第31回「みんなでSDGs~そもそもSDGsとは?」テキストデータ版(2018.10.16放送) [放送内容テキストデータ]
2018/11/20(火) 17:30

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聴く第31回「みんなでSDGs~そもそもSDGsとは?」(2018年10月16日放送分)

<次回公開録音のお知らせ>
次回12月の放送は、カフェを飛び出して公開録音を行います!
SDGs時代の環境や社会について考える展示会イベント「日経エコプロ2018」(外部サイト)の中で、
12月7日(金)15時30分~16時10分 イベントステージで公開録音を開催します。
入場無料ですが、事前登録制です。詳しくは日経エコプロ特設サイトをご覧ください。

<プレゼントのお知らせ>
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応募方法などはこちらから→ http://www.radionikkei.jp/globalhealth-cafe/31sdgs.html


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター/医師)
藤沢:藤沢 久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表/常連客)

※ 番組では、みなさまからのご意見・ご感想を募集しております。
※ 番組宛メール送信フォームより、ぜひご意見をお寄せください。
※ お寄せいただいた内容は、番組内でご紹介させていただく場合がございます。



【そもそもSDGsとは?~マスターの深い悩み】

マスター:あ、藤沢さんいらっしゃい。
藤沢:こんにちは。
マスター:こんにちは。なんかね、今日ね、悩んじゃってね。
藤沢:なんか今日マスターコーヒー入れてくれなさそうな。
マスター:今日はとりあえず水で勘弁して。
藤沢:どうしたんですか。
マスター:ずっと疲れっていうか、ここでずっとSDGsの話してますよね。そもそも、なんでSDGsなの? そのことがなんか気になっちゃいまして。「みんなSDGsやろう」って言ってるわけですよね。じゃあSDGsってそもそもなんでやるんだろうと、そういうことを考えてると、うちもコーヒー屋さんなのでフェアトレードのコーヒー豆を買おうとか。それはSDGsって言われる前からやってるわけで。
藤沢:なんか今日マスター悩みが深いですよね。この番組ずっと「今年はSDGs」ってやってきて、「みんな、SDGs何かやってます?」って聞いてたところに、いきなり「そもそもなんでSDGsなの」ってものすごい最初の問いに戻っちゃったわけですね。
マスター:そうですね。

【きっかけはゴミ問題から】

藤沢:なんでそんなこと思うようになったんですか。
マスター:この間子どもがね、今小学生ですけれども、中学校の学園祭に行ったんですよね。そうしたら、ある学校に行ったら外国人の先生がいらっしゃって、そこの展示は基本的にはゴミなんです。なので、プラスチックボトルが壁にくっついていたり、キャップがくっついてたり、いろんなものがくっついていて、「これは実はそばにある海岸で拾ってきたものなんです」と。「太平洋のかなりど真ん中でゴミがたくさんあるんです」とその先生は言ってて、「そこの30%は日本からのゴミ。最終的には黒潮で流れてた」という話をしていたんですが、でも実際には我々は例えば分別ゴミとかやってるわけじゃないですか。考えてみれば別にSDGsって言われる前からやってますよね。じゃあ「SDGsってそもそも何?」みたいなね。
藤沢:ゴミの話とそもそもSDGsって話と、なんか2つのことがマスターの中でもやもやしていることがあるんだなというのは感じてきました。1つはそもそもなんで今私たちSDGs、SDGsって言ってるのっていう話と、もう1つはSDGsというのは分かるけど今までやってきたことだってSDGsだって言うんだったら、やっぱりなんでそもそも今新たにSDGsなのっていう2つ同じ次元ではないところで疑問を投げられた気がします。まずそもそもなんで今SDGsなのっていう話は今のゴミの話もそうですけれども、それってある意味公害ですよね。人が作った公害によってプラスチックゴミが海にいっぱい流れ出て魚が死んじゃう、鳥が死んじゃう、それは生態系が壊れていく。となると実は人間が食べるお魚も減るかもしれない。魚や鳥がいなくなるといろいろな海のばい菌とかウイルスとかそういうものを処理する生物もいなくなっていくということになると、もしかしたら海がもっと汚れちゃうかもしれないとか。それ、最終的には人間が生きていけなくなるかもしれないということですよね。
マスター:だからサスティナブルといっても、地球は表面に恐竜が生きてようが人間が生きてようがずっとそこにあるわけですよね。
藤沢:持続可能というのは実は「私たち人間がこのまま地球上に生きていけるんでしょうか」という持続です。これからもたぶん経済成長などのためにいろんな開発をやっていくんだろうけど、その開発いうのが人間が生き続けられるような開発なんでしょうかということを問い掛けられているんだと思うんですよね。だからペットボトルを作ることが人間の持続可能性にとっていいことなのか、それとも水筒でいいのかっていうことを実は私たちは問われている。
マスター:なるほどそうですよね。なんとなく便利あるいは安いあるいはなんとかみたいなある種の価値観ではそれがいいことみたいなことでしょうけれども、その価値感でずっと突っ走って来ちゃったからSDGsが必要な世界というかね。
藤沢:だと思うんです。よくよく考えてみたら先進国がやってたことでかなりいろいろな問題が起きてきているということが明らかになっていて、例えば資源が無くなって足りなくなっているとか、食料も足りなくなっちゃうとか。そういう石油を使ってプラスチックをいっぱい作っていたら鳥や魚や亀とかそういう生態系を壊すということが起きていたり、石油を燃やしていることによって温暖化というのが起きて地球のバランスも崩れてきて。最近の気候変動すごいですよね。そういうことが起きてきていて、人間が生きていける環境がだんだん壊れてきてるよね、だけどこれから先進国を目指す途上国は同じことをしようとしてしまうわけです。同じことをしてしまったら、もっと悪くなるじゃない、で本当に人間生きていけなくなるかもしれないよね。でも途上国の言い分としては「ずるい、自分たちだけ先に便利なことやっといておかしいよね」っていう話になる。人間がこのままじゃ生きていけなくなっちゃうから、みんなで一緒に生きていけるような新しい開発とか新しい成長というのを考えようよというのがSDGsということなんでしょうね。だから先進国は反省しないといけない。良かれと思ってやったけど、長い時間軸で見ると良くなかったよね、っていう。
マスター:そうですね。SDGsね、市町村かもしれないし会社かもしれないし、学校でもいろいろなところが取り組まなきゃと思っていると思うんですけれども、そうは言ったって今までやってきてることありますよね。保健でいうと例えば母子保健、母と子のね。実はそれをやっていると例えばお母さんが出産の時とか亡くなるのを減らしましょうみたいな話のときに、保健という切り口でやるんだけれど。それに言い方変ですけれども、17のゴールのハンコのうち、保健の切り口の3番にペタッと押して、これジェンダー、女性にも関係あるから5番に押してとか、あるいはこれ教育にも関係あるから教育のハンコも押してみたいなね。それで自分たちSDGsやってるよねっていう考え方もあるわけですよね。それだったら2015年に国連がみんな一緒になってSDGsやるぞと、だから今までやってることにハンコ押してということじゃないと思うんですよ。じゃあ今までやってたことと、SDGsをやるぞとみんなが言い出してやる話と何が違うのかということでしょうね。

