、レーシングビュアーなどのネット環境、そして我らがラジオ放送まで含めて、あらゆるリスナーの皆さんが納得する実況ってなんだろう、と考える、明るく楽しい職場です。一言じゃなくて、すみません。


【私の初レース実況】
 2015年1月10日、中山競馬場の1レース。ダート1200メートルの未勝利戦。
 内示が出たのが1ヶ月くらい前、つまり12月の早い時期だったと思います。「そろそろ実況やらなかったら給料泥棒だしなー」と思っていたので、やっと実戦で実況することが許されたのか、という思いがありました。緊張はあまりしませんでした。その後も、いろんなところで言われて「いじらないで、そっとしといて」とは思いましたが、緊張が高まることはなかったです。


 でも、レース当日は全然違いました。実況アナは放送以外に、本馬場入場も担当するのですが、そのマイクのスイッチを見たときにグッと緊張が高まりました。押すと「しばらくお待ちください」というランプが光って、すぐに「放送できます(つまりしゃべれますよ)」というランプに切り替わるんです。「他人様の家にお邪魔する感覚」とでもいえばいいのでしょうか。
 実際に馬場入場でしゃべり始めると、スピーカーから自分の声が拡散されていく様子が分かって、さらに緊張を高めてくれました......。そこから返し馬や輪乗りをしている馬を見て、覚えていくんですが、16頭中13頭までは覚えられるのに、そこから先は1頭覚えると1頭忘れていくんです。実況練習ではそんなことはなかったのに。



2015年(平成27年)1月10日 中山競馬場 晴・良
第1競走 3歳未勝利 ダート1200m 16頭
1番人気 トゥルームーン  牝3 54 木幡初広
2番人気 ユメノマイホーム 牝3 54 津村明秀
3番人気 スズダリア    牝3 54 後藤浩輝
4番人気 トリアンドルス  牝3 54 内田博幸
5番人気 ドリームメモリー 牝3 54 田辺裕信


 レース実況はこちらから→聴く


 実況をする前に「あーこれダメだ。自動車教習所の教習みたいに、左見て右見て、ゆっくりしゃべろう」と思ったのは覚えています。残念なことに、実戦はあまり記憶がなくて...。担当レースが終わって、パドックブースに移動したときに全身の力が抜けたのを覚えています。


<レース結果>
1着 トゥルームーン 牝3 54 木幡初広 1分13秒0
2着 トリアンドルス 牝3 54 内田博幸 1馬身1/4
3着 スズダリア   牝3 54 後藤浩輝 3馬身1/2


 そう、最初のレースが終わった後、ディレクターが馬券をくれました。文字通りの「記念馬券」ですね。いまだに取ってあります。



 それから1、2ヶ月後くらいでしたか、ある番組の「AKB48のメンバーが競馬に挑戦!」という企画で、このレースが使われていたんです。永尾まりやさんはそのときからファンになりました。できればそっちの馬券が欲しかったなー、なんて、言わないよ絶対。

できたてホヤホヤ、実況したてホヤホヤ。大関隼アナウンサーの"初" [私の初◯◯実況レース]
2016.05/17 記事URL

私の初○○実況レース【3】


 現在ラジオNIKKEIの競馬中継を担当している男性アナウンサーは12人。その12人のアナウンサーが、自分が初めてレース実況を担当した当時のことについてアツく語ります。それぞれの「初◯◯実況」について各アナウンサーが振り返り、当時の思い出、エピソード、そして今競馬に対して考えていることなどを書き綴ります。もちろんそのレースの実況もお聴きいただけます。
 また、各アナウンサーに、アンケート形式で同じ質問に答えてもらいます。それぞれの考え方の違い、普段の番組からは窺い知ることのできない内面や「個性」が、少しばかり分かるかもしれません。
 第3回は、まさに最近初体験をしたアナウンサーです。今月8日に東京競馬場で行われたNHKマイルカップの実況を担当して、「初GIレース実況」を経験したばかりの大関隼アナウンサーです。はたして初めての時の心境はどうだったのでしょう?


