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11月3日に放送した、開局60周年記念特別番組「この一瞬を未来へ!つなぐラジオ伝説」の生放送中、リスナーからの意見をメールやTwitterで受け付けました。その中には、かつてのNSB日本短波放送、ラジオたんぱ時代の懐かしい番組の思い出を寄せて下さる方も多数いらっしゃいました。
放送でもたっぷり取り上げた、平日夕方の若者向けワイド番組(ヤロメロシリーズ、はしゃ○など)のエピソードが寄せられた一方、Twitter上では「あの話解禁しろ」「待望論」などの書き込みがありました。あの話とは、待望論とは......そう、1982年に放送を開始した深夜番組「セクシー・オールナイト」(毎週土曜日放送)です。
10年前の2004年、開局50周年の時に「ラジオがくれた贈り物」という関係者向け書籍が発行されました。この書籍には巻末に、開局以来の年表が掲載されているのですが、例えば「1974.4.1 BCL番組『ハロージーガム』放送開始」という具合に、番組開始年月日が、淡々と書かれているのですが、この「セクシー・オールナイト」に関しては『1982.10.2 『セクシーオールナイト』放送開始、話題沸騰』と、その当時の人気ぶりが窺える一言が添えられていたのです。
1980年「ニュース・オールナイト」で、深夜番組に本格参入したたんぱが、週末の深夜に投入した番組は、報道とは真逆の〝お色気もの〟でした。内容は特番でも話が出ましたが、それはそれは今となっては放送不可能な内容ばかりです。
しかし、そうも言ってはいられないと覚悟を決め、いざ、番組パーソナリティーのオーディションとなったわけだが、これがまた、新劇女優あり、モデルあり、一流商社のOLあり、デパートガールありといった具合に多彩な顔ぶれ。中には「私はおしゃべりは自信はないが、脱げば絶対自信ある」という日活ポルノ女優志願の女性も応募してくる始末...。何とも不思議なオーディション風景とは相成った。
はたまたゲストの日活ポルノ女優を迎えてのスタジオ録音も、尋常ならぬセクシーな空気が漂い「聴取者にお見せできないのが何とも残念である」とは、ディレクター氏の弁。
ともかく、なんとか10月スタートの放送にこぎつけたものの、問題はこれからの盛り上げ。放送コードを気にしながらも話題を如何に呼び込むかスタッフ一同躍起になっている。」
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こうした、いわば「攻め」の番組に反応したのは、主に活字のメディア。有名週刊誌は見開き2頁で「セクシー・オールナイト」を特集。そこには胸を露わにしたにっかつロマンポルノ出演女優の写真も掲載され、その「激しすぎる深夜放送」の内容を事細かに紹介。先日の開局特番でも「この記事、放送ではまったく読めません!」と叫ぶほどのものでした。開局以来30年近く、株式、競馬、医療などの番組を伝えてきたNSB、ラジオたんぱが、突如としてお色気番組に参入したものだから、話題にならないわけがありません。
しかし、番組を作るには理由があります。家庭用のビデオデッキも、コンピュータもそうでした。ハード(機器)を売るためにはコンテンツの充実がないと、消費者は買う意味がありません。この「セクシー・オールナイト」には、あるオーディオメーカーの、短波放送が受信できるカーラジオの普及という目的があったとのこと。とはいえ、それまでの「たんぱ3本柱」とは真逆の番組。真面目な、勉強一本で頑張ってきた学生が、突如として夜遊びを覚えてしまったような、そんな印象を、リスナーや放送業界に与えてしまったのかもしれません。
放送は1年半で終了。しかしその後も、そしてラジオNIKKEIに愛称を変更した今もなお、社員は「セクシーオールナイト聞いてました」と、こっそり言われることがあるとか。2010年12月、radikoの配信が関東・関西でスタートした際、他局のラジオ番組で「思い出のラジオ番組」をテーマにリスナーからメールを募集したところ「ラジオたんぱのセクシーオールナイトがすごかった!」というものが寄せられたほど。80年代前半、深夜ラジオに耳を傾けていた世代には、30年を経た今もなお、強烈な印象を残しているのかもしれません。
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