【新しい5つの軸から再検討することでステップアップする】

藤沢:本当に深い悩みですね。今ここで「ここまで原点に戻るのか、マスター」みたいな衝撃を。

マスター:「あんた一体どれだけこの番組やってるんだ」っていうことですよね。
藤沢:でもすごくいいポイントで、私、なんでもそうだと思うんですけれども、1回「そもそもなんなんだっけ」とか「なんでやってるんだっけ」とか「やってること意味あるんだろうか」というのを考えることってすごく大事な気がするんですよね。毎朝歯磨きするじゃないですか。寝る前もするけど。なんで毎日歯磨きしてるんだっけとかって考えると歯の磨き方もう一回見直そうとか、歯磨き変えたほうがいいのかなとか、電動歯ブラシのほうがいいとか。いろいろ考えるのでそもそも論を考えるってすごく大事な気がしますよね。そういう意味でSDGsそもそも論に戻ってみたときに、SDGsって実は17のテーマに加えてもう1個すごく大切な柱というのがあるんですよ。それが5つあって、SDGsの取り組みに普遍性がありますか、地球上の国全部が行動できますかというのが1つ目。2つ目が包摂性といって人間の安全保障の理念を反映して誰一人取り残さない、地球上の貧しい人も貧しくない人も含めて全員が取り残されないものですか。参画性が3つ目で、すべてのステークホルダー、だからNGOだけがやるんじゃなくてビジネスの人も政治家も役人も学校の先生もみんなが役割を持てるものですか。4つ目が統合性で、社会と経済と環境全部に統合的に取り組んでいますかということ。最後の5番目が透明性で、誰から見てもやってることがフェアに行われているかということが評価できるようになってますか、という5つの柱があるんですね。そうすると母子保健というのは確かに17のテーマだと5番などにスタンプを押せるけれど、じゃあ今の5つの柱から見たときに足りないところはないですかという話になると思うんです。例えば統合性とかという観点から見たら母子保健というのは社会と経済と環境って考えると、もしかしたら経済にとってはマイナスかもしれない。その母子保健を作るときの財源というのが実は税金だったらどんどん負担が増えて、もしかしたら国の経済の足を引っ張る要因になるかもしれない。とするならばそこは税金じゃない形で母子保健を作る方法ってありませんかというふうに、今までやってきたこともいいことなんだけどそれをさらにバージョンアップする新しい5つの軸で見直して、それこそ持続可能なもの、母子保健にお金を税金を使うと高齢者に使えなくなるとかいろいろなことが起きてくるときにどういうふうに財源を考えますかとか。もしかしたら企業とかを入れたほうがいいかもしれないとかというふうに考えてみるとか。SDGsってそういう新しい視点を入れて、今までやってきたことをバージョンアップしてみましょうということでもあるのかなという気がしますね。
マスター:今の母子保健についていうと、例えば経済という見方で見ると、それは経済的な損失で見えてしまうかもしれないけれども、社会に子どもの笑い声は増えるかもしれない。家族の人が寄り添って道を歩いている、それを見るだけでお年寄りの人が気持ちが和むとか、お年寄りだけじゃないんでしょうけれども。別の見方によって、別の意味というか別のハイライトがされるのかなとちょっと今お聴きしながら思いました。
藤沢:まさに今みたいな話をしましょうということだと思うんですよ。だって実は母子保健をきちんとやれば、母子ともに健康になる。ということはお父さんの立場からするととてもうれしいことで、この2人を養うために頑張って働こうって思ったらそれは経済にはプラスになる。今日のそもそも論じゃないですけれども母子保健ってあったけれども、どんな役に立っていたんだろうというのをこの5つの柱でもう1回見直してみたりすると、実は経済にもこんなプラスがあるし、でもこんなマイナスもあるし、社会にもこんなプラスがあるけれどもこんなマイナスもあるけれども、じゃあこれ全部をプラスにする方法ってないのかなとか、今までやってきたことがただSDGsのハンコを押されるだけだとなんか物足りないというか。