 まず、大関アナに質問に答えてもらいました。


【競馬を知った、レースを見るようになったのはいつ?】
 幼稚園の時ですから、1988年頃でしょうか。ハイセイコー以来の競馬ファンだった父親に、テレビの競馬中継を見せられたのが全ての始まりでした。ちなみに、初めて競馬場に連れて行かれたのは1985年、ミホシンザンが勝った皐月賞の日の中山でした。当時1歳7か月。


【自分が思う競馬の魅力、面白さ】
 噛めば噛むほど味が出る、と言うのでしょうか。馬から、ジョッキーから、血統から、アプローチする道はたくさんあって、そこから長く競馬を続けていくと、自分なりの色々な楽しみ方が見つかってくるものだと思います。
 大関が入社1年目に見たダービーを勝ったウオッカが今や母親になり、その年の有馬記念を勝ったマツリダゴッホも今や父親、その子供がデビューしています。長く見ていても決してマンネリにならない、次から次へと楽しみが出てくる競馬って、やっぱりいいなーと思うのです。


【主に買う馬券の種類、狙い方】
 単複やワイドを「1点勝負」で買うのが好きです。「手を広げて買ったのに相手が抜けてリターンが全くない」というのはとにかく悔しいので、「だったら最初から思いっきり絞って、1点で買おう」という思考に行き着いたわけです。これなら外れても、まだ諦めがつきますから。


【ついにWIN5を的中させ、1000万円をゲット!さぁ、何をする?】
 800万円を嫁さんに、200万円を自分が。


【今までで一番好きな馬は?】
 肩入れした、という意味ではコスモバルク。地方から中央に挑んで、評判の血統馬、セリで高値取引された馬たちを負かし...というストーリーは地方出身者として、凄く応援したくなるものでした。
 あとはオグリキャップ、タイキブリザード、ナリタトップロード、ベッラレイア。「悲願達成までもう少し」という馬に肩入れしたくなる性格のようです。


【今までで一番強いと思う馬は?】
 1頭に選ぶのは無理。競馬好きが集まって居酒屋でビール片手に議論してみても、多分話は纏まらないでしょう。でも、逆にそれが競馬の面白いところじゃないかな、と思います。


【実況しやすい競馬場としづらい競馬場、その理由】
 個人的には、初放送内実況、初ローカル出張、初メイン実況、初重賞実況の場所で思い入れの深い、小倉が実況しやすいですね。意外に思われるかもしれませんが、小回りなので「早く仕掛ける馬がいる」と逆に想定しながら実況できますし、双眼鏡越しに馬が大きく見えるので迷わず言える安心感があります。
 ちょっとやりづらいのは京都。スタンドからコースまで距離がある上に、目の前を馬が走り抜けて行った先にゴールがある(いわゆる追いゴール)というコースなので、接戦になると怖いです。あと、新潟の芝外回りの3コーナーで馬群が密集すると「あれっ、あの馬は何だろう」と戸惑ってしまうことも少なくありません。ただでさえ遠くで見づらいのに!


【過去に「失敗した~!」と思った、実況でやってしまったことは?】
 2013年9月17日の阪神メイン、仲秋ステークスです。2番の「ノーブルジュエリー」がゴール前で内から抜け出して勝ったのですが、最後の最後で塗り絵を確認したときに甘かったのでしょうね。隣にいた1番の「ノーブルディード」という馬の名前に目が行って「ノーブルディード、ゴールイン!!」と言ってしまったのです。まだ残暑厳しい秋の阪神でしたが、気が付いた瞬間体が震え出し、冷水を掛けられたような寒気が襲ってきました。
 当然、レースの実況は録り直すことに。その夜は酔い潰れるまで、一人家で缶ビールを何本も開けていました。


【レース実況について思うこと、心がけていること】
 レースの実況だけを聴いた人が、後で映像を見たら「あっ、実況を聴いて頭の中で浮かんだ映像と同じだ!」と感じて頂けるような実況が理想だと考えています。
 実際のレースを100パーセント再現することは無理だけれど、レースの勝負の分かれ目になったようなポイントはしっかりと音で伝える、そんな実況が出来れば良いですね。それとかけ離れた実況ばかりで、毎週落ち込んでいますが...。


