第14回「赤ちゃんを助けたい-新生児科医の挑戦」テキストデータ版(2015.08.18放送) [グローバルヘルス・カフェ]
2015/08/21(金) 15:17

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聴く「第14回「赤ちゃんを助けたい-新生児科医の挑戦」(2015年8月18日放送分)」


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター)
ヨーコ:香月 よう子(フリーアナウンサー)
岩本:岩本 あづさ(国立国際医療研究センター/医師)


■ カフェへようこそ!

ヨーコ:お元気ですか、グローバルヘルス・カフェ、香月よう子です。国際医療協力にかかわる人たちが通うカフェってちょっと変わってませんか。ここのマスターはとても面白いので、わたし気に入って通っています。それではさっそく、カフェに入ってみましょう。

マスター:グローバルヘルス・カフェのマスターの明石です。あそこにいるのは岩本さんですね、いつも常連で来てくれてんですけれども、彼女は新生児科の医者なんです。彼女と最初に出会ったのは阪神大震災の現場で会いましたね。

ヨーコ:マスター、何ぶつぶつ言ってるの?

マスター:いや、ちょっと新生児科のことについて考えてたんだ。

ヨーコ:新生児科?
マスター:よくわからないでしょ。
ヨーコ:うん。
マスター:一生のうちで最初の、生まれて初めて28日間、まあ1カ月ですよね、1カ月間だけお世話になるお医者さんです。
ヨーコ:そういえば、私もね、子供の出産のときに結構大変だったから、生まれてすぐに新生児科のお医者さんにはすっごくお世話になりました。
マスター:ああ、そう。あそこにいる岩本さんはね、新生児の命を救うということで、いろんな国で活躍しています。

■ 新生児はとても弱い存在

ヨーコ:岩本さん、こんにちは。
岩本:こんにちは。

ヨーコ:新生児って本当にちっちゃくて、可愛いですよね。どうして岩本さんは新生児を専門とするようになったんですか?
岩本:はい。私は日本の国立病院で新生児集中治療室というところで、医者として働いていたんですけれども、ちょうど2000年、いまから15年前に、インドの首都のデリーの大きい小児病院で新生児ケアの仕事をしませんかというお話をいただいて、それでそのお仕事を始めたというのがきっかけです。
ヨーコ:そこから国際医療協力に入っていったということですね。
岩本:そうですね。

ヨーコ:新生児というのは非常に弱いんじゃないかなという気がするんですが、具体的にはどういった病気にかかりやすいんでしょうか?
岩本:そうですね、本当に弱い存在で、十分に注意しておかないとすぐに命を落としてしまいます。その原因は大きく分けて3つあるといわれていて、これは途上国といわれるところではだいたい共通しているようです。
1つは小さく生まれる赤ちゃんですね。それも2種類ありまして、体重が小さい赤ちゃん、2500グラムより小さいとちょっと注意がいるといわれているんですが、体重がちゃんと大きくなるのを見届ける必要があります。
もう1つは、お母さんのお腹の中に長くいられなかった赤ちゃんで、やはりそういう赤ちゃんも未熟性が強いといわれているので、特別な処置が必要になります。それからですね、赤ちゃんは母さんのお腹の中では胎盤からへその緒につながっている管といいますか、を通じてお母さんから酸素をもらってるんですけど、生まれてきておぎゃーと泣くと肺の中が開いて肺呼吸に変わるんですけれど、ある一定の割合でその切り替えがうまくいかないことがあります。これを仮死と呼んでるんですけど、その場合には呼吸をちょっと助けてあげるというケアが必要になってきます。
3つ目が感染で、とにかく清潔にするということが必要になっていきます。

ヨーコ:こういったことに対する対策というんでしょうか、そういったものは確立されているんですか?
岩本:そうですね。ケアする側も、いろいろなことを考えていて、これも3つ紹介させていただきたいと思うんですけど、とてもみんなシンプルなことなんですけれども、なかなか実際やるのは大変なものもあるんですが、1つ目はですね、あったかくしておくということです。
赤ちゃんは小さくてとても寒い状況に弱いので、必ずある一定以上の気温の中に置いてあげることが必要です。
2つ目はそのなかで栄養をちゃんと補給するということで、これもシンプルに余計なものは一切いらなくてお母さんのおっぱいを生まれてからすぐに吸ってもらって他のものはあげずにお母さんのおっぱいだけで生後半年ぐらいは過ごすということがベストだといわれています。
3番目はさっき言ったように、赤ちゃんになかなか感染から身を守る力がないので、これもシンプルに赤ちゃんに触るときは手を洗うという。触るたびに手を洗ってそれを繰り返すということが必要になってきます。