第20回「人材活用と人材育成」テキストデータ版(2016.10.18放送) [放送内容テキストデータ]
2016/12/14(水) 10:55 番組スタッフ

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聴く第20回「人材活用と人材育成」(2016年10月18日放送分)


<出演>
マスター:明石 秀親(国立国際医療研究センター)
藤沢:藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表/常連客)

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■ 日本のベテランビジネスマンが国際協力に貢献できる

マスター
:いらっしゃいませ、今日はカフェオレですね。
藤沢:こんにちは。また遊びに来てしまいました。
マスター:ああ、藤沢さん。この間はどうもありがとうございました。
藤沢:いえ、こちらこそ。すごいこの間楽しくて、またお話したくて来ちゃったんですけれども。
マスター:ありがとうございます。こちらも非常に楽しかったです。
藤沢:ありがとうございます。あと私、マスターのコーヒーがすごい美味しくて、今日もまたこの間と同じムパンガナチュラルをぜひドリップしていただきたくて。
マスター:グルンジのね、すごい美味しいという、お好きなコーヒーですね。
藤沢:はい。
マスター:じゃあそれにしましょう。
藤沢:ありがとうございます。

マスター:前回ね、藤沢さんがお帰りになる間際にお話されてた内容がとっても興味深かったんです。

藤沢
:はい。ベテランの商社マンとかグローバルで活躍していらっしゃった方が、もしかしたら国際医療協力とかに役立てるんじゃないかというあの話?

マスター
:そうですね。自分の経験を生かして、しかもみんなの役に立つという仕事だったら、やりがいもありそうですよね。

藤沢
:そうですね。最近、商社だけじゃないんですけれども、いろんな企業が、だんだん日本、高齢化しているなかで、やはり50歳台以上の方の割合がすごい増えているらしいんですね。さらに役職定年というのがあって、早いところだと45歳とか。ふつうでも50歳くらいになるともう役職定年ということで、それ以上あまり出世はしないというか、そういう方も増えていて、企業もそういう50歳を超えた方々にどういう活躍をしてもらおうかって悩んでいらっしゃって。
一方で働いている人も出世もしないでどうしようかなと思ってらっしゃるんだったら、その方がずっと磨いてこられたいろんなネットワークとかノウハウとか経験を生かして、たとえば商社マンなら海外で活躍されてたからそういう方が海外で国際医療の世界に一緒に踏み出してみるなんてあるかなあなんて。

マスター:特にそうしたらあれですよね、若い方と一緒にという感じですかね。

藤沢
:そうですね。それもひとつあるなあと思っていて、最近の若い方って、ただお金稼ぐためにとか、家が欲しいから、車が欲しいから、なんか給料たくさん欲しいという人はそんな多くない気がして。どっちかというと、役に立つ仕事をしたい、人に喜ばれる仕事をしたいとか、なんで働くのかというのをすごく考える人が増えている気がして......

マスター
:なるほど。

藤沢
:実はそういうことをしっかりと持ってらっしゃる方というのは、意外に社会における年配の方の気がするんですよ。

マスター
:なるほどね。

藤沢
:で、そういう人たちがペアを組んで、たとえば新しいお仕事にチャレンジすると、お互いに学びあえるじゃないかな、と。

マスター
:我々も開発途上国といわれる所に行ってるとですね、若い人たちを育てるということは、やはりその国の未来をつくることなんだなっていうのをすごく感じてですね、そういう意味でも日本はベテランの方たちがいろいろノウハウを身に付けてきた。そういう人たちがそのままリタイアしてそれで終わりって、それでじゃあ若い人たちにそれが引き継がれないのかっていうのは非常に何かもったいない気がするんですよね。

藤沢
:これ日本もそうだし途上国もそうかなと思うんですけども、まず日本のことを考えると、日本は世界的にも教育をしっかりとやっている国で、今のご年配の方々も他の国の同じ年の人に比べたら基礎教育をしっかり受けて更に高等教育を受けた人たちなので、そういう方がたとえば途上国に行かれて、途上国の若者たちに何かを教えて差し上げることができたら、それはすごく一つのその国の人育てということにもなると思うし、翻って日本の若者って観点で見ると、日本の若者たちはとても忙しい日々を送っているなかで、やっぱり働くことの意味とかそういうことをしっかり教えてもらえないで社会人になっちゃうってこともあるので、今度はちょっとゆとりを持った先輩方がそういうことを教えてくださったり。同時に日本の若者が面白いなともう一つ思うのは、日本って世界で一番初めに、すべての人というと言い過ぎなんですけれど、日本の隅々にインターネットが普及した国なんです。