【海外のレースも含めて、一度は実況してみたいレースは?】
 桜花賞。冬が終わっていよいよ胸高鳴るクラシックが幕を開け、満開の桜をバックに馬が走って行く。日本の四季の美しさと、風情を一番感じられるレースだと思っているので。


【競馬実況アナウンサーの志望者にアドバイスするとしたら?】
 古臭い思考かもしれませんが「努力・忍耐・根性」を持つ人間であってください。あなたが実況アナウンサーになったら、ファンの方々は小さなミスも聞き逃しません。レース中に1回だけキングヒーローとトウケイヘイローが混ざって「キングヘイロー」と言い間違えただけでも、すぐにその事実はネット上に広がり、その証拠は永久に残ることになる時代です。
 プロならば完璧にやって当たり前、と見られ、ちょっとミスすれば容赦ないお叱りが飛んでくる立場になります。そんな世界で生き残るために努力し、「負けるもんかと歯を食いしばり、耐えて忍ぶ」事ができる根性があるか?胸に手を当てて考えてみてください。


【私の初GIレース実況】
 今年のNHKマイルカップ。正直、「ついにGIを実況できる」という嬉しさより、プレッシャーの方が大きい状態でした。しかも確たる中心馬が3歳マイル路線に不在の状況で難しいだろうな...という事も余計にプレッシャーを大きくしていました。
 そこへメジャーエンブレム、ロードクエストと、ハイレベルと言われるクラシック路線から回ってきた馬が2頭。お互い逃げ、追い込みと脚質がハッキリしていて、かつ今回はどちらの陣営も「今回は自分の競馬に徹する」と宣言。「逃げるメジャーエンブレムvs一気に追い込むロードクエスト、あとはマイル路線組に崩せる馬がいるか」という組み立てやすい構図になりました。



(↑大関アナが実際にレース実況で使った「塗り絵」)


2016年(平成28年)5月8日 東京競馬場 晴・良
第11競走 NHKマイルカップ(GI) 芝1600メートル 出走馬18頭
1番人気 メジャーエンブレム 牝3 55 C.ルメール
2番人気 ロードクエスト   牡3 57 池添謙一
3番人気 イモータル     牡3 57 戸崎圭太
4番人気 ティソーナ     牡3 57 M.デムーロ
5番人気 トウショウドラフタ 牡3 57 田辺裕信


 レース実況はこちらから→聴く


 とは言っても、いつもと全く競馬場の雰囲気が違って歓声も大きい中で緊張しない訳がなく、ゴールまで無我夢中でした。直線は逃げるメジャーエンブレムに並ぶ馬がいるか、まだ止まらない、残り200でも止まらない...と見ていましたが、悔やまれるのはロードクエストの位置を直線で早めに確認しなかった事。残り200を切ってからようやく出てきたくらいじゃダメです。一度でも確認していれば、3着争いを確かめる余裕もできたのに!(だから最後の最後で伸びてきたレインボーラインまで言えなかったのです)
 道中で馬の名前は間違えるし、ゴール後なかなか3着馬も言わない。きっと広瀬伸一さんも「お前、聴いている方々に失礼極まり無いあの実況は何だッ!」と天国からお叱りでしょう。


<レース結果>
1着 メジャーエンブレム 牝3 55 C.ルメール 1分32秒8
2着 ロードクエスト   牡3 57 池添謙一   3/4
3着 レインボーライン  牡3 57 福永祐一   クビ


 とにかく無事に終わって良かった、それだけが救いでした。終わった後ぐったりしていると、茨城の親族から学生時代の友達、大阪支社勤務時代に知り合った方々まで連絡が入ること入ること。自分の初GI実況を楽しみにしてくれていた人はこんなにいたのかと嬉しくなりましたが、だからこそもう少し何とかならなかったのか、と悔しい気持ちで今キーボードを叩いています。とにかく、これを次に生かさないと!
 ちなみに、NHKマイルカップの塗り絵は、当日競馬場に呼んだ両親に渡しました。前々から「初めてGIを実況する時には、両親を競馬場に呼びたい」と思っていたので、これで少しは親孝行出来たかな...。

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