番組紹介

主催:ラジオNIKKEI  共催:田辺三菱製薬

2015年2月26日に配信いたしましたインターネット・ライブ講演会の模様を、解説用のスライドとともにご覧いただきます。

新着記事

患者さまための「乾癬」Webセミナー オンデマンド [Webセミナーオンデマンド]

2015.03/23 ディレクター 記事URL



 <オープニング・リマークス>

 東京逓信病院 皮膚科
 部長  江藤 隆史 先生









 <講演1「乾癬は皮膚だけの病気ではありません」>

 帝京大学 医学部 皮膚科学講座
 准教授 多田 弥生 先生








 <講演2「関節症状...乾癬との深い関係」>

 名古屋市立大学 大学院 医学研究科 加齢・環境皮膚科
 教授  森田 明理 先生


皆様から寄せられた質問と回答 [皆様から寄せられた質問と回答]

2015.03/23 番組スタッフ 記事URL

乾癬Q&A

こちらの質問と回答集は、PDF形式でダウンロードできます。



【Q1】
乾癬は感染する病気ですか?家族にうつるのではと心配です。

【A1】
乾癬は体質や環境要因が重なり発症する病気と考えられています。最近の研究では免疫機構の異常が関わっていることもわかってきました。その病名の読み(かんせん)によって誤解される人もいますが、他人にうつることは決してありません。
ご家族や周囲の人にも正しく理解いただくことが大切です。今回のようなセミナーや患者会にもご参加いただき、正しい乾癬の情報を入手してください。(江藤先生)

【Q2】
かゆみを軽減する方法はありますか?かきむしって悪化してしまうため、真剣に悩んでいます。

【A2】
乾癬の症状の中でもっとも患者さんが気になる症状のひとつとしてあげられるのがかゆみです。アトピー性皮膚炎に比較し、かゆみのイメージの少ない乾癬ですが、報告によっては80%以上の方がかゆみで苦しんでいる、というものもあります。また、診察室でも「見た目はともかく、このかゆみをなんとかしてほしい」という訴えも多いです。一方、かゆみを直接客観的に測定する指標がないため、どの治療がもっとも乾癬のかゆみに有効なのか、まだ、十分にわかっていません。ただ、免疫抑制剤、光線療法といった治療はかゆみに対する効果が高いということが言われていますし、生物学的製剤加療によって、皮膚症状がなおるにつれ、かゆみがとれてくることも知られています。かゆみはこのように治療によって軽減できる可能性もありますので、ぜひ、皮膚科の先生にご相談ください。
(多田先生)

【Q3】
皮膚以外に現れる乾癬の症状として、どのようなものがありますか?

【A3】
乾癬は単なる皮膚だけの病気ではなく、免疫の異常が関わっている全身性の炎症疾患と最近では考えられるようになりました。皮膚以外の症状としては、関節の腫れや痛み(関節症状)、眼が見えにくくなる(ぶどう膜炎)などが挙げられます。また乾癬はメタボリックシンドロームや動脈硬化、心筋梗塞とも結びついていることが指摘されています。メタボリックシンドロームと乾癬の重症度、乾癬の治療効果との関連性もいわれており、メタボリックシンドロームの構成要素、つまり、肥満、高脂血症、高血圧、高血糖といったものにつながる生活習慣の改善も乾癬の治療においては大切と言えます。(多田先生)

【Q4】
乾癬が悪化すると命にかかわることはありますか?

【A4】
乾癬自体が直接死因になることはありません。
しかし、乾癬に伴う免疫の異常が関連する全身性の炎症疾患として、動脈硬化や心筋梗塞があることも言われはじめています。実際に2006年に発表されたイギリスの疫学研究では、重症の乾癬患者さんで心筋梗塞の発症リスクが上昇することが示されました。したがって、乾癬を重症のまま放置することなく積極的に治療を行うことはこうした乾癬の併存疾患の観点からも重要と言えます。(多田先生)

【Q5】
皮疹が増えないようにする方法はありますか?

【A5】
乾癬は皮膚への刺激や風邪などの感染症、ストレスにより悪化することが知られています。したがって、これらをできるだけ回避するような工夫をおこなうことは重要です。かゆみのため皮膚をかくと、かいた痕が乾癬になりえます。衣服による「こすれ」でも治りにくくなることがあります。そのため、柔らかい素材のゆったりとして衣服を選んでいただくことをお勧めします。
感染症に対しては、予防が大切になります。インフルエンザや風邪が流行しやすい季節にはマスクを着用すると同時に手洗い、うがいを心がけてください。
もちろん、処方されているお薬を医師の指示通りに使用することは最も重要です。もし、いま処方を受けているお薬が合わないようでしたら、治療を担当されている先生に伝えてください。(多田先生)