マスター
:そうなんですか。

藤沢
:そう。そうするとデジタルネイティブといわれるんですけれど、子どもの頃からインターネットに接していて、そういうセンスって先輩方ないんですよ。そういうセンスを持った若者、つまり未来の社会の価値観を持った若者と、古き良き知識を持った先輩が一緒に途上国に行って何かをするというのはすごく面白いし、お互いなんか三者とも人育てになるというか、そんな気がするんですよね。

■ 目的地は示すが、道の選択は任せる

藤沢:ちなみにこの国立国際医療研究センターさんがそういうポストコンフリクトの国で、そういうこと取り組んでいく時の人、どうやって育てていらっしゃるのですか。

マスター:そうですね。現場に、まあ経験者として最初に行くっていうのもありますし、あとやっぱり現場で何ていうかな学んでいくっていう部分がやっぱり強いですよね。ただ、やっぱりほったらかすっていうよりは、そこにこうなんていうかな、いつもフィードバックできるようにするとかですね、私もアメリカに留学した時に、オランダ人の友達に言われたんですけれど、泳ぎを覚えたかったらまず海に入んなきゃなという。

藤沢:まさに。畳の上でいくら泳いでみたってね。

マスター:そうそう。会社経営もそうでしょ、たぶん。いろいろ本とか読んでも、知識としてはそうなのかといっても、でもその時その時でその判断を求められるじゃないですか。特に社長さんとかだとね。我々もリーダーで行った時にいちいち聞いてられないというか、その場その場で判断しなければいけないということがあって、時に間違うかもしれないけれど、そのことで結局育っていくのかな、と個人的にはするんですけれど。

藤沢:そこで、たとえばたぶんその場その場で考えて動いていかなければいけない時に、私、分かれ道があるような気がするんですよ。大切なのって何のためにやってるかってところで、国づくり、この国のためにやるためにはAという方法とるのか、Bという方法とるのかという時に、国づくりのこと忘れて、自分が楽だったり評価されそうだとか早くできるとかっていうことで選んじゃうと、たぶんその国のためにならない方法を押し付けちゃう可能性がある気がするんですよ。そういうのって、どうなっているか、皆さんどうしてらっしゃるんだろうって。

マスター:我々が支援する時って、このやり方をやりなさいとは言わないですよね。たとえば日本のやり方はこうですということは言えるんだけど、この国でこれをやらなければならんていうふうには言わないわけですよね。そうしないと自分たちで考える力っていうかそれがつかないというか。これは私の個人的な感覚なんですが、方向さえ合っていれば多少ウネウネしていってもいいんじゃないかと。要するにそこになんていうんですか、たとえば国づくりのためにどっちの方向に行ったほうがいいんじゃないか、というのは言えるんだけど、国づくりのためにこの細い道でなければならんとは必ずしも言えなくて。

藤沢:企業の経営でもビジョナリー経営とかっていって、現場の人たちにあれしろこれしろじゃなくて、我々が目指す北極星はあっちですと言って、その方向に目指してるんだったらやり方は自由でいいですよという、特に今の時代って、すごいスピードがある時代で変化も激しいので、昔のやり方をやってたらスピードに乗り遅れたりとか、いろんな人のニーズに合わなくなっちゃうので、上から下にあれやこれやっていうのではなくて、方向だけ示してやることは現場に任せるっていう、そういう経営者がとても経営をうまくやっているっていう傾向があるんですけど、今の話だとそんな感じがして、目指す方向はあっちですよと。道はこの道じゃなくてもあっちの道でもいいですよ。その、あっちですよという時に、国づくりですよっていうふうに言うんですか、それとももうちょっと具体的なんですか。

マスター:具体的に言う時もありますね。時に火を使うというかですね、たとえば私がある国である病院を強化しましたと、その人たちにたとえば私はろうそくをわざわざ買ってきてですね、今ここにこのろうそくに火をともしましたと。これはあなたたちだと。このあなたたちのろうそくの火を、他の所のろうそくにつけていくのはあなたたちなんじゃないかというような比喩。

藤沢:すてきですね。

マスター:すてきってほどじゃないんですけれど。何とか心に訴えたいというか、あれ、自分たちでやんなきゃだめなんだとか、自分たちが変わらなきゃなとか、自分たちってそういう役割を託されたんだとか。わからないですけれど。さっきのもしかすると、その何のためにという、何かの使命を提示するというかですね、そういうやり方を使ったり、まあ人それぞれなんでしょうけど。

藤沢:すてきです。ありがとうございます。

マスター:ありがとうございます。

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