マスター:そうそう。なんかね。それでも言えちゃうのみたいな。言おうと思えば言えるよねみたいなところがあるじゃないですか。なるほど。
藤沢:それはSDGsの最初の一歩で、次は階段を上るためにこの5つの軸で階段上がってみませんかということを。
マスター:参考になりました。今日はコーヒーもタダで出しちゃいます。
藤沢:うれしい、ありがとうございます。
マスター:遅まきながらコーヒーをどうぞ。
藤沢:スペシャルブレンドで。
マスター:そうそう。
藤沢:今までこの番組で「SDGsなんかやってますか」っていう最初の階段の一歩は、皆さんからいただいていました。そもそものところで、例えばマミママさん、京都府の40代女性ですが、「SDGs、この番組聴くまで知りませんでした。番組を聴いて知れてよかったです」というのをいただいていて、これは本当に階段を上る直前のお話だったり。あともうおひと方は「SDGs、もっとみんなに分かってもらう」ためにわかりやすい言葉としてSDGsの略称を考えてくださいました。ケンタさん、茨城県・20代男性です。「SDGsは"すべてでグッド"の略だったらどうですか」みたいな。こういう意味でまずSDGsを知ってもらうというのが階段を上る寸前で、今までゴミの分別やってますとかいろいろいただいていたのは階段を一段上って、SDGsの階段上り始めたところで、今日のマスターはもう一段次の階段があることを気付かせてくださいましたね。
マスター:「よくあんたこれまでしゃべってきたよね」って感じですよね。
藤沢:すごい大事なことだと思います。今、世の中は技術が進歩してるところなので、デジタル革命が起きている時って、1回原点に戻らないと新しいデジタルという道具の使い方を間違えちゃうという可能性があるんですよね。例えばロボットが生まれてきます、人工知能が生まれてきますという時に、じゃあどんどん使っちゃえとやった時に今世界で言われているのはどんどん人工知能に仕事をやってもらうようになったら仕事なくなるじゃないですか。給料もらえなくなったらどうやって生きていくんですか、というふうなことになって、「あ、どうしよう」みたいな。
マスター:そうですね。
藤沢:だから道具が新しくなってきたときってそもそも人間てなんで生きてるんだっけとか、人間にとって幸せって何だろうって考えてたらけっこう働くの楽しいねとか、もっと助け合う方法あるんだっけ、昔ってどうやって助け合ってたんだっけて考えると、道具の使い方をただ楽ちんなほうに使うんじゃなくてもっと幸せのために使おうとか。今人間は岐路に立ってると思いますよ。なので、このそもそも論を考えるという今日のマスターのもやもやからの問いはものすごい今私たちに必要なこと。
マスター:そう言っていただけると悩んでる意味が出てきます。

【公開収録で皆さんとSDGsのことをもっと考えましょう】

藤沢:この辺でマスターのもやもやも少し解けてきたので、実は2人で話してるだけじゃなくてもっとみんなで考えようというのを企画されたそうなんです。来る12月、東京で行われる「日経エコプロ」というイベントがあるんですが、なんとなんとこの「日経エコプロ」の中で「グローバルヘルス・カフェ」が公開収録されるんです。
マスター:公開収録されますか、ちょっとドキドキですね。
藤沢:とうとう私達生で......。
マスター:藤沢さん慣れてると思うんですよ。
藤沢:これからダイエットします。日時は12月7日金曜日・夕方3時30分から東京ビッグサイトで公開収録を行いますので皆さんぜひお越しいただきたいんです。
マスター:なんかこう郷ひろみみたいな感じですね、これ。全然違うか。
藤沢:ということはマスターが郷ひろみみたいな格好で出てくる。
マスター:出てこない。
藤沢:どんな話を皆さんとしたらいいのかというのも、ぜひ皆さんメールで送っていただけると。
マスター:こんな話聞きたいとか。
藤沢:ぜひ2人だけの対話じゃなくてリスナーの皆さんも番組に出ていただけるようにそんな公開収録にしたいと。SDGs一緒に考えてくださる方、ぜひお越しください。
マスター:お越しください。お待ちしてます。