【Q6】
かかり付けの病院では、乾癬は治せないと聞いていますが本当なのでしょうか?
7~8年も塗り薬を処方され、頭皮を中心に毎日塗り続けています。

【A6】
乾癬は体質や環境要因、悪化要因が重なって発症すると考えられています。残念ながら根治する方法はまだ見つかっていませんが、医学の進歩に伴って治療薬も増え、以前と比べると格段にコントロールできるようになりました。新しい治療によって皮膚の症状がなくなってしまい、乾癬の症状を感じずに生活することもできる患者さんもいらっしゃいます。塗り薬以外の治療選択肢についても、ぜひ、主治医の先生と相談してみてください。(多田先生)

【Q7】
関節症状があります。なぜ関節に症状があらわれるのですか?

【A7】
乾癬は、主に皮膚に症状が出る疾患です。症状の出ている皮膚では、TNFαをはじめとする炎症を起こす物質が増えすぎ、活発に働いています。乾癬の患者さんの中には、皮膚だけでなく関節にもこれらの炎症物質が増加し症状を起こしていることが考えられます。
また、関節症性乾癬の患者さんでは、アキレス腱や指の腱や靭帯が骨とつながる部分に炎症が起こる付着部炎が特徴的な症状として現れることがあります。これは、乾癬の皮膚症状でも見られるケブネル現象*が関節の付着部でも起きていると考えられています。(森田先生)
*ケブネル現象:正常な皮膚に引っ掻くなどの物理的な刺激を加えることによって、乾癬の皮疹が出てくる現象

【Q8】
関節症性乾癬の治療方法について教えてください。

【A8】
関節に痛みや腫れなどの症状がある場合には、少数指趾型のような腫脹・疼痛関節が少ない場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬や関節リウマチの治療に用いられる抗リウマチ薬などから治療を開始します。一方、関節炎を起こしている関節数が多い場合や機能障害が強い場合には、生物学的製剤が関節症性乾癬の治療薬として用いられています。生物学的製剤は、皮膚症状だけでなく関節の痛みや腫れ、さらに関節破壊の抑制効果も認められています。
症状の程度や部位によって治療薬を選択することになりますので、主治医の先生とよく相談し適切な治療法を見つけることが大切です。(森田先生)

【Q9】
乾癬とリウマチは関係があるのでしょうか?

【A9】
乾癬と関節リウマチは、免疫の異常が原因で病気が生じる自己免疫疾患という点では同じ種類に分類されます。乾癬では主に皮膚に症状が出るのに対し、関節リウマチでは主に関節に症状が現れるという点では違いがあります。また、関節症性乾癬では関節リウマチと同様に関節に症状がでるためよく似ていますが、付着部炎を起こしやすかったり、症状の出やすい関節に違いがあったり、血液検査で分かるリウマチ反応が関節症性乾癬では陰性に出ることが多いなど違いがあります。(森田先生)

【Q10】
脚に力が入りにくく太ももがだるくなり、アキレス腱も痛いと先生に伝えると、強直性脊椎炎の検査をしてみましょうと言われました。乾癬から強直性脊椎炎になることはあるのでしょうか?

【A10】
乾癬の患者さんが、強直性脊椎炎に類似した病態(強直性脊椎炎型)を合併することもあります。関節症性乾癬か強直性脊椎炎かを明確に判断することは難しい場合もありますので、検査結果や経過を見ながら判断することもあります。ただ、いずれにおいても関節症状に対する治療法は非ステロイド性鎮痛薬や抗リウマチ薬、生物学的製剤などの薬物療法を行うことになります。主治医の先生とよく相談し患者さんに合った治療法を見つけることが大切になります。(森田先生)

【Q11】
光線療法を行うことで癌になる心配はないですか?

【A11】
光線療法を行うことで癌になる可能性については、様々な報告があります。一般的には、光線療法の実施回数が増えれば増えるほど、その危険性は高まると言われていますが、ナローバンドUVBであれば、通常の診療で行われている範囲ではそれほど心配する必要はありません。ただ、光線治療が長期に行われている場合や実施回数が数百にもおよぶ場合には、一度主治医の先生にご相談し、治療方法の見直しを定期的におこなうことがすすめられます。(森田先生)

【Q12】
乾癬について継続的に情報を得るにはどうすればいいですか?

【A12】
乾癬に関する情報は、最近ではインターネットでも患者さん向けの情報サイトがたくさんありますので比較的入手しやすくなってきていると思います。
また、現在、全国21都道府県に乾癬患者会が誕生しています。その患者会で相談医を交え勉強会や交流会が定期的に行われています。同じ環境にある患者さん同士で意見交換ができる非常に有意義な会ですので、一度参加されてみるのも良いのではないでしょうか?(江藤先生)

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