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グローバルヘルス・カフェ

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聴く第28回「みんなでSDGs」(2018年4月17日放送分)


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター)
藤沢:藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表/常連客)

※ 番組では、みなさまからのご意見・ご感想を募集しております。
※ 番組宛メール送信フォームより、ぜひご意見をお寄せください。
※ お寄せいただいた内容は、番組内でご紹介させていただく場合がございます。


【はじめに】
マスター:藤沢さん、いらっしゃいませ。今日は何にしますか?
藤沢:桜もきれいなので、桜茶。ありますか?
マスター:かなり難しいご注文ですが、はい。ありますよ。
前回は1月でしたからだいぶ久しぶりですね。寒いときもありましたが、いかがお過ごしでしたか?
藤沢:相変わらず全国行脚をしておりました。地方の仕事が多くて、いろんな地方のプロジェクトをお手伝いしに行くので、毎日新幹線か飛行機に乗ってという感じでしたね。
マスター:藤沢さんの助言を得たいという人はたくさんいるような気がしますね。


【動き出した難民健康手帳】


藤沢
:マスターは相変わらず世界を飛び回っていらっしゃった?
マスター:1月2月は忙しくて、例えばタイとかベトナム、ヨルダンにも行ってきました。
藤沢:ヨルダンではなにを?
マスター:実は前に藤沢さんに宿題をいただいた、というか毎回いただくんですが、最初の宿題のことをずっと覚えていていまして。
難民健康手帳というのを考えつき、あのとき藤沢さんにちょっとお聞きしたら、面白いんじゃないですか?とおっしゃっていたのが一点。
それともう一点。起業・アントレプレナーシップの人と、アイデアはあるんだけど何にも進まない人と、一体何が違うんですか?ってうかがったんですよね。
藤沢さんは言下に「それは、やるかやらないかです」っておっしゃられて、ばっさり切られた気がしたんです。

難民健康手帳については、自分の中でアイデアとして思いついて、会議でも言ったんです。
会議に出ていた人は、面白いと話していた。
だけど私としては、誰かやったらいいんじゃない?って思っていたんですね。
そんなときに藤沢さんからの言葉を聞いて、これって自分でやらなきゃダメなんだ!ってね。
それで、そもそも難民手帳って、実際に難民のお仕事をしていらっしゃる方はどう思うんだろうと考えて、聞きにいったんですよね。
藤沢:おおすごい!動き出しましたね。

マスター
:それで日本の、UNHCR・難民高等弁務官事務所に行ってお話してみたら、面白いかも知れないということでした。
今度はまた別のミャンマー難民のやっている方にお聴きしたら、それはいけるかもしれないと。
ただ、健康だけじゃなくて、教育などの項目も一緒に加えれば役に立つんじゃないかという話が出たんです。

要するに難民は国を離れたときに、自分が糖尿病などの病気だとしても、どういう治療を受けていたのかよくわからない。
あるいは何の予防接種やったかわからない。
そしてその他にも、小学校を卒業したということが証明できずに中学校に入れない。
職歴でも、「医者だったんです」って言っても証明がないわけですよね。
そういうことがあるので、教育の学歴とか、免許とか、仕事の経歴だとか、そういうことを一緒に加えれば、国を移ったときに役に立つのではということです。
藤沢:確かに。

【日本の母子手帳のシステムを応用】

マスター:日本には母子手帳がありますよね。
この母子手帳を持っているのはお母さんです。
お母さんは自分と子どもの記録を持っているわけで、住むところが変わっても、それを持っていけば子どものことがわかる。
このシステムそのものが難民の方にとって使えるんじゃないかなと。
難民が国をまたいだときに、自分の記録を自分が持って歩いて、次のところに行っても使える。
藤沢:で、いよいよここにつながるわけですね。
ここに母子手帳も親子健康手帳もあるし、横文字のもありますよ。
マスター:これはあの、試作品ですよね。
藤沢:Refugee Health Handbookって書いてある。「難民健康手帳」、いよいよなんですね!
マスター:まだプロトタイプです。
ただ、藤沢さんのお言葉が非常に強く、ガツンとやられた気がしたんです。

【動いてみると課題も見えてくる】

藤沢:でも、動いてみるといろんなアイデアが出てくるでしょう?
マスター:それもありますね。ただ前途としてアイデアだけで始めるけど、難しさも見えてくるじゃないですか。
会うと「いいんじゃない?」って言ってくれる。「でもこれ、こういうところが難しいよね」と、いろいろご意見をいただきますよね。
それってどうやってやるんだろうと考える。
会社を始められるときもそうなのかなって。
藤沢:そうなんです。でも、ちょっとずつ始めればいいんです。
プロトタイプはまさに全部紙なんですけど、これがこれからデジタル化すると思う。
これ、すごい分厚い手帳ですよね。
でもアプリになっていれば、最初からこんなにたくさん入れなくても、まずは名前と出身地、家族、出身校から始めて、アプリの更新で新しい項目を後から追加していけばいい。
まずは簡単なところから始めてみるっていうね。
さっきマスターが、アイデアを言ってみたら面白いって言われ、また別のところで言ってみたら健康だけじゃなくてこんなのもあったらいいねって言われ、とおっしゃっていたじゃないですか。
なので、とにかく動いてみる。
始めてみると次のニーズが見えてくるし、課題が出てくる。
「こんな課題がある」と言うと、「だったらこうしたほうがいいんじゃない」っていろんな人が教えてくれて巻き込まれてくる。
だからこそ、とにかく動いてみることですよね。

【SDGsを身近にわかりやすく】

藤沢:そしてこの動いてみるっていうお話で、前回マスターと盛り上がったのが「SDGs」。
マスター:そうですね。SDGsの標語みたいなかたちで、leave no one behindといって、誰一人取り残さない。国の枠を超えてね。
実際に先ほどお話したみたいに健康だけじゃないんですね。
教育も関係あるし、平和、差別とか、雇用のお話もあるしっていう。これらについて考えると、SDGsの17の要素が見えてくるんじゃないでしょうか。
藤沢:持続可能な開発目標というのがSDGsです。前回聞いてくださった方は覚えてくださっているかもしれないけれど、あらためて17の目標についてご紹介します。

貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、成長雇用、イノベーション、不平等、都市、生産・消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、実施手段。

前回このカフェでみなさんに、「持続可能な開発目標」とか「SDGs」っていう言葉が難しいから、みんながわかる言葉に変えましょうよって呼びかけたんですね。
その後リスナーのみなさんから、アイデアあります!ってたくさんのメールをいただきました。
マスター:本当ですね。
藤沢:ちょっと紹介していいですか?
一つ目はね、ユウタさん。30代男性、公務員の方。
「(S)全ての人が (D)大好きになる (G)ゴール」。
マスター:なるほど。
藤沢:それからね、ポンちゃんさん。女性です。
SDGsをわかりやすく言い換えるとしたら、「一歩前進」。わかりやすいですね。
不老川さん、60代男性です。
「わかりやすく言い換えるとしたら、全人類型循環型社会の実現のために」。
マスター:これ、わかりやすくなっているんですかねぇ。
藤沢:非常に、高尚になっております。
マスター:そうですね!!
藤沢:森田さん。30代男性。
「少しずつ前へ、健康で元気に」。
SDGsなのかなと思ったんだけど、「す」こしずつのSと、健康「で」のDと、「げ」んきにのGかなと。
マスター:なるほどそうですね。
藤沢:栗三昧さん。50代女性。面白いこれ。
「(S)さぁ、(D)団体戦で (G)がんばろう!」
マスター:これもSDGsですね。すばらしいですね。
藤沢:究極はですね、桑子さん、40代男性。
「すごいことはせず、だんだんと、少しずつ前へ」。
「す」ごいことはせずのSと、「だ」んだんとのDと、少しずつ前への「ずつ」がDsなのかなと思って。この桑子さんが一番SDGsを全部入れた。優勝かな?
マスター:優勝ですか!
藤沢:いっぱい出てきますよね。

【一人ひとりにできること】

マスター:本当ですね。みんなで考えるといろいろ良いアイデアが出そうですね。
藤沢:そうなんですよ。SDGsを難しく考えるんじゃなくって、みんなで世界が持続可能、人類が持続可能になるために、一人ひとり何ができるかっていう話をしたじゃないですか。
それもね、みなさん応募してくださっています。
さっきのユウタさんはね、「1日ひとつ、誰かの役に立てることをTwitterでツイートする」。
マスター:いいですね。
藤沢:いいですよね。ユウタさん、TwitterのID教えてください。フォローしますよ。
マスター:すばらしい。
藤沢:あとねぇ、不老川さんすごいですよ。「埼玉県川越市環境審議会委員として環境行政に関わりはじめた」。
マスター:おお。これはまたすごい。みんなちょっとずつやり始めている感じ?
藤沢:あとね、ラジオネームがとってもむずかしい。ピロニキバンバンさん。20代学生さんは、これもすばらしいな。「毎日学校へ行くまでのゴミ拾いをする」。
マスター:これも大事ですね。
藤沢:17のテーマのどれかに当てはまるっていうか複数ですよね。水・衛生にも関わるし、都市っていうテーマにも関わるし。
あとね、ポンちゃんさんはね、「毎日ジョギングや筋トレをして老化に対抗しています」。これもいいですよね。
マスター:大事ですね。私も必要です、これ。
藤沢:これはSDGsの保健・全ての人に健康と福祉をっていうところで、まず自分が健康になるということ。
マスター:個人個人で少しでも前にいけるアイデアがありますね。
藤沢:ありますね。だから今年のグローバルヘルス・カフェ、「みんなでSDGs」ってどうです?
マスター:それいいですね!みんな、これだったら私もできそうみたいなのが出てきて、実際にさっきの難民手帳じゃないけど、私これ始めました、とか、そういうアイデアが次々に集まってくると面白いですよね。
藤沢:面白いと思います。
私、ポンちゃんさんの、毎日筋トレっていうのは、私もやります!
最近太ってきちゃったし、まず自分の健康のために。
私たちもできるようなアイデアをこうして出してもらえると嬉しいですよね。
マスター:そうですよね。ぜひみなさんに番組のほうで「私こんなの始めました」というのを送っていただけるといいですね。
藤沢:17のゴール・目標なんだけれども、こういうゴールもあっていいんじゃない?っていう新しいゴールもね。
マスター:17はかなり網羅しているとは思うんですが、17の中でどれかなっていうよりも、これいいんだけど始めました、でも何番かわからないとしたらね、別に18番目を作ればいいってことですよね。
藤沢:なーんかマスター、だんだん起業家っぽくなってきました。
なきゃ作ろうっていう。とっても嬉しいです。
このカフェではマスターが起業家になり、みんなも起業家になる。
マスター:これはやっぱりメンターである藤沢さんがいらっしゃるから。
藤沢:このカフェに来るたびにマスターがどんどん変わっていかれるのも嬉しいんですけれど。

【150周年を迎える国立国際医療研究センター】

そういえばマスター、何かアニバーサリーがあったそうで。
マスター:そうですね、私のじゃなくて、実はこの番組を提供している国立国際医療研究センター・NCGMが、150周年記念なんですよね。
藤沢:すごい、150周年。1世紀以上ですか。
マスター:そうですね、1868年の明治維新のときに山下門内仮病院という病院が、ちょうど帝国ホテルとか、日比谷公園のあたりにあったらしく、そこが起源だと言われています。
12月3日に150周年の記念式典をやることになりました。
森鴎外さんも一時、ちょうどドイツにいらっしゃる前に研修などで勤務していたんです。
藤沢:12月3日に150周年の記念式典があるということですが、その記念式典でみんなのSDGsのアイデアのアワード、表彰式とかどうですか?
マスター:そうですね。記念式典でそれができるかどうかわかりませんが、おっしゃるようにみんなが持ち寄る機会を作るのはいいですね。
「私こんなことやってる」というのを話しているうちに、一緒にできるかもね、という話になるかも知れないですし。
藤沢:そうですよ。さっき「さぁ、団体戦でがんばろう」って言ってたじゃないですか。
一人でこんなの始めましたと発表したら、じゃあわたしも!って共感が生まれて、さっきの筋トレみたいに「私もやります」ということが生まれるかも知れません。
マスター:ゴミ拾いも「一緒にやるよ」といったようにね。
藤沢:団体戦になっていく。
アワードを出す予行練習として、この番組に「こんなことやっています」っていうメールと、やっている写真があったら送ってください。ぜひ番組サイトで紹介したいですね。
マスター:それいいかも。
藤沢:仲間募集なんかがあれば。
マスター:楽しくなりそうですね。
藤沢:ということでなんか楽しみな新年度が始まりましたので、みなさまよろしくお願いいたします。
マスター:よろしくお願いします